E03730 Japan GAAP
前期
675.4億 円
前期比
136.3%
当社は、親会社である本田技研工業株式会社及びその関係会社等により構成されるホンダグループに属しております。
主な事業は、主として本田技研工業株式会社の製品を購入又はリースされるお客様及び、製品を取扱う販売店等に対する金融サービス事業であり、その営業対象に応じた組織を基礎として区分した「顧客向け金融事業」及び「事業者向け金融事業」の2つに分類しております。
当社の主な事業における当社及びホンダグループの位置付けは、次のとおりであります。
なお、「第5 経理の状況」「2 財務諸表等」「(1)財務諸表」「注記事項」に掲げるセグメントの区分と同一であります。
(1) 顧客向け金融事業
① 個別信用購入あっせん(クレジット)
当社のクレジット取扱加盟店(販売店)が不特定の顧客に対して分割払い等で物品の販売又はサービスの提供を行う場合、その代金を顧客に代わって加盟店に対し立替払いを行い、顧客から約定に基づき立替代金の回収を行います。当該顧客に対する与信及び代金回収業務は、自社で行う自社クレジット方式にて行っております。
② 車両リース等
本田技研工業株式会社の製品を希望する顧客からリースの申込みがあった場合に、当該製品を購入してリースを行っております。
(2) 事業者向け金融事業
① リース
イ 車両リース
本田技研工業株式会社の製品を希望する販売店からリースの申込みがあった場合に、当該製品を購入してリースを行っております。
ロ 設備リース
情報機器・周辺機器・通信機器、産業機械、工作機械、商業用・サービス業用機械設備等を希望する販売店及びホンダグループからリースの申込みがあった場合に、当該機器を購入してリースを行っております。
② その他
イ 融資
1) 設備資金融資
本田技研工業株式会社の製品を取扱う販売店に対して、店舗の新設・増改築・移転等の投資に伴う資金を貸付けております。
2) 仕入資金融資
本田技研工業株式会社の製品を取扱う販売店に対して、仕入代金の一定額を貸付けております。
ロ 債権買取
ホンダグループの売掛債権を買取り、ホンダグループに代わって回収を行っております。
ハ 保険の代理店
損害保険会社の代理店として自動車保険、火災保険、その他各種保険の募集業務等を行っております。
[事業系統図]
以上述べた事項を事業系統図によって示すと次のとおりであります。
当事業年度におけるわが国経済は、生産や輸出について持ち直しの動きがみられ、企業収益は総じて改善傾向にあります。また、個人消費の持ち直しや雇用情勢は改善の動きが見られます。先行きについては、雇用・所得環境が改善する下で、各種政策の効果もあって、緩やかな回復が続くことが期待されます。ただし、世界的な金融引締めに伴う影響や中国経済の先行き懸念など、海外景気の下振れが我が国の景気を下押しするリスクとなっております。また、物価上昇、中東地域をめぐる情勢、金融資本市場の変動等の影響に十分注意する必要があります。
当社の親会社が属する自動車業界では、当事業年度の国内販売台数は、新型コロナウイルス感染症や半導体の供給不足による影響等も落ち着き、登録車を中心に販売台数が改善し、前年と比較し増加しました。また、当社の親会社である本田技研工業株式会社の国内販売台数についても、前年と比較し増加しております。
このような状況の中、当社は四輪新車について全国統一金利のクレジット商品や早期一括返済・一部繰上返済の手数料無料化を引き続き行うなど、お客様にとってわかりやすく、便利で、安心して利用できる金融サービスを展開してまいりました。
一部の車種については本田技研工業株式会社の施策である「1.9%・2.5%特別金利キャンペーン」による残価設定型クレジットの取り組みを引続き強化しております。
さらに、車両代、諸費用、維持費など全てまとめて月額定額でご利用いただく金融商品、「楽らくまるごとプラン(個人向けカーリース)」の取扱いに注力し、お客様により気軽にHonda車をお楽しみいただくために、シンプルで安心してご利用いただける商品を提供してまいりました。
当事業年度の新規取扱高は 5,556億円(前事業年度比 865億円増)、取扱残高は 1兆2,479億円(同 544億円増)となりました。
損益面では、営業収益が 920億円(同 244億円増)となった一方、当事業年度よりメンテナンス引当金を計上した事により、 経常利益は 102億円(同 49億円減)、当期純利益は 70億円(同 34億円減)となりました。
