売上高

利益

資産

キャッシュフロー

セグメント別売上

セグメント別利益

配当

ROE 自己資本利益率

EPS BPS

バランスシート

損益計算書

労働生産性

ROA 総資産利益率

総資本回転率

棚卸資産回転率


最終更新:

E03153 Japan GAAP

売上高

1,874.7億 円

前期

1,681.0億 円

前期比

111.5%

時価総額

1,840.9億 円

株価

2,826.5 (04/19)

発行済株式数

65,129,558

EPS(実績)

86.04 円

PER(実績)

32.85 倍

平均給与

718.7万 円

前期

706.7万 円

前期比

101.7%

平均年齢(勤続年数)

48.9歳(16.5年)

従業員数

265人(連結:2,851人)

株価

by 株価チャート「ストチャ」

 

3 【事業の内容】

当社グループ(当社および当社の関係会社)は、当社、連結子会社36社および持分法適用関連会社6社で構成され、国内の事業においては「吉野家」「はなまる」を主要なセグメントとして展開しています。海外の事業においては、地域ごと、拠点ごとに複数の事業活動を行うため、「海外」というひとつのセグメントとして展開しています。

なお、当社は、有価証券の取引等の規制に関する内閣府令第49条第2項に規定する特定上場会社等に該当しており、これにより、インサイダー取引規制の重要事実の軽微基準については連結ベースの数値に基づいて判断することとなります。

当社グループのセグメントおよび、事業に係る位置付け、事業内容については、次のとおりです。

 

セグメント区分

主な事業内容

主要な会社

吉野家

日本国内における牛丼等のファストフード店経営およびフランチャイズ店舗への経営指導等

㈱吉野家

はなまる

日本国内におけるセルフ式讃岐うどん等のファストフード店経営およびフランチャイズ店舗への経営指導等

㈱はなまる

海外

海外における牛丼等のファストフード店経営およびフランチャイズ店舗への経営指導等

YOSHINOYA AMERICA,INC.(米国)

吉野家(中国)投資有限公司(中国)

ASIA YOSHINOYA INTERNATIONAL SDN.BHD.
(マレーシア)

 

 

上記グループ事業の系統図は次のとおりです。

※画像省略しています。
23/05/26

 

3 【経営者による財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローの状況の分析】

 (1) 経営成績等の状況の概要

 当連結会計年度における当社グループ(当社、連結子会社及び持分法適用会社)の財政状況、経営成績及びキャッシュ・フロー(以下、「経営成績等」という。)の状況の概要は次のとおりです。

 

① 財政状態及び経営成績の状況

 当連結会計年度(2022年3月1日から2023年2月28日まで)の業績は、売上高1,680億99百万円(前年同期比9.4%増)、営業利益34億34百万円(前年同期比45.2%増)、経常利益87億41百万円(前年同期比44.1%減)、親会社株主に帰属する当期純利益72億34百万円(前年同期比10.9%減)となりました。

 国内事業の売上高は、まん延防止等重点措置の解除以降緩やかに回復し、行動制限のない5月の大型連休では既存店売上高が新型コロナウイルス感染症拡大前の水準まで戻りました。7月後半からの「第7波」、年末年始の「第8波」と新型コロナウイルス感染症の再拡大の影響を一時的に受けましたが、政府の旅行支援策や入国者の水際対策の緩和など、社会経済活動の正常化に伴う人流の増加により、足元の既存店売上高は回復が進んでいます。海外事業の売上高は、中国では上海のロックダウンをはじめ他の都市においても散発的に行動規制が実施されるなど、感染防止に向けた厳格な措置の大きな影響を受けました。一方、感染状況が落ち着いたアセアン各国は人流の増加に伴い回復傾向にあり、さらにアメリカはインフレが続くものの依然として好調に推移しています。

 コストについては、食材ロスの低減や経費コントロールの強化に継続して取り組んでいますが、様々な原材料の価格高騰や光熱費の上昇の影響を受けました。また、地政学上のリスクや為替の変動など先行きが不透明な状態が続いています。なお営業外収益に各自治体からの営業時間短縮に係る感染拡大防止協力金等を助成金等収入として48億81百万円計上しています。

