E00701 Japan GAAP
(1)経営成績等の状況の概要
当中間連結会計期間における当社グループ(当社、連結子会社及び持分法適用会社)の財政状態、経営成績及びキャッシュ・フロー(以下「経営成績等」という。)の状況の概要は次のとおりです。
①財政状況及び経営成績の状況
当中間期の日本経済は、実質賃金の持ち直しと高水準のインバウンドが個人消費を下支えする一方、為替・資源価格および海外経済の減速懸念から、先行き不透明感が残る局面となりました。粘着的な物価上昇や物流コストの高止まりは家計・企業にコスト負担をもたらす一方、賃上げの定着と観光関連需要がサービス消費を下支えしました。
こうした全国的な環境の中、岩手県の経済も観光・宿泊・飲食を中心に、行動制限緩和後の回復が継続し、自然・文化資源や体験型コンテンツの磨き上げが滞在型消費を促進しました。製造業は為替・エネルギー・物流コストの変動に対して慎重姿勢を維持しつつも、選別的な投資が続いています。農林水産業では、気候変動や品質管理コストの上昇が課題となる一方、県産品のブランド化・販路多角化により一定の価格競争力を維持しました。
新聞業界においては、紙媒体の構造的な部数減少に対し、デジタル課金・アプリ強化・動画/データ可視化・ニュースレター・SNSショート動画など、接点の複線化が進展。生成AIの活用は制作効率・パーソナライズ・アクセシビリティ向上の面で取り組みが広がる一方、著作権・誤情報・バイアス管理などのガバナンス強化が重要テーマとなっています。
当社においては、年度当初の定数カットにより販売部門の売上は減少しましたが、広告や事業など他部門の実績が前年を上回ったことから、全体としては増収となりました。さらに、関連会社である本宮専売所を吸収合併したことなどもあり、増益も達成しました。
新たな収入源の創出と将来計画の策定に向けて、経営企画部門を新設し、生成AIの販売や新社屋計画を進めています。総合ビジネス局ではさまざまな広告企画を展開し、東日本大震災広告企画「悲劇や後悔の教材化/3月11日を『大切な人にごめんねを伝える日』に」(3月11日付掲載)が広告電通賞プリント広告部門およびフィルム広告部門で銀賞を受賞しました。また、「『ホームラン印 野球そば』プロジェクト」が、日本新聞協会第45回新聞広告賞の新聞社企画・マーケティング部門奨励賞に選ばれ、ともに10月に贈呈されました。
編集局は統合編集を視野にネットの速報態勢を強化しています。総合メディア局は、引き続き「プラス日報」の学校現場での活用拡大を目指し、出前授業など積極的な営業活動を展開しているほか、編集局と連携してサブスクリプションの導入準備を進めています。制作センターは、昨年から毎日新聞およびスポーツニッポンの受託印刷を開始しており、損紙率1%台の維持に努めることで、経費削減に貢献しています。
a.財政状態
当中間連結会計期間末の資産合計は、前連結会計年度末に比べ1百万円減少し、10,329百万円となりました。
当中間連結会計期間末の負債合計は、前連結会計年度末に比べ53百万円減少し、4,269百万円となりました。
当中間連結会計期間末の純資産合計は、前連結会計年度末に比べ51百万円増加し、6,060百万円となりました。
b.経営成績
当中間連結会計期間の経営成績は、売上高4,380百万円(前年同期比0.5%増)、営業利益93百万円(前年同期は営業損失16百万円)、経常利益108百万円(前年同期比1,041.6%増)、親会社株主に帰属する中間純利益58百万円(前年同期比120.5%増)となりました。
セグメントごとの経営成績は次のとおりです。
・新聞関連事業
(販売部門)
インターネットやスマートフォンの普及により、特に若年層を中心に紙媒体からデジタルコンテンツへの需要が高まっており、これが紙の購読者数の減少につながっています。加えて、高齢化の進行による自然減も影響しています。さらに、紙媒体の購読コストが上昇する一方で、デジタルサービスは無料または低価格で提供されることが多く、経済的な面からも紙媒体の競争力は低下しています。
このような厳しい事業環境を踏まえ、発行部数の適正化を進めました。あわせて、報告セグメントを単一から2つへ変更しており、売上高には当該変更に伴う組替の影響が含まれています。
この結果、売上高は2,353百万円(前年同期比+101百万円、+4.5%)となりました。
(広告部門)
企業や広告主がソーシャルメディアや検索エンジンなどのデジタル広告へ予算をシフトしたことで、従来の新聞広告への投資は減少しています。経済の不確実性による広告予算の削減や、紙媒体はデジタルに比べ効果測定が難しく投資対効果が見えにくいことも重なり、当社の広告収入は減少しました。ただし、2025年7月の参議院選挙により、一時的に広告需要が増加しました。
