売上高

利益

資産

キャッシュフロー

配当

ROE 自己資本利益率

EPS BPS

バランスシート

損益計算書

労働生産性

ROA 総資産利益率

総資本回転率

棚卸資産回転率


最終更新:

E04914 Japan GAAP

売上高

451.2億 円

前期

410.3億 円

前期比

110.0%

時価総額

226.7億 円

株価

2,180 (07/16)

発行済株式数

10,397,100

EPS(実績)

24.26 円

PER(実績)

89.86 倍

平均給与

508.4万 円

前期

519.5万 円

前期比

97.9%

平均年齢(勤続年数)

39.6歳(7.0年)

従業員数

964人(連結:1,403人)

株価

by 株価チャート「ストチャ」

3【事業の内容】

 当社グループは全28社、当社(株式会社ラックランド)と連結子会社27社(株式会社ケークリエイト、LUCKLAND ASIA PTE. LTD.、ニイクラ電工株式会社、LUCKLAND(CAMBODIA) Co.Ltd.、LUCKLAND MALAYSIA SDN.BHD.、光電機産業株式会社、LUCKLAND(THAILAND) CO.,LTD.、LUCKLAND VIET NAM CO.,LTD.、PT.LUCKLAND CONSTRUCTION INDONESIA、マッハ機器株式会社、エースセンター株式会社、株式会社木戸設備工業、協和電設株式会社、静清装備株式会社、光立興業株式会社、台灣樂地建築室内裝修股份有限公司、大阪エアコン株式会社、オーエイテクノ株式会社、日本ピー・アイ株式会社、墨東建材工業株式会社、VIET BOKUTO CO.,LTD、BK METAL CO.,LTD、株式会社環境装備エヌ・エス・イー、株式会社ハイブリッドラボ、他3社)によって構成されており、商業施設や小売・飲食店舗、物流施設、食品工場、ホテル等ありとあらゆる商空間の理想的な環境づくりを目的としたリサーチ、企画開発、デザイン、設計、施工、監理、メンテナンスサービスを主な事業内容としております。

 当社の国内子会社である株式会社ケークリエイトは、主に商業施設・店舗等の企画開発、設計、内装監理、並びに建築に関する企画、デザイン、設計、設計監理、コンサルティングを行っております。ニイクラ電工株式会社は、各種施設における電気設備工事、並びに中古機器(キュービクル等)の販売を行っております。光電機産業株式会社は、各種施設の電気設備工事、計装工事を行っております。マッハ機器株式会社は、フライヤーや厨房機器の開発、企画、製造並びに施工、販売を行っております。エースセンター株式会社は、商業施設・オフィスビルにおいて設備保守、清掃等のビルメンテナンスを行っております。株式会社木戸設備工業は、各種施設において給排水設備工事を行っております。協和電設株式会社は、各種施設において消防施設工事、メンテナンス工事を行っております。静清装備株式会社は、商業店舗や一般住宅向けに木工を中心とした内装仕上げ工事、建具工事の設計施工・請負及び特注家具の企画・提案、製作、販売を行っております。光立興業株式会社は、商業店舗・各種施設において業務用ガス空調機器(ガスヒートポンプ)の設置工事、保守メンテナンスを行っております。大阪エアコン株式会社は、商業店舗・各種施設において給排水衛生設備や空調設備の設計、施工、システム開発、保守管理を行っております。オーエイテクノ株式会社は、各種施設においてエアコンをはじめとする空調設備工事、給排水設備工事、並びに修理、保守管理を行っております。日本ピー・アイ株式会社は、病院、水族館、ショールーム、寺院から一般店舗まで、様々な施設へ照明デザインの提案、照明制御システム及び照明機器の販売を行っております。墨東建材工業株式会社は、高層ビルや大型施設向けのアルミ及びステンレス金属製品等の設計、製作及び取付工事を行っております。株式会社環境装備エヌ・エス・イーは、各種施設において空調設備、給排水衛生設備、消火設備、電気設備、医療用ガス設備の設計・施工を行っております。株式会社ハイブリッドラボは、水産加工事業、水産加工業DXソリューションの研究・開発、EC・小売事業を行っております。