 

 セグメント概況につきましては、次のとおりです。

 

 [吉野家]

 売上高は1,137億67百万円(前年同期比6.3%増)となりました。

 増収の主な要因は、まん延防止等重点措置の解除以降、店内飲食が回復傾向であることと外販事業が堅調に推移したことです。既存顧客の来店頻度向上策として、高付加価値商品である「牛焼肉定食」「牛皿麦とろ御膳」「月見牛とじ御膳」「牛すき鍋膳」「牛すき丼」「ねぎ塩牛カルビ丼」を販売しました。新規顧客の獲得やライフタイムバリュー向上策として、10年ぶりの復活となった「親子丼」の販売や牛カレーのブラッシュアップを行いました。また、「呪術廻戦」とのコラボレーション、「朝夜割」「お子様割」「牛ポ!」「肉だく半額祭」「朝活クーポンキャンペーン」、テイクアウトの牛丼やから揚げの割引キャンペーンなどの販売施策を実施しました。さらに外販事業の新商品として、7月に販売を開始した外食初の特定保健用食品である冷凍牛丼の具「トク牛サラシアプレミアム」は6万食を販売しました。加えて、顧客利便性向上の取組みとして、店内およびテイクアウト注文タブレットの導入、テイクアウト専用受取窓口の設置店舗拡大などの積極的な機能強化を図るとともに、デリバリー対応店舗は1,011店舗(前期末+58店舗)となりました。また、新たな出店戦略として、テイクアウト専門店を9店舗出店しました。適正な経費コントロールを継続して行うと同時に、10月には主力商品の価格改定を行うなど機動的な施策を展開しましたが、牛肉を中心とした原材料の高騰や光熱費の上昇により、セグメント利益は62億13百万円(前年同期比14.6%減)となりました。同期間の店舗数は23店舗を出店し16店舗を閉鎖した結果、1,197店舗となりました。また、クッキング&コンフォート(C&C)店舗への転換状況は、8店舗を出店し75店舗を改装した結果、248店舗となりました。

 

 

 [はなまる]

 売上高は253億26百万円(前年同期比18.2%増)となりました。

 増収の主な要因は、既存店売上高がまん延防止等重点措置の解除により緩やかに回復したことです。加えて、新規顧客の獲得および来店頻度向上を図った商品施策、販売施策を実施したことにより、既存店売上高は前年同期を大きく上回りました。商品施策として、「つけ麺フェア」「活力満点!とろ玉フェア」「冷やし担々フェア」「肉ガッツリ!!肉肉フェア」「とろ~り、あったか!あんかけフェア」「牛すきぶっかけ」「あったか担々うどんフェア」など魅力的な季節商品を連続して展開しました。販売施策として、「天ぷら定期券」「スペシャルクーポン」「スーパーアプリクーポン祭」や、「映画デリシャスパーティプリキュア」「Pokémon GO」とのコラボキャンペーンを展開しました。また、10月には主力商品の価格改定を行うなど機動的に施策を展開しました。お客様が列に並ばずにうどんや天ぷらを注文できるテイクアウト専用セルフレジの導入を進めるなど、テイクアウト、デリバリー需要の獲得に向けた取組みも継続して行い、デリバリー対応店舗は269店舗(前期末+2店舗)となりました。また、前年の「季節麺(夏麺・冬麺)」の導入に続き、全店舗にて新しい「だし」への切り替えも行うなど政策テーマである「原点回帰」として商品価値づくりにも力を入れています。これらの施策によって前期より営業損失を大幅に改善しましたが、原材料や光熱費の上昇の影響を強く受け、セグメント損失は2億68百万円(前年同期は13億16百万円の損失)となりました。同期間の店舗数は4店舗を出店し22店舗を閉鎖した結果、445店舗となりました。

 

 

 [海外]

