E03841 Japan GAAP
前期
15.2億 円
前期比
94.1%
当社は、公共工事前払金保証事業及び金融保証事業を主な内容とし、更に当該事業に付随するサービス業務及び建設業に関する情報収集等を行っています。
なお、付随するサービス業務の一部を、子会社(北保証サービス㈱)が行っています。
(経営成績等の状況の概要)
総資産は310億536万円と、前事業年度に比べ7億4,510万円(前年同期比2.5%増)の増加となりました。負債は24億4,712万円と、前事業年度に比べ1億8,158万円(前年同期比8.0%増)の増加となりました。純資産は285億5,824万円と、前事業年度に比べ5億6,352万円(前年同期比2.0%増)の増加となりました。
収入保証料は、前事業年度に比べ9,049万円減少の14億2,680万円となりました。
保証債務弁済額は、前事業年度に比べ3,206万円増加の3,214万円となりました。
責任準備金は、戻入額が9億637万円、繰入額が11億2,688万円となり、繰入超過額は2億2,051万円となりました。
事業経費は、前事業年度に比べ9,355万円増加の11億322万円となりました。
営業利益は、前事業年度に比べ4億2,044万円減少の7,854万円となりました。
営業外収益は、前事業年度に比べ2,672万円増加の4億2,322万円となりました。
経常利益は、前事業年度に比べ3億9,371万円減少の5億176万円となりました。
当期純利益は、前事業年度に比べ3億9,750万円減少の3億8,270万円となりました。
当事業年度末における現金及び現金同等物(以下「資金」という)は、前事業年度に比べ10億2,156万円減少し、22億3,841万円となりました。
(営業活動によるキャッシュ・フロー)
当事業年度における営業活動による資金の増加は、5億1,651万円(前事業年度は4億7,969万円の増加)となりました。これは主に税引前当期純利益が5億4,907万円であったこと、責任準備金が2億2,051万円増加したこと、利息及び配当金の受取額が3億9,544万円であったこと、法人税等の支払額が3億1,798万円であったことなどによるものです。
(投資活動によるキャッシュ・フロー)
当事業年度における投資活動による資金の減少は、14億9,006万円(前事業年度は21億7,952万円の減少)となりました。これは主に有価証券・投資有価証券の売却及び償還による収入に対し、有価証券・投資有価証券の取得による支出が34億2,216万円多かったことなどによるものです。
(財務活動によるキャッシュ・フロー)
当事業年度における財務活動の結果使用した資金は、4,801万円(前事業年度は4,810万円の使用)となりました。これはすべて配当金の支払額です。
(営業実績)
(注) 保証料は、顧客と締結した保証契約から発生した保証料を記載しています。「収益認識に関する会計基準」(企業会計基準第29号令和2年3月31日)等を適用しており、損益計算書における「営業収益」の「収入保証料」とは異なります。
前払金保証
契約保証
(経営者の視点による経営成績等の状況に関する分析・検討内容)
経営者による経営成績等の状況の分析は以下のとおりです。
なお、本項には将来に関する事項が含まれていますが、当該事項は当事業年度末現在において判断したものです。
流動資産は、主に現金及び預金の減少により、前事業年度に比べ17億3,207万円の減少となりました。
固定資産は、主に投資有価証券の増加により、前事業年度に比べ24億7,718万円の増加となりました。
これらにより資産合計は、前事業年度に比べ7億4,510万円の増加となりました。
流動負債は、主に責任準備金の増加により、前事業年度に比べ1億5,931万円の増加となりました。
固定負債は、主に役員退職慰労引当金の増加により、前事業年度に比べ2,226万円の増加となりました。
これらにより負債合計は、前事業年度に比べ1億8,158万円の増加となりました。
株主資本合計は、主に当期純利益3億8,270万円の計上により、前事業年度に比べ3億3,470万円の増加となりました。
また、繰越利益剰余金から保証債務積立金8億円を積み立てました。
評価・換算差額等は、その他有価証券評価差額金の増加により、前事業年度に比べ2億2,882万円の増加となりました。