 当社の海外子会社であるLUCKLAND ASIA PTE. LTD.、LUCKLAND(CAMBODIA) Co.Ltd.、LUCKLAND MALAYSIA SDN.BHD.、LUCKLAND(THAILAND) CO.,LTD.、LUCKLAND VIET NAM CO.,LTD.、PT.LUCKLAND CONSTRUCTION INDONESIA、及び台灣樂地建築室内裝修股份有限公司は、ASEAN圏や台湾に進出する日系企業に向けた出店支援サービス、並びに商業施設・店舗等の企画、デザイン、設計、施工、監理、メンテナンスサービスを行っております。VIET BOKUTO CO.,LTDは、墨東建材工業株式会社のアルミ金属製品を製作しております。BK METAL CO.,LTDは、墨東建材工業株式会社のアルミ金属製品の販売・外装工事を行っております。
 当社グループは、一貫した店舗施設制作事業を内容とする単一事業区分であるため、事業の種類別セグメント情報の記載はしておりませんが、制作分類別と関連付けが可能である情報については制作分類別に記載しております。

 当社グループの事業系統図は次のとおりであります。

 

※画像省略しています。

 

24/06/14

4【経営者による財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローの状況の分析】

経営成績等の状況の概要

当連結会計年度における当社グループ(当社、連結子会社)の財政状態、経営成績及びキャッシュ・フロー(以下「経営成績等」という。)の状況の概要は次のとおりであります。

 

(1) 財政状態及び経営成績の状況

 当連結会計年度におけるわが国経済は、これまで約3年間続いた深刻なコロナ禍を脱し、感染防止のための様々な規制も緩和されており、社会全体でウィズコロナの環境に対する適応が進み、経済活動は再活性化に向けて動いていると認識しております。さらに、政府は新型コロナウイルスの感染症法上の位置づけを2023年5月上旬から季節性インフルエンザ同等とすることを決定し、また訪日外国人の入国制限は大幅に緩和され、さらに同年8月には中国の日本への団体旅行が解禁されて、インバウンド需要はさらに高まったことなどもあり、景気回復基調は続いておりました。

 一方で、ロシア軍によるウクライナ侵攻を発端とした原材料の高騰と供給不足・遅延が発生し、円安の影響もあってモノや人の調達コストが上がっており、コロナ禍を経て新たな世界・社会へ突入していく中で、様々な意味でのコスト管理が一段と重要になると考えております。また、2023年以降、日本に先行して景気回復した海外の主要国では利上げが鮮明になり、足元は景気回復にブレーキがかかりつつあることから、日本では特に製造業への影響が懸念されますが、非製造業についてはこれまで抑えられていた個人消費が活発化してきており、先行きは設備投資等も高まる方向にあると想定されます。

 当社グループを取りまく経済環境は、主に景気の現状判断DI・先行き判断DI(内閣府 景気ウォッチャー調査)、第3次産業活動指数(経済産業省)、及びマネタリーベース平均残高(日本銀行)の動向等を主要な判断指標としております。景気の現状判断DI・先行き判断DIと、非製造業やサービス業の動向を示す第3次産業活動指数は、コスト上昇の影響等から回復は緩やかですが、底堅く推移しております。一方、マネタリーベース平均残高については日銀が金融緩和策を継続しているものの、米国などの中央銀行は政策金利を引き上げていることから、先行きは日銀も追随する可能性もあると注視しております。

 リーマン・ショックが起きた2008年、当社は景気動向の影響を受けやすい「店舗施設の制作事業」を主力事業としていたことから、売上高は大幅に減少し、初めて営業赤字に転落しましたが、その苦しい経験を糧に「いかなる環境下においても成長していける基盤の構築」をスローガンとして掲げ、顧客層や事業内容を多様化することで景気が落ち込んでも業績への影響を受けにくい企業体制の構築を進めております。「店舗施設の制作事業」について、2008年当時と2021年を比較しますと、売上高は約1.8倍に増やしながらも、売上高全体に占める同事業の比率は87.5%から50.2%にまで低下させることができました。2022年はコロナ禍の影響と同事業において物販という新たな業態開拓が好調だったことも寄与して、上記の比率は61.6%に高まりましたが、当社は幅広い分野での事業展開を進め、新たな事業分野も成長してきており、2023年の同比率は49.9%に再度低下しております。

