E04135 Japan GAAP
前期
137.0億 円
前期比
109.4%
当社グループは、当社、子会社11社で構成され、その営んでいる主要な事業内容及びセグメントとの関連は、次のとおりであります。なお、以下に示す区分は、セグメントと同一の区分であります。
(1) 運輸業(7社)
(2) 不動産業(4社)
(3) 流通業(2社)
(4) レジャー・サービス業(3社)
(5) 自動車車両整備業(1社)
(注) 1.①は連結子会社であります。
2.上記部門の会社数には、当社及び子会社4社が重複して含まれております。
当連結会計年度におけるわが国経済は、5月に新型コロナウイルス感染症の感染症法上の分類が5類に移行し、企業収益や雇用情勢に改善の動きがみられることに加え、個人消費が持ち直しているなど、緩やかに回復いたしました。一方、物価上昇の影響が続いており、先行きは不透明な状況にあります。
このような状況の中、当社グループは全事業に亘り積極的な営業活動を展開するとともに、経営の効率化を図り需要動向に合わせた事業運営に努めてまいりました。
この結果、全事業営業収益は149億8,919万9千円(前期比9.4%増)となり、全事業営業利益は11億4,913万3千円(前期比58.5%増)となりました。経常利益は13億3,011万円(前期比42.7%増)となり、親会社株主に帰属する当期純利益は8億9,878万円(前期比46.8%増)となりました。
なお、2024年3月1日に常総産業株式会社と株式会社関鉄クリエイトの合併、関鉄観光バス株式会社と関鉄観光株式会社の合併など、グループ事業の再編を推進しました。
セグメントごとの経営成績は、次のとおりであります。
①〔運輸業〕
鉄道事業では、常総線において車両更新工事及び重軌条化工事並びに踏切道安全対策工事を実施いたしました。また、警察・消防と連携したテロ対策訓練や異常時想定訓練、沿線住民への安全啓発、小学校での鉄道マナー教室の開催など、安全輸送の確保を図りました。
営業面においては、3月にダイヤ改正を行ったほか、駅設備システムの更新及び駅勤務の見直しにより業務効率化に努めました。また「ビール列車」などイベント列車を運行したほか、沿線自治体と連携した集客イベントの開催や「常総きぬ川花火大会」など臨時輸送を実施し、旅客誘致と増収に努めました。
バス事業では、一般路線で「水戸駅北口~水戸協同病院」線の運行を開始したほか、6月に茨城県内初となる大型EV路線バス2両を導入いたしました。また、12月には2024年4月からの改善基準告示改正に向けた対策として、減便を伴うダイヤ改正を実施したほか、3月には26年ぶりとなる運賃改定を行いました。更に、すべての路線バスにバスロケーションシステムを導入し、安全性・確実性の向上を図りました。高速バスでは「境町~東京駅線」の下り便において王子駅での乗車扱いを開始したほか、「波崎~東京駅線」、「水戸駅~東京駅線」、「茨城空港~東京駅線」において需要の回復動向にあわせ増便を行いました。また、「茨城県庁・大洗駅・鹿島神宮駅・水郷潮来~成田空港線」「筑西・下妻・常総~成田空港線」の実証運行を行いました。
タクシー事業では、タクシー配車アプリの活用や、企業等への積極的な営業活動を実施し、増収と稼働率の向上を図りました。更に、9月に運賃改定を行ったほか、遠隔点呼の導入など業務効率化に努めました。
また、運輸業全体の取り組みとして、土浦市・かすみがうら市・龍ケ崎市・下妻市・常総市において「MaaS実証実験」に参画いたしました。
以上の結果、営業収益は111億5,006万8千円(前期比9.4%増)となり、営業利益は5億4,256万5千円(前期比244.6%増)となりました。
(注)セグメント間の取引については相殺消去しております。
提出会社の鉄道事業運輸成績表
(注) 乗車効率の算出方法
乗車効率=延人㌔(駅間通過人員×駅間㌔程)/(客車走行㌔×平均定員)×100
②〔不動産業〕
賃貸業では、常総市及び土浦市において、高齢者向け賃貸建物の賃貸を開始したほか、関鉄土浦ビルⅡ、西取手貸店舗2号店、南守谷駅前ビルへ新規テナントを誘致するなど、稼働率の向上を図りました。また、シェアサイクルサービス「関鉄Pedal」は、土浦市内や各鉄道沿線にサイクルステーションを設置し利用地域を拡大しました。
建設業では、新たに設備改修工事を受注するなど、増収に努めました。
しかしながら、営業収益は10億810万8千円(前期比5.5%減)となり、営業利益は4億5,241万円(前期比6.5%減)となりました。
(事業別内訳)
(注)セグメント間の取引については相殺消去しております。
③〔流通業〕
タイヤやバラスト用砕石などの販売強化に努めました。また、地元特産品を販売する「もりやマルシェ」を開催するなど、収益力の強化を図りました。
以上の結果、営業収益は5億8,918万4千円(前期比13.2%増)となり、営業利益は2,273万6千円(前期比52.1%増)となりました。
(事業別内訳)
(注)セグメント間の取引については相殺消去しております。
④〔レジャー・サービス業〕
情報サービス業は、システム開発やOA機器・ソフトウェア販売の営業力強化に取り組むなど増収に努めました。
旅行業は、特別謝恩「水上温泉・石和温泉の旅」や日帰りバスツアーの催行等により、旅客誘致に努めました。
以上の結果、営業収益は21億9,908万円(前期比12.6%増)となり、営業利益は9,278万1千円(前期比163.0%増)となりました。
(事業別内訳)
(注)セグメント間の取引については相殺消去しております。
⑤〔自動車車両整備業〕
車検整備や車両販売の受注拡大に努めるなど積極的な営業活動を展開しました。
