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最終更新:

E04925 Japan GAAP

売上高

144.4億 円

前期

136.5億 円

前期比

105.8%

時価総額

318.2億 円

株価

1,909 (04/19)

発行済株式数

16,670,000

EPS(実績)

144.29 円

PER(実績)

13.23 倍

平均給与

657.7万 円

前期

614.0万 円

前期比

107.1%

平均年齢(勤続年数)

38.1歳(11.2年)

従業員数

908人

株価

by 株価チャート「ストチャ」

 

3 【事業の内容】

当社は、学習塾・学童保育の経営及び教材の制作・編集、印刷・製本を行っています。

当社の主な事業内容は、次のとおりです。

 

事業部門の名称

事業の内容

小中学生部門

 小学5年生から中学3年生を対象とした高校受験コースとして、国語、数学(算数)、英語、理科、社会の指導を行っています。

高校生部門

 高校1年生から3年生の現役高校生を対象とした大学受験コースとして、国語、数学、英語、理科、社会の指導を行っています。

学童・保育部門

 学童部門では小学1年生から4年生を対象とした学童教室として、学習系及び運動、将棋などの各種プログラムを行っています。

 保育部門は、企業主導型の保育施設として当社従業員の子弟をはじめ、地域の方も一定の枠内で受け入れを行っています。

 なお、従業員数及び売上高は、小中学生部門に含まれています。

教材制作・印刷部門

 教材研究課は、教材の原稿及び原版の制作をしています。印刷配送センターは、教材を中心とした各種印刷及び製本,また授業で使用する物品の配送をしています。
 なお、教材収入は、学習塾各部門の売上高に含まれています。

 

 

以上の当社の事業内容について図示すると次のとおりです。

 

※画像省略しています。

 

23/12/18

4 【経営者による財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローの状況の分析】

(1) 経営成績等の状況の概要

① 経営成績の状況

当期も生徒数が引き続き増加し、2023年9月末の生徒数は33,989人となり、期中平均でも前期比3.1%増の32,433人となりました。当期は、上期(2022年10月~2023年3月)までの生徒数の伸びは順調でしたが、下期(2023年4月~2023年9月)の生徒数が当初計画よりも伸び悩みました。その背景ですが、総務省の「家計調査報告」によると、今年に入って「補習教育費」(学習塾・予備校・通信添削などにかかる費用)の大幅なマイナスが目立っています。2023年8月の対前年同月実質増減率は、23.6%減でした。おそらくは、インフレの進行に対してご家庭での警戒感が高まり、節約の波が「校外教育費」にまで及んできたものと推測しています。

また、今年に入って5月に新型コロナウイルス感染症が2類から5類に変更されたのに伴い、学校生活で、ここ3年間中止されることが多かった運動会・体育祭、修学旅行、合唱祭、文化祭等の学校行事が全面的に再開され、一方でコロナ感染は継続し、インフルエンザの感染も広がる中で、生徒たちの日常生活は未だ不安定な状態が継続しています。3年以上続いたコロナ禍での生活からの切り替えはそれほど容易ではなく、ここ2年間、小中学校の不登校生は前年度比で20%以上増加し、2022年には全国で29万9,048人、神奈川県で2万1,180人と公表されています(文部科学省「令和4年度児童生徒の問題行動・不登校等生徒指導上の諸課題に関する調査結果」より)。

今の時期は、生徒たちの一つひとつの直面する課題に丁寧に向き合いながら着実に学力の伸長を図ることに力を尽くし、難しい社会状況の中での生徒たちの成長に貢献していきたいと考えています。

そのような状況の中ですが、今春の新年度入会生の募集は小学5・6年生が堅調で、期中平均で5.2%の増加となっています。その要因の一つとして、中学生や高校生で満席のスクール・校舎が増えており、そうしたエリアでは、一部のスクールで中学生になってからでは入会しにくい状況が生まれているため、入会時期の早期化が生じていることが挙げられます。

 

2023年春も入試結果が好調で、生徒募集への後押しとなりました。

高校入試では、神奈川県の公立トップ高校に2,499名(前年比104名増)が合格し、今春も神奈川県全塾中トップの実績を残しました。県内公立最難関校である横浜翠嵐高校・湘南高校をはじめ、県内公立トップ校19校のうち17校において、また現制度を特徴づける特色検査(筆記型)を実施した19校のうち17校において、塾別の合格者数で当社が第1位となり、今春も他塾を圧倒する結果となりました。

