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利益

資産

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最終更新:

E00701 Japan GAAP

売上高

89.2億 円

前期

89.5億 円

前期比

99.7%


3【事業の内容】

 当社及び当社の関係会社(当社及び連結子会社3社により構成=2023年3月31日現在)においては、地域の発展に寄与する報道機関として日刊紙「岩手日報」の発行と販売及び広告掲載を主とし、これに付帯する出版、折込広告の取り扱い、各種の印刷、さらには社会厚生、文化、教育、スポーツ等の向上普及を目的とする各種催事と支援事業等を行っております。

 当社グループの事業は単一のセグメントで、セグメント情報を記載していないため、事業部門別に記載しております。

(販売部門)

 当部門においては、当社発行の日刊紙「岩手日報」を県内及び宮城、青森、東京の各販売店を通じて毎日読者に戸別配達しております。

 現在の基本ページは朝刊22ページ。随時増ページをしております。

〔関係会社〕

 株式会社岩手日報こずかたセンター、岩手日報アド・ブランチ株式会社

(広告部門)

 当部門においては、当社発行の新聞及び出版物に掲載する広告の取材、制作、出稿を行っております。本紙の記事と広告の割合は7対3で、広告の掲載は大部分が全段や記事下ですが、このほか突き出し、記事中、題字下等の特別広告欄があります。

 ㈱岩手日報広告社は当社専属の広告代理店で記事下広告をはじめ求人、慶弔など本紙掲載広告を取り扱っております。また、岩手日報アド・ブランチ㈱も新聞広告を取り扱っております。

〔関係会社〕

 株式会社岩手日報広告社、岩手日報アド・ブランチ株式会社

(折込部門)

 当部門においては、新聞の折込広告を取り扱っております。折込広告は岩手日報アド・ブランチ㈱の営業種目の大半を占め、県内の新聞読者に向けた折込広告の配布窓口として信頼を高めております。最近では県外とも連携を取り、新潟を含む東北7県のほか首都圏、近畿圏からも配布依頼を受けております。

 ㈱岩手日報こずかたセンターでは、岩手日報アド・ブランチ㈱など盛岡市内の折込専門会社及び業者から直接依頼された広告チラシを、岩手日報に折り込んで読者に戸別配達をしております。

〔関係会社〕

 岩手日報アド・ブランチ株式会社、株式会社岩手日報こずかたセンター

(その他の部門)

 当部門においては、岩手の県民生活・文化の向上に寄与することを目的に芸術文化、スポーツのみならず社会福祉、産業経済などあらゆる分野にわたって多彩な事業を主催・後援しております。伝統を誇る一関・盛岡間駅伝、岩手の書家展などの定期催事以外に、2022年6月に「プロ野球パ・リーグ公式戦 東北楽天ゴールデンイーグルス―北海道日本ハムファイターズ」を開催するなど多岐にわたる事業展開を行っております。また、その他に折込チラシ・パンフレットなどの印刷物の作成等を行っております。

 また、新たな収入源の開拓も行っており、メディア関連ではデジタル分野で主として電子新聞「岩手日報デジタル版」、スマートフォンアプリ「いわぽん」のサービス提供、ニュース・データ配信に伴う著作権管理などを行っております。コンテンツ関連では主として文芸誌「北の文学」、いわて高校野球ファイルの定期出版物をはじめ多岐にわたる分野の書籍を刊行しております。輪転機を活用する受託印刷では選挙公報などの印刷をしております。

 

〔関係会社〕

 株式会社岩手日報広告社、岩手日報アド・ブランチ株式会社

〔事業系統図〕

 以上述べた事項を事業系統図によって示すと、次のとおりです。

※画像省略しています。

23/06/27

4【経営者による財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローの状況の分析】

(1)経営成績等の状況の概要

 当連結会計年度における当社グループ(当社及び連結子会社)の財政状態、経営成績及びキャッシュ・フロー(以下「経営成績等」という。)の状況の概要は次のとおりであります。

 

①財政状態及び経営成績の状況

 日本経済は、新型コロナウイルス禍が3年目に入った当連結会計年度も停滞が続きました。さらに歴史的円安が物価高をもたらし、暮らしを直撃。ロシアのウクライナ侵攻に端を発した原材料価格の高騰も長期化しており、中小企業の経営は圧迫されています。

