富山地方鉄道株式会社

陸運業鉄道

売上高

利益

資産

キャッシュフロー

配当

ROE 自己資本利益率

EPS BPS

バランスシート

損益計算書

労働生産性

ROA 総資産利益率

総資本回転率

棚卸資産回転率

ニュース

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最終更新:

E04128 Japan GAAP

売上高

103.0億 円

前期

94.7億 円

前期比

108.8%

3【事業の内容】

 当社グループ(当社、連結子会社及び持分法適用会社)は、当社(富山地方鉄道株式会社)、子会社6社及び持分法適用会社2社により構成され、運輸、不動産、建設、保険代理、航空輸送事業代理、ホテル、自動車整備、その他の8部門にわたって事業活動を展開しております。

 当社グループの事業内容及び当社と関係会社の当該事業に係る位置付けは次のとおりであります。

 なお、次の8事業は「第5 経理の状況 1 連結財務諸表等 (1)連結財務諸表 注記事項」に掲げるセグメントの区分と同一であります。

 

(1)運輸事業(5社)

事業の内容

会社名

鉄道事業

当社

軌道事業

当社

自動車事業

当社、加越能バス㈱①、立山黒部貫光㈱②(E)

 

(2)不動産事業(4社)

事業の内容

会社名

不動産分譲業

当社

不動産賃貸業

当社、富山地鉄建設㈱①(A)、加越能バス㈱①

 

(3)建設事業(1社)

事業の内容

会社名

建設業

富山地鉄建設㈱①(A)

 

(4)保険代理事業(2社)

事業の内容

会社名

保険代理業

加越能バス㈱①、富山地鉄サービス㈱①(D)

 

(5)航空輸送事業代理業(2社)

事業の内容

会社名

航空輸送事業代理業

当社、富山地鉄サービス㈱①(D)

 

(6)ホテル業(3社)

事業の内容

会社名

ホテル業

富山地鉄ホテル㈱①(C)、黒部観光開発㈱①、立山貫光ターミナル㈱②

 

(7)自動車整備業(2社)

事業の内容

会社名

自動車整備業

加越能バス㈱①、富山地鉄自動車整備㈱①(B)

 

 

(8)その他事業(2社)

事業の内容

会社名

娯楽・スポーツ業

当社

広告代理業・物品販売業・旅行代理店業

富山地鉄サービス㈱①(D)

 (注)1.①は、連結子会社

②は、持分法適用関連会社

2.上記部門の会社数には、当社及び加越能バス㈱、富山地鉄サービス㈱、富山地鉄建設㈱が重複しておりま

す。

3.当社は、(A)の会社に施設の建設・補修を委託しております。

当社は、(B)の会社に車両修繕を委託しております。

当社は、(C)の会社に施設の賃貸を行っております。

当社は、(D)の会社に航空業務、電車・バス車内外広告を委託しております。

当社は、(E)の会社に車両の貸付を行っております。

 

(事業系統図)

関係会社等の範囲を事業系統図によって示すと、次のとおりであります。

※画像省略しています。

25/06/27

4【経営者による財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローの状況の分析】

(1)経営成績等の状況の概要

当連結会計年度における当社グループ(当社、連結子会社及び持分法適用会社)の財政状態、経営成績及びキャッシュ・フロー(以下「経営成績等」という。)の状況の概要は次のとおりであります。

 

① 財政状態及び経営成績の状況

 当連結会計年度におけるわが国経済は、雇用・所得環境に改善の動きもあり、総じて穏やかな回復基調で推移しましたが、円安等による物価上昇や金融資本市場の変動等の影響、依然として不安定な国際情勢などにより先行き不透明な状況が続きました。地方の中小私鉄・バス業界におきましては、インバウンドを含めた観光需要の回復が見受けられるものの、人口減少や少子化、コロナ禍で始まった在宅勤務の定着化などから地元客の需要が完全に回復しておらず、更には老朽化施設の更新や安全対策費のコスト増加や交通業界全体での労働力不足が著しく深刻であり、依然厳しい事業環境が続いております。

