売上高

利益

資産

キャッシュフロー

セグメント別売上

セグメント別利益

配当

ROE 自己資本利益率

EPS BPS

バランスシート

損益計算書

労働生産性

ROA 総資産利益率

総資本回転率

棚卸資産回転率


最終更新:

E03138 Japan GAAP

売上高

2,298.6億 円

前期

2,362.4億 円

前期比

97.3%

時価総額

1,303.0億 円

株価

1,588 (07/12)

発行済株式数

82,050,105

EPS(実績)

77.45 円

PER(実績)

20.50 倍

平均給与

743.1万 円

前期

727.2万 円

前期比

102.2%

平均年齢(勤続年数)

45.6歳(17.2年)

従業員数

997人(連結:4,385人)

株価

by 株価チャート「ストチャ」

3【事業の内容】

 当社グループは、当社、子会社28社および関連会社12社で構成され、カー用品等の国内外への卸売・小売販売、ネット販売、車の買取・販売、車検・整備、板金・塗装および輸入車ディーラーを行うほかに、オートバックスグループへの店舗設備のリースおよびクレジット関連事業等を行っております。

 当社グループの事業内容および事業部門との関連は次のとおりであります。

 なお、次の4部門は「第5 経理の状況 1 連結財務諸表等 (1)連結財務諸表 注記事項」に掲げるセグメントの区分と同一であります。

 また、当連結会計年度より報告セグメントの区分を変更しております。詳細は、「第5 経理の状況 1 連結財務諸表等 (1)連結財務諸表 注記事項(セグメント情報等)」に記載のとおりであります。

(1)国内オートバックス事業

 国内のフランチャイズ加盟法人等に対してタイヤ・ホイールおよびカーエレクトロニクスなど、カー用品等の卸売を行っております。また主に国内の一般消費者に対してカー用品等の販売、取付サービス、車の整備、車検および車の買取・販売を行っております。主要な店舗ブランド名といたしましては、オートバックス、スーパーオートバックス、オートバックスセコハン市場、オートバックスカーズであります。

(2)海外事業

 主に国外の一般消費者に対してカー用品等の販売、取付サービス、車の整備および板金・塗装を行っております。また主に国外のフランチャイズ加盟法人や小売業者などにカー用品等の卸売・輸出販売を行っております。

(3)ディーラー・BtoB・オンラインアライアンス事業

 主に国内の一般消費者に対して輸入車や電気自動車の販売およびサービスを行っております。また国内のホームセンター等にカー用品などを卸売するほかに、オートバックスグループ外の法人顧客への卸売販売や自社サイトや公式アプリにより実店舗と連携してカー用品等を提供しております。さらに車検・整備、板金事業等を行っております。

(4)その他の事業

 主に子会社が、クレジット関連事業、保険代理店、国内のフランチャイズ加盟店での個別信用購入あっせん、提携カードの発行などを行うほか、同加盟法人等に備品等のリースを行っております。また、クルマを通じた独自の世界観を提案するライフスタイルブランドに関する商品開発、ネットおよび実店舗展開、不動産関連のデベロップメント事業ならびに車の買取・販売等を行っております。

 

 以上述べた事項を事業系統図によって示すと次のとおりであります。

※画像省略しています。

 

 

24/06/28

4【経営者による財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローの状況の分析】

(1)経営成績等の状況の概要

当連結会計年度における当社グループ(当社、連結子会社および持分法適用会社)の財政状態、経営成績及びキャッシュ・フロー(以下「経営成績等」という)の状況の概要は次のとおりであります。

日本経済は、新型コロナウイルス感染症の行動制限緩和に伴い社会経済活動の正常化が進み、個人消費は持ち直しの動きが見られました。一方で、ウクライナ情勢の長期化や、原材料やエネルギー価格の高騰などを背景とした物価上昇、為替相場の変動による景気減速懸念など、景気の先行きは依然として不透明な状況が続いております。

国内の自動車関連業界の動向といたしましては、世界的な半導体不足の影響が緩和し、新車販売台数・中古車登録台数は前年を上回る水準へ回復いたしましたが、カー用品関連につきましては、記録的な暖冬により冬季用品需要が減少するなど厳しい事業環境となりました。