 当社グループは、2016年から第2次10年計画「世界でも期待される企業に成る」の下、2016年から2018年の3ヵ年の中期経営計画は「進:利益基盤の構築」を目標に、即戦力となる人材(人財)を確保すると同時に、就業人口の減少に備え、将来の戦力となる人材(人財)育成を行い、幅広いマーケットの開拓と深掘りを進め、次なる領域へステップアップするための足場固めをしてまいりました。

 2019年から2021年の3ヵ年は、社会の生活スタイルの変化に適応できる企業へ変わっていかなければならないと考え、「化:時代が求めている企業へ化ける」を目標とし、当社グループは他に見ないこのユニークなスタイル(企業群)で幅広いマーケットに対応できるよう、国内外の各グループ会社において事業分野の間口・販路を広げ、グループ会社間でシナジーを創出してまいりました。加えて、「思いやりとおもてなしの心を持ってお客様に向き合う」ために、IT・RPA等の新しいDigital(デジタル)技術を積極的に導入して、DX(デジタルトランスフォーメーション)の基盤を作り、本業に革新を起こすとともに、あらゆる面でロスを削減して生産性を上げ、社員がやりがいを持って力を十分に発揮できるよう、業務量の適正化を進めてまいりました。

 しかし、2020年以降は新型コロナウイルス感染症という想定外の全世界的な非常事態が起こり、当社グループとしても可能な限りの対策は講じたものの、誠に遺憾ながら当初の計画どおりに進まない面も多くありましたが、ここで経験したことを次に活かしていくことが重要であると認識しております。

 今、世界は産業革命以来の大いなる過渡期にあり、AI(人工知能)に代表されるDigital技術の飛躍的な発展により、これまでの常識や社会全体に劇的な変化が起きております。すなわち「時間の概念」「モノづくり」及び「ライフスタイル」のすべてが変わり、ビジネスにおいてもDigital技術を積極的に利用していくかどうかで、今後数年のうちに企業間格差がますます広がっていきます。

 そこで、当社グループは2022年から2025年の4ヵ年の目標を「成:Digital × あなた」= DX とし、2026年からの次なる「第3次10年計画」に向け、商空間創りにおける新しい企業モデルの土台作りを行ってまいります。この「DX」とは、単なるデジタルトランスフォーメーションではなく、常に主役は「あなた=人」であり、この激動の時代に「Digital(技術だけではなく、知識も含む)」という時代に合った道具(手段)を、大事な財産である「あなた=人(人財)」が活用することで何倍もの価値を生み出し、最終的にお客様や社会や未来を支えるひとりひとりの主役(あなた)を輝かせることこそが本来の姿であると考えております。

 現在、建設業に関わっている企業の最大の課題は、急速に進んでいる建設業就業者の減少・高齢化、及び2024年4月から建設業にも適用される「働き方改革関連法」(時間外勤務時間の上限 原則 月45時間、年360時間)で、技術者の価値が劇的に変わっていくことから、生産性の向上は急務であり、利益率の高い企業へ大きく変革していくことが求められています。すでに当社グループは第2次10年計画がスタートしてからこれまでの7年間で人材(人財)の採用と育成を積極的に行い、グループ内職人を約4.8倍、従業員数を約2.8倍に増やすと同時に、新時代に適応するための DX 基盤の構築に約25億円を投資し、生産性の向上、ひいては売上高総利益率の向上を図っております。様々な取組みに対しての評価・検証を確実に行うことで、さらなる改善の余地があると考えております。

 2023年は、コロナ禍の約3年間の厳しい冬の時代が終わり、本当の意味での春=再始動の年となって、新たな時代・環境が始まっております。昨年に引き続き、ロシア・ウクライナ戦争や原材料高、コスト上昇の要因となる急激な円安、また金利上昇など様々なリスクや懸念はありますが、特に日本の内需は極めて慎重に警戒し、耐え忍び、疲弊してきたことから、その反動は大きく、円安によるインバウンド効果も後押しとなって、盛り返しております。当社グループもこの流れを掴み、未来へ進むために、「傷んだ体を回復させ、ホップ・ステップ・ジャンプ」を2023年のスローガンとして掲げ、当社グループ全体で直接的なコミュニケーションを復活させ、財務体質の改善を含めて今一度足場固めを行い、これまで十分に撒いてきた様々な種(施策)から花を咲かせる、つまりグループ一丸となって結果を出していくことが不可欠でありました。