 このような情勢のもと当社では、営業面ではコロナ禍からの回復と経営基盤の強化を図るため、富山県や各市町村、他社様と連携したツアー造成、貸切運行等積極的な増収策を展開し収益の確保に努めるとともに、アプリ活用による地域と連携したチケット造成、またSNS等による広報活動、新キャラクターを活用したイメージアップ強化に努めました。

 また、安全面では運転事故及び労働災害の無事故の実現に向けて、従前の労働安全衛生活動に加え、他部門と情報共有を図り、全職場が安全衛生意識を徹底させるべく新たな会議体を設け、事故防止対策及び関係施設の徹底した保全管理を行い、安全輸送体制の一層の強化を図りました。

 この結果、当連結会計年度の経営成績は営業収益10,298,680千円(前年同期比8.8%増)、営業損失645,105千円(前年同期は営業損失905,913千円)、経常損失17,530千円(前年同期は経常損失483,498千円)、親会社株主に帰属する当期純利益1,135,285千円(前年同期比8.4%減)となりました。

 セグメントごとの経営成績は次のとおりであります。

 

 a. 運輸事業

 運輸事業においては、鉄道事業では2024年4月に実施したダイヤ改正において、インバウンド等の観光需要の増加に対応するよう電鉄富山~立山間の特急列車及び北陸新幹線との接続、速達性を高めたエリア特急「くろべ」を増発し、東京、大阪への日帰りも可能とし誘客PRに努めました。また、不二越・上滝線のパターンダイヤを大幅に拡大したほか、電鉄富山発の最終列車を繰り下げ、利便性向上を図りました。

 施設面においては、鉄道線橋梁補修及び富山港線の2橋梁架け替え工事、踏切の連接軌道更新工事、軌条及び枕木交換工事、第3種踏切の第1種化格上げ工事、軌道線の軌道改良工事など安全対策を進めました。駅舎施設でも老朽化対策のため順次修繕、明粧化を図り、お客様が安全にご利用いただける環境整備に努めました。

 富山駅付近連続立体交差事業における本線の高架化工事においては、高架構造物の基礎杭と橋脚の整備を進め、高架駅舎部では基礎杭や建物基礎部の施工を行いました。

 自動車事業では、乗合バス事業においては、富山地方鉄道㈱では、2024年4月に実施したダイヤ改正にて、笹津線速達バス(ファストバス)の通年化や、各路線の運行データを基に遅延箇所や遅延時間を分析し一部バス停で発時刻の見直しを行うことにより、運行の定時性確保を図り、地域住民の生活路線を支える公共交通機関として利便性向上に努めました。また、休日限定の路線バス全線1日フリーきっぷを発売し利用促進を図りました。その他オープントップバス「スカイバス」や、宇奈月温泉~立山室堂線(アルペンライナー)、「富山ぶりかにバス」の運行により県内観光の需要回復に対応しました。加越能バス㈱では、自動車運転手労働時間改善基準告示の改正に併せ拘束時間、休息時間を考慮したダイヤ編成とし、更に運転手の働き方改革を進めるため、運行系統の見直しを実施しました。

 高速バス事業においては、富山地方鉄道㈱では、インバウンド需要が大きい高山線の1往復復便や競争力のある名古屋線、首都圏からの立山黒部アルペンルート、立山登山利用者の需要喚起のため夏季期間に運行する東京室堂線に注力し、ハード面でも都市間高速への新造車両の導入等、サービスレベル向上を図り営業増進に努めました。一方、著しいバス運転手不足により、各路線とも一部運休措置を余儀なくされました。加越能バス㈱では、名古屋線は、需要を見極めながら減便を継続し、利用客の回復が見受けられた高山線は復便し好調に推移しましたが、金沢線は利用客の減少に歯止めがかからないことから、2024年11月末をもって廃止しました。

 貸切バス事業では、バス運転手不足の中、乗合バスの運行確保を優先し貸切バスの受注制限を行いましたが、5月の修学旅行シーズンには、高速バスを計画運休し対応しました。貸切単価の引き上げやツアー等観光需要が少しずつ回復し、継続的に県内外の旅行会社へ営業活動を展開したことで受注を拡大しました。