このような環境下において、当社グループは、社会・クルマ・人のくらしの変化をいち早く捉えて適応することで市場競争力の向上に努めております。当社グループが向かうべき方向性を示す「5ヵ年ローリングプラン」では、より成長の可能性の高い領域への集中に加え、持続的成長に向け、ネットワークおよび事業基盤の強化と事業の推進を図ってまいりました。

なお、当連結会計年度より、報告セグメントの区分を変更しており、以下の前年同期比較については、前年同期の数値を変更後のセグメント区分に組み替えた数値で比較分析しております。

 

① 連結損益状況

売上高、売上総利益

当社グループの当連結会計年度における売上高は、前年同期比2.7%減少の2,298億56百万円、売上総利益は前年同期比5.1%減少の754億24百万円となりました。

 

当連結会計年度の販売実績をセグメントごとに示すと、次のとおりであります。

(単位:百万円)

セグメントの名称

前連結会計年度

(自 2022年4月1日

至 2023年3月31日)

当連結会計年度

(自 2023年4月1日

至 2024年3月31日)

国内オートバックス事業

170,015

167,038

海外事業

13,052

14,700

ディーラー・BtoB・オンラインアライアンス事業

39,820

35,144

その他の事業

13,347

12,973

報告セグメント計

236,235

229,856

(注)セグメント間の取引については相殺消去しております。

 

販売費及び一般管理費、営業利益

販売費及び一般管理費は、前年同期比0.5%減少の674億14百万円、営業利益は前年同期比31.7%減少の80億10百万円となりました。

新店舗システム稼働により減価償却費が増加いたしましたが、期中に連結子会社2社を連結の範囲より除外したことにより販売費及び一般管理費は減少いたしました。

 

 

 

セグメント別の従業員の状況

(単位:人)

セグメントの名称

2023年3月期

2024年3月期

増減

国内オートバックス事業

2,698

(739)

2,700

(741)

2

(2)

海外事業

571

(18)

564

(17)

△7

(△1)

ディーラー・BtoB・オンラインアライアンス事業

657

(17)

484

(11)

△173

(△6)

その他の事業

298

(21)

310

(44)

12

(23)

全社(共通)

253

(27)

327

(2)

74

(△25)

合計

4,477

(822)

4,385

(815)

△92

(△7)

(注)従業員数は就業人員であり、出向者は除いております。臨時雇用者数は( )内に年間の平均人員を外数で記載しています。全社(共通)として記載されている従業員数は、管理部門に所属しているものであります。

 

営業外収益、営業外費用、経常利益

営業外収益は、前年同期比11.7%増加の20億70百万円となりました。営業外費用は、前年同期比0.8%減少の19億87百万円となりました。

主に、前年同期に比べ持分法適用会社の収益改善が図られ、持分法による投資利益として営業外収益を計上しております。また、新店舗システム稼働により情報機器賃貸費用が増加いたしました。

この結果、経常利益は前年同期比30.1%減少の80億93百万円となりました。

 

特別利益、特別損失

特別利益は、事業譲渡益39億71百万円を計上いたしました。特別損失は、店舗整理損7億8百万円、固定資産の減損損失5億34百万円、投資有価証券評価損3億51百万円、早期割増退職金1億88百万円を計上いたしました。

 

法人税等合計

法人税等合計は、前年同期比7億24百万円減少の39億15百万円となりました。

 

親会社株主に帰属する当期純利益

親会社株主に帰属する当期純利益は、前年同期比12.2%減少の63億55百万円となりました。

 

 

 

② セグメントごとの経営成績

 

当社グループ 報告セグメントの概要

※画像省略しています。

 

セグメントごとの売上高、利益又は損失

(単位:百万円)

 

報告セグメント

調整額

連結財務諸表計上額

国内オートバックス

事業

海外事業

ディーラー・BtoB・オンラインアライアンス事業

その他の

事業

合計

売上高

 

 

 

 

 

 

 