 具体的には、売上・原価・販管費を3つの大きな課題と捉え、まずは昨年一定の成果を出した受注分析をさらに徹底することで売上増を目指し、原価については、物価高という厳しい状況が続いておりますが、昨年来実施しているメンテナンス部員の稼働率(メンテナンス部員1人が1日当たりに対応するメンテナンス件数)向上の取り組みのように、人工の生産性向上という観点も含め、原価低減を図ってまいりました。また、販管費については、我々のコアである人(社員)の教育・育成は積極的に行い、人(社員)以外の無駄なコストの削減に取り組み、これら3つの課題をクリアすることで、人(社員)やこれに関わるコストが増加しても、売上を積み増しながら売上総利益率も高めていくことができる体制を構築してまいりました。

 しかし、前述のとおり、一部従業員による工事原価に係る見積書の変造疑義に端を発する特別調査委員会の設置及び調査等の影響もあり、誠に遺憾ながら、営業利益、経常利益、及び親会社株主に帰属する当期純利益については期初の業績予想未達となりました。

 以上の結果、当連結会計年度の業績は、売上高451億1千6百万円(前期比10.0%増)、営業利益4億6千万円(前期は3億1千2百万円の営業損失)、経常利益6億1千2百万円(前期比525.4%増)、親会社株主に帰属する当期純利益2億5千2百万円(前期は1億6千8百万円の親会社株主に帰属する当期純損失)となりました。

 

 

 次に、部門別の売上高と各部門の営業概況についてご報告いたします。

(単位:千円未満切捨)

 

関連部門の名称

前連結会計年度

(自 2022年1月1日

 至 2022年12月31日)

当連結会計年度

(自 2023年1月1日

 至 2023年12月31日)

対前連結会計年度比増減額

(△は減)

対前連結会計年度比

増減率(%)

スーパーマーケット関連部門

11,517,970

11,399,595

△118,375

△1.0

フードシステム関連

部門

26,918,498

30,941,276

4,022,777

14.9

保守メンテナンス

部門

2,590,747

2,775,883

185,136

7.1

41,027,217

45,116,755

4,089,537

10.0

 

   《スーパーマーケット関連部門》

 スーパーマーケット関連部門につきましては、スーパーマーケット販売統計調査(スーパーマーケット協会3団体)によりますと、2022年はコロナ禍も比較的落ち着いて、ウィズコロナの生活スタイルが定着し、巣ごもりが減って外出の機会が増えたことなどもあり、売上高の伸び率(前年比)はほぼ前年並みとなっておりました。しかし、昨年秋口から人の動きが活発化して、2023年は前向きな改装計画なども出てきており、仕入原価高騰などの影響は見られるものの、足元の売上高の伸び率(前年比)は上向いております。引き続き、当社グループは経済環境に大きく左右されず、あらゆる営業機会を逃さないために、各グループ会社の強みを活かして、設計や内装施工だけではなく、給排水・空調設備工事や電気設備工事等、対応できる事業領域やサービスの拡大を図ってまいります。

 以上の結果、当連結会計年度の売上高は113億9千9百万円(前期比1.0%減)となりました。

 

   《フードシステム関連部門》

 フードシステム関連部門につきましては、外食産業市場動向調査(日本フードサービス協会)によりますと、コロナ禍で2020年の店舗売上高の伸び率(前年比)は大きく落ち込み、当社グループの主要顧客である飲食店、小売店、商業施設、ホテル等の営業環境は厳しく、当社グループの受注においてもその影響を受けましたが、2021年以降はテイクアウトやデリバリーなど新たな需要が生まれたこともあって、外食産業全体では緩やかながらも回復局面に入り、2022年からはさらに回復が鮮明になって、同調査の店舗売上高の伸び率(前年比)は+10%を超え、2023年はインバウンド需要も増えて好調が続いております。コロナ禍を経て、業態の構造変化も見られることから、当社グループは今後も状況や時代に適応したサービスや付加価値を提供できるよう努めてまいります。

 以上の結果、当連結会計年度の売上高は309億4千1百万円(前期比14.9%増)となりました。

 

