株式会社ナガセ

ブランドなど:東進ハイスクール東進ハイスクール
サービス業教育スタンダード

売上高

利益

資産

キャッシュフロー

セグメント別売上

セグメント別利益

配当

ROE 自己資本利益率

EPS BPS

バランスシート

損益計算書

労働生産性

ROA 総資産利益率

総資本回転率

棚卸資産回転率

ニュース

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最終更新:

E04824 Japan GAAP

売上高

523.5億 円

前期

494.1億 円

前期比

106.0%

時価総額

570.8億 円

株価

1,875 (04/26)

発行済株式数

30,445,227

EPS(実績)

131.38 円

PER(実績)

14.27 倍

平均給与

794.7万 円

前期

773.1万 円

前期比

102.8%

平均年齢(勤続年数)

38.0歳(11.2年)

従業員数

477人(連結:1,483人)

株価

by 株価チャート「ストチャ」

3【事業の内容】

当社グループ(当社及び当社の関係会社)は、当社及び連結子会社13社、非連結子会社2社、持分法適用関連会社1社及び持分法非適用関連会社3社で構成され、教育事業及び当社グループの業務に付帯する業務を営んでおります。

当社グループの事業内容及び当社と関係会社の当該事業に係る位置付けは以下のとおりであります。

なお、次の部門は、「第5 経理の状況 1 連結財務諸表等 (1)連結財務諸表 注記事項」に掲げるセグメントの区分と同一であります。

① 高校生部門は、東進ハイスクール、東進衛星予備校、早稲田塾等で、主に高校生を対象とした教育事業を行っております。主な関係会社は、当社、㈱東進四国、㈱東進育英舎、㈱早稲田塾及び㈱ヒューマレッジであります。

② 小・中学生部門は、四谷大塚、東進四国、東進育英舎等で、主に小学生、中学生を対象とした教育事業を行っております。主な関係会社は、当社、㈱四谷大塚、㈱四谷大塚出版、㈱四大印刷、㈱東進四国、㈱東進育英舎及び㈱ヒューマレッジであります。

③ スイミングスクール部門は、イトマンスイミングスクールとして、主に水泳教室、フィットネスクラブの運営を行っております。主な関係会社は、㈱イトマンスイミングスクール及び㈱イトマンスポーツスクールであります。

④ ビジネススクール部門は、東進ビジネススクール等で、主に大学生、社会人を対象とした教育事業を行っております。主な関係会社は、当社であります。

⑤ その他部門は、出版事業部門、こども英語塾部門、オンライン学校部門、国際事業部門

を含んでおります。主な関係会社は、当社、㈱ナガセマネージメント、㈱東進スクール、NAGASE BROTHERS INTERNATIONAL PTE.LTD.及び永瀬商貿(上海)有限公司であります。

事業系統図は次のとおりであります。

※画像省略しています。

 

 

※1.当社の連結子会社であります。

※2.持分法関連会社1社及び持分法非適用関連会社1社は、フランチャイズ加盟校に含まれております。

※3.非連結子会社2社、持分法非適用関連会社2社はその他部門に含まれております。

※4.非連結子会社2社は、持分法非適用会社であります。

23/06/29

4【経営者による財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローの状況の分析】

 

(1)経営成績等の状況の概要

当連結会計年度における当社グループ(当社及び連結子会社)の財政状態、経営成績及びキャッシュ・フロー(以下「経営成績等」という。)の状況の概要は次のとおりであります。

 

①財政状態及び経営成績の状況

当連結会計年度における我が国経済は、新型コロナウイルス感染症の影響が長期化する中で、各種感染症対策や行動制限の緩和により、緩やかに持ち直しの動きが見られたものの、円安や資源価格の高騰による物価上昇圧力が強まり、回復基調になりつつあった経済活動、消費活動にマイナスの影響を及ぼしました。世界的な金融引き締めが続く中、景気の先行きについては、更なる物価上昇、供給面での制約、金融資本市場の変動などの影響に注視を要する状況にあります。

