E04606 Japan GAAP
前期
24.7億 円
前期比
109.4%
株価
4,760 (06/05)
発行済株式数
12,170,000
EPS(実績)
-6.44 円
PER(実績)
--- 倍
前期
662.4万 円
前期比
86.4%
平均年齢(勤続年数)
45.5歳(12.8年)
従業員数
13人(連結:45人)
当社グループは、当社及び連結子会社である歌舞伎座サービス株式会社で構成され、その他の関係会社である松竹株式会社のグループにおいて不動産の賃貸及び食堂・売店等の経営等を主な事業内容としております。
当社グループの当該事業における位置付けは以下のとおりであります。
なお、事業の種類別セグメントと同一の区分であります。
(1)不動産賃貸事業
当社及び歌舞伎座サービス株式会社は、土地と建物を所有し、これを賃貸しております。
劇場歌舞伎座の劇場の敷地は松竹株式会社等より一部賃借しております。同敷地について一部を松竹株式会社へ賃貸しております。また、当社は劇場を松竹株式会社に賃貸しております。
(2)食堂・飲食事業
歌舞伎座サービス株式会社は、主に劇場内及び地下広場において食堂・飲食店舗を営業しております。
(3)売店事業
歌舞伎座サービス株式会社は、主に劇場内及び地下広場において歌舞伎関連商品を販売する売店を営業しております。
事業の系統図は以下のとおりであります。
関係会社は以下のとおりであります。
(1) 経営成績等の状況の概要
当連結会計年度における当社グループ(当社及び連結子会社)の財政状態、経営成績及びキャッシュ・フロー(以下、「経営成績等」という。)の状況の概要は次のとおりであります。
「収益認識に関する会計基準」(企業会計基準第29号 2020年3月31日。以下「収益認識会計基準」という。)等を当連結会計年度の期首から適用しております。この影響により、前連結会計年度と収益の会計処理が異なることから、以下の経営成績に関する説明の売上高については、増減額及び前年同期比(%)を記載しておりません。
当連結会計年度におけるわが国経済は、新型コロナウイルス感染症拡大で停滞していた経済活動に再開の動きが見られるも、長期化するウクライナ情勢や円安等が資源価格の高騰と物価上昇に繋がり、引続き厳しい状況が続きました。
劇場歌舞伎座での興行は以前の活気が少しずつ戻り始めました。コロナ禍で制限していた客席・劇場内ロビーでの飲食を10月に再開いたしましたが、当社グループにおける食堂・飲食事業及び売店事業の業績回復の足取りは緩やかなものとなりました。
その結果、当連結会計年度における売上高は2,701,994千円(前期は2,469,768千円)、営業損失は25,079千円(前期は営業損失114,798千円)、経常損失は3,174千円(前期は経常損失102,387千円)となり、連結子会社が所有する不動産の一部を売却し固定資産売却益9,680千円を特別利益に計上したこと等により、親会社株主に帰属する当期純損失は78,400千円(前期は親会社株主に帰属する当期純損失153,187千円)となりました。
なお、収益認識会計基準等の適用により、従来の会計処理方法によった場合に比べ、売上高は339,587千円減少しております。営業損失、経常損失、税金等調整前当期純利益への影響はありません。
これをセグメント別にみると、不動産賃貸事業については、売上高は1,858,783千円(前期は1,880,122千円)となりました。保全作業において安全・衛生面を優先し、内容を吟味すること等により、セグメント利益は643,462千円(前期比1.9%減)となりました。
食堂・飲食事業については、新型コロナウイルス感染症対策として客席・劇場内ロビーでの飲食を9月まで制限していたこと等が響き厳しい事業運営となりました。その結果、売上高は404,337千円(前期は156,393千円)、セグメント損失は101,621千円(前期はセグメント損失149,092千円)となりました。
売店事業については、「全国歌舞伎巡業地方物産展」「ねこ展」等の企画により集客に力を入れた他、外販事業を積極的に展開しました。その結果、売上高は438,872千円(前期は433,252千円)、セグメント損失は47,553千円(前期はセグメント損失112,103千円)となりました。