 MaaS(マース)アプリ「my route(マイルート)」につきましては、カターレ富山のホームゲーム開催時に使用できる「サッカー×グルメ満喫バス往復チケット」やファミリー層のアイデアを取り入れた「こどもとおでかけチケット」など新たなデジタル乗車券を発売、また例年夏休み期間中に沿線市町村と共同で小学生を対象に電車・バス運賃を無料とする「親子でおでかけ事業」を引き続き実施し、公共交通利用の啓発と地域連携・沿線の魅力発見に繋げました。

  以上の結果、当連結会計年度の営業収益は6,356,183千円(前年同期比4.8%増)となりました。

 

  (提出会社の運輸成績表)

(イ)鉄道事業

項目

単位

当連結会計年度

(自 2024年4月1日

至 2025年3月31日)

前年同期比(%)

営業日数

365

△0.2

営業粁

93.2

客車走行粁

千粁

3,985

△1.6

乗車人員

千人

5,334

3.6

定期

3,493

0.0

定期外

1,840

11.5

旅客収入

千円

1,361,368

5.9

定期

548,764

△1.0

定期外

812,440

11.2

手小荷物収入

163

△25.2

運輸雑収

163,135

20.8

収入合計

1,524,504

7.3

乗車効率

12.47

6.7

1日平均収入

千円

4,176

7.6

1日1粁平均収入

44.81

7.6

 (注)乗車効率の算出は延人粁/(客車走行粁×1車平均定員)によるものです。

 

 

(ロ)軌道事業

項目

単位

当連結会計年度

(自 2024年4月1日

至 2025年3月31日)

前年同期比(%)

営業日数

365

△0.2

営業粁

15.2

客車走行粁

千粁

1,100

△7.7

乗車人員

千人

7,725

6.3

定期

4,106

5.7

定期外

3,619

7.0

旅客収入

千円

955,421

7.7

定期

339,066

4.3

定期外

616,354

9.7

運輸雑収

156,829

3.7

収入合計

1,112,250

7.2

乗車効率

24.25

15.2

1日平均収入

千円

3,047

7.4

1日1粁平均収入

200.47

7.4

 (注)乗車効率の算出は延人粁/(客車走行粁×1車平均定員)によるものです。

(ハ)自動車事業

乗合自動車

項目

単位

当連結会計年度

(自 2024年4月1日

至 2025年3月31日)

前年同期比(%)

営業日数

365

△0.2

営業粁

2,152.0

△0.8

車両走行粁

千粁

7,073

△17.0

乗車人員

千人

5,557

0.9

定期

2,590

4.0

定期外

2,966

△1.6

旅客収入

千円

1,838,367

△1.5

定期

453,420

4.9

定期外

1,384,947

△3.5

運輸雑収

335,414

△6.5

収入合計

2,173,781

△2.3

乗車効率

15.24

△1.1

1日平均収入

千円

5,955

△2.1

走行1粁当たり収入

307.31

17.6

 (注) 乗車効率の算出は延人粁/(車両走行粁×1車平均定員)によるものです。

貸切自動車

項目

単位

当連結会計年度

(自 2024年4月1日

至 2025年3月31日)

前年同期比(%)

営業日数

365

△0.2

車両走行粁

千粁

679

△14.1

乗車人員

千人

149

5.3

旅客収入

千円

470,069

16.0

運輸雑収

48,083

△27.3

収入合計

518,153

9.9

1日平均収入

1,419

10.2

走行1粁当たり収入

762.51

28.0

 

(業種別営業収益)

業種別

当連結会計年度

(自 2024年4月1日

至 2025年3月31日)

前年同期比(%)

鉄道事業(千円)

1,524,504

7.3

軌道事業(千円)

1,112,250

7.2

自動車事業(千円)

3,720,209

3.1

調整額(千円)

△780

報告セグメント計(千円)

6,356,183

4.8

 

 b. 不動産事業

 不動産事業においては、不動産分譲業では分譲土地2物件の売却や不動産売買の仲介等、積極的な営業活動を展開し、不動産賃貸業では宿泊観光客や月極契約者の増加に伴い駐車場収入が増加した結果、当連結会計年度の営業収益は587,625千円(前年同期比13.7%増)となりました。

(業種別営業収益)

業種別

当連結会計年度

(自 2024年4月1日

至 2025年3月31日)