   《保守メンテナンス部門》

 保守メンテナンス関連部門につきましては、CS(カスタマー・サティスファクション)サポート部を中心に、コールセンターにてお客様からの修理依頼に応えるだけではなく、満足度を高めるための保守改善提案等にも力を入れております。2017年6月からメンテナンス営業の専門チームを立ち上げ、これまでの取引先に加え、新規顧客の開拓を続け、新規の保守メンテナンス店舗数は現在までに25,300件を突破しました。また、メンテナンス員の稼働率向上のため、昨年より中央指令室を設置し、スケジュール管理と人員配置を徹底するとともに、ウェアラブルデバイスを活用した遠隔支援も行える体制を整えております。さらに、技術レベルに応じた研修プログラムを実施し、工種の異なる作業にも対応できるマルチメンテナンス部員の育成を進め、1人当たりの稼働率(メンテナンス部員1人が1日当たりに対応するメンテナンス件数)を高める取組みを行っております。

 加えて、従来の修理・保守といったメンテナンスだけではなく、新たな形として食品工場向けの常駐型設備メンテナンスサービスも行っており、当社グループのエースセンター株式会社が担うビルメンテナンスは当該分野において主力の一角となっております。

 以上の結果、当連結会計年度の売上高は27億7千5百万円(前期比7.1%増)となりました。

 

 

(2) キャッシュ・フロー

 当連結会計年度末における現金及び現金同等物(以下、「資金」という。)は、前連結会計年度末に比べ1億1千3百万円減少し、当連結会計年度末残高は63億9千1百万円となりました。

 当連結会計年度における各キャッシュ・フローの状況とそれらの要因は次のとおりであります。

(営業活動によるキャッシュ・フロー)

 営業活動による資金の減少は1億4千1百万円(前連結会計年度は6億4千2百万円の減少)となりました。

 これは、棚卸資産、売上債権及び契約資産の減少並びに税金等調整前当期純利益の計上があったものの、仕入債務の減少、契約負債が減少したこと及び法人税の支払いが主な要因であります。

(投資活動によるキャッシュ・フロー)

 投資活動による資金の増加は11億8千万円(前連結会計年度は6億6千2百万円の減少)となりました。

 これは、有形固定資産及び無形固定資産の取得による支出があったものの、投資有価証券の売却による収入及び保険積立金の解約による収入があったことが主な要因であります。

(財務活動によるキャッシュ・フロー)

 財務活動による資金の減少は11億6千8百万円(前連結会計年度は16億6千6百万円の増加)となりました。

 これは、ストック・オプションの行使による収入及び新たな長期の借入れがあったものの、長期借入金の返済による支出及び配当金の支払いがあったことが主な要因であります。

 

 

生産、受注及び販売の実績

 当社グループは、一貫した店舗施設制作事業を事業内容とする単一セグメントであるため、制作、商品仕入、受注及び販売実績については、関連部門別に記載しております。

 

(1) 制作実績

 当連結会計年度における制作実績を関連部門ごとに示すと、次のとおりであります。

関連部門の名称

制作高(千円)

前年同期比(%)

スーパーマーケット関連部門

9,613,327

91.6

フードシステム関連部門

28,662,934

108.4

38,276,262

103.6

 (注) 金額は販売価額で算定しております。

 

(2) 商品仕入実績

 当社グループは、スーパーマーケット関連部門、フードシステム関連部門において外部より商品を仕入れておりますが、商品仕入時においてはどの部門で販売されるか確定していないため、関連部門ごとの商品仕入実績の記載は省略しております。

(3) 受注実績

       当連結会計年度における受注実績を関連部門ごとに示すと、次のとおりであります。

関連部門の名称

受注高(千円)

前年同期比(%)

受注残高(千円)

前年同期比(%)

スーパーマーケット関連部門

9,695,907

75.3

1,016,800

37.4

フードシステム関連部門

31,326,852

106.9

13,324,552

103.0

41,022,759

97.3

14,341,352

91.6

 

(4) 販売実績

 当連結会計年度における販売実績を関連部門ごとに示すと、次のとおりであります。

関連部門の名称

販売高(千円)

前年同期比(%)

スーパーマーケット関連部門

11,399,595

99.0

フードシステム関連部門

30,941,276

114.9

保守メンテナンス部門

2,775,883

107.1

45,116,755

110.0

 

