富山地方鉄道株式会社

陸運業鉄道

売上高

利益

資産

キャッシュフロー

配当

ROE 自己資本利益率

EPS BPS




E04128 Japan GAAP


3【経営者による財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローの状況の分析】

(1)経営成績等の状況の概要

当中間連結会計期間における当社グループ(当社、連結子会社及び持分法適用会社)の財政状態、経営成績及びキャッシュ・フロー(以下「経営成績等」という。)の状況の概要は次のとおりであります。

 

①財政状態及び経営成績の状況

 当中間連結会計期間におけるわが国経済は、雇用・所得環境の改善が続き、企業収益が高水準で推移する中、訪日客の消費が好調であることなどにより緩やかな回復が続いています。一方で持続的な物価高や金利上昇リスクに加え、米国の通商政策や不安定な国際情勢もあり、景気の先行きは依然として不透明な状況であります。

 このような状況のもと、当社グループの主力となる運輸事業においては、安心・安全・快適な公共交通の提供を最優先とする一方、業務の効率化などによる経費の削減に努めるも厳しい状況が続いていることから、鉄軌道事業では、消費税率の引き上げによるものを除くと1996年以来、29年ぶりの運賃改定を行い、収支の改善を図りました。

 

 この結果、当中間連結会計期間の経営成績は、営業収益5,448,972千円(前年同期比4.9%増)、営業利益182,130千円(前年同期は営業損失294,846千円)、経常利益1,031,671千円(前年同期比104.7%増)、親会社株主に帰属する中間純利益972,726千円(前年同期比54.0%増)となりました。

 

 セグメントごとの経営成績は次のとおりであります。

 

 

a. 運輸事業

 当中間連結会計期間の運輸事業においては、2025年大阪・関西万博の開催の波及効果やアメリカのニューヨークタイムズ紙が発表した「2025年に行くべき52か所」に富山市が選出されたことにより国内外からの観光需要は増加となったものの、運転手不足によって鉄軌道事業、自動車事業とも需要の増加に対応できない状況が続いております。

 このような状況のもと、鉄軌道事業では2025年4月にダイヤ改正を実施し、利用の少ない列車の減便・統合・時間調整等の効率化を図りました。また、レトロ電車を使用した「ビア電」乗車ツアーや貸切列車撮影会などを企画し、沿線でのイベント開催時に増発運行を実施するなど国内外の観光需要の取り込みに努めました。軌道線においては、全国交通系ICカードの利用が堅調であり運賃改定による増収効果がありました。

 自動車事業では、運転手不足により室堂直行バス・高速バス東京線の全便運休の実施や、繁忙期の貸切団体の受注制限が続きましたが、イベント開催時の臨時輸送や高速バス高山線が好調であったこと、貸切団体・募集ツアーの需要に可能な限り受注を行い、また、加越能バス㈱では創立75周年の記念事業として「スカイバス高岡」を企画するなど収益向上に努めました。

 この結果、当中間連結会計期間の営業収益は3,481,078千円(前年同期比7.6%増)となりました。

 

(提出会社の運輸成績表)

(イ)鉄道事業

項目

単位

当中間連結会計期間

(自 2025年4月1日

至 2025年9月30日)

前年同期比(%)

営業日数

183

営業粁

93.2

客車走行粁

千粁

1,780

△12.3

乗車人員

千人

2,739

1.6

定期

1,841

4.4

定期外

898

△3.6

旅客収入

千円

805,382

12.2

定期

296,270

6.6

定期外

509,022

15.7

手小荷物収入

89

0.9

運輸雑収

66,504

△1.1

収入合計

871,886

11.0

乗車効率

12.92

3.9

1日平均収入

千円

4,764

11.0

1日1粁平均収入

51.12

11.0

(注) 乗車効率の算出は延人粁/(客車走行粁×1車平均定員)によります。

(ロ)軌道事業

項目

単位

当中間連結会計期間

(自 2025年4月1日

至 2025年9月30日)

前年同期比(%)

営業日数

183

営業粁

15.2

客車走行粁

千粁

553

△0.2

乗車人員

千人

4,049

4.2

定期

2,206

6.1

定期外

1,843

2.1

旅客収入

千円

546,451

14.5

定期

191,081

11.9

定期外

355,370

16.0

運輸雑収

64,348

△2.3

収入合計

610,800

12.5

乗車効率

25.16

4.7

1日平均収入

千円

3,337

12.5

1日1粁平均収入

219.58

12.5

(注) 乗車効率の算出は延人粁/(客車走行粁×1車平均定員)によります。

(ハ)自動車事業

乗合自動車

項目

単位

当中間連結会計期間

(自 2025年4月1日

至 2025年9月30日)