なお当社は、「顧客向け金融事業」及び「事業者向け金融事業」の2つを報告セグメントとしております。
「顧客向け金融事業」は、一般顧客向けに個別信用購入あっせん(クレジット)及び車両リース等を営んでおります。
「事業者向け金融事業」は、販売店向けに融資及び車両リース等、ホンダグループ向けに設備リース等を営んでおります。
セグメント別の業績を示すと、次のとおりであります。
① 顧客向け金融事業
顧客向け金融事業は、新規取扱高が 5,211億円(同 801億円増)、金融事業収益は 810億円(同 237億円増)となりました。
② 事業者向け金融事業
事業者向け金融事業は、新規取扱高が 345億円(同 64億円増)、金融事業収益は 109億円(同 7億円増)となりました。
財政状態は、次のとおりであります。
当事業年度の総資産は、1兆2,972億円と前事業年度末に比べ、587億円の増加となりました。
当事業年度の負債合計は、1兆1,082億円と前事業年度末に比べ、516億円の増加となりました。
当事業年度の純資産合計は、1,890億円と前事業年度末に比べ、70億円の増加となりました。
当事業年度における現金及び現金同等物(以下「資金」という)は、長期債務による資金調達や営業貸付金残高の減少等があったものの、国内公募債の償還や貸与資産の取得による支出等により、当事業年度末の資金残高は44億円と、前事業年度末に比べ1百万円の減少となりました。
当事業年度の前事業年度に対する各キャッシュ・フローの増減状況と要因は次のとおりであります。
(営業活動によるキャッシュ・フロー)
営業活動によるキャッシュ・フローは、税引前当期純利益102億円及び個別信用購入あっせん事業等にかかる営業貸付金の減少352億円や、前受金の増加259億円等があったものの、貸与資産の取得による支出931億円やリース債権の増加172億円等により、122億円(前事業年度比 469億円の支出増)の資金減少となりました。
(投資活動によるキャッシュ・フロー)
投資活動によるキャッシュ・フローは、新規ソフトウエア開発に伴う支出等により、21億円(同 3億円の支出減)の資金減少となりました。
(財務活動によるキャッシュ・フロー)
財務活動によるキャッシュ・フローは、国内公募債の償還1,250億円や債権流動化の返済による支出547億円等があったものの、新たな国内公募債の発行による収入1,197億円や、債権流動化による資金調達499億円、長期銀行借入399億円等があったため、143億円(同 460億円の収入増)の資金増加となりました。
(3) 特定金融会社等の開示に関する内閣府令に基づく営業貸付金の状況
「特定金融会社等の開示に関する内閣府令」(平成11年5月19日 大蔵省令第57号)に基づく、提出会社における営業貸付金の状況は次のとおりであります。
① 貸付金の種別残高内訳
2024年3月31日現在
(注) 個別信用購入あっせん(クレジット)の車両所有権留保登録については、無担保として表示しております。
② 資金調達内訳
2024年3月31日現在
(注) 自己資本は、資産の合計額より負債の合計額を控除し、引当金の合計額を加えた額を記載しております。
③ 業種別貸付金残高内訳
2024年3月31日現在
④ 担保別貸付金残高内訳
2024年3月31日現在
(注) 車両の所有権留保登録については、無担保として表示しております。
⑤ 期間別貸付金残高内訳
2024年3月31日現在
(注) 期間は、約定期間によっております。
① 営業収益
当事業年度における営業収益をセグメントごとに示すと、次のとおりであります。
② 取扱高
当事業年度における新規取扱高をセグメントごとに示すと、次のとおりであります。
(注) 主な取扱高の金額記載は次のとおりであります。
③ リース債権
当事業年度末におけるリース債権をセグメントごとに示すと、次のとおりであります。
④ リース投資資産
当事業年度末におけるリース投資資産をセグメントごとに示すと、次のとおりであります。
経営者の視点による当社の経営成績の状況に関する認識及び分析・検討内容は次のとおりであります。なお、文中の将来に関する事項は、当事業年度末において判断したものであります。
① 当事業年度の経営成績等の状況に関する認識及び分析・検討内容