前年同期比(%)

不動産分譲業(千円)

72,495

不動産賃貸業(千円)

515,130

0.7

報告セグメント計(千円)

587,625

13.7

 

 c. 建設事業

 建設事業においては、設備投資需要が堅調に推移する中、富山駅付近連続立体交差事業や自治体発注工事の部分完成により、当連結会計年度の営業収益は1,754,060千円(前年同期比0.5%増)となりました。

(業種別営業収益)

業種別

当連結会計年度

(自 2024年4月1日

至 2025年3月31日)

前年同期比(%)

建設業(千円)

1,754,060

0.5

報告セグメント計(千円)

1,754,060

0.5

 

 

 d. 保険代理事業

 保険代理事業においては、「令和6年能登半島地震」の発生を受けて損害保険の契約者数が増加する一方で、インターネットによる保険商品の販売拡大や人口減少、少子化による市場縮小の影響により軟調に推移し、当連結会計年度の営業収益は344,627千円(前年同期比1.5%減)となりました。

(業種別営業収益)

業種別

当連結会計年度

(自 2024年4月1日

至 2025年3月31日)

前年同期比(%)

保険代理業(千円)

344,627

△1.5

報告セグメント計(千円)

344,627

△1.5

 

 e. 航空輸送事業代理業

 航空輸送事業代理業においては、国際チャーター便の新規契約や定期便の増便など、インバウンド需要の増加の影響に加え、品質評価特別加算手数料や搭乗研修特別手数料の増額などにより、大幅な増収となりました。この結果、当連結会計年度の営業収益は403,852千円(前年同期比31.2%増)となりました。

(業種別営業収益)

業種別

当連結会計年度

(自 2024年4月1日

至 2025年3月31日)

前年同期比(%)

航空輸送事業代理業(千円)

403,852

31.2

報告セグメント計(千円)

403,852

31.2

 

 f. ホテル業

 ホテル業においては、インバウンド需要の増加を主因としつつ、政府主導の復興支援事業「北陸応援割」や、スポーツ、観光、イベントの各団体利用の増加により客室稼働率及び客室単価が増加し、当連結会計年度の営業収益は558,661千円(前年同期比13.0%増)となりました。

(業種別営業収益)

業種別

当連結会計年度

(自 2024年4月1日

至 2025年3月31日)

前年同期比(%)

ホテル業(千円)

558,661

13.0

報告セグメント計(千円)

558,661

13.0

 

 

 g. 自動車整備業

 自動車整備業においては、コロナ禍で抑制していた当社グループ内取引が増加したことによる増収の他、新規顧客獲得のため一般法人や個人に対し積極的な営業を展開した結果、当連結会計年度の営業収益は589,773千円(前年同期比9.9%増)となりました。

(業種別営業収益)

業種別

当連結会計年度

(自 2024年4月1日

至 2025年3月31日)

前年同期比(%)

自動車整備業(千円)

589,773

9.9

報告セグメント計(千円)

589,773

9.9

 

 

 h. その他

 娯楽・スポーツ業では、富山地鉄ゴールデンボウルにおいてコロナ禍からの回復基調が継続し、個人利用、団体利用ともに増加したことで、増収となりました。

 広告代理業では、広告賞の受賞など営業努力を行ったものの、交通広告が年間を通じて軟調傾向であった他、マスメディア広告の制作数が減少するなど、厳しい状況となり、大幅な減収となりました。

 その他事業では、旅行代理業は「北陸応援割」や北陸新幹線敦賀延伸に伴う個人旅行の増加に加え、旅行需要の回復を受けた団体旅行の取扱いの増加があり、物品販売業は物価高騰による消費低迷を受けながらも、飲食店の団体予約数は回復し、その他事業全体における営業収益は前連結会計年度より大幅に増加しました。

 この結果、当連結会計年度の営業収益は908,201千円(前年同期比8.4%増)となりました。

(業種別営業収益)

業種別

当連結会計年度

(自 2024年4月1日

至 2025年3月31日)

前年同期比(%)

娯楽・スポーツ業(千円)

235,784

6.6

広告代理業(千円)

167,863

△13.3

その他事業(千円)