② 財政状態の状況
当連結会計年度末の総資産は、前連結会計年度末に比べ791,342千円減少し24,256,859千円となりました。
流動資産は、前連結会計年度末に比べ119,183千円増加し1,633,745千円となりました。主な要因は、現金及び預金の増加94,553千円、売掛金の増加21,186千円であります。
固定資産は、前連結会計年度末に比べ910,526千円減少し22,623,114千円となりました。主な要因は、投資有価証券の時価評価による減少453,404千円のほか、固定資産の取得による増加31,550千円、固定資産の売却による減少16,459千円、減価償却による減少455,172千円であります。
当連結会計年度末の負債合計は、前連結会計年度末に比べ337,218千円減少し13,632,078千円となりました。
流動負債は、前連結会計年度末に比べ84,618千円増加し772,031千円となりました。主な要因は、買掛金の増加57,050千円、未払法人税等の増加13,770千円、未払費用の増加10,160千円であります。
固定負債は、前連結会計年度末に比べ421,837千円減少し12,860,046千円となりました。主な要因は、長期前受金の減少292,809千円、投資有価証券を時価評価したこと等による繰延税金負債の減少131,666千円であります。
当連結会計年度末の純資産合計は、前連結会計年度末に比べ454,123千円減少し10,624,781千円となりました。主な要因は、投資有価証券を時価評価したことによるその他有価証券評価差額金の減少314,584千円、利益剰余金の減少138,999千円であります。
なお、自己資本比率は前連結会計年度末に比べ0.4%減少し43.8%となりました。
当連結会計年度におけるキャッシュ・フローは、営業活動により159,677千円増加、投資活動により4,846千円、財務活動により60,278千円いずれも減少しました。その結果、現金及び現金同等物(以下「資金」という)は、94,553千円増加し、当連結会計年度末には1,507,023千円となりました。
(営業活動によるキャッシュ・フロー)
営業活動の結果から増加した資金は、159,677千円となり、前連結会計年度との比較では58,992千円の増加となりました。主な要因は、「税金等調整前当期純利益」6,506千円(前期は税金等調整前当期純損失△82,567千円)による資金の増加89,073千円、「仕入債務の増減額」の増加による資金の増加42,161千円、「法人税等の支払額」の増加による資金の減少57,534千円であります。
(投資活動によるキャッシュ・フロー)
投資活動による資金の減少は、4,846千円となりました。これは主に「有形固定資産の売却による収入」26,139千円、「有形固定資産の取得による支出」24,267千円であり、前連結会計年度との比較では22,174千円の資金の減少(前期は17,328千円の資金の増加)となりました。
(財務活動によるキャッシュ・フロー)
財務活動による資金の減少は、60,278千円となりました。これは主に「配当金の支払額」59,738千円であり、前連結会計年度との比較では84,738千円の資金の減少(前期は24,460千円の資金の増加)となりました。
なお、当社グループのキャッシュ・フロー指標のトレンドは下記のとおりであります。
(注) 自己資本比率:自己資本/総資産
時価ベースの自己資本比率:株式時価総額/総資産
キャッシュ・フロー対有利子負債比率:有利子負債/営業キャッシュ・フロー
インタレスト・カバレッジ・レシオ:営業キャッシュ・フロー/利払い
※ 各指標は、いずれも連結ベースの財務数値により算出しております。
※ 株式時価総額は、期末株価終値×期末発行済株式数(自己株式を除く)より算出しております。
※ 2021年2月期連結会計年度より2023年2月期連結会計年度は、有利子負債及び利払いがないため、キャッシュ・フロー対有利子負債比率及びインタレスト・カバレッジ・レシオは記載しておりません。