神奈川県の学力向上進学重点校5校(横浜翠嵐・湘南・柏陽・川和・厚木)においても、すべての高校で全塾中トップとなっており、合計で949名(前年比49名増、合格者計1,756名の54.0%)が合格し、競合他塾の3倍以上の合格者数となっています。さらに合格率の面でも、この5校全体でステップ生は受験者の82.9%が合格しており、ステップ生以外の合格率60.4%を大きく上回りました(県教育委員会発表の資料から算出)。

また、ステップ生の通学圏内で最難関の共学校である国立東京学芸大学附属高校についても、合格者数は192名(帰国生と内部進学を除く。正規合格者132名は同総数266名のうち49.6%)に達し、15年連続で全塾中トップの合格者を出しています。

大学入試では、東京大8名・京都大4名・一橋大11名・東京工業大22名の現役合格者(45名中42名が神奈川県の公立高校生)を出すことができました。国公立大学の医学部医学科にも5名が現役合格し、国公立大学全体の合格者は過去最高だった前年(307名)を上回る324名(前年比17名増)となりました。また、私立大学においては早稲田大・慶應義塾大・上智大は計459名(前年468名から9名減)、理大MARCH(東京理科大・明治大・青山学院大・立教大・中央大・法政大)は過去最高の計1,992名(前年1,958名から34名増)となっています。

 

 

当社の大学合格実績の特長として、上記の実績のほとんどが神奈川県の公立高校生によるものである点が挙げられます。公立高校は、首都圏においては進学実績で私立高校に押されがちとされていますが、受験に向けた態勢をしっかりとれば、第一志望への現役合格に向け公立高校生を大いに伸ばせるということを、今春も数字として示せたことは大きな意義があると考えています。

 

学童部門は、横浜市初の校舎となるSTEPキッズ白楽教室(横浜市神奈川区)が3月に開校しました。豊富で多彩なコンテンツに磨きをかけながら、各教室で運営ノウハウの蓄積・共有をさらに進め、今後の県内各地への展開に向けた基盤づくりを進めてまいります。また、STEPキッズ湘南教室(藤沢市)の分教室(STEPキッズ湘南教室北口館)が3月から開校しました。学童部門で最初に開校した湘南教室では、小1生の申し込みが早々に定員に達したため、分教室にて受け入れています。

 

当事業年度中の新規開校については、小中学生部門で4スクール、学童部門で1校を3月に開校いたしました。小中学生部門は、川崎市と横浜市にそれぞれ2スクールずつの開校となり、川崎市は溝の口スクール(東急田園都市線溝の口駅、JR南武線武蔵溝ノ口駅)とHi-STEP武蔵小杉スクール(東急東横線・JR線武蔵小杉駅)の2校です。前期開校の武蔵新城スクール・武蔵中原スクールとあわせ、高津区・中原区のJR南武線沿線へのスクール網が拡大します。横浜市の鶴見スクール(JR京浜東北線鶴見駅)は横浜市鶴見区で初、井土ヶ谷スクール(京浜急行線井土ヶ谷駅)は横浜市南区で2校目(Hi-STEPを除くと初)の開校となります。上記4校ともこれからドミナント展開を進めていくエリアであり、「学習塾ステップ」のスタンスが地域に伝わり、教務力で評価されるトップブランドとして認知されるよう努力してまいります。

上記の今春2スクールの開校により、川崎市内のスクールは13スクールまで増えてきました。来春には既に、鹿島田スクールとHi-STEP新百合ヶ丘スクールの2校開校が決まっていますので、川崎市内は合計で15スクールになります。長期的に川崎市内には、あと15スクール前後の開校を計画しており、県内では年少人口(0~14歳)が横浜市の次に多い同市(県の年少人口の17%。令和5年神奈川県年齢別人口統計調査結果報告より)において、強力なネットワークを築いてまいります。合格実績の面でも、川崎地区で人気のトップ校である多摩高校の合格者数において、数年以内に当社がNo.1になれるように努力を重ねてまいります。

 

学童部門では、前述の通り、STEPキッズの4教室目となるSTEPキッズ白楽教室(東急東横線白楽駅)を開校しました。これまでの3教室のノウハウを活かし、初年度から小1~小4の4学年を募集しています。

これらの新スクール開校の結果、スクール数は小中学生部門142スクール、高校生部門15校、個別指導部門1校、学童部門4校、ステップジュニアラボ1校の計163校となっています。