教育業界では、2020年度以降小学生の英語教科化、プログラミング教育の導入、大学入試における「大学入学共通テスト」への移行、さらに2022年度からは高等学校で新学習指導要領が実施されるなど、制度面から教育改革が進んでおります。一方で、コロナ禍を契機として文部科学省のGIGAスクール構想の実現が急がれ、オンライン型教育の需要が急激に高まるなど、社会環境の変化に応じた新たな学習形態やコンテンツが求められております。また、5Gをはじめとする通信インフラの整備やデジタル化の急速な進展を背景とした、AIやIoTの活用による教育手法の革新という面でも、機動性の高い民間教育が担うべき役割や責務はますます大きくなっております。各企業は、少子化による市場縮小に加え、事業環境の大きな変化や他業種企業の参入、また、生徒、保護者の厳しい選別にも直面し、企業間競争はさらに激しさを増しております。

このような環境の下、当社グループは、人財育成企業として、「独立自尊の社会・世界に貢献する人財の育成」という教育理念をグループ全体が共有し、その実現に取り組んでおります。

「心・知・体」の教育を総合的に行える体制の構築を目指し、高校生部門(東進ハイスクール、東進衛星予備校、早稲田塾等)、小・中学生部門(四谷大塚、木村塾等)、スイミングスクール部門(イトマンスイミングスクール、イトマンスポーツスクール)を中心に、各部門が提供するコンテンツの充実や教育指導方法の深化、受講環境の整備などを進めております。

高校生部門では、受験生対象の「志望校別単元ジャンル演習講座」「第一志望校対策演習講座」に加え、高校2年生対象の「個人別定石問題演習講座」を新たに開発、当社ならではのAIを活用した講座の充実を進めるなど、合格に直結する得点力強化への取組を強力に推進いたしました。この結果、東京大学現役合格者数が5年連続800名超となったほか、旧七帝大、国公立大医学部、早稲田、慶應など難関大学に、今年も多くの合格者を送り出すことができました。

さらに、2023年1月には、株式会社ヒューマレッジ及び株式会社ティエラコムの株式を取得し、株式会社ヒューマレッジは連結子会社、株式会社ティエラコムは持分法適用関連会社としております。

この度、当社が連結子会社化した株式会社ヒューマレッジは、「絶対に生徒を見捨てない塾」を標榜し、兵庫、大阪北摂地区を中心に「木村塾」ブランドなど34校舎(生徒数9,000名)を展開、「勉強のできる子だけでなく、苦手な子・普通の子もしっかり成績があがる塾」として、開塾以来地域No.1の有力塾です。また、2012年より東進衛星予備校に加盟いただき、現在11校舎を展開する有力フランチャイジーでもあり、関西中心に、難関大学への高い合格実績を挙げています。同社は創業来、「すべての生徒たちが人として成長すること」を目標とし、「人生の勝利の方程式」に基づく人間教育を土台に据えた教育方針は地域に強く支持されており、当社の教育理念とも軌を一にしております。

株式会社ヒューマレッジの幅広い学力層への指導に関する知見やノウハウを、当社の全国ネットワークにおいて融合、活用することで、小・中学生部門、高校生部門双方において、今まで以上に生徒層の裾野を拡大でき、当社の全国ネットワークの成長に寄与するものと確信しております。

また、株式会社ティエラコムとも、今般の株式取得を通じて、両社の信頼関係をより強固なものとし、相互の知見、ノウハウを融合し活用することで、小中高一貫教育指導の一層の深化、多様な事業展開の推進など、双方のブランド力、顧客満足度を高め、共に発展を目指して参ります。

こうしたなか、当連結会計年度の営業収益は、対前年同期2,948百万円の増加となる52,354百万円(前年同期比6.0%増)となりました。これは、スイミングスクール部門がイトマンスイミングスクールの増収及びイトマンスポーツスクールの加入により3,314百万円の増収となったことに加え、小・中学生部門が四谷大塚などの小学生の在籍者数増加及び、第4四半期のヒューマレッジ加入により1,009百万円の増収となったことによるものであります。

高校生部門では前期末と夏期(7月-8月)、冬期(11月-12月)の生徒募集期に新型コロナウイルス感染再拡大があったこと、新年度募集期(1月-3月)の新規入学者数が当初見込みを下回ったことなどが影響し、対前年同期1,634百万円の減収となりました。