前年同期比(%)

営業日数

183

営業粁

2,132.24

△3.0

車両走行粁

千粁

3,223

△12.2

乗車人員

千人

2,831

△0.1

定期

1,339

△2.2

定期外

1,492

1.8

旅客収入

千円

907,275

△1.3

定期

235,743

△1.8

定期外

671,531

△1.1

運輸雑収

150,594

△6.9

収入合計

1,057,870

△2.1

1日平均収入

千円

5,780

△2.1

走行1粁当たり収入

328.20

11.5

 

貸切自動車

項目

単位

当中間連結会計期間

(自 2025年4月1日

至 2025年9月30日)

前年同期比(%)

営業日数

183

車両走行粁

千粁

448

15.1

乗車人員

千人

117

26.8

旅客収入

千円

320,347

17.4

運送雑収

29,519

7.5

収入合計

349,867

16.5

1日平均収入

1,911

16.5

走行1粁当たり収入

779.63

1.2

 

(業種別営業収益)

セグメントの名称

当中間連結会計期間

(自 2025年4月1日

至 2025年9月30日)

前年同期比(%)

鉄道事業(千円)

871,886

11.0

軌道事業(千円)

610,800

12.5

自動車事業(千円)

1,998,752

4.8

調整額(千円)

△361

報告セグメント計(千円)

3,481,078

7.6

 

b. 不動産事業

 不動産事業においては、不動産分譲業では分譲土地2物件の売却を行いましたが、売却物件の価格差により大幅な減収となった一方、不動産賃貸業では新規テナントの出店や共益費収入の増加により増収となった結果、当中間連結会計期間の営業収益は286,478千円(前年同期比10.1%減)となりました。

(業種別営業収益)

セグメントの名称

当中間連結会計期間

(自 2025年4月1日

至 2025年9月30日)

前年同期比(%)

不動産分譲業(千円)

25,283

△58.4

不動産賃貸業(千円)

261,194

1.2

報告セグメント計(千円)

286,478

△10.1

 

c. 建設事業

 建設事業においては、建築工事における大口工事の受注が減少したことにより、当中間連結会計期間の営業収益は588,472千円(前年同期比5.0%減)となりました。

(業種別営業収益)

セグメントの名称

当中間連結会計期間

(自 2025年4月1日

至 2025年9月30日)

前年同期比(%)

建設業(千円)

588,472

△5.0

報告セグメント計(千円)

588,472

△5.0

 

d. 保険代理事業

  保険代理事業においては、保険取扱店舗を新規に3店舗開店したほか、自動車保険における修理代の高騰に伴う保険料の改定等により、当中間連結会計期間の営業収益は185,499千円(前年同期比5.4%増)となりました。

(業種別営業収益)

セグメントの名称

当中間連結会計期間

(自 2025年4月1日

至 2025年9月30日)

前年同期比(%)

保険代理業(千円)

185,499

5.4

報告セグメント計(千円)

185,499

5.4

 

e. 航空輸送事業代理業

  航空輸送事業代理業においては、国内地上業務手数料の増加があった一方で、大連定期便や国際チャーター便の激減により、減収となりました。この結果、当中間連結会計期間の営業収益は186,814千円(前年同期比10.5%減)となりました。

(業種別営業収益)

セグメントの名称

当中間連結会計期間

(自 2025年4月1日

至 2025年9月30日)

前年同期比(%)

航空輸送事業代理業(千円)

186,814

△10.5

報告セグメント計(千円)

186,814

△10.5

 

f. ホテル業

 ホテル業においては、富山市が「2025年に行くべき52か所」に選定された影響もありインバウンド需要が拡大しつつ、国内観光客の宿泊も増加したことから客室稼働率及び客室単価が増加し、当中間連結会計期間の営業収益は324,470千円(前年同期比8.2%増)となりました。

(業種別営業収益)

セグメントの名称

当中間連結会計期間

(自 2025年4月1日

至 2025年9月30日)

前年同期比(%)

ホテル業(千円)

324,470

8.2

報告セグメント計(千円)

324,470

8.2

 

g. 自動車整備業

 自動車整備業においては、物価高騰に伴う修理単価の上昇、車両点検の受注件数や中古車両の改造及び販売台数の増加等により、当中間連結会計期間の営業収益は278,673千円(前年同期比10.2%増)となりました。