 

既存校においては、満員により入会をお受けできていない校舎を中心に、クラス増設、増床、移転等の検討を引き続き進めていく予定です。3月には高校受験ステップ白楽スクールをSTEPキッズ白楽教室(上述)の隣に移転、拡張しました。満員が常態化している大学受験横浜校についても、2023年4月に2期連続の増床、大学受験戸塚校では7月に教室増設を行いました。また大学受験相模大野校でも、10月に増床工事を始めています。

さらに、生徒がより快適に過ごせるための環境整備にも継続的に取り組んでいます。2023年3月にHi-STEP湘南スクール(藤沢市)をこれまでの2倍の広さに増床した際は、教室を増設しただけでなく、自習室や生徒の休憩スペースを大幅に拡張しました。また58スクールでトイレの設備更新を行うなど、生徒・スタッフがともに心地よく過ごせる環境作りを進めています。

 

当社では2023年5月17日に「今後の経営方針に関するお知らせ」を発表いたしました。この新経営方針の骨格は、以下の3本の柱で構成されています。

1.「学習塾は人材産業であり、魅力ある教師陣とそれを支えるスタッフの充実こそ前進の原動力である」という認識のもと、日本経済のインフレ傾向の中で、処遇の改善に取り組んでいくこと。具体的には、まず積極的な給与の引き上げを進めています。当期も2023年4月分給与より、定期昇給とは別にベースアップを含む給与水準の引き上げ(教師職:月額2万円、事務職:月額1万~1万5千円)を実施しました。これにより、教師職の初任給は27.5万円となりました。当期の給与水準の引き上げは前年に続くもので、2024年までの3年計画の2年目にあたります。

 

また、3年を超えるコロナ禍の厳しい状況の中で授業や運営を支えてくれた教師、スタッフへの感謝の気持ちを込めて、2023年7月には総額3億円の特別賞与を支給いたしました。

2.生徒にとって、魅力的な学習塾であり続けるため、学習環境の整備に積極的に投資をしていくこと。当期においては既に、授業用プロジェクターの最新機器への更新、パソコン・IT環境の整備、自習室の拡充、スクール什器や生徒用備え付け図書の拡充、経年校舎のリフォーム等に新たに2億円強の資金を投入いたしました。

3.神奈川県ではこれから30年間のうちに大型地震が到来する可能性が高いというデータ(政府地震調査研究推進本部「全国地震動予測地図」2020年版によると、2020年から30年以内に震度6弱以上の地震が起こる確率は、最も高い「26%以上」に分類され、また相模トラフ周辺でマグニチュード7程度の地震が起きる確率は70%程度とされています)のもと、当社では危機管理資金として約100億円の内部蓄積を目標としてきましたが、当期にはそれがほぼ達成できる見込みですので、これを機に株主還元を強化し、配当性向を従来の「30%を目安」から「50%を目安」に引き上げます。この配当性向も今後しばらくは継続していく予定です。

以上の新経営方針を着実に進めることによって、教師・社員には処遇の改善、人材力の強化、生徒・保護者にとっては、より学びやすい学習環境の整備、改善、そして株主の皆様へは配当性向の引き上げによる還元策の強化を同時に図っていくものです。 
  これらの施策により今期の営業利益率は22.1%となり、この施策は今後もしばらくは継続する見込みです。

 

当事業年度の売上高は14,442百万円(前年同期比5.8%増)、営業利益は3,192百万円(前年同期比12.7%減)、経常利益は3,225百万円(前年同期比13.5%減)、当期純利益は2,405百万円(前年同期比6.2%減)となりました。

 

事業部門別の生徒数及び売上高は、次の通りです。

小中学生部門

期中平均生徒数は26,635人(前年同期比2.7%増)、売上高は11,538百万円(前年同期比5.5%増)となりました。

高校生部門

期中平均生徒数は5,798人(前年同期比5.2%増)、売上高は2,903百万円(前年同期比6.8%増)となりました。

 

② 財政状態の状況
(資産)

当事業年度末における総資産は、前事業年度末比1,060百万円増の28,634百万円となりました。

主な要因は、現金及び預金の増加や、投資有価証券の増加によるものです。

流動資産は、現金及び預金の増加等により、前事業年度末比433百万円増の10,157百万円となりました。

固定資産は、土地の減少等はありましたが、投資有価証券の増加等により前事業年度末比627百万円増の18,476百万円となりました。

(負債)