この結果、売上高は568百万円(前年同期比+58百万円、+11.5%)となりました。
(折込部門)
広告主がターゲット精度や効果測定が容易なデジタル広告へ移行する中で紙媒体への依存度が下がり、購読者減少や地方経済の停滞による広告予算縮小、環境意識の高まりによる紙媒体離れ、そして新興広告手法との競合激化が複合的に影響していることもあり、折込広告を取り巻く環境は依然として厳しい状況が続いております。
一方で、デジタル広告一辺倒の見直しを背景に、紙媒体を組み合わせた販促提案が評価されつつあります。
この結果、売上高は968百万円(前年同期比+35百万円、+3.8%)となりました。
(その他の部門)
事業部門では、昨年度は中止となっていたプロ野球公式戦が開催されたことにより、売上が増加しました。
メディア部門では、2025年7月に実施された参議院選挙への対応に加え、新たに2紙の受託印刷を獲得したことから、売上が増加しました。
この結果、売上高は219百万円(前年同期比+82百万円、+59.8%(当社単独ベース))となりました。
・不動産事業
岩手県盛岡市内に収益物件として賃貸マンションを新たに取得したことにより、賃貸収入が増加し、売上の押し上げ要因となりました。この結果、売上高は37百万円(前年同期比+22百万円、+152.5%)となりました。
②キャッシュ・フローの状況
当中間連結会計期間における現金及び現金同等物(以下、「資金」という。)は、税金等調整前中間純利益が155百万円(前年同期比+146百万円、+1,536.7%)でありましたが、当社において定期預金の預入による支出が増加したため、前中間連結会計期間末に比べ707百万円(△18.1%)減少し、当中間連結会計期間末には3,184百万円となりました。
(営業活動によるキャッシュ・フロー)
当中間連結会計期間における営業活動による資金の増加は330百万円(前年同期比+118百万円、+55.8%)となりました。この増加の主な要因は、税金等調整前中間純利益が増加したことによるものです。
(投資活動によるキャッシュ・フロー)
当中間連結会計期間における投資活動の結果、資金は980百万円の減少(前年同期は521百万円の増加)となりました。主な内容は当社において、大口定期預金の預入があったことによるものです。
(財務活動によるキャッシュ・フロー)
当中間連結会計期間における財務活動の結果、資金は52百万円の減少(前年同期は182百万円の減少)となりました。主な内容は当社において長期借入金の返済したことによるものです。
③生産、受注及び販売の実績
当社グループ(当社及び連結子会社)の製造業は、日刊紙発行業の当社のみであり、製品の特殊性から受注生産形態をとっていないため、生産規模及び受注規模を金額あるいは数量で示すことはしておりません。
このため生産、受注及び販売の実績については「①財政状況及び経営成績の状況 b.経営成績」における各事業の部門別経営成績に関連付けて示しております。
(2)経営者の視点による経営成績等の状況に関する分析・検討内容
経営者の視点による当社グループの経営成績等の状況に関する認識及び分析・検討内容は次のとおりです。
なお、文中の将来に関する事項は、当中間連結会計期間末現在において判断したものです。
①当中間連結会計期間の経営成績等の状況に関する認識及び分析・検討内容
a.経営成績等
1)財政状態
(資産合計)
当中間連結会計期間末の資産合計は、前連結会計年度末に比べ1百万円減の10,329百万円(前連結会計年度末は10,331百万円)となりました。
流動資産は前連結会計年度末に比べ133百万円減の5,077百万円(前連結会計年度末は5,210百万円)となりました。これは主に当社において売上債権が減少したことによるものです。
固定資産は前連結会計年度末に比べ131百万円増加の5,252百万円(前連結会計年度末は5,121百万円)となりました。これは主に当社において収益不動産としてフィットネスジムの土地・建物を取得したことによるものです。
(負債合計)
当中間連結会計期間末の負債合計は前連結会計年度末に比べ53百万円減の4,269百万円(前連結会計年度末は4,322百万円)となりました。これは主に当社における長期借入金の返済に伴う減少によるものです。
(純資産合計)
当中間連結会計期間末の純資産合計は前連結会計年度末に比べ51百万円増の6,060百万円(前連結会計年度末は6,009百万円)となりました。
2)経営成績
(売上高)