(業種別営業収益)

セグメントの名称

当中間連結会計期間

(自 2025年4月1日

至 2025年9月30日)

前年同期比(%)

自動車整備業(千円)

278,673

10.2

報告セグメント計(千円)

278,673

10.2

 

 

h. その他

 娯楽・スポーツ業では、富山地鉄ゴールデンボウルにおいて、館内設備工事による休業や売店収入の低下を受けながらも、ボウリング収入は堅調に推移したことにより、増収となりました。

 広告代理業では、「ビア電」の延長営業やラッピング広告制作による増収があったものの、マスコミ広告が軟調傾向にあり、新しい取り組みができなかったことから減収となりました。

 その他事業では、旅行代理業は大阪・関西万博開催の影響により個人旅行と団体旅行のいずれも好調となり、物品販売業は物価高騰の影響を受けながらも、連日の猛暑による売店の来店者増加や飲食店の営業時間繰り上げ等の増収策の結果、その他事業全体における当中間連結会計期間の営業収益は450,930千円(前年同期比2.4%増)となりました。

 

(業種別営業収益)

セグメントの名称

当中間連結会計期間

(自 2025年4月1日

至 2025年9月30日)

前年同期比(%)

娯楽・スポーツ業(千円)

112,850

0.9

広告代理業(千円)

74,280

△5.2

その他事業(千円)

263,799

5.5

その他計(千円)

450,930

2.4

 

 

②キャッシュ・フローの状況

 当中間連結会計期間における現金及び現金同等物(以下「資金」という)は、前中間連結会計期間末に比べて200,696千円増加し、当中間連結会計期間末には3,999,753千円となりました。

 当中間連結会計期間における各キャッシュ・フローの状況とそれらの要因は次のとおりであります。

 

(営業活動によるキャッシュ・フロー)

 営業活動の結果、得られた資金は900,399千円(前中間連結会計期間は485,058千円の獲得)となりました。これは、税金等調整前中間純利益が1,028,011千円(前中間連結会計期間は445,073千円)、未収金の減少額が569,222千円(前中間連結会計期間は555,326千円の減少)であった一方で、持分法による投資利益が831,907千円(前中間連結会計期間は801,789千円の投資利益)であったことが主な要因であります。

 

(投資活動によるキャッシュ・フロー)

 投資活動の結果、使用した資金は1,689千円(前中間連結会計期間は2,088千円の獲得)となりました。これは、固定資産の取得による支出が1,787,960千円(前中間連結会計期間は1,495,329千円)、定期預金の預入による支出が50,000千円(前中間連結会計期間は5,500千円)であった一方で、工事負担金等受入による収入が1,830,601千円(前中間連結会計期間は1,478,635千円)、固定資産の売却による収入が8,941千円(前中間連結会計期間は21,721千円)であったことが主な要因であります。

 

(財務活動によるキャッシュ・フロー)

 財務活動の結果、得られた資金は44,810千円(前中間連結会計期間は442,734千円の使用)となりました。これは借入金の純増額が100,199千円(前中間連結会計期間は393,934千円の純減額)であったことが主な要因であります。

 

③生産・受注及び販売の状況

 当社グループの販売品目は広範囲かつ多種多様であり、また受注販売形態をとらない品目も多く、セグメントに関連付けて記載することが困難であるので記載しておりません。そのため生産、受注及び販売状況については、「3.経営者による財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローの状況の分析」の「①財政状態及び経営成績の状況」におけるセグメントごとに経営成績に関連付けて示しております。

 

 

(2)経営者の視点による経営成績等の状況に関する分析・検討内容

 経営者の視点による当社グループの経営成績等の状況に関する認識及び分析・検討内容は次のとおりであります。なお、文中の将来に関する事項は、当中間連結会計期間の末日現在において判断したものであります。

 

① 当中間連結会計期間の経営成績等の状況に関する認識及び分析・検討内容

 

a. 経営成績の分析

 当社グループの当中間連結会計期間の経営成績等は、営業収益は5,488,972千円(前年同期は5,193,943千円)となり、営業費は5,266,841千円(前年同期は5,488,790千円)となった結果、営業利益は182,130千円(前年同期は営業損失294,846千円)、営業外損益を加減した経常利益は1,031,671千円(前年同期は503,940千円)となりました。これに特別利益と特別損失を加減した税金等調整前中間純利益は1,028,011千円(前年同期は445,073千円)となり、法人税、住民税及び事業税と法人税等調整額並びに非支配株主に帰属する中間純損失を加減した親会社株主に帰属する中間純利益は972,726千円(前年同期は631,590千円)となりました。