 顧客との契約から生じる収益

167,038

14,673

35,144

10,542

227,398

227,398

 その他の収益

26

2,431

2,458

2,458

外部顧客への売上高

167,038

14,700

35,144

12,973

229,856

229,856

対前期増減率

△1.8%

12.6%

△11.7%

△2.8%

△2.7%

△2.7%

セグメント間の内部

  売上高又は振替高

5,075

674

9,116

5,100

19,966

△ 19,966

172,113

15,375

44,260

18,073

249,823

△ 19,966

229,856

対前期増減率

△1.4%

13.6%

△10.0%

△2.7%

△2.4%

△2.7%

セグメント利益又は

  損失(△)

16,721

101

△ 49

△ 659

16,115

△ 8,105

8,010

対前期増減率

△21.3%

△20.4%

△31.7%

 

 

 

国内オートバックス事業

国内オートバックス事業は、上期においては、物価上昇の影響を受けつつも、個人消費に緩やかな改善傾向が見られたことに加え、販売促進を強化したことなどにより売上は堅調に推移いたしました。下期については、暖冬の影響で店舗における冬季用品需要が減少し、卸売売上が減少いたしました。また、フランチャイズチェンパッケージ変更に伴いFC加盟店舗が保有している2025年3月期の期首在庫に対して、卸売価格引き下げ後と同水準の価格に合わせる措置を講じた結果、当連結会計年度の売上高は前年同期比1.4%減少の1,721億13百万円となりました。売上総利益は、前年同期比6.0%減少の561億20百万円となりました。販売費及び一般管理費は新店舗システム稼働により減価償却費が増加し、前年同期比2.4%増加の393億98百万円となりました。この結果、セグメント利益は前年同期比21.3%減少の167億21百万円となりました。

営業の状況といたしましては、当連結会計年度における国内のオートバックスチェン(フランチャイズ加盟法人店舗を含む)の全業態の売上高は、前年同期比で既存店が0.2%の減少、全店が前年同期並みとなりました。

 

国内オートバックスチェン売上高および客数(既存店前年比/月別)2023年4月~2024年3月

※画像省略しています。

 

国内オートバックスチェンでは、既存車のメンテナンス需要を背景に、エンジンオイル、バッテリーが好調に推移いたしました。また、これらの商品に伴うサービス工賃も堅調に推移いたしました。

タイヤについては、プライベートブランドタイヤなどの低価格帯商品の売上が伸長したものの、暖冬によりスタッドレスタイヤが低調だった影響で、売上は前年割れとなりました。

プライベートブランドについては「AQ.(オートバックスクオリティ.)」や、心躍るガレージライフを提案するブランド「GORDON MILLER(ゴードンミラー)」等、自信をもっておすすめできる価値ある商品の開発・販売を推進しております。また、オートバックス誕生50周年を記念した特別増量商品を販売するなど、50周年を記念した商品の企画・販売も進めております。

車検・整備については、公式アプリにおいて、ピット作業予約機能に加え、主要メンテナンス項目の作業履歴や交換時期のお知らせ機能を追加するなど、順次サービスを拡大しております。また、ピット作業のWeb予約が定着しつつあり、公式アプリからのピット作業予約件数が前年同期比24.3%増加いたしました。車検実施台数については、第3四半期連結会計期間より車検対象台数が減少に転じましたが、車検リピート率の向上などに努めたことにより、前年同期比0.3%増加の約66万7千台となりました。

車販売については、中古車の買取台数の増加を背景に好調に推移いたしました。これにより、国内オートバックス事業における総販売台数は前年同期比10.5%増加の約31千4百台となりました。

また、オートバックス会員制度を18年ぶりにリニューアルし、特典内容やランクアッププログラムの見直しを行い、さらに魅力的な会員制度といたしました。

国内における出退店は、新規出店が3店舗、退店が1店舗あり(SB/RLに伴う出退店は除く)、2024年3月末の店舗数は590店舗となりました。

 

 

国内オートバックス事業セグメントにおける商品別売上(連結調整後)

(単位:百万円)

 

2023年3月期

2024年3月期

増減

タイヤ・ホイール

54,874

51,384

△ 3,489

カーエレクトロニクス

22,899

20,788

△ 2,110

オイル・バッテリー

16,285

17,475

1,189

アクセサリー・メンテナンス用品

40,251

38,805

△ 1,445

車検・サービス

17,831

18,301

469

車販売

7,275

8,751

1,475

その他

10,597

11,531

933

合計

170,015

167,038

△ 2,976

 