売上高は、前年同期と比べて23百万円(0.5%)増の4,380百万円となりました。
(売上総利益)
売上総利益は、前年同期に比べて81百万円(7.1%)増の1,223百万円となりました。
(売上原価、販売費及び一般管理費)
売上原価は、退職給付費用の減少等により、前年同期に比べ58百万円(△1.8%)減の3,157百万円となりました。
販売費及び一般管理費は、退職給付費用の減少等により、前年同期に比べ28百万円(△2.5%)減の1,129百万円となりました。
(営業利益)
営業利益は93百万円となりました。(前年同期は16百万円の営業損失)
(経常利益)
経常利益は108百万円となりました。(前年同期は9百万円)
(親会社株主に帰属する中間純利益)
親会社株主に帰属する中間純利益は58百万円となりました。(前年同期は26百万円)
3)キャッシュ・フローの状況
当中間連結会計期間のキャッシュ・フローの状況につきましては、「(1)経営成績等の状況の概要 ②キャッシュ・フローの状況」に記載のとおりです。
b.経営戦略の現状と見通し及び今後の方針について
当社グループの経営陣は、現在の環境及び入手可能な情報に基づき経営方針を立案しております。
当社グループを取り巻く環境は、県内の人口減少・高齢化や情報取得手段のデジタル化が進み、紙媒体中心の事業だけでは読者接点と収益の維持が難しい状況にあります。一方で、行政・防災・教育・文化など地域に根差した情報へのニーズは根強く、県紙としての公共性と信頼性を備えた報道機能への期待は引き続き大きいと認識しています。
現在の経営戦略としては、「紙とデジタルのハイブリッドな情報発信」と「地域との共創によるビジネス拡大」を柱に据えています。紙面では県内全域の取材網を生かした地域密着の企画を充実させ、デジタル版・アプリ・SNS等では速報性や検索性を高めながら、若年層や県外の岩手ゆかりの方々との新たな接点拡大に取り組んでいます。あわせて、イベントやシンポジウム、教育・研修、地元産品や観光資源のプロモーション支援などを通じ、広告依存度を下げる多角的な収益構造への転換を進めています。
今後は、①デジタルサービスのさらなる高度化、②岩手県内外のコミュニティとの共創強化、③多角的収益モデルによる経営基盤の安定化、を中核方針として事業を推進します。社内人材の育成や業務プロセスの見直しを通じて成長分野へ経営資源を重点配分し、「岩手の未来をともに考える地域の羅針盤」として、地域社会の持続的発展と中長期的な企業価値向上の両立を目指してまいります。
②経営成績に重要な影響を与える要因について
当社グループの経営成績に影響を与える大きな要因として、まず岩手県を中心とした発行エリアで人口減少や高齢化が進み、世帯数・現役世代が減っていることにより、新聞購読者数の減少が続いている点が挙げられます。あわせて、企業の広告出稿もテレビやインターネット広告、SNSなどデジタルメディアへとシフトしており、紙媒体への広告出稿は選別が一層進んでいます。その結果、同社グループの主な収益源である販売収入・広告収入の双方に下押し圧力がかかっています。
さらに、地域経済そのものが停滞・縮小傾向にあることから、地元企業の広告宣伝費が抑制されやすい環境にあることも、新聞広告需要の縮小要因となっています。加えて、インターネットやスマートフォンの普及によりニュースを無料または低廉なサービスで入手できるようになったことで、特に若年層を中心に新聞離れが進行している点も無視できません。こうした構造的な変化が複合的に作用し、当社グループの売上高や利益水準などの経営成績に大きな影響を及ぼす可能性があると考えられます。
③資本の財源及び資金の流動性についての分析
(キャッシュ・フロー)
当中間連結会計期間のキャッシュ・フローの状況につきましては、「(1)経営成績等の状況の概要 ②キャッシュ・フローの状況」に記載のとおりです。
(資金需要)
当社グループの資金需要は主に運転資金需要と設備資金需要があります。
運転資金需要のうち主なものは当社では印刷資材の購入、子会社と共通するものとして人件費等販売費及び一般管理費等の営業費用によるものです。また、設備資金需要としましては、主に工場、事務所等の設立などによる建物や機械装置等固定資産購入によるものです。
(財務政策)
当社グループは現在、運転資金につきましては、内部資金より充当しております。当社においては、必要に応じて賞与等人件費を支出する際にキャッシュ・フローの平準化を目的として短期借入金による調達をしております。また、設備資金につきましては、設備資金計画に基づき調達計画を作成し、内部資金で不足する場合は、長期借入金による調達をしております。