費用面では、イトマンスポーツスクール、ヒューマレッジの加入による経費増があったことを主因として、対前年同期3,169百万円の増加となる46,985百万円(前年同期比7.2%増)となりました。既存部門の経費においては、当期も学力の大巾向上の実現に焦点を絞った施策を引き続き積極的に進め、また、物件費、光熱費等の増加要因があったものの、広告宣伝費をはじめとした費用対効果の検証を通じた経費のコントロールにより、前年以下に抑えた運営を実現いたしました。

また、期中に、当社が杉並区に保有していた研修施設の土地・建物等を売却したことなどにより、固定資産売却益1,023百万円を特別利益に計上しております。

 

この結果、当連結会計年度の経営成績は、営業利益5,369百万円(前年同期比3.9%減)、経常利益5,071百万円(前年同期比1.6%減)、親会社株主に帰属する当期純利益4,000百万円(前年同期比16.3%増)となり、売上高及び親会社株主に帰属する当期純利益で当社の過去最高値を更新いたしました。

 

当連結会計年度における各セグメントの業績は次のとおりであります。

なお、セグメント利益(又は損失)は連結損益計算書の営業利益に調整額を加えたものであります。

当社は、2023年1月5日付で株式会社ヒューマレッジの全株式を取得し、連結子会社といたしました。株式会社ヒューマレッジは主に小・中学生を対象とする「木村塾」ブランドなど34校舎、高校生を対象とする東進衛星予備校のフランチャイジーとして11校舎を展開しており、「高校生部門」及び「小・中学生部門」に含めております。

 

(高校生部門)

当部門は、東進ハイスクール、東進衛星予備校、早稲田塾等で、主に高校生を対象とした教育事業を行っており、質の高い授業と革新的な学習システムを提供する我が国最大級の予備校として、当社グループの主要事業となっております。

当連結会計年度末の校舎数は、直営校として東進ハイスクール96校、早稲田塾12校、また東進衛星予備校のフランチャイズを構成する加盟校は、当連結会計年度末時点で973校となっております。

当連結会計年度のセグメント売上高は28,618百万円(前年同期比5.4%減)、セグメント利益は5,679百万円(前年同期比20.0%減)となりました

 

(小・中学生部門)

当部門は、四谷大塚、東進四国、東進育英舎等で、主に小学生、中学生を対象とした教育事業を行っております。中学受験指導のパイオニアとして全国最大の中学受験模試「合不合判定テスト」を主催する四谷大塚、各地域に根差して展開する東進四国(東進スクール)、東進育英舎など、それぞれ特色を有し、事業を進めております。

当連結会計年度末時点の校舎数は、首都圏に四谷大塚34校(当連結会計年度中、12月に四谷大塚自由が丘校舎・調布校舎、1月に西新宿校舎を開校。他にYTnet・四谷大塚NET加盟教室数853教室)、愛媛県で株式会社東進四国が運営する東進スクール15校、茨城県で株式会社東進育英舎が運営する東進育英舎3校となっております。

なお、株式会社ヒューマレッジを連結子会社としたことに伴い、「木村塾」ブランドなど34校舎が増加しております。

当連結会計年度のセグメント売上高は11,573百万円(前年同期比9.6%増)、セグメント利益は2,786百万円(前年同期比11.7%増)となりました。

なお、上記にはヒューマレッジに係るのれん償却額58百万円を含んでおります。

 

(スイミングスクール部門)

当部門は、主に水泳教室、フィットネスクラブの運営を行っております。株式会社イトマンスイミングスクールはスイミングスクールの草分けであり、乳幼児から小中学生、成人に至る幅広い年齢層に支持されるスクールとして、国内最大級のスイミング事業を展開しているほか、世界に通じる選手育成にも力を入れており、これまで30名以上のオリンピック選手を輩出し、スイミング界の名門として、高い評価をいただいております。また、前期末にグループ化した株式会社イトマンスポーツスクールは、地域密着のスクールとして堅調な事業運営を継続しており、イトマンスイミングスクールとのシナジー効果も顕現しつつあります。

当連結会計年度末時点の校舎数は57校(当連結会計年度中、4月にイトマンスイミングスクール福岡マリナタウン校、2月に柏の葉校を開校。他に提携校18校)となっております。