国内出退店実績

(単位:店)

 

2023年3月末

新店

退店

2024年3月末

オートバックス

496

499

スーパーオートバックス

74

74

オートバックスセコハン市場

4

オートバックスエクスプレス

11

11

オートバックスカーズ

3

国内計

588

590

 

国内店舗数の内訳

(単位:店)

 

2023年3月末

2024年3月末

直営

11

連結対象子会社

124

127

連結対象外法人※

453

454

合計

588

590

※関連会社を含む

 

海外事業

海外事業における売上高は153億75百万円(前年同期比13.6%増加)、セグメント利益は1億1百万円(前年同期は2億7百万円のセグメント損失)となり、黒字化を達成いたしました。

小売・サービス事業においては、ウクライナ情勢や世界的なインフレの影響を受けたものの、売上は増加し、卸売事業においては既存取引先への営業強化などにより、売上が伸長いたしました。

フランスにおいては、冷夏や降雨により夏季用品の需要が減少したものの、価格の適正化や営業活動の最適化などの対策を講じたことにより、売上が増加いたしました。また、法定最低賃金の引き上げにより人件費が増加いたしましたが、不採算店舗を閉店するなど収益性の向上に取り組みました。シンガポールにおいては、COE(車両購入権)の価格上昇に伴い、既存車のメンテナンス需要拡大を取り込み、ピットサービスが好調に推移いたしました。マレーシアとオーストラリアにおいては、インフレや金利上昇を背景に、消費者の購買意欲が低下したことなどにより売上が減少いたしました。中国においては、日本国内への輸出が増加し、営業損益が改善いたしました。

海外における出退店は、新規出店が37店舗、退店が6店舗あり、2023年3月末の78店舗から109店舗となりました。

 

主要海外子会社の損益

(単位:百万円)

 

 

2023年3月期

2024年3月期

増減

フランス

売上高

7,271

8,376

1,104

営業利益

△123

△ 395

△ 271

シンガポール

売上高

1,714

1,855

141

営業利益

△30

37

67

中国

売上高

1,382

1,223

△ 159

営業利益

△143

2

146

マレーシア

売上高

116

113

△ 3

営業利益

△11

△ 12

△ 1

オーストラリア

売上高

2,812

2,625

△ 187

営業利益

163

67

△ 96

 

 

 

海外出退店実績

(単位:店)

 

2023年3月末

新店

退店

2024年3月末

フランス

10

シンガポール

タイ

49

34

82

台湾

マレーシア

インドネシア

フィリピン

海外計

78

37

109

 

海外店舗の内訳

(単位:店)

 

2023年3月期

2024年3月期

連結対象子会社

12

12

連結対象外法人※

66

97

合計

78

109

※関連会社を含む

 

ディーラー・BtoB・オンラインアライアンス事業

ディーラー・BtoB・オンラインアライアンス事業における売上高は442億60百万円(前年同期比10.0%減少)、セグメント損失は49百万円(前年同期は2億81百万円のセグメント利益)となりました。

 

ディーラー事業においては、Audiの正規ディーラーを運営する子会社が好調に推移したものの、2023年9月にBMW/MINI正規ディーラー事業を行う子会社2社を譲渡した影響で、売上が減少いたしました。また、BYD Auto Japanの正規ディーラーを運営する子会社が「BYD AUTO 宇都宮」および「BYD AUTO 練馬」を新規オープンいたしました。加えて、お客様のEVライフをトータルサポートすることを目指し、BYDの新車販売に加え、EV中古車の取扱いや、EV充電器・蓄電池およびソーラーパネルの設置などのサービスも開始いたしました。

 

ディーラーの運営会社と店舗数

(単位:店)

会社名

2023年3月末

2024年3月末

㈱アウトプラッツ

㈱モトーレン栃木

㈱バックス・アドバンス

㈱バックスeモビリティ

 