 本県経済もコロナ禍の影響を大きく受けましたが、盛岡さんさ踊りが3年ぶりに開催されるなど、徐々に感染対策と社会活動を両立する流れとなりました。23年5月には新型コロナウイルスの感染症法上の位置付けが「5類」に引き下げられ、今後の経済活動に明るい兆しが見えています。

 これら内外情勢の中、岩手日報社は他の全国紙・地方紙にはない編集活動を展開しました。地方紙で初めて南極地域観測隊の越冬隊に派遣された記者は、太陽が昇らない極夜や激しく光を放つオーロラなど知られざる極地の実態を報道し、3月に帰国。東日本大震災の地元紙の使命として被災地の姿を伝え続け、12回目となる3・11特別号外は東京や京都、沖縄などで配布しています。

 広告部門では、22年3月11日付本紙などに掲載した「風化させてはいけない震災がある(あの日のテレビ欄+47体の身元不明遺体)」が日本新聞協会の第42回新聞広告賞(新聞社企画・マーケティング部門)を受賞するなどレベルの高さを示しました。10月には岩手日報総合研究所を設立。岩手日報広華会と連携し、岩手の未来に向けて調査研究・提言活動を行っています。

 こうした編集・営業活動に加え、第85期は盛岡市広報や聖教新聞、公明新聞の受託印刷を手掛けるなど積極的な取り組みを進めてきたものの、業績は用紙をはじめとする新聞製作資材の高騰が響く結果となりました。

 

 この結果、当連結会計年度の財政状況及び経営成績は以下のとおりになりました。

 

a.財政状態

 当連結会計年度末の資産合計は、前連結会計年度末に比べ490百万円減少し、9,986百万円となりました。

 当連結会計年度末の負債合計は、前連結会計年度末に比べ423百万円減少し、4,519百万円となりました。

 当連結会計年度末の純資産合計は、前連結会計年度末に比べ66百万円減少し、5,466百万円となりました。

 

b.経営成績

 当連結会計年度の経営成績は、売上高8,917百万円(前年同期比0.3%減)、営業利益11百万円(前年同期比96.8%減)、経常利益50百万円(前年同期比87.2%減)、親会社株主に帰属する当期純損失49百万円(前年同期は親会社株主に帰属する当期純利益277百万円)となりました。

 当社グループの新聞関連事業の業績は、次のとおりです。

(販売部門)

 様々な情報が氾濫する中、確かな情報を求める新たな読者の掘り起こしにつなげました。新聞販売をめぐる環境が厳しさを増す中、力を尽くして各種活動を展開しました。しかし、若年層の活字離れに加え、物価高騰を背景とした経済的な理由による講読中止が増加していることを受け、当社グループの売上の基盤となる本紙の発行部数を削減しました。その結果、前年に比べ売上は減少しました。

 この結果、売上高は4,061百万円(前年同期比△49百万円、△1.2%(当社単独ベース))となりました。

(広告部門)

 多彩な企画広告や特集を展開し、大変厳しい広告環境の中で奮闘しましたが、物価高騰の影響により、スポンサーの業績が悪化し、広告の出稿が減少しました。その結果、前年に比べ売上は減少しました。

 この結果、売上高は1,405百万円(前年同期比△103百万円、△6.8%(当社単独ベース))となりました。

 

 

(折込部門)

 折込広告は、新型コロナウイルス感染症は収束に向かいつつありましたが、世界的なインフレや資材価格高騰の影響により折込広告の出稿が減り、前年に比べ売上は減少しました。

 この結果、売上高は1,914百万円(前年同期比△47百万円、△2.4%(連結子会社2社の合計))となりました。

(その他の部門)

 事業部門では新型コロナウイルス感染症の影響が弱まったことや、大型催事の「プロ野球パ・リーグ公式戦 東北楽天ゴールデンイーグルス―北海道日本ハムファイターズ」が大成功したほか、芸術文化催事の主催・後援など多彩な事業を積極的に展開した結果、前年に比べ売上は増加しました。

 また、メディア部門では聖教新聞、公明新聞の受託印刷を始めたため増収となりました。

 この結果、売上高は339百万円(前年同期比+103百万円、+44.0%(当社単独ベース))と増収になりました。

 