当連結会計年度のセグメント売上高は9,898百万円(前年同期比50.3%増)、セグメント利益は378百万円(前年同期比515.1%増)となりました。

なお、上記にはイトマンスポーツスクールに係るのれん償却額126百万円を含んでおります。

 

(ビジネススクール部門)

当部門は、東進ビジネススクール等で、主に大学生、社会人を対象とした教育事業を行っております。大学生向けには大学入学前教育、入学後の基礎分野教材提供・教養教育など、基礎学力向上に貢献するプログラムを、社会人向けには、主に企業向けに映像・インターネットを駆使した各種語学研修・社会人基礎力養成・ITリテラシー教育などのプログラムを提供する事業を展開しております。なお、本部門には、前期より開始した東進デジタルユニバーシティ事業を含んでおります。

当連結会計年度のセグメント売上高は1,641百万円(前年同期比2.0%増)、セグメント利益は397百万円(前年同期比10.2%増)となりました。

 

(その他部門)

その他部門には、出版事業部門、オンライン学校部門、こども英語塾部門、国際事業部門を含んでおります。

出版事業部門では、“東進ブックス”として高校生向けの「名人の授業」「レベル別問題集」「高速マスター」等のシリーズものを中心に、数多くの学習参考書・語学書を出版しております。また、特色ある「大学受験案内」の発行などを通し、東進のブランド力を高め、東進ハイスクール、東進衛星予備校等とのシナジー効果をあげております。

2021年2月よりサービス開始したオンライン学校部門では、「いつでもどこでもだれにでも、最新にして最高の教育を」を目標として、全国の小学生、中学生を対象にした通信教育事業「東進オンライン学校」を提供しております。

また、こども英語塾部門は、セサミ・ストリートを教材とした「セサミ・ストリート・イングリッシュ」を使用して「自ら進んで楽しみながら学習する」新しい英語学習を提案しており、2021年11月からは、オンラインでも受講できるサービスを開始いたしました。

当連結会計年度のセグメント売上高は1,873百万円(前年同期比9.5%増)、セグメント損失は221百万円(対前年同期260百万円の改善)となりました。

 

当期の財政状態の概況は、次のとおりであります。

当連結会計年度末における財政状態は、前連結会計年度末に比べ総資産が1,540百万円増加し、78,104百万円に、純資産が3,336百万円増加して、26,447百万円となっております。

総資産の異動は、流動資産の減少1,723百万円、および固定資産の増加3,263百万円が主な要因であります。流動資産の減少は、不動産売却に伴う収入があった一方で、子会社株式及び関連会社株式の取得、配当金や法人税等の支払などにより、現金及び預金が1,939百万円減少となったことなどによるものであります。また、固定資産の増加は、不動産売却を主要因として、土地・建物など有形固定資産が1,116百万円減少した一方で、株式会社ヒューマレッジを新たに連結したことによるのれんの増加2,148百万円、投資有価証券の時価評価等に伴う増加1,741百万円があったことなどによるものであります。

純資産の異動は、親会社株主に帰属する当期純利益4,000百万円、及び、その他有価証券評価差額金等、その他の包括利益累計額の増加1,090百万円を計上した一方で、配当金の支払1,755百万円があったことによるものであります。

 

②キャッシュ・フローの状況

当連結会計年度末の現金及び現金同等物は、以下に記載のキャッシュ・フローにより16,945百万円となり、前連結会計年度に比べて1,976百万円減少いたしました。当連結会計年度における各キャッシュ・フローの状況とその主な要因は次のとおりであります。

(営業活動によるキャッシュ・フロー)

営業活動によるキャッシュ・フローは4,680百万円の資金増加となりました。これは、税金等調整前当期純利益6,000百万円の計上に対し、減価償却費2,426百万円の加算、固定資産売却益1,023百万円の減算のほか、前受金の減少額643百万円、法人税等の支払額1,745百万円があったことなどによるものであります。

(投資活動によるキャッシュ・フロー)

投資活動によるキャッシュ・フローは2,846百万円の資金減少となりました。これは、有形固定資産の売却による収入3,032百万円があった一方で、有形固定資産の取得による支出1,876百万円、無形固定資産の取得による支出719百万円があったことに加え、連結の範囲の変更を伴う子会社株式の取得による支出2,387百万円があったことなどによるものであります。