504,554

19.3

その他計(千円)

908,201

8.4

 

 

② キャッシュ・フローの状況

 当連結会計年度における現金及び現金同等物(以下「資金」という)は、前連結会計年度に比べ698,411千円減少し、当連結会計年度末に3,056,232千円となりました。

 当連結会計年度における各キャッシュ・フローの状況とそれらの要因は次のとおりであります。

 (営業活動によるキャッシュ・フロー)

 営業活動の結果得られた資金は496,262千円(前連結会計年度は1,263,468千円の獲得)となりました。これは主に税金等調整前当期純利益が1,038,927千円(前連結会計年度は1,322,981千円)、減価償却費が610,773千円(前連結会計年度は604,004千円)、持分法による投資利益634,974千円(前連結会計年度は435,979千円)であった一方で、工事負担金等受入額が404,850千円(前連結会計年度は732,111千円)、固定資産圧縮損が331,877千円(前連結会計年度は1,253,915千円)、法人税等の支払額が145,256千円(前連結会計年度は132,765千円)などによるものであります。

 (投資活動によるキャッシュ・フロー)

 投資活動の結果使用した資金は396,217千円(前連結会計年度は869,286千円の使用)となりました。これは主に有形固定資産の売却による収入が264,905千円(前連結会計年度は1,241,012千円)、工事負担金等受入による収入が55,144千円(前連結会計年度は2,651,053千円)であった一方で、有形固定資産の取得による支出が654,766千円(前連結会計年度は4,703,436千円)などによるものであります。

 (財務活動によるキャッシュ・フロー)

 財務活動の結果使用した資金は798,455千円(前連結会計年度は972,404千円の使用)となりました。これは主に借入金の純減額が700,259千円(前連結会計年度は866,255千円の純減額)、リース債務の返済による支出が82,728千円(前連結会計年度は82,421千円の支出)などによるものであります。

 

③ 生産・受注及び販売の状況

 当社グループの販売品目は広範囲かつ多種多様であり、また受注販売形態をとらない品目も多く、セグメントに関連付けて記載することが困難であるので記載しておりません。そのため生産、受注及び販売の状況については「① 財政状態及び経営成績の状況」におけるセグメントごとに経営成績に関連付けて示しております。

 

(2)経営者の視点による経営成績等の状況に関する分析・検討内容

 経営者の視点による当社グループの経営成績等の状況に関する認識及び分析・検討内容は次のとおりであります。

 なお、文中の将来に関する事項は、当連結会計年度末現在において判断したものであります。

 

① 当連結会計年度の経営成績等の状況に関する認識及び分析・検討内容

 

a.経営成績の分析

 当社グループの当連結会計年度の営業収益は10,298,680千円(前年同期は9,465,022千円)となりました。これは、北陸新幹線金沢~敦賀間開業に伴う観光需要、ビジネス需要の増加や、訪日外国人旅行者の増加によるものであります。

 一方、当連結会計年度の営業費は10,943,786千円(前年同期は10,370,936千円)となりました。これは、主にエネルギー資源価格の高止まりや、円安の継続による原材料価格の更なる高騰等、動力費、水道光熱費の増加によるものであります。

 その結果、営業収益から営業費を差し引いた営業損益は645,105千円の営業損失(前年同期は905,913千円の営業損失)となり、持分法による投資利益634,974千円を含む営業外収益720,465千円と支払利息61,205千円を含む営業外費用92,890千円を加減した経常損失は17,530千円(前年同期は483,498千円の経常損失)となりました。

 これに、補助金1,026,373千円と、工事負担金等受入額404,850千円を含む特別利益1,517,325千円と固定資産圧縮損331,877千円を含む特別損失460,867千円を加減した結果、1,038,927千円の税金等調整前当期純利益となり、法人税、住民税及び事業税と法人税等調整額並びに非支配株主に帰属する当期純利益を減じた親会社株主に帰属する当期純利益は1,135,285千円(前年同期は1,240,071千円の親会社株主に帰属する当期純利益)となりました。

