E04764 Japan GAAP
前期
159.3億 円
前期比
98.2%
株価
1,099 (04/23)
発行済株式数
17,250,000
EPS(実績)
62.34 円
PER(実績)
17.63 倍
前期
711.0万 円
前期比
102.7%
平均年齢(勤続年数)
40.8歳(14.2年)
従業員数
479人(連結:556人)
当社の企業集団は、当社及び連結子会社4社で構成され、総合建設コンサルタント業として社会資本整備や民間企業施設整備などに貢献しております。
業務内容は多岐に亘っており、「地理空間情報業務」、「環境業務」、「まちづくり業務」、「設計業務」、「事業ソリューション業務」を中心として、これらの業務を複合的に推進しております。
なお、当社グループは、まちづくりのソリューション企業として、地理空間情報業務、環境業務、まちづくり業務、設計業務及び事業ソリューション業務を総合的に営む単一事業の企業集団であるため、セグメント情報は記載しておりません。
各業務の内容は次のとおりであります。
地理空間情報業務・・・・・・・・ |
地理や地形に関する詳細なデータは、都市・環境づくりの基礎となるだけでなく、資産等の維持管理にも不可欠です。当社では、最新IT機器を駆使した測量や、補償調査業務等を行うとともに、そのデータをまちづくりに展開・活用しております。 また、GIS(地理情報システム)による高度の上下水道、道路管理システムの提供や防災シミュレーションなどを展開しております。 |
環境業務・・・・・・・・・・・・ |
快適なまちづくりを進めるためには、環境保全・環境創造の取り組みが欠かせません。環境調査・環境アセスメントに多くの実績を持つ当社は、土壌汚染対策、水質保全や廃棄物処理等に配慮した環境施設計画、そして水やエネルギーの循環計画など、問題を具体的に解決する技術を持っております。さらに、地球環境に配慮した都市環境マスタープランなど、未来の環境づくりにも貢献しております。 |
まちづくり業務・・・・・・・・・ |
都市基本計画、地域計画、地区計画、区画整理等による都市基盤整備事業を通じて、福祉、防犯・防災、緑、賑わいなど様々な角度の魅力を持ったまちづくりを、企画提案・コンサルティングしております。また、土地所有者のニーズに応じた土地活用のご相談や土地利用転換に向けたまちづくりの技術的サポートを行うなど地域貢献に取り組んでおります。 |
設計業務・・・・・・・・・・・・ |
道路・橋梁・上下水道等施設単体の設計はもちろん、まちづくり事業や環境対策等と連携しトータルでまちづくりを提案しております。近年多発する大規模災害に対し、安全安心のためのハザードマップ作成、橋梁・トンネルの耐震補強設計、地すべり・斜面崩壊に係る解析業務等、様々な防災対策に積極的に取り組んでおります。膨大な公共ストックのアセットマネジメントにも豊富な経験を活かしております。 |
事業ソリューション業務・・・・・ |
従来の建設コンサルタントの業務領域を超えて、大きく3つの取り組みを進めております。 (1)従来の建設コンサルタント業務領域を超えた「土地区画整理・開発行為の業務代行事業への参画」 (2)まちづくり地権者向けワンストップサービス提供のため、税理士法人との連携による「まちづくりと相続税務・不動産活用コンサルティングの実施」 (3)老朽化マンションの建て替えコンサルなど「まちづくり技術を活かした社会問題の解決提案」 |
※画像省略しています。
経営成績等の概要
当連結会計年度における当社グループの財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローの状況の概要は次のとおりであります。
(1)経営成績
当連結会計年度における世界経済は、高インフレに対する海外各国中央銀行の金融引き締めや、ウクライナ紛争の長期化によるエネルギ-供給懸念によって、不透明感は続きました。わが国経済においては、徐々にコロナショック前の生活様式に戻っていく移行期間として、景気は緩やかな回復基調を維持しました。
建設コンサルタント業界においては、防災・減災、老朽化した社会インフラの維持・管理、国土強靭化への対応など、公共投資が堅調に推移しました。
このような状況の中、当社グループでは、「まちづくり業務」の豊富な経験と実績を活かし、「まちづくりのソリューション企業」として、国土強靭化や防災・減災など「安全と安心で持続可能なまちづくり」、都市再生・地方創生業務、公共施設マネジメント業務、まちづくり事業をパッケージで支援する事業推進サポート業務などを重点分野と位置づけ、積極的な営業活動を展開してまいりました。