これらにより純資産合計は、前事業年度に比べ5億6,352万円の増加となりました。
収入保証料は、前事業年度に比べ9,049万円減少の14億2,680万円となりました。前払金保証、契約保証の別に見ますと、前払金保証料収入が前事業年度に比べ6,778万円減少の11億1,895万円、契約保証料収入が前事業年度に比べ2,270万円減少の3億784万円となりました。
保証債務弁済額は、前払金保証が当事業年度は発生しなかったことから前事業年度に比べ7万円の減少、契約保証が前事業年度に比べ3,214万円の増加となりました。
責任準備金は、前事業年度に比べ戻入額が1,601万円増加、繰入額が2億2,051万円増加となったことにより、繰入超過額は、前事業年度に比べ2億450万円増加の2億2,051万円となりました。
事業経費は、前事業年度に比べ9,355万円増加の11億322万円となりました。
このように、収入保証料の減少、責任準備金の繰入超過額の増加、保証債務弁済額の増加、事業経費の増加となったことにより、営業利益は、前事業年度に比べ4億2,044万円減少の7,854万円となりました。
営業外収益は、主に受取配当金の増加により、前事業年度に比べ2,672万円増加の4億2,322万円となりました。
以上の結果、経常利益は、前事業年度に比べ3億9,371万円減少の5億176万円となり、また、当事業年度は投資有価証券売却益の特別利益が前事業年度に比べ2億3,685万円減少の5,777万円となったことなどから、当期純利益は、前事業年度に比べ3億9,750万円減少の3億8,270万円となりました。
当社の資金需要は、主に、保証債務弁済及び事業経費等の運転資金需要と、投資活動における投資有価証券取得に係るものです。
当社は、必要な運転資金を内部資金により調達しています。
当社の財務諸表は、わが国において一般に公正妥当と認められている会計基準に基づいて作成しています。財務諸表の作成にあたって、期末時点の状況をもとに、種々の見積りと仮定を行っていますが、それらは財務諸表に影響を及ぼします。財務諸表に与える影響が大きいと考えられる項目は以下のとおりです。
責任準備金は、当事業年度末の未経過保証契約に係る保証金等の支払いを確保するため、「公共工事の前払金保証事業に関する法律」(昭和27年法律第184号)第15条の規定に基づき計算した金額を計上しています。保証契約者の財政状態が予測を超えて大幅に悪化し、多額の保証金等の支払いが将来発生する場合等には、責任準備金の見積りに重要な影響を及ぼす可能性があります。
当社は、繰延税金資産について、将来の損益予測に基づいた課税所得が十分に確保できることや、回収可能性があると判断した将来減算一時差異について繰延税金資産を計上しています。繰延税金資産の回収可能性は将来の課税所得の見積りに依存するため、その見積りの前提とした条件や仮定に変更が生じた場合、繰延税金資産の計上に重要な影響を及ぼす可能性があります。
「第2 事業の状況 3事業等のリスク」に記載のとおり、当社の経営成績は、公共工事予算の増減、建設業を取り巻く構造的な問題に加えて、様々な景気の変動等の影響を受けます。このため、当社は、公共工事予算の動向、建設企業の経営状況等を注視しつつ、前事業年度の保証取扱、保証事故の実績を比較対象とし、経営成績等の分析を行っています。
当事業年度における我が国の公共事業予算については、前年度に引き続き安定的な確保が図られるとともに、防災・減災、国土強靱化の取組への重点化が図られました。また、2022年10月には、「物価高克服・経済再生実現のための総合経済対策」に基づき、防災・減災、国土強靭化の推進への対応など、国民の安全・安心の確保を含む四つの柱について、補正予算が成立しました。
当社の保証事業については、前払金保証取扱高では件数、保証金額いずれも前事業年度を下回る結果となりました。一方、契約保証取扱高では、件数で減少したものの、保証金額では前事業年度を上回る結果となりました。収入保証料の減少リスクに対しては、建設企業が当社保証を利用しやすい環境整備を推進し、経営成績の安定化を図ってまいります。
現在のところ、道内建設企業の倒産件数は低水準で推移しており、足元の経営状況には持ち直しの動きが見られ、当社の保証事故は、前払金保証では発生しませんでしたが、契約保証では1件発生しました。