④ 営業実績
当連結会計年度における売上高実績をセグメントごとに示すと次のとおりであります。
(注) 1 主な相手先別売上高実績及び総売上高に対する割合は次のとおりであります。
2 2021年8月23日付で、土地の賃貸借契約上の賃借人の地位がKSビルキャピタル特定目的会社から松竹株式会社に承継されました。土地の賃貸に係る売上高は、2021年8月22日まではKSビルキャピタル特定目的会社に、2021年8月23日からは松竹株式会社に計上しております。
(2) 経営者の視点による経営成績等の状況に関する分析・検討内容
経営者の視点による当社グループの経営成績等の状況に関する認識及び分析・検討内容は次のとおりであります。
なお、文中における将来に関する事項については、当連結会計年度末において判断したものであります。
① 重要な会計上の見積り及び当該見積りに用いた仮定
当社グループの連結財務諸表は、わが国において一般に公正妥当と認められている会計基準に基づき作成しております。この連結財務諸表を作成するにあたって、資産、負債、収益及び費用の報告額に影響を及ぼす見積り及び仮定を用いておりますが、これらの見積り及び仮定に基づく数値は実際の結果と異なる可能性があります。
連結財務諸表の作成にあたって用いた会計上の見積り及び仮定のうち、重要なものは「第5 経理の状況 1 連結財務諸表等 (1)連結財務諸表 注記事項 (重要な会計上の見積り)」に記載しております。
② 経営成績の分析
不動産賃貸事業においては、安定的な収益を計上する一方で、食堂・飲食事業及び売店事業においては、反転の兆しも見えてきているものの予断を許さない状況が続きました。
また、連結子会社が所有する不動産の一部を売却し固定資産売却益9,680千円を特別利益に計上いたしました。
(不動産賃貸事業)
売上高は1,858,783千円(前期は1,880,122千円)、施設の保全作業について安全・衛生面を優先し、内容を吟味すること等により、営業利益は643,462千円(前期は656,178千円)となりました。
(食堂・飲食事業)
コロナ禍で禁止していた客席・ロビーでの飲食が10月より可能となり、折詰弁当の販売を再開いたしました。お食事処「花篭」でも座席数をコロナ前の170席に戻し、舞台出演者監修のメニューや演目に因んだ食事を用意するなど、集客に努めました。その結果、売上高は404,337千円(前期は156,393千円)、営業損失は101,621千円(前期は営業損失149,092千円)となりました。
(売店事業)
お土産処「木挽町」にて歌舞伎座でしか手に入らない独自性のある商品を取り揃えた他、地下木挽町広場では、「全国歌舞伎巡業地方物産展」、人気の高い「ねこ展」や「苔玉盆栽」などの販売会で幅広い世代のお客様にご来店いただきました。また、外販事業にも注力いたしました。その結果、売上高は438,872千円(前期は433,252千円)となり、営業損失は47,553千円(前期は営業損失112,103千円)となりました。
なお、提出会社の当期純利益は前事業年度に比べ7,433千円(前期比4.3%)減少し164,912千円となりましたが、「安定配当の維持・継続」の基本方針により年間配当金を1株につき5円といたします。
③ 財政状態の分析
財政状態の分析につきましては、(1) 経営成績等の状況の概要 ② 財政状態の状況に記載のとおりであります。
なお、自己資本比率は前連結会計年度末に比べ0.4%減少し43.8%となりました。総資産が791,342千円(前期比3.2%)減少、自己資本が454,123千円(前期比4.1%)減少したことによるものであります。
④ キャッシュ・フローの状況
キャッシュ・フローの状況の分析につきましては、(1) 経営成績等の状況の概要 ③ キャッシュ・フローの状況に記載のとおりであります。
⑤ 資本の財源及び資金の流動性
当社グループの資金需要のうち主なものは、運転資金と設備投資資金であります。
当社グループは、事業運営上必要な流動性と資金の源泉を営業キャッシュ・フローにより安定的に確保することを基本方針とし、自己資金のほか必要に応じて金融機関からの借入により資金調達を行います。