②キャッシュ・フローの状況

 当連結会計年度における現金及び現金同等物(以下、「資金」という。)は、税金等調整前当期純利益が39百万円(前年同期比△342百万円、△89.5%)でありましたが、資材や電気料の値上げによる新聞製作コストの増加に加え、広告部門の収入減少によるものであり、前連結会計年度に比べ252百万円(5.8%)減少し、当連結会計年度末には4,097百万円となりました。

 

(営業活動によるキャッシュ・フロー)

 当連結会計年度における営業活動による資金の増加は313百万円(前年同期比△633百万円、△66.8%)となりました。

(投資活動によるキャッシュ・フロー)

 当連結会計年度における投資活動により使用した資金は223百万円(前年同期比+178百万円、+392.6%)となりました。使用した資金の主な内容は当社において、新規定期預金預入の資金を支出したことによるものです。

(財務活動によるキャッシュ・フロー)

 当連結会計年度における財務活動の結果、資金は342百万円の支出(前年同期比+6百万円、+1.7%)となりました。主な内容は当社において長期借入金の返済で305百万円を支出したことによるものです。

③生産、受注及び販売の状況

 当社グループ(当社及び連結子会社)の製造業は、日刊紙発行業の当社のみであり、製品の特殊性から受注生産形態をとっていないため、生産規模及び受注規模を金額あるいは数量で示すことはしておりません。

 このため生産、受注及び販売の状況については「4 経営者による財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローの状況の分析」における各事業の部門別業績に関連付けて示しております。

(2)経営者の視点による経営成績等の状況に関する分析・検討内容

 経営者の視点による当社グループの経営成績等の状況に関する認識及び分析・検討内容は次のとおりであります。

 なお、文中の将来に関する事項は、当連結会計年度末現在において当社グループが判断したものであります。

①財政状態及び経営成績の状況に関する認識及び分析・検討内容

 当社グループの当連結会計年度の財政状態及び経営成績は下記の通りであります。

 当社グループの経営成績に重要な影響を与える要因として、人口減少などを背景にした新聞購読者数の減少、他メディアとの広告の選別化、地域経済の冷え込みやインターネットの普及などによる新聞広告需要の減少、若者を中心とした読者離れなどが挙げられます。

 

1)財政状態

(資産合計)

 当連結会計年度末の資産合計は、前連結会計年度末に比べ490百万円減の9,986百万円(前連結会計年度末は10,476百万円)となりました。

 流動資産は前連結会計年度末に比べ219百万円減の5,460百万円(前連結会計年度末は5,679百万円)となりました。これは主に当社において費用の増加に伴い現金及び預金が減少したことによるものです。

 固定資産は前連結会計年度末に比べ270百万円減の4,526百万円(前連結会計年度末は4,797百万円)となりました。これは主に当社において制作センターの減価償却が進んだため減少したことによるものです。

(負債合計)

 当連結会計年度末の負債合計は前連結会計年度末に比べ423百万円減の4,519百万円(前連結会計年度末は4,943百万円)となりました。これは主に当社において長期借入金を返済したことに伴う減少です。

(純資産合計)

 当連結会計年度末の純資産合計は前連結会計年度末に比べ66百万円減の5,466百万円(前連結会計年度末は5,533百万円)となりました。

 

2)経営成績

(売上高)

 売上高は、当社グループの売上の基盤となる本紙の発行部数を削減したため販売部門の収入が減少、また、物価高騰の影響により広告出稿が減り、広告部門の収入も減少しました。その結果8,917百万円(△0.3%)となりました。

(売上総利益)

 売上総利益は、売上高の減少に加え、売上原価の増加により2,319百万円(△8.9%)となりました。

(売上原価、販売費及び一般管理費)

 売上原価は、原材料高騰の影響による印刷コスト増加等より6,598百万円(+3.1%)となりました。

 販売費及び一般管理費は、当社の一関支社外壁老朽化に伴う修繕工事費用等により2,308百万円(+5.6%)となりました。

(営業利益)

 営業利益は、11百万円(△96.8%)となりました。

(経常利益)

 経常利益は、50百万円(△87.2%)となりました。

(親会社株主に帰属する当期純利益)