(財務活動によるキャッシュ・フロー)

財務活動によるキャッシュ・フローは3,816百万円の資金減少となりました。これは、長期借入金の返済による支出649百万円、社債の償還による支出1,409百万円のほか、配当金の支払額1,753百万円があったことなどによるものであります。

 

③生産、受注及び販売の状況

a.生産実績

 当社グループは、生徒に対して授業を行うことを主な業務としておりますので、生産能力として表示すべき適当な指標はありません。

b.受注状況

 該当事項はありません。

c.販売実績

 当連結会計年度における販売実績をセグメントごとに示すと次のとおりであります。

セグメントの名称

当連結会計年度

(自 2022年4月1日

至 2023年3月31日)

前年同期比(%)

高校生部門(百万円)

28,152

94.8

小・中学生部門(百万円)

11,495

109.4

スイミングスクール部門(百万円)

9,898

150.3

ビジネススクール部門(百万円)

1,641

102.0

その他(百万円)

1,166

114.4

合計(百万円)

52,354

106.0

(注)金額は販売価格によっており、セグメント間の内部振替前の数値によっております。

 

(2)経営者の視点による経営成績等の状況に関する分析・検討内容

 経営者の視点による当社グループの経営成績等の状況に関する認識及び分析・検討内容は次のとおりであります。
 なお、文中の将来に関する事項は、当連結会計年度末現在において判断したものであります。

①財政状態及び経営成績の状況に関する認識及び分析・検討内容

 

 a.当連結会計年度の経営成績等

 当連結会計年度の経営成績は、営業収益52,354百万円(前年同期6.0%増)、営業利益5,369百万円(前年同期比3.9%減)、経常利益5,071百万円(前年同期比1.6%減)、親会社株主に帰属する当期純利益は4,000百万円(前年同期比16.3%増)となりました。営業収益の増加は、スイミングスクール部門の増収3,314百万円及び小・中学生部門の増収1,009百万円があった一方で、高校生部門の減収1,634百万円があったことが主な要因であります。利益面では、高校生部門の減収影響により営業利益及び経常利益は前年を下回ったものの、研修施設の売却による特別利益の計上があり、親会社株主に帰属する当期純利益は前年を上回り、当社の過去最高値となりました。

 

 b.経営成績に重要な影響を与える要因

 当社グループの主要な事業のひとつである東進衛星予備校は、全国のフランチャイズ加盟校を結び、大学受験を中心として、中学生、高校生から高卒生までの生徒に豊富な講座を提供しております。これらフランチャイズ加盟校の業績は、当社グループの経営成績に大きな影響を及ぼします。これに対し、当社グループでは、教材や募集ツールの開発、提供に止まらず、東進ハイスクール直営校や衛星事業の各加盟校での成功事例の標準化や、運営スタッフの教育・研修など、踏み込んだ加盟校バックアップを進め、「本当に学力を伸ばす」実績を作り上げることで、各加盟校の業績向上を図っております。

 c.セグメントごとの経営成績の状況に関する認識及び分析・検討内容

(高校生部門)

当部門では、生徒募集期である7月・8月、11月・12月に新型コロナウイルス感染症の再拡大が重なったことや、長年のコロナ禍で生徒の学習意欲が全体として低下したことにより、年間を通して新規入学者数が前年を下回りました。

費用面では、個人別定石問題演習などの新コンテンツの開発などの積極的投資費用を、既存経費の削減で吸収いたしました。この結果、当連結会計年度のセグメント売上高は28,618百万円(前年同期比5.4%減)、セグメント利益は5,679百万円(前年同期比20.0%減)となりました。

 

(小・中学生部門)

当部門では、四谷大塚を中心に生徒数が引き続き増勢にあることや、期中に開校した新設校舎の順調な立ち上がりに加えて、2023年1月からはヒューマレッジも加わり、売上高、利益とも前年を上回りました。

この結果、当連結会計年度のセグメント売上高は11,573百万円(前年同期比9.6%増)、セグメント利益は2,786百万円(前年同期比11.7%増)となりました。

 