BtoB事業においては、社用車のメンテナンスやカー用品などの法人一括払いが可能となる「オートバックス法人会員制度」への加入件数が順調に増加するとともに、車両のメンテナンス需要を背景に、エンジンオイル等の卸売を行う子会社や車検・整備・タイヤ販売を行う子会社が堅調に推移いたしました。また、ドライブレコーダーやカーナビゲーションなどの出張取付サービスが堅調で、2023年9月に開始した園児送迎バス置き去り防止装置の出張取付サービスは、園児送迎車両だけでなく、介護送迎車両などにも多数ご利用いただいております。さらに、日産自動車株式会社との協業にも注力しており、車種専用アイテムの企画開発・販売を行っております。

 

オンラインアライアンス事業においては、ECサイトでの取扱商品を大幅に増やしたこと等により、売上が増加いたしました。また、引き続き物流改革やネットとリアルの融合を進めており、カーライフに必要な情報サービス・コンテンツを集約したカーライフ総合情報サイト「MOBILA(モビラ)」を通じて、潜在顧客へのアプローチとオートバックス店舗への送客を目指しております。さらに、携帯アルコールチェッカー「ALCクラウド」の機能を搭載したクラウド型社用車管理システム「FLEETGUIDE(フリートガイド)」の提供を開始いたしました。

 

その他の事業

その他の事業における売上高は180億73百万円(前年同期比2.7%減少)、セグメント損失は6億59百万円(前年同期は10億66百万円のセグメント損失)となりました。

③ 財政状態に関する分析

a.連結貸借対照表の各項目の状況

流動資産

流動資産は、前連結会計年度末に比べ8億49百万円増加し、1,121億91百万円となりました。主に現金及び預金が増加した一方、売掛金、商品、未収入金が減少したことなどによるものです。

 

有形固定資産、無形固定資産

有形固定資産は、前連結会計年度末に比べ14億94百万円増加し、482億52百万円となりました。主に新規出店、改装により建物及び構築物が増加したことなどによるものです。

無形固定資産は、前連結会計年度末に比べ16億28百万円減少し、77億63百万円となりました。

 

投資その他の資産

投資その他の資産は、前連結会計年度末に比べ94百万円減少し、267億41百万円となりました。

 

流動負債

流動負債は、前連結会計年度末に比べ78百万円増加し、489億84百万円となりました。

 

固定負債

固定負債は、前連結会計年度末に比べ16億46百万円減少し、168億12百万円となりました。主に銀行からの借入を返済したことにより長期借入金が減少したことなどによるものです。

 

純資産合計

純資産合計は、前連結会計年度末に比べ21億89百万円増加し、1,291億52百万円となりました。主に利益剰余金の配当による減少があった一方、親会社株主に帰属する当期純利益による増加などによるものです。

 

セグメントごとの資産

(単位:百万円)

 

2023年3月末

2024年3月末

増減

国内オートバックス事業

93,595

92,451

△ 1,143

海外事業

12,256

13,317

1,061

ディーラー・BtoB・オンラインアライアンス事業

22,572

16,501

△ 6,070

その他の事業

36,955

38,004

1,048

全社(共通)

28,948

34,673

5,724

総合計

194,327

194,948

621

 

資産合計/負債純資産合計

資産合計、負債純資産合計は、前連結会計年度末に比べ6億21百万円増加し、1,949億48百万円となりました。

 

 

b.連結キャッシュ・フローの状況

当連結会計年度における現金及び現金同等物は、前連結会計年度末に比べ67億75百万円増加し、312億78百万円となりました。

当連結会計年度における各キャッシュ・フローの状況とそれらの要因は次のとおりであります。

 

(営業活動によるキャッシュ・フロー)

営業活動によるキャッシュ・フローは144億31百万円の収入(前年同期は106億87百万円の収入)となりました。収入の主な内訳は、税金等調整前当期純利益102億83百万円に対し、非資金損益項目等の調整を加減した営業取引による収入193億3百万円であり、支出の主な内訳は、法人税等の支払額50億円等であります。

 

(投資活動によるキャッシュ・フロー)

投資活動によるキャッシュ・フローは、4億49百万円の支出(前年同期は76億52百万円の支出)となりました。収入の主な内訳は、連結の範囲の変更を伴う子会社株式の売却による収入50億98百万円および貸付金の回収による収入38億96百万円等であり、支出の主な内訳は、有形及び無形固定資産の取得による支出91億49百万円等であります。