 親会社株主に帰属する当期純損失は、49百万円(前年同期は親会社株主に帰属する当期純利益277百万円)となりました。

 

②キャッシュ・フローの状況の分析・検討内容並びに資本の財源及び資金の流動性に係る情報

 当社グループの当連結会計年度のキャッシュ・フローの状況につきましては、「(1)経営成績等の状況の概要 ②キャッシュ・フローの状況」に記載のとおりであります。

 

 当社グループの資本の財源及び資金の流動性については下記の通りであります。

(キャッシュ・フロー)

 当社グループの資金状況は、営業活動によるキャッシュ・フローが313百万円(前年同期比△633百万円、△66.8%)となり、減少しました。

 投資活動によるキャッシュ・フローで使用した資金は223百万円(前年同期比+178百万円、+392.6%)となりました。使用した資金は、当社における新規定期預金への預入による支出が主な内容です。

 財務活動によるキャッシュ・フローで使用した資金は342百万円(前年同期比+6百万円、+1.7%)となりました。主な内容は当社において長期借入金を返済したことによるものです。

 これらの結果、現金及び現金同等物の残高は、前連結会計年度に比べ252百万円減少し、4,097百万円となりました。

(資金需要)

 当社グループの資金需要は主に運転資金需要と設備資金需要があります。

 運転資金需要のうち主なものは当社では印刷資材の購入、子会社と共通するものとして人件費等販売費及び一般管理費等の営業費用によるものであります。また、設備資金需要としましては、主に工場、事務所等の設立などによる建物や機械装置等固定資産購入によるものです。

(財務政策)

 当社グループは現在、運転資金につきましては、内部資金より充当しております。当社においては、賞与等人件費の支出をする際にキャッシュ・フローの平準化を目的として短期借入金による調達を行っております。また、設備資金につきましては、設備資金計画に基づき調達計画を作成し、内部資金で不足する場合は、長期借入金による調達を行っております。

 

③経営上の目標の達成・進捗状況

 経営上の目標の達成状況を判断するための客観的な指標等である2022年度の予算達成状況は以下の通りです。なお、数値については当社単独ベースとなります。

 売上高は予算比2.9%減となりました。営業利益は予算比178.2%減となりました。経常利益は予算比121.3%減となりました。当期純利益は予算比182.6%減となりました。

 

④経営者の問題認識と今後の方針について

 当社グループの経営陣は、現在の環境及び入手可能な情報に基づき経営方針を立案しております。

 少子高齢化、人口減少等による購読部数の漸減傾向に加え、昨今の用紙をはじめとする製作資材の高騰により、新聞業界を取り巻く環境は一段と厳しさを増しております。この現状を打破することは容易ではありませんが、岩手県唯一の県紙として今後も読者の知る権利に応え、言論・報道を中心とした事業活動を通して地域発展に寄与していくため、持続可能な経営基盤の確立に努めていきます。

 発足5年目の総合メディア局を核に、デジタルトランスフォーメーション(DX)の本格推進、部局横断的な課題の解決に着手します。従来の紙の新聞ともにデジタル版の普及、デジタル化への基盤強化、統合編集に向けた準備、次代の読者づくりとなる学校現場へのアプローチ、新事業の構築など、スピード感をもって取り組みます。

 編集活動については、県人アスリートが躍動する大リーグをはじめとする国際スポーツ報道を継続。県紙、地方紙の生命線と言える地域ニュースの強化を進め、インターネットでは読むことのできない当社ならではのコンテンツを提供していきます。発生から12年が経過した東日本大震災報道では被災地に寄り添った視点を維持しつつ次なる大災害への警鐘を鳴らし、正念場の国際リニアコライダー(ILC)誘致に向けた報道にも引き続き力を注ぎます。

 販売、広告事業の営業部門が売上創出の中心であることは変わりありません。経営基盤強化のためにも部数維持、新規顧客開拓へ、これまで以上に積極的な提案・営業活動を展開していきます。昨年度から他紙、盛岡市広報の受託印刷が始まっています。さらなる新聞輪転機の利活用に向け、新たな受託印刷先を開拓していきます。新社屋建設計画では、盛岡駅西口の土地を購入。経営状況を踏まえ将来的な負担をできるだけ抑える形で進めていきます。