さらに、区画整理事業での当社のコンサルタントとしての経験・知見や保留地の処分能力を活かして、調査設計業務に加え業務代行者としての参画を企図し、収益機会の拡大を図るとともに、土木管財業務、個人向け相続・不動産コンサル事業、PM(プロジェクトマネジメント)/CM(コンストラクションマネジメント)・PFI(プライベート・ファイナンス・イニシアティブ)事業、システム開発など、高付加価値提案型サービスの展開により、事業領域を拡大してまいりました。
当連結会計年度の概況は以下のとおりであります。
官庁では防災・減災・国土強靭化に加えて、国土交通省、防衛省等の需要が伸び、さらに官庁・民間ともに大型の区画整理案件の継続受注や新規地区の立ち上げ、民間では生産拠点の国内回帰と海外資本参入による産業用地・物流施設用地開発、風力発電事業等の再生エネルギー関連業務などに注力した結果、受注高につきましては16,680百万円(前期は15,935百万円)となり、手持受注残高は9,434百万円(前期は8,401百万円)を確保することができました。
売上高につきましては、15,647百万円(前期は15,933百万円)となりました。
営業利益は1,714百万円(前期は1,582百万円)、経常利益は1,787百万円(前期は1,654百万円)と、増益となりました。親会社株主に帰属する当期純利益につきましては、東北支店ビル売却による減損損失432百万円を計上する一方、子会社株式の取得による負ののれん発生益210百万円を計上した結果、ほぼ前期並の1,075百万円(前期は1,085百万円)となりました。
(2)財政状態
前中期経営計画において、技術力の向上や財務体質の強化等により経営基盤の強化に取り組んだ結果、資格保有者数の増大や無借金体質の確立、自己資本比率の向上等を実現することができました。
(資産の部)
資産合計は、売掛債権の順調な回収の影響により、現金及び預金の2,249百万円増加、棚卸資産(未成業務支出金)250百万円増加等により流動資産が2,019百万円増加した結果、前期末より1,690百万円増加し、16,117百万円となりました。
(負債の部)
負債合計は、買掛金230百万円増加、未払法人税等237百万円減少、未成業務受入金311百万円の増加等により流動負債が782百万円増加した結果、前期末より989百万円増加し、5,186百万円となりました。借入金については、0となっており、引き続き完全無借金となっています。
(純資産の部)
純資産合計は、利益剰余金が491百万円増加する一方、株主還元の一環に伴い、控除(マイナス)項目である自己株式が51百万円増加した結果、前期末より701百万円増加し、10,930百万円となりました。
(3)キャッシュ・フローの状況
当連結会計年度末における現金及び現金同等物の残高は、前連結会計年度末に比較して2,249百万円増加し、4,205百万円(前期は1,955百万円)となりました。
当連結会計年度における各キャッシュ・フローの状況とそれらの要因は次のとおりであります。
(営業活動によるキャッシュ・フロー)
営業活動によるキャッシュ・フローは2,294百万円の収入(前期は345百万円の支出)であり、主なものは、税金等調整前当期純利益1,501百万円、減損損失432百万円、未払消費税等の増加による収入731百万円、法人税等の支払額581百万円等によるものであります。
(投資活動によるキャッシュ・フロー)
投資活動によるキャッシュ・フローは573百万円の収入(前期は178百万円の支出)であり、有形固定資産の売却による収入499百万円、連結の範囲の変更を伴う子会社株式の取得による収入151百万円等によるものであります。
(財務活動によるキャッシュ・フロー)
財務活動によるキャッシュ・フローは619百万円の支出(前期は521百万円の支出)であり、自己株式の取得による支出199百万円及び配当金の支払いによる支出419百万円等によるものであります。
(4)重要な会計上の見積り及び当該見積りに用いた仮定
当社グループの連結財務諸表は、わが国において一般に公正妥当と認められている会計基準に基づき作成されております。この連結財務諸表の作成にあたっては、資産、負債、収益及び費用の金額に影響を及ぼす見積り及び仮定を用いることが必要となります。これらの見積りについては過去の実績等、連結財務諸表作成時に入手可能な情報に基づき合理的に判断していますが、これらの見積り及び仮定に基づく金額は、実際の結果と異なる可能性があります。
連結財務諸表の作成にあたって用いた会計上の見積り及び当該見積りに用いた仮定のうち、重要なものについては、「第5 経理の状況 1連結財務諸表等(1)連結財務諸表 注記事項(重要な会計上の見積り)」に記載のとおりであります。