 

経営者の視点による経営成績等の状況に関する分析・検討内容

(1) 重要な会計方針及び見積り

当社グループの連結財務諸表は、わが国において一般に公正妥当と認められている会計基準に基づき作成されております。

その作成においては、経営者による会計方針の選択・適用、資産・負債及び収益・費用の報告金額及び開示に影響を与える見積りを必要とします。経営者は、これらの見積りについて過去の実績等を勘案し合理的に判断していますが、実際の結果は、見積り特有の不確実性の存在により、これらの見積りと異なる場合があります。当社グループの連結財務諸表で採用する重要な会計方針及び見積りは、「第5 経理の状況 1[連結財務諸表等][注記事項](連結財務諸表作成のための基本となる重要な事項)及び(重要な会計上の見積り)」に記載のとおりであります。

 

(2) 財政状態の分析

(資産の部)

当連結会計年度末における資産合計は、273億7千9百万円と前連結会計年度末に比べ33億9千9百万円の減少となりました。

流動資産は、179億9百万円と前連結会計年度末に比べ22億1千8百万円の減少となりました。これは、売上債権、仕掛品及び未収還付消費税等が減少したことが主な要因であります。

固定資産は、94億6千9百万円と前連結会計年度末に比べ11億8千1百万円の減少となりました。これは、投資有価証券の売却、長期売掛金の回収及び保険積立金を解約したことによる減少が主な要因であります。

(負債の部)

流動負債は、160億3千8百万円と前連結会計年度末に比べ21億5千6百万円の減少となりました。これは、1年内返済予定の長期借入金の増加があったものの、仕入債務、有利子負債及び契約負債の減少が主な要因であります。

固定負債は12億9千2百万円と前連結会計年度末に比べ11億8千5百万円の減少となりました。これは、1年内返済予定の長期借入金への振替及び投資有価証券売却による繰延税金負債の減少が主な要因であります。

以上の結果、負債の部は173億3千万円と前連結会計年度末に比べ33億4千1百万円の減少となりました。

(純資産の部)

純資産の部は100億4千9百万円と前連結会計年度末に比べ5千7百万円の減少となりました。これは、ストック・オプションの行使による資本金及び資本剰余金の増加があったものの、配当金の支払い及び投資有価証券売却によるその他有価証券評価差額金の減少が主な要因であります。

なお、自己資本比率は36.6%と前連結会計年度末より3.9ポイント増加しております。

 

(3) 経営成績の分析

① 売上高

当連結会計年度の売上高は、コロナ禍の約3年間の厳しい冬の時代が終わり、当社において商業施設の出店計画等も活発化してきていることや大手デベロッパーや電鉄系の顧客開拓を進めていることにより商業施設の制作事業の売上が増加したこと、コロナ禍で顧客が設備投資等に対して極めて慎重になっていた分野で特にホテル業界からのリノベーション案件の受注により建築事業分野の売上が増加していること、その他連結子会社についても、昨年から回復基調にあった国内子会社及び海外子会社についても全体的には売上高が増加したことで、451億1千6百万円(前期比10.0%増)となっております。

② 売上原価

当連結会計年度の売上原価は、物価高という厳しい状況が続いておりますが、昨年来実施しているメンテナンス部員の稼働率(メンテナンス部員1人が1日当たりに対応するメンテナンス件数)向上の取り組みのように、人工の生産性向上という観点も含め、人(社員)以外の無駄なコストの削減に取り組み、原価低減を図り、売上を積み増しながら売上総利益率も高めていくことができる体制を構築してまいりました。しかしながら当社において2023年5月12日設置の特別調査委員会の調査等の影響及び再発防止策の構築・実行により適切な原価計上に努めたこと、特定の工事案件でのクレーム等の対応があったことから、売上原価率は87.6%と前連結会計年度末より0.3ポイント増加しました。