当事業年度の経営成績等は、営業収益は920億円と前事業年度比で244億円の増収、経常利益は102億円と同49億円の減益となりました。減益の主な要因は、リース収益213億円の増加があったものの、リース原価が191億円及びその他の費用が93億円増加したこと等によるものであります。
当社の経営成績に重要な影響を与える要因については、「第2 事業の状況」「3 事業等のリスク」に記載しております。
当事業年度末の総資産は、1兆2,972億円と前事業年度末に比べ、587億円増加となりました。
流動資産は1兆973億円(前事業年度末比 149億円減)、固定資産1,993億円(同 737億円増)、繰延資産は5億円となっております。流動資産の主な減少要因は、リース債権172億円の増加等があったものの、個別信用購入あっせん事業等における営業貸付金残高352億円の減少等があったことによります。固定資産の主な増加要因は、貸与資産の取得682億円の増加等によるものです。
当事業年度末の負債合計は1兆1,082億円と前事業年度末に比べ、516億円の増加となりました。
流動負債は4,565億円(同 1,058億円増)、固定負債は6,516億円(同 541億円減)となっております。
負債の増加の主な要因は、社債1,250億円の償還、債権流動化547億円の返済による減少等があったものの、短期借入金としてコマーシャル・ペーパーの発行(同 144億円の残高増加) 、1,200億円の新たな社債の発行及び債権流動化による資金調達500億円、前受金259億円の増加等があったことによるものです。
当事業年度末の純資産は前事業年度末比70億円増加し、1,890億円となりました。これは、利益剰余金の増加によるものです。
キャッシュ・フローの分析は、「(経営成績等の概要)」「(2)キャッシュ・フローの状況」に記載しております。
資本の財源及び資金の流動性については、営業貸付金、リース物件の取得資金、コマーシャル・ペーパーの決済資金、借入金の返済資金および社債償還資金等の調達を目的に、社債やコマーシャル・ペーパーの発行、銀行借入や債権流動化など、複数の手段により資金調達を行うことにより十分な流動性を確保しております。また、当社は本田技研工業株式会社とキープウェル・アグリーメントを締結し、信用補完を受けております。
①顧客向け金融事業
顧客向け金融事業は、内訳として、個別信用購入あっせん(クレジット)では、新規取扱高が3,572億円(前事業年度比 640億円増)、個別信用購入あっせん収益は315億円(同 18億円減)となりました。車両リース等では、新規取扱高が1,638億円(同 161億円増)、リース収益は417億円(同 207億円増)、その他の収益は77億円(同 48億円増)となりました。この結果、顧客向け金融事業は、新規取扱高が5,211億円(同 801億円増)、金融事業収益は810億円(同 237億円増)となりました。
セグメント資産は、前事業年度末に比べ、531億円増加し、1兆2,350億円となりました。これは、主に車両リース等の取扱残高が増加したことによります。
②事業者向け金融事業
事業者向け金融事業は、内訳として、融資では仕入資金融資を中心に新規取扱高が211億円(同 55億円増)、融資収益は11百万円となりました。リースでは、販売店向け車両リース契約等により新規取扱高が133億円(同 8億円増)、リース収益は105億円(同 6億円増)となりました。債権買取、保険代理店手数料等のその他の収益は4億円となっております。この結果、事業者向け金融事業は、新規取扱高が345億円(同 64億円増)、金融事業収益は109億円(同 7億円増)となりました。
セグメント資産は、前事業年度末に比べ、13億円増加し、128億円となりました。これは、主にリースの取扱残高が増加したことによります。
② 重要な会計上の見積り及び当該見積りに用いた仮定
当社の財務諸表は、わが国において一般に公正妥当と認められている会計基準に基づき作成しております。この財務諸表を作成するにあたって、資産、負債、収益及び費用の報告額に影響を及ぼす見積り及び仮定を用いておりますが、これらの見積り及び仮定に基づく数値は実際の結果と異なる可能性があります。
財務諸表の作成に当たって用いた会計上の見積り及び仮定のうち、重要なものは「第5 経理の状況」「2 財務諸表等」「注記事項 (重要な会計上の見積り)」に記載しております。