 売上高は253億62百万円(前年同期比12.7%増)となりました。

 増収の主な要因は、アメリカの既存店売上高が好調に推移したことに加え、アセアン各国の既存店売上高が回復傾向にあることです。アメリカは顧客ニーズを捉えた新商品展開や機動的な価格政策を行うことで、歴史的なインフレが続く中でも依然として力強い売上高を維持しており、原材料高やエネルギーコストの上昇にも対応しています。中国は3月末より行われた上海でのロックダウンによる営業停止措置をはじめ、その他の都市においても営業停止や店内飲食の禁止など厳格な措置の影響を受けました。中国政府によるゼロコロナ政策の転換を迎える中、12月には上海に和をモチーフとした新店舗をオープンしました。アセアン各国は感染状況が落ち着き、人流の増加とともに既存店売上高は回復傾向となっています。また、今後の成長が期待されるフィリピンでは、新コンセプト店舗を4店舗オープンし、既存店の改装も行いリブランディングを進めています。原材料高や光熱費などのコスト上昇の影響を受けたものの、増収によりセグメント利益は13億63百万円(前年同期比20.7%増)となりました。同期間の店舗数は64店舗を出店し75店舗を閉鎖した結果、963店舗となりました。なお、海外は暦年決算のため1~12月の実績を取り込んでいます。

 

 当連結会計年度末の財政状態につきましては、次のとおりです。

当連結会計年度末の総資産は、前連結会計年度末に比べ39億84百万円減少し1,082億30百万円となりました。主な要因は、アメリカにおけるリース会計基準の変更等により使用権資産が33億37百万円増加した一方、設備投資や借入金の返済により現金及び預金が109億45百万円減少し、本業以外の固定資産である投資不動産の売却を進めたことです。

負債は、前連結会計年度末に比べ108億46百万円減少し526億26百万円となりました。主な要因は、アメリカにおけるリース会計基準の変更等によりリース債務が36億46百万円増加した一方、長期借入金および1年内返済予定の長期借入金を104億8百万円返済したことです。

純資産は、前連結会計年度末に比べ68億61百万円増加し556億3百万円となり、自己資本比率は、前連結会計年度末比で8.0%増加し50.9%となりました。

 

② キャッシュ・フローの状況

 当連結会計年度末における現金及び現金同等物は、換算差額を加え、前連結会計年度末より108億15百万円減少して233億96百万円となりました。 

 営業活動によるキャッシュ・フローは、72億45百万円の収入(前年同期は234億42百万円の収入)となりました。主な内訳は、税金等調整前当期純利益89億75百万円に減価償却費61億38百万円、減損損失12億59百万円等の収入に加え、法人税等の支払額53億34百万円、棚卸資産の増加13億74百万円の支出等です。 

 投資活動によるキャッシュ・フローは、40億14百万円の支出(前年同期は3億33百万円の支出)となりました。主な内訳は、設備投資に伴う有形固定資産の取得による支出60億72百万円、投資不動産の売却による収入14億25百万円等です。 

 財務活動によるキャッシュ・フローは、141億96百万円の支出(前年同期は260億42百万円の支出)となりました。主な内訳は、長期借入金の返済による支出104億8百万円、ファイナンス・リース債務の返済による支出23億51百万円、配当金の支払額6億50百万円等です。

 

③生産、受注及び販売の実績

a.生産実績

当連結会計年度における生産実績をセグメントごとに示すと、次のとおりです。

 

セグメントの名称

生産高(百万円)

前年同期比(%)

吉野家

12,113

29.4

はなまる

1,262

26.9

その他

180

1.9

合計

13,556

28.7

 

(注)  海外は生産実績がないため、記載していません。

 

b.受注実績

該当事項はありません。

 

c.販売実績

当連結会計年度における販売実績をセグメントごとに示すと、次のとおりです。

 

セグメントの名称

販売高(百万円)

前年同期比(%)

吉野家

112,775

6.4

はなまる

25,137

18.2

海外

25,362

12.7

その他

4,823

25.0

合計

168,099

9.4

 

(注) セグメント間の取引については、相殺消去しています。

 

(2) 経営者の視点による経営成績等の状況に関する分析・検討内容

 経営者の視点による当社グループの経営成績等の状況に関する認識及び分析・検討内容は次のとおりです。

 なお、文中の将来に関する事項は、当連結会計年度末現在において判断したものです。

 