(スイミングスクール部門)

当部門では、イトマンスポーツスクールの加入による増収2,862百万円に加え、イトマンスイミングスクールの在籍回復による増収があり、売上高、利益とも前年を上回りました。

この結果、当連結会計年度のセグメント売上高は9,898百万円(前年同期比50.3%増)、セグメント利益は378百万円(前年同期比515.1%増)となりました。

 

(ビジネススクール部門)

当部門では、大学事業部の入学前準備教育を中心に引き続き堅調に推移し、売上高、利益とも前年を上回りました。

この結果、当連結会計年度のセグメント売上高は1,641百万円(前年同期比2.0%増)、セグメント利益は397百万円(前年同期比10.2%増)となりました。

 

(その他部門)

当部門では、オンライン学校事業の増収などがあり、売上高は前年を上回り、利益も改善いたしました。

この結果、当連結会計年度のセグメント売上高は1,873百万円(前年同期比9.5%増)、セグメント損失は221百万円(前年同期比260百万円の改善)となりました。

 

 d.財政状態

当連結会計年度末における財政状態は、前連結会計年度末に比べ総資産が1,540百万円増加し、78,104百万円に、また、純資産は3,336百万円増加して、26,447百万円となっております。

総資産の異動は、流動資産の減少1,723百万円、および固定資産の増加3,263百万円が主な要因であります。流動資産の減少は、不動産売却に伴う収入があった一方で、子会社株式及び関連会社株式の取得、配当金や法人税等の支払などにより、現金及び預金が1,939百万円減少となったことなどによるものであります。また、固定資産の増加は、不動産売却を主要因として、土地・建物など有形固定資産が1,116百万円減少した一方で、株式会社ヒューマレッジを新たに連結したことによるのれんの増加2,148百万円、投資有価証券の時価評価等に伴う増加1,741百万円があったことなどによるものであります。

②キャッシュ・フローの状況の分析・検討内容並びに資本の財源及び資金の流動性に係る情報

 a.キャッシュ・フローの状況の分析・検討内容

当連結会計年度末の現金及び現金同等物は16,945百万円となり、前連結会計年度に比べて1,976百万円の減少(前連結会計年度は452百万円の減少)となりました。これは営業活動によるキャッシュ・フローが4,680百万円の資金増加(前連結会計年度は5,775百万円の資金増加)、投資活動によるキャッシュ・フローが2,846百万円の資金減少(前連結会計年度は5,544百万円の資金減少)、財務活動によるキャッシュ・フローが3,816百万円の資金減少(前連結会計年度は720百万円の資金減少)となったことによるものであります。

営業活動によるキャッシュ・フローの異動の主な要因は、前受金の増減額が、前連結会計年度は330百万円の増加であったのに対し、当連結会計年度は643百万円の減少となったことなどによるものであります。投資活動によるキャッシュ・フローの異動は、当連結会計年度に有形固定資産の売却による収入3,032百万円を計上したことが主な要因であります。また、財務活動によるキャッシュ・フローの異動の主な要因は、前連結会計年度に、長期借入れによる収入2,000百万円及び社債の発行による収入987百万円を計上したことによるものであります。

 b.資本の財源及び資金の流動性

当社グループの運転資金需要のうち主なものは、既存の事業活動継続のほか、事業拡大に必要な競争力獲得や、新規事業の立ち上げ等の営業費用であります。

当社グループは、事業運営上必要な流動性と資金の源泉を安定的に確保することを基本方針としております。

主な資金調達の手段としては、継続的な事業収益の計上による自己資金の積み上げを中心に、経営の機動性を確保するために金融機関からの借入・社債などを活用しております。

なお、当連結会計年度末における借入金及びリース債務を含む有利子負債の残高は、対前年同期2,023百万円減少し、28,285百万円となっております。また、当連結会計年度末における現金及び現金同等物の残高は16,945百万円となっております。

 

③重要な会計上の見積り及び当該見積りに用いた仮定

連結財務諸表の作成に当たって用いた会計上の見積り及び当該見積りに用いた仮定のうち、重要なものについては、第5 経理の状況 1 連結財務諸表等 (1)連結財務諸表 注記事項(重要な会計上の見積り)に記載のとおりであります。