 

(財務活動によるキャッシュ・フロー)

財務活動によるキャッシュ・フローは、74億13百万円の支出(前年同期は34億95百万円の支出)となりました。支出の主な内訳は、配当金の支払額46億81百万円および長期借入金の返済による支出19億58百万円等であります。

 

c.設備投資の状況

当社グループでは、新規出店や既存店舗の改装ならびに輸入車ディーラー店舗のリロケーションに係る建物および構築物の取得のほか、店舗情報基盤の構築などの情報システム投資その他に対し、総額91億49百万円の設備投資を実施いたしました。

 

設備投資の主な内訳

(単位:百万円)

 

2023年3月期

2024年3月期

新規出店(リニューアル含む)

446

2,260

既存店改装・改修

1,989

2,439

土地

453

561

情報化投資

2,405

1,780

その他

1,887

2,107

合計

7,182

9,149

 

セグメント別設備投資額

(単位:百万円)

 

2023年3月期

2024年3月期

国内オートバックス事業

4,570

6,378

海外事業

622

143

ディーラー・BtoB・オンラインアライアンス事業

1,138

1,505

その他の事業

243

434

全社(共通)

607

688

合計

7,182

9,149

 

④ 資金調達の状況

当連結会計年度において、グループ全体として運転資金需要に対する資金調達を行いました。なお当連結会計年度末の短期借入金および長期借入金の残高が25億13百万円減少した主な要因は、約定返済およびグループ内融資の借り換え等によるものです。

 

 

(2)経営者の視点による経営成績等の状況に関する分析・検討内容

 経営者の視点による当社グループの経営成績等の状況に関する認識及び分析・検討内容は次のとおりであります。

 なお、文中の将来に関する事項は、当連結会計年度末現在において当社グループが判断したものであります。

 

① 当連結会計年度の経営成績等の状況に関する認識及び分析・検討内容

 日本経済は、新型コロナウイルス感染拡大の影響により制限されていた社会経済活動の正常化を背景に、内需を中心として持ち直しの傾向にあり、また、インバウンド需要の回復もあり全体としては緩やかな回復傾向にあります。一方で、不安定な国際情勢に起因する原材料やエネルギーコストなどの高騰、急速な円安の進行やそれに伴う物価高など、経済の先行きについては依然不透明な状況が続いています。

 国内の自動車関連業界に目を向けますと、半導体不足の解消とともに新車販売台数・中古車登録台数が回復し、円安を追い風として自動車の輸出が好調であった一方で、一部の自動車メーカーや中古車販売店による不正問題が発覚するなど、業界を取り巻く環境は不透明感を強めております。

 当社は、このような外部環境の変化に加え、変化するお客様のニーズをとらえ、素早く対応できる体制を整えておかなければ勝ち残れないという考えから、2019年より時流に合わせて継続的に5年後の方向性および戦略の見直しを実施する「5ヵ年ローリングプラン」を策定いたしました。「お客様の利用シーンに合わせ、お客様の求める商品やサービスを、スピード感を持って提供する」ことを目指し、クルマの利用シーンを支えるすべての商品やサービスを、オートバックスグループで提供するだけではなく、それぞれの領域で強みを持つ事業者間の垣根を越えた連携を「6つのネットワーク」と定義し、5つの事業基盤の整備、そして事業の強化を進めてまいりました。

 2024年3月期は、以下の「実行性向上とスピードアップ」「持続的成長に向けた取り組みの強化」「人づくりのための取り組みの継続」の方針を掲げ、重点的に推進してまいりました。

 

a.実行性向上とスピードアップ

 ROIC経営推進に向けた取り組み

 当社グループの持続的成長の実現のためには、既存事業の効率改善や新陳代謝の促進、成長領域への投資と新たな事業の育成が必要です。新たな価値創造に向けた挑戦を継続していくために、ROIC(投下資本利益率)を用いた事業ポートフォリオの見直しを進めております。2024年3月期は事業別にROICの見える化を実施し、ROIC経営の基盤を構築いたしました。2025年3月期からは事業ごとのROIC目標を設定し、事業別ROICを事業統括の業績評価の指標にするなど、人事評価指標への組み込みや社内浸透を図ってまいります。中期的には、2027年3月期に7.0%のROIC目標を掲げるとともに、資本コスト(WACC)を上回るROICの維持・拡大を目指し、各事業のROIC向上に加え、成長投資に際しては他人資本を活用してWACCのコントロールも進めてまいります。