③ 販売費及び一般管理費

当連結会計年度の販売費及び一般管理費は、主に当社において、不適切会計の発覚による内部統制強化を含む再発防止支援及び決算対応支援等の適切な会社体制を構築するための外部専門家への報酬顧問料が増加及び固定化営業債権への貸倒引当金繰入額の計上による増加があったものの、コロナ禍で傷んだ財務体質を回復させ業績を改善することが現時点での最優先課題であると考え年4回実施していた株主優待について年2回にその一部を休止したこと及び2023年12月末日の基準日を2024年2月末日としたことにより交際接待費及び代行手数料にかかる支払手数料を圧縮したことによる減少、社員紹介制度の積極活用等で人材紹介料を圧縮したことによる求人研修費の減少の他、人(社員)以外の無駄なコストの削減に取り組んだことにより、前年同期より4億2百万円減少し、51億2千3百万円(前期比7.3%減)となりました。

④ 営業損益

当連結会計年度は上記の結果により4億6千万円の営業利益(前期は3億1千2百万円の営業損失)となりました。

⑤ 営業外収益及び営業外費用

営業外収益は、主に為替差益の発生及び不動産賃貸料により3億5千7百万円(前期比39.8%減)となりました。

また、営業外費用は、主に不適切会計による遅延損害金の発生及び不動産賃貸原価により2億5百万円(前期比12.1%増)となりました。

⑥ 経常損益

当連結会計年度は6億1千2百万円の経常利益(前期比525.4%増)となりました。その結果、当連結会計年度における売上高経常利益率は1.4%となり、総資産経常利益率(ROA)は2.1%と前連結会計年度末より1.8ポイント増加しました。

⑦ 特別利益及び特別損失

特別利益は、主に投資有価証券売却益及び保険解約返戻金の計上により8億1千1百万円となりました。

また、特別損失は、主に不適切会計による特別調査費用、投資有価証券売却損及び連結子会社である日本ピー・アイ株式会社の固定資産及び連結上ののれんについて減損損失を計上したことにより8億2千9百万円となりました。

⑧ 税金等調整前当期純損益

当連結会計年度は5億9千3百万円の税金等調整前当期純利益(前期比879.9%増)となりました。

⑨ 法人税等

法人税等(法人税、住民税及び事業税並びに法人税等調整額の合計額)は3億4千万円(前期比49.1%増)となりました。これは主に課税所得の増加によるものです。

⑩ 非支配株主に帰属する当期純利益

非支配株主に帰属する当期純利益は、外部株主が存在する連結子会社の当期純利益(又は当期純損失)の増減の影響を受けますが、当社グループにおける影響は僅少であります。

⑪ 親会社株主に帰属する当期純損益

当連結会計年度は2億5千2百万円の親会社株主に帰属する当期純利益(前期は1億6千8百万円の親会社株主に帰属する当期純損失)となりました。

その結果、当連結会計年度における自己資本当期純利益率(ROE)は、前連結会計年度に比べ4.2ポイント増加し2.5%となりました。

 

(4) 資本の財源及び資金の流動性

当社グループの運転資金需要のうち主なものは、制作原価並びに販売費及び一般管理費の営業費用であります。また、設備投資資金需要の主なものとしては、業容拡大等による事務所等の拡張、メンテナンスステーション開設、移転による内装費用等、省人化及び効率化及び間接業務の削減を目的にしたシステムの費用があり、その他の資金需要として、当社グループの分野の強化及び技術者の補充を目的にしたM&A費用があります。

当社グループの事業活動に必要な資金を安定的に確保するため、内部資金の活用、金融機関からの借入及び社債の発行等により資金調達を行っております。

なお、当連結会計年度末における有利子負債残高は6,051,204千円となりました。

 

(5) 経営方針・経営戦略、経営上の目標の達成状況を判断するための客観的な指標等

「第2 事業の状況 1 経営方針、経営環境及び対処すべき課題等」に記載のとおり、資本効率のバランスを考慮しつつも、安定した収益基盤を確立することに注力することで、売上高営業利益率を高めることを優先課題として、自己資本当期純利益率(ROE)の改善に取り組む方針であります。

 

当連結会計年度に含む直近3連結会計年度の指標は以下のとおりです。

 

指標

2021年度

(第52期)

2022年度

(第53期)

2023年度

(第54期)

中期目標

売上高営業利益率

△0.7%

△0.8%

1.0%

6.0%

自己資本当期純利益率(ROE)

△0.4%

△1.7%

2.5%

10.0%

 

 

(6) 経営成績に重要な影響を与える要因

 経営成績に重要な影響を与える要因につきましては、「第2 事業の状況 3 事業等のリスク」をご参照ください。