受注の実績
(1)受注高実績
当社グループは、単一セグメントであるため、業務の区分別の受注高を記載しております。
業務の区分等 |
受注高(千円) |
構成比(%) |
前年同期比(%) |
建設コンサルタント業務 地理空間情報業務 |
3,949,835 |
23.7 |
121.3 |
環境業務 |
872,063 |
5.2 |
107.8 |
まちづくり業務 |
6,569,797 |
39.4 |
121.7 |
設計業務 |
4,239,742 |
25.4 |
94.8 |
事業ソリューション業務 |
1,049,464 |
6.3 |
52.4 |
合計 |
16,680,901 |
100.0 |
104.6 |
(注)前期以前に受注した業務で、契約額の増減があるものについては、変更の行われた期の受注高にその増減額を含んでおります。
(2)手持受注高
当社グループは、単一セグメントであるため、業務の区分別の手持受注高を記載しております。
業務の区分等 |
手持受注高(千円) |
構成比(%) |
前年同期比(%) |
建設コンサルタント業務 地理空間情報業務 |
1,916,509 |
20.3 |
129.8 |
環境業務 |
669,467 |
7.1 |
139.5 |
まちづくり業務 |
3,512,474 |
37.3 |
114.4 |
設計業務 |
1,523,851 |
16.1 |
88.0 |
事業ソリューション業務 |
1,812,473 |
19.2 |
110.3 |
合計 |
9,434,774 |
100.0 |
112.3 |
経営者の視点による財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローの状況の分析
当連結会計年度の経営者の視点による財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローの状況の分析は、以下のとおりであります。
また、文中における将来に関する事項は、有価証券報告書提出日現在において判断したものであり、将来に関する事項には不確実性、あるいはリスクを含んでいるため、将来生じる実際の結果と大きく異なる可能性があります。
なお、当社グループは、まちづくりのソリューション企業として、地理空間情報業務、環境業務、まちづくり業務、設計業務及び事業ソリューション業務を総合的に営む単一の事業の企業集団であるため、セグメント情報は記載しておりません。
当社グループを取り巻く経営環境は、官庁需要においては、防災・減災、老朽化した社会インフラの維持・管理、国土強靭化への対応など公共投資が堅調に推移し、当連結会計年度の受注高は16,680百万円(前期は15,935百万円)となりました。
(1)経営成績
① 売上高
売上高は15,647百万円(前期は15,933百万円)となりました。前連結会計年度に比べ285百万円減少いたしました。
② 売上総利益
売上総利益は5,179百万円(前期は4,837百万円)となりました。売上高に対する売上総利益率は33.1%となり、前連結会計年度に比べ、それぞれ342百万円、2.7ポイント増加いたしました。
③ 販売費及び一般管理費
販売費及び一般管理費は3,465百万円(前期は3,254百万円)となりました。売上高に対する販売費及び一般管理費率は22.1%となり、前連結会計年度に比べ、それぞれ210百万円、1.7ポイント増加いたしました。
④ 営業利益
営業利益は1,714百万円(前期は1,582百万円)を計上し、12期連続の増益となりました。売上高に対する営業利益率は11.0%となり、前連結会計年度に比べ、それぞれ132百万円、1.1ポイント増加いたしました。
⑤ 営業外損益
営業外損益は73百万円の利益(前期は71百万円の利益)となり、前連結会計年度に比べ2百万円増加いたしました。営業外収益は88百万円となり、その主な要因は受取配当金によるものであり、前連結会計年度に比べ6百万円増加いたしました。営業外費用は15百万円(前期は10百万円)となり、その主な要因は遅延損害金によるものであり、前連結会計年度に比べ4百万円増加いたしました。
⑥ 経常利益
経常利益は1,787百万円(前期は1,654百万円)となりました。売上高に対する経常利益率は11.4%となり、前連結会計年度に比べ、それぞれ133百万円、1.0ポイント増加いたしました。
⑦ 特別損益
特別損益は286百万円の損失(前期は59百万円の損失)となり、前連結会計年度に比べ227百万円減少いたしました。特別利益は210百万円となり、その主な要因は負ののれん発生益によるものであり、前連結会計年度に比べ210百万円増加いたしました。特別損失は497百万円の損失(前期は59百万円の損失)となり、前連結会計年度に比べ437百万円増加いたしました。その主な要因は東北支店ビル売却に伴う減損損失によるものであります。