 

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 事業ポートフォリオの見直しと絞込みによる経営資源の最適化のための取り組み

 国内オートバックス事業においては、フランチャイズ(以下、FC)チェン本部のコスト構造改革とオートバックス店舗への人員再配置を実施いたしました。また、FC加盟店舗とFCチェン本部である当社が共に小売をより一層重視する経営を実現するため、2024年4月1日より、当社からFC加盟店舗への卸売価格を引き下げ、小売に付随するロイヤリティ料率を引き上げるFCチェンパッケージ変更を実施いたしました。これにより、お客様へ全国均質の高品質なサービスを提供することや、全店舗におけるDXの促進、統一ツールの導入などを進めるとともに、FC加盟店舗とFCチェン本部が真に一体となってお客様接点を増やし、お客様視点で商品やサービスの開発・提供を行うなど、より一層お客様に支持されるFCチェンへと進化してまいります。

 海外事業においては、AUTOBACS FRANCE S.A.S.の不採算店舗の閉鎖や、PT AUTOBACS INDOMOBIL INDONESIAの合弁解消により収益性が改善し、営業利益が黒字転換いたしました。

 ディーラー事業においては、BMW/MINI正規ディーラーを運営する孫会社2社の株式を譲渡いたしました。これにより、ディーラー事業の売上が減少いたしましたが、売却益約39億円を特別利益として計上いたしました。本売却益は、成長に向けた戦略投資へ充当する予定です。

 その他の事業においては、車買取・販売をカートレーディング事業として独立事業化し、2024年4月より、オートバックスグループ外からのフランチャイズ加盟店募集を開始いたしました。

 

 戦略事業への取り組み強化

 BYD正規ディーラーの新規出店やHyundaiコーナーのスーパーオートバックス7店舗への設置、EVの企画・製造・販売を行うASF株式会社へ出資など、活性化しているEV市場におけるオートバックスグループのノウハウ・アセットを活用して対応を進めております。

 また、私たちの強みである商品を切り口に、新たなカテゴリー商品の取り扱いや販売チャネルの拡大を目指し、日産自動車株式会社への車種専用商品の開発・供給を強化するとともに、オートバックス店舗でのマイクロモビリティの取り扱いを開始いたしました。

 

b.持続的成長に向けた取り組みの強化

 ネットとリアルの融合による「小売業としての進化」

 お客様の価値観や購買行動が大きく変化を遂げる中で、小売業やITなど、業界の枠を超えた競争が激化しています。そのような環境下で、当社は、ネットとリアルの融合による「小売業としての進化」を通じて、お客様にシームレスな購買体験を提供し、お客様の「時間の価値を高める」ことを目指しております。具体的には、ECで購入した商品と取付作業費用の事前決済により、お客様へ商品・サービスをスピーディに受渡しする取り組みや、ラストワンマイル対策として、ECで購入した商品が店舗にあれば、店舗からすぐに配送する取り組みを進めており、実店舗とECサイトの融合により、全国にカー用品店を展開するオートバックスならではの価値を提供しております。

 

 ユニークデータの利活用によるDX「小売業からの進化」

 「小売業からの進化」は、デジタルエコシステムによる“CDE”の実現をコンセプトに、お客様とより深く、より長く、直接的につながることを目指す戦略です。ユニークデータを活用し、お客様に最適なモビリティライフを提案することで、出かける楽しさを伝え、クルマの利用を促進することで業界全体を活性化させたいと考えております。

 ユニークデータの利活用によるDXの一例として、2023年4月に、最新のカーニュース、ドライブなどクルマで出かけたくなる情報を提供するカーライフ総合サイト「MOBILA」をオープンいたしました。「MOBILA」の利用者数は180万人を突破いたしましたが、今後も機能拡充を図るとともに、「MOBILA」をお客様とのコミュニケーションのツールとし、モビリティ情報のプラットフォーマーへと進化していきたいと考えております。