 当社グループの経営成績に重要な影響を与える要因として、ニューヨーク・タイムズ紙が発表した「2025年に行くべき52か所」に富山市が選出されたことにより、国内外からの観光需要の増加に期待が持てる一方、労働者不足による売上機会の喪失や労働環境の悪化、人件費の高騰、長期化する物価高騰による仕入価格や動力費の上昇などが、企業収益を圧迫することとなり、依然として事業環境は厳しいと予測しております。

 

 

b.財政状態の分析

(流動資産)

 当連結会計年度における流動資産の残高は7,315,735千円となり、前連結会計年度末に比べ61,112千円増加しました。この主な要因は、工事負担金等受入額や補助金等による未収金が増加したことであります。

(固定資産)

 当連結会計年度における固定資産の残高は20,175,100千円となり、前連結会計年度末に比べ3,292,158千円増加しました。この主な要因は、富山駅付近連続立体交差事業における本線の高架化工事において、建設仮勘定の増加によるものであります。

(負債)

 当連結会計年度における負債の残高は15,906,681千円となり、前連結会計年度末に比べ1,821,399千円増加しました。この主な要因は、新規借入金を抑制し、負債の圧縮に努めた一方で、富山駅付近連続立体交差事業に係る長期前受工事負担金が増加したことによるものであります。

(純資産)

 当連結会計年度における純資産の残高は11,584,153千円となり、前連結会計年度末に比べ1,531,871千円増加しました。この主な要因は、利益剰余金が増加したことによるものであります。

 

② キャッシュ・フローの状況の分析・検討内容並びに資本の財源及び資金の流動性に係る情報

(キャッシュ・フロー)

 当連結会計年度のキャッシュ・フローの分析については、「(1)経営成績等の状況の概要 ② キャッシュ・フローの状況」の記載のとおりであります。

(契約債務)

 2025年3月31日現在の契約債務の概要は以下のとおりであります。

 

 

年度別要支払額(千円)

契約債務

合計

1年以内

1年超3年以内

3年超5年以内

5年超

長期借入金

2,916,671

603,401

1,178,002

446,288

688,980

リース債務

334,150

86,056

149,234

98,653

206

 

 上記の表において、連結貸借対照表の短期借入金に含まれている1年以内返済予定の長期借入金は、長期借入金に含めております。

(財務政策)

 当社グループの運転資金需要のうち主なものは、運輸事業の設備修繕費や販売費及び一般管理費等の営業費用であります。投資を目的とした資金需要のうち主なものは、運輸事業の設備の新設と改修等であります。

 当社グループは、事業運営上必要な流動性と資金の源泉を安定的に確保することを基本方針としております。

 短期運転資金は自己資金を基本としており、設備投資や長期運転資金は自己資金、リース及び補助金を活用し調達しております。

 なお、当連結会計年度末における借入金、リース債務を含む有利子負債の残高は3,250,822千円となっております。また、当連結会計年度における現金及び現金同等物の残高は3,056,232千円となっております。

 

③ 重要な会計上の見積り及び当該見積りに用いた仮定

 当社グループの連結財務諸表は、わが国において一般に公正妥当と認められている会計基準に基づき作成されております。この連結財務諸表の作成に当たって、経営者による会計方針の選択・適用、資産・負債及び収益・費用の報告金額及び開示に影響を与える見積りを必要としています。経営者は、これらの見積りについて、過去の実績等を勘案し、合理的に判断していますが、実際の結果は見積り特有の不確実性があるため、これらの見積りと異なる場合があります。

 連結財務諸表の作成に当たって用いた会計上の見積り及び当該見積りに用いた仮定のうち、重要なものについては、「第5 経理の状況 1 連結財務諸表等 (1)連結財務諸表 注記事項(重要な会計上の見積り)」に記載のとおりであります。

 

④ セグメントごとの財政状態及び経営成績の状況に関する認識及び分析・検討内容

[運輸事業]

 当社グループが主に事業展開を行う富山県は、全国的にもマイカー所有率が高く、また、人口減少や少子高齢化も進んでおり、厳しい経営環境が続いております。北陸新幹線の敦賀延伸や北陸応援割により北陸地方への関心が高まっていることや、記録的な円安による訪日外国人旅行者の増加などによって定期外旅客人員は増加しているものの、少子化や県外への流出による人口減少により、鉄道利用の多くを占める定期旅客人員はコロナ禍以前には戻っておりません。