⑧ 親会社株主に帰属する当期純利益
親会社株主に帰属する当期純利益は1,075百万円(前期は1,085百万円)となり、前連結会計年度に比べ10百万円減少いたしました。
(2)財政状態
① 資産、負債及び純資産
当連結会計年度末の資産は、前連結会計年度末から1,690百万円増加して16,117百万円となりました。流動資産は現金及び預金と未成業務支出金の増加、受取手形、売掛金及び契約資産の減少を主な要因として2,019百万円増加し、固定資産は建物および構築物、土地の減少を主な要因として329百万円減少いたしました。
当連結会計年度末の負債は、前連結会計年度末から989百万円増加して5,186百万円となりました。流動負債は買掛金と未成業務受入金の増加、未払法人税等の減少を主な要因として782百万円増加し、固定負債は繰延税金負債の増加を主な要因として207百万円増加いたしました。
当連結会計年度末の純資産は、前連結会計年度末から701百万円増加して10,930百万円となりました。利益剰余金は親会社株主に帰属する当期純利益の計上による増加と剰余金の配当による減少により491百万円増加し、自己株式は消却等により51百万円減少いたしました。
② キャッシュ・フロー
「第2 事業の状況 4 経営者による財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローの状況の分析 経営成績等の概要 (3)キャッシュ・フローの状況」をご参照ください。
③ 資金需要
当社グループは、地理空間情報業務、環境業務、まちづくり業務、設計業務及び事業ソリューション業務を総合的に営む単一事業(建設コンサルタント業)の企業集団であり、当社グループの運転資金需要の主なものは、建設コンサルタント業務の受注業務遂行のための人件費、業務委託費、材料費等その他経費のほか、販売費及び一般管理費等の営業費用であります。営業費用の主なものは給与手当、福利厚生費などの人件費、営業活動に伴う交通費等であります。当社グループの研究開発費用は様々な営業費用として計上されておりますが、研究開発に携わる従業員の人件費が研究費用の主要な部分を占めております。
④ 契約債務
該当事項はありません。
⑤ 財政政策
当社グループは、運転資金及び設備投資資金につきましては、内部資金又は借入により資金調達することとしております。資金調達の方針につきましては、運転資金は返済期限が1年以内の短期借入金で調達し、設備投資資金及び事業規模が1年を超える不動産開発業務資金につきましては、原則として固定金利の長期借入金及び社債で調達しております。
2023年5月31日現在、短期借入金の残高はありません。また、1年内返済予定の長期借入金を含む長期借入金の残高もありません。
(3)中期経営計画の進捗状況
|
2020年度5月期 (実績) |
2021年度5月期 (実績) |
2022年度5月期 (実績) |
2023年度5月期 (実績) |
2023年度5月期 (計画) |
連結売上高 |
15,202百万円 |
15,862百万円 |
15,933百万円 |
15,647百万円 |
17,500百万円 |
連結営業利益 |
1,144百万円 |
1,334百万円 |
1,582百万円 |
1,714百万円 |
1,400百万円 |
2019年7月に公表した中期経営計画(2020/5期~2023/5期)に掲げる「建設コンサルタント業務の拡大、事業ソリューション業務の成長」を着実に実行することにより、収益力の向上を図りました。
連結営業利益は、2023年5月期の業績予想1,600百万円を上回り1,714百万円を計上し、12期連続増益を更新するとともに、中期経営計画最終年度(2023年5月期)の連結営業利益(計画)1,400百万円を2022年5月期に1年前倒しで達成し、2023年5月期は計画を更に大きく上回りました。
また、中期経営計画において、技術資格保有者の増大・新技術の活用等により、技術力の更なる向上を図るとともに、収益機会の拡大を目的とした業務代行・土木管財等コンサルティング業務への取組みを強化しました。当社の持続的成長の要諦は、技術力の向上であり、その礎となる技術資格保有者(技術士、RCCM(シビルコンサルティングマネージャ)、1級建築士、APECエンジニア)は、毎期着実に増加し、2023年5月期には488名となり、中期経営計画最終年度の技術資格保有者500名体制を概ね構築することができました。