当事業年度末における負債は、前事業年度末比76百万円減の2,698百万円となりました。

流動負債は、未払法人税等の減少等により、前事業年度末比27百万円減の2,013百万円となりました。

固定負債は、長期借入金の減少等により、前事業年度末比48百万円減の684百万円となりました。

 

(純資産)

当事業年度末における純資産は、配当金の支払がありましたが、当期純利益の計上等により、前事業年度末比1,137百万円増の25,936百万円となりました。

自己資本比率は前事業年度末に比べ、0.7ポイントアップの90.6%となりました。

 

 

③ キャッシュ・フローの状況

当事業年度における各キャッシュ・フローの状況とそれらの要因は次のとおりです。
 当事業年度における現金及び現金同等物(以下、「資金」という。)は9,463百万円と前年同期と比べ371百万円(4.1%増)の増加となりました。

(営業活動によるキャッシュ・フロー)

営業活動の結果得られた資金は2,850百万円(前年同期比6.9%減)となりました。

これは主に、税引前当期純利益3,261百万円、減価償却費513百万円があった一方、法人税等の支払額1,122百万円があったこと等によるものです。

(投資活動によるキャッシュ・フロー)

投資活動の結果使用した資金は1,031百万円(前年同期比165.6%増)となりました。

これは主に、投資有価証券の取得による支出1,146百万円によるものです。

(財務活動によるキャッシュ・フロー)

財務活動の結果使用した資金は1,447百万円(前年同期比26.4%減)となりました。

これは主に、自己株式の取得による支出532百万円、配当金の支払額779百万円があったこと等によるもので  す。

 

④ 生産、受注及び販売の状況

(生産実績及び受注実績)

当社は、生徒に対して授業を行うことを業務としていますので、生産及び受注の実績は、該当事項はありません。

(販売実績)

当事業年度における販売実績を部門別に示すと、次のとおりです。

事業部門の名称

第45期

(自 2022年10月1日

至 2023年9月30日)

前年同期比(%)

小中学生部門(千円)

11,538,888

105.5

高校生部門(千円)

2,903,119

106.8

合計

14,442,008

105.8

 

 

(2) 経営者の視点による経営成績等の状況に関する分析・検討内容

経営者の視点による当社の経営成績等の状況に関する認識及び分析・検討内容は次のとおりです。

なお、文中の将来に関する事項は、当事業年度末現在において判断したものです。

 

① 重要な会計方針及び見積り

当社の財務諸表は、わが国において一般に公正妥当と認められている会計基準に基づき作成しています。この財務諸表の作成にあたって、必要と思われる見積りは、合理的な基準に基づいて判断しています。

 

② 経営成績の分析

当事業年度は、生徒数が2023年9月末時点で33,989人となり、期中平均生徒数においても前年同期比で3.1%増の32,433人となるなど好調に推移したことや、前期より適用している収益認識に関する会計基準等の影響により、売上高は前年同期比で5.8%増加し、14,442百万円となりました。

売上原価は、給与水準の引き上げや7月に支給した特別賞与による人件費の増加などにより、前期に比べて1,224百万円増加し、10,442百万円となりました。

販売費及び一般管理費は、広告宣伝費が減少したものの、人件費や求人費が増加したことなどにより、前期に比べて27百万円増加し、807百万円となりました。

営業利益は3,192百万円(前年同期比12.7%減)となり、営業利益率は22.1%となりました。

経常利益は3,225百万円(前年同期比13.5%減)となり、また、法人税等合計を855百万円計上したことにより、当期純利益は2,405百万円(前年同期比6.2%減)となりました。

 

③ キャッシュ・フロー

当事業年度のキャッシュ・フローの状況については、「第2 事業の状況 4 経営者による財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローの状況の分析③キャッシュ・フローの状況」に記載したとおりです。

 

④ 経営成績に重要な影響を与える要因

「第2 事業の状況 3 事業等のリスク」に記載のとおりです。

 

⑤ 経営戦略の現状と見通し

「第2 事業の状況 1 経営方針、経営環境及び対処すべき課題等」に記載のとおりです。

 

⑥ 資本の財源及び資金の流動性に係る情報

当社の主な資金需要は、労務費や地代家賃等の営業費用の他、スクール用地取得や校舎建築等の設備投資です。これらの資金需要は自己資金でまかなえる状況ですが、安定的な資金を継続的に調達するために金融機関との関係も重視しており、借入を継続しています。