 当社の鉄道事業は、中小私鉄において93.2kmの営業粁を有しており、駅舎、鉄橋、トンネル等、多くの設備を自社で保有しております。これらの設備の維持、管理、補修に係る費用は莫大で、また、老朽化も進んでいることから増加傾向にあります。加えて、電力料金の高騰による動力費の増加が、費用の増加に拍車をかけております。

 当社では、休日や冬期間の運行本数の見直しや、最終列車の繰り上げによる経費の削減と、約29年ぶりの運賃改正を実施し、企画商品の販売や沿線資源の活用、イベントの開催など、営業施策による増収策を投じて収支の改善を図っております。しかし、この状況を一民間企業である当社の経営努力だけで改善することは厳しく、廃線も視野に入れた鉄道事業の在り方を、県や沿線自治体と検討していかなければならない状況となっております。

 

 当社の軌道事業は、市内軌道線と富山港線との南北接続の利便性が定着し、富山駅周辺の活性化に貢献しております。これからも営業施策や沿線自治体との連携などで更なる利用者拡大を目指し、営業収益の増加を図ってまいります。

 

 当社グループの自動車事業は、路線バスは鉄道事業と同様、人口減少や少子高齢化の影響を受けている一方、高速バスや貸切バスにおいては運転手不足の影響により、増加する観光需要に十分に対応できない状況が生じております。今後更なる運行効率の適正化を推進し、営業収益の増加を図ってまいります。

[不動産事業]

 不動産事業は、ビルの老朽化に伴うテナント需要の減少やテナント業績の悪化、修繕費の増加等が課題と認識しております。そのような状況の中、立地条件の良さをアピールしテナントの誘致等に努め、収益向上を図ってまいります。

[建設事業]

 建設事業は、富山駅付近連続立体事業をJV受注しており、安定的な営業収益を確保しております。しかし、労働力不足による人件費の高騰、物価高騰による材料費等、売上原価の増加が損益に影響を及ぼしていることに加えて、新規顧客の開拓が課題であると認識しております。

[保険代理事業]

 保険代理事業は、当社グループが主力とする自動車保険は契約者の高齢化や、若い世代を中心に車離れが進み、新規契約者数が減少しており、減収傾向が続いております。こうしたなか、多数の保険会社を取り扱う来店型保険ショップを3店舗オープンし、今まで接点がとりづらかった若年層やファミリー世帯に積極的に営業活動を行い、新規開拓に努めてまいります。

[航空輸送事業代理業]

 航空輸送事業代理業は、富山空港における国際線の復便、訪日外国人旅行者の増加により、営業収益は大幅に増加しております。しかし、富山空港の利用者数は一部の国際線は未だ運休が続いており、コロナ禍以前まで回復しておりません。今後民営化を進め、民間事業者による運営を来年春から開始する予定となっており、今後の動向を注視する必要があると認識しております。

[ホテル業]

 ホテル業は、北陸応援割利用者やアルペンルート観光客増加などで、営業収益は増加しております。しかし、富山駅周辺ではホテルの新規開業が相次いでおり、競争が激しくなっており、又、水道光熱費や各種手数料の値上げにより費用も増加しております。お客様のニーズに応えたサービスやおもてなしの提供を続け、選ばれるホテルになることが、今後の課題であると認識しております。

[自動車整備業]

 自動車整備業は、高速バスや貸切バスの需要が回復し、稼働率の増加に伴い営業収益は増加しております。しかし、物価高騰による費用の増加や、整備士不足による外注費の増加のなか、整備料金の見直しによる収支改善を図っております。固定客の割合が多い業種のなか、営業収益の増加に向けて新規顧客の開拓が課題であると認識しております。

[その他]

 その他事業に含まれる娯楽・スポーツ業、広告代理業、物品販売業及び旅行代理業は、これらの事業は他社の参入障壁が低く、季節や天候、市場環境の影響を受けやすいことから常に激しい競争に晒されており、加えて物価高騰による個人消費の低迷が影を落としております。市場環境を分析して、顧客のニーズにあった商品やサービスを提供していくことが、今後の課題であると認識しております。