 これは主に、大半の事業において営業収益が増加した一方で、労働力不足による運行の効率化や業務の見直しによる人件費の減少や、建設工事の遅れなどにより設備投資が進まず、経費が減少したことによるものと認識しております。

 

 当社グループの経営成績に重要な影響を与える要因として、富山県の観光市場は国内外からの旺盛な需要に支えられ、営業収益の増加が期待できる一方、少子高齢化や、厳しい労働環境による労働力不足が深刻化しており、収益機会の喪失や賃金改善及び労働環境の整備等が事業運営に重くのしかかっております。また、物価の高止まりが継続するなか、とりわけ運輸事業の動力費や修繕費への影響が大きく、今後の事業環境の厳しさが増していくと予想しております。

 

b. 財政状態の分析

(流動資産)

 当中間連結会計期間末における流動資産の残高は5,905,990千円となり、前連結会計年度末に比べ1,409,745千円減少しました。この主な要因は、運輸事業の工事負担金等の回収によりその他に含まれる未収金の減少や、受取手形、売掛金及び契約資産の減少によるものであります。

(固定資産)

 当中間連結会計期間末における固定資産の残高は22,345,703千円となり、前連結会計年度末に比べ2,170,603千円増加しました。この主な要因は富山駅付近連続立体交差事業に係る建設仮勘定が増加したことや、投資有価証券に含まれる持分法適用会社株式の評価額の増加によるものであります。

(負債)

 当中間連結会計期間末における負債の残高は15,430,445千円となり、前連結会計年度末に比べ476,236千円減少しました。この主な要因は富山駅連続立体交差事業に係る長期前受工事負担金が増加した一方で、その他に含まれる未払金の減少によるものであります。

(純資産)

 当中間連結会計期間末における純資産の残高は12,821,248千円となり、前連結会計年度末に比べ1,237,094千円増加しました。この主な要因は利益剰余金が増加したことや、その他有価証券評価差額金が増加したことによるものであります。

 

 

② キャッシュ・フローの状況の分析・検討内容並びに資本の財源及び資金の流動性に係る情報

(キャッシュ・フロー)

 当中間連結会計期間のキャッシュ・フローの分析については、「(1)経営成績等の状況の概要 ②キャッシュ・フローの状況」に記載のとおりであります。

(契約債務)

 2025年9月30日現在の契約債務の概要は以下のとおりであります。

 

 

年度別要支払額(千円)

契約債務

合計

1年以内

1年超3年以内

3年超5年以内

5年超

長期借入金

3,016,870

643,401

1,149,773

597,352

626,344

リース債務

449,251

113,557

214,925

120,716

51

(注)上記の表において、中間連結貸借対照表の短期借入金に含まれている1年以内返済予定の長期借入金は、長期借入金に含めております。

 

(財務政策)

 当社グループの運転資金需要のうち主なものは、運輸事業の設備修繕費や販売費及び一般管理費等の営業費用であります。投資を目的とした資金需要のうち主なものは、運輸事業の設備の新設と改修等であります。

 当社グループは、事業運営上必要な流動性と資金の源泉を安定的に確保することを基本方針としております。

 短期運転資金は自己資金を基本としており、設備投資や長期運転資金は自己資金、金融機関からの長期借入金及びリースを活用し調達しております。

 なお、当中間連結会計期間末における借入金、リース債務、割賦未払金を含む有利子負債の残高は3,466,122千円となっております。また、当中間連結会計期間末における現金及び現金同等物の残高は3,999,753千円となっております。

 

③ 重要な会計上の見積り及び当該見積りに用いた仮定

 前事業年度の有価証券報告書に記載した「経営者による財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローの状況の分析」中の会計上の見積り及び当該見積りに用いた仮定の記載について重要な変更はありません。

 

④ セグメントごとの財政状態及び経営成績の状況に関する認識及び分析・検討内容

 前事業年度の有価証券報告書に記載した「経営者による財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローの状況の分析」中のセグメントごとの財政状態及び経営成績の状況に関する認識及び分析・検討内容の記載について重要な変更はありません。

 なお、運輸事業のうち鉄道事業に対する経営支援に向けた取組みについては、「第2 事業の状況 1 経営方針、経営環境及び対処すべき課題等 (2)優先的に対処すべき事業上及び財務上の課題 (当社鉄道事業のあり方についての取組み)」に記載のとおりであります。