 ① 当連結会計年度の経営成績等の状況に関する認識及び分析・検討内容

(ⅰ)売上高

 売上高は前年同期に比べて144億97百万円増加し、1,680億99百万円(前年同期比9.4%増)となりました。主な要因は、国内事業についてはまん延防止等重点措置の解除後、人流の回復に伴い既存店売上高が回復したことおよび海外事業については厳格な感染症対策が行われた中国は減収となりましたが、好調なアメリカが牽引したことです。

(ⅱ)営業利益

 営業利益は前年同期に比べて10億69百万円増加し、34億34百万円(前年同期比45.2%増)となりました。主な要因は、原材料価格や光熱費などコスト上昇はあったものの、前々期から実行しているコスト構造改革の効果、変動費を適正にコントロールしたことおよび増収により経費率が低減したことです。なお、為替変動による影響は1億91百万円の増加となりました。

 

(ⅲ)経常利益

 経常利益は前年同期に比べて69億1百万円減少し、87億41百万円(前年同期比44.1%減)となりました。主な要因は、各自治体からの営業時間短縮に係る感染拡大防止協力金などの助成金等が82億44百万円減少したことです。

(ⅳ)特別利益

 特別利益は、主に持分法適用会社株式等の売却に伴う関係会社株式売却益17億25百万円、本業以外の固定資産に係る売却益を計上した結果、前年同期に比べて18億25百万円増加し24億38百万円となりました。

(ⅴ)特別損失

 特別損失は、主に閉店決定や店舗資産の収益力の低下に伴う減損損失12億59百万円、固定資産の廃棄に伴う除却損2億78百万円などを計上した結果、前年同期に比べて7億17百万円減少し22億3百万円となりました。なお、はなまるにおいては将来の収益性をより高めるため、不採算店の整理に係る減損損失5億48百万円を計上しました。

(ⅵ)親会社株主に帰属する当期純利益

 法人税、住民税及び事業税15億46百万円、法人税等調整額3億84百万円、非支配株主に帰属する当期純損失1億89百万円を計上した結果、親会社株主に帰属する当期純利益は72億34百万円となりました(前年同期比10.9%減)。

 

② 資本の財源及び資金の流動性についての分析

当社グループでは、今後の事業拡大や経営基盤の強化に必要な新規出店、既存店舗の改装、生産設備の増強等のために主要な資金需要があります。これらの設備投資に必要な資金は、内部留保の配分に加え、金融機関からの借入金やリース取引などを活用して調達しています。なお、借入金のうち、短期借入金は主に営業取引に関する資金に、長期借入金は主に設備投資に充てられています。

また、運転資金については、国内連結子会社の余剰資金を集中管理し、必要に応じて配分しています。このような一元管理により、資金の効率的な活用を図っています。また、純有利子負債残高を一定の範囲内に維持することで、経営環境の変化に対応するための資金の流動性を確保しています。

 

2019年2月

2020年2月

2021年2月

2022年2月

2023年2月

流動比率

106.9%

108.8%

122.4%

154.4%

153.8%

自己資本比率

43.9%

37.9%

30.0%

42.9%

50.9%

時価ベースの自己資本比率

103.6%

109.8%

102.8%

137.5%

140.0%

キャッシュ・フロー対有利子
負債比率

14.0年

3.6年

25.1年

1.6年

3.5年

インタレスト・カバレッジ・
レシオ

15.6倍

26.9倍

5.2倍

50.4倍

17.4倍

 

 

 ③ 重要な会計上の見積り及び当該見積りに用いた仮定

当社グループの連結財務諸表は、我が国において一般に公正妥当と認められている会計基準に基づき作成されています。この連結財務諸表の作成に当たりまして、資産、負債、収益及び費用の報告額に影響を及ぼす見積り及び仮定を用いていますが、これらの見積り及び仮定に基づく数値は実際の結果と異なる可能性があります。

連結財務諸表の作成にあたって用いた会計上の見積り及び当該見積りに用いた仮定のうち、重要なものについては、「第5 経理の状況 1 連結財務諸表等 (1)連結財務諸表 注記事項(重要な会計上の見積り)」に記載のとおりです。