 

c.人づくりのための取り組みの継続

 人づくりは企業の成長のために不可欠であると考えております。特に、整備士人材の採用・育成・定着化に関しては喫緊の課題と捉えており、子会社である株式会社チェングロウスと連携しながら、整備士学校の新卒者や、有資格者の獲得を進め、グループとして採用活動を継続・拡大しています。また、整備士資格取得に向け開設した分教場の活用や、短期講習会の開催、自動車検査員の教習試験対策に向けた研修会の開催、ハイブリッド技術研修などを実施し、整備士を育成する場の提供を積極的に進めております。さらに、フィリピンのパーペチュアル・ヘルプ大学と、フィリピンにおける自動車整備人材の育成と日本でのキャリア形成を推進するプロジェクトの基本合意を締結し、大学と共同で整備士のキャリア人材の育成に取り組んでいます。高度な技術を持つ人材をグローバルで育成・獲得することで、日本の自動車整備業界全体の発展を目指すとともに、国際的な人材キャリア支援にも貢献したいと考えております。

 リスキリングの推進による人材開発も進めています。具体的には、データリテラシー向上を目的としてIT・DXリスキリングプログラムの提供や、本社スタッフの店舗業務におけるスキル取得や、リスキリングの教育支援を推進しました。これらのスキルは、当社が「小売業からの進化」を実現していく上で重要であると考えております。さらに、人事制度の見直し、早期退職優遇制度および関連の退職による約70名の合理化、コストセンターからプロフィット部門への100名規模の配置転換などの人事施策も実施いたしました。

 

 

② キャッシュ・フローの状況の分析・検討内容並びに資本の財源及び資金の流動性に係る情報

 当連結会計年度におけるキャッシュ・フローの分析については、「(1) 経営成績等の状況の概要 ③財政状態に関する分析 b.連結キャッシュ・フローの状況」に記載のとおりです。

 

 資本の財源および資金の流動性の状況

 当社グループの運転資金需要のうち主なものは、カー用品を中心とした商品の購入費用およびシステム等の運営コストの支払等である一方、主にフランチャイズ加盟法人に対する卸売と個人を中心とした一般のお客様への小売を行っているため、仕入債務の支払よりも売上債権の回収が進む傾向にあります。したがって、基本的には営業キャッシュ・フローで得られる資金に加え短期借入を、季節によって変動する運転資金需要と投資に充てております。

 新中期経営計画期間である2025年3月期からの3年間は、設備投資や事業拡大に向けたM&Aによる投資により、累計約350億円の投資を計画しており、長期ビジョンの期間である2032年までに累計約1,000億円の投資を実施する計画です。

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 株主還元方針

 当社は、株主の皆様に対する利益還元を経営の重要課題の一つと位置づけており、株主還元につきましては、「5ヵ年ローリングプラン」の計画期間においては、5年間累計総還元性向100%を基本方針といたしました。当該期間の累計総還元性向は93.9%となりました。なお、2024年3月期に実施したBMW/MINI正規ディーラー事業の売却に伴う一時的な利益を除いた5年間の累計総還元性向は102.9%です。

 新中期経営計画期間である2025年3月期からの3年間の株主還元につきましては、長期ビジョンの達成に向けた成長機会への投資を優先し、原則として1株当たり年間60円の安定的な配当を実施していくことを基本方針として定めております。また、営業キャッシュ・フローの増大分については投資に充当する計画としております。

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③ 重要な会計上の見積り及び当該見積りに用いた仮定

 当社グループの連結財務諸表は、わが国において一般に公正妥当と認められる会計基準に基づき作成されております。この連結財務諸表の作成にあたって、資産、負債、収益および費用の計上に際し、様々な見積りおよび判断を行っておりますが、実際の結果につきましては、見積り特有の不確実性が存在するため、これらの見積りと異なる場合があります。

 当社グループが連結財務諸表で採用する重要な会計上の見積りは、「第5 経理の状況1 連結財務諸表等 (1)連結財務諸表 (連結財務諸表作成のための基本となる重要な事項)および(重要な会計上の見積り)」に記載しております。