以上の結果、営業収益は5億2,785万9千円(前期比34.0%増)となり、営業利益は3,776万1千円(前期比26.6%増)となりました。
当連結会計年度における連結ベースの現金及び現金同等物(以下「資金」という。)は、前期に比べ2,440万4千円増加し、24億2,206万円となりました。
(営業活動によるキャッシュ・フロー)
当連結会計年度における営業活動の結果得られた資金は、21億134万9千円で、前期に比べ3億247万7千円の増加となりました。これは、主に収入の増加によるものであります。
(投資活動によるキャッシュ・フロー)
当連結会計年度における投資活動の結果支出した資金は、14億2,099万8千円で、前期に比べ10億427万6千円の増加となりました。これは、主に有形固定資産の取得による支出額が増加したためであります。
(財務活動によるキャッシュ・フロー)
当連結会計年度における財務活動の結果支出した資金は、6億5,594万7千円で、前期に比べ3億5,042万7千円の減少となりました。
これは、主に借入金額の増加によるものであります。
(3)財政状態の状況
当社グループの当連結会計年度の財政状態のうち、資産合計は259億1,860万7千円で、前期末に比べ9億4,948万4千円(3.8%)の増加となりました。これは、主にリース投資資産が6億1,844万1千円増加したことによるものであります。
負債合計は163億48万8千円で、前期末に比べ1億2,031万6千円(0.7%)の増加となりました。これは、主に短期借入金が6億9,630万1千円増加したことによるものであります。
純資産合計は96億1,811万8千円で、前期末に比べ8億2,916万8千円(9.4%)の増加となりました。これは主に利益剰余金が8億3,796万1千円増加したことによるものであります。
当社及び連結子会社の事業内容は、役務の提供を主たる事業としており、生産、受注及び販売の状況について、金額あるいは数量で示すことはしておりません。
そのため、生産、受注及び販売の状況については、(業績等の概要)における事業のセグメントごとに業績に関連付けて示しております。
文中における将来に関する事項は、当連結会計年度末現在において判断したものであります。
(1)重要な会計方針及び見積り
当社グループの連結財務諸表は、わが国において一般に公正妥当と認められる会計基準に基づき、作成されております。重要な会計方針については、「第5 経理の状況 1 連結財務諸表等 注記事項 (連結財務諸表作成のための基本となる重要な事項)」に記載しております。連結財務諸表の作成に当たっては、重要な会計方針等に基づき、資産・負債の評価及び収益・費用の認識に影響を与える見積り及び判断を行っております。これらの見積りについては、過去の実績やその時点で入手可能な情報を基に合理的な判断を行っておりますが、実際の結果は、見積り特有の不確実性があるため、これらの見積りと異なる場合があります。特に以下の事項は、経営者の会計上の見積りの判断が財政状態及び経営成績に重要な影響を及ぼすと考えております。
イ 有価証券
当社グループは、有価証券について、時価又は実質価額が著しく低下した場合には、帳簿価額まで回復する見込みがあると認められる場合を除き、帳簿価額を時価又は実質価額まで減額し、当該減少額を有価証券評価損として計上しております。
ロ 固定資産
当社グループは、固定資産のうち減損の兆候がある資産又は資産グループについて、当該資産又は資産グループから得られる割引前将来キャッシュ・フローの総額が帳簿価額を下回る場合には、帳簿価額を回収可能価額まで減額し、当該減少額を減損損失として計上しております。
ハ 繰延税金資産
当社グループは、繰延税金資産について、事業計画や過去の実績等に基づいて将来の課税所得を合理的に見積り、回収可能性があると判断した将来減算一時差異について繰延税金資産を計上しております。
ニ 退職給付債務
当社グループは、退職給付債務について、市場金利や過去の実績等の現時点で妥当と判断できるデータに基づく割引率や退職率を前提として算定した額について退職給付債務として計上しております。仮定の変化による実際の退職給付債務の差額は、将来の一定の期間にわたり退職給付費用に含めて償却しております。
(2)当連結会計年度の経営成績の分析
当社グループの当連結会計年度のセグメント別の営業業績については、前述の「(1)経営成績の状況」に記載のとおりであります。
営業外収益は運行継続協力金等の減少などにより2億6,223万1千円で、前期に比べ1,489万2千円(5.4%)の減少、営業外費用は8,125万4千円で、前期に比べ1,127万4千円(16.1%)の増加となりました。これにより、経常利益は13億3,011万円で、前期に比べ3億9,788万5千円(42.7%)の増益となりました。
特別利益は、補助金受入などにより3億9,985万4千円で、前期に比べ1億9,447万4千円の増加、特別損失は、固定資産圧縮損などにより4億7,084万4千円で、前期に比べ2億5,441万7千円の増加となりました。以上の結果、親会社株主に帰属する当期純利益は8億9,878万円で、前期に比べ2億8,649万1千円の増益となりました。
(3)当連結会計年度の財政状態の分析
当社グループの当連結会計年度の財政状態のうち、流動資産の残高は66億3,539万3千円で、前期末に比べ7億7,253万9千円(13.2%)の増加となりました。これは主に、リース投資資産が6億1,844万1千円増加したことによるものであります。固定資産の残高は192億8,321万3千円で、前期末に比べ1億7,694万5千円(0.9%)の増加となりました。これは主に、無形固定資産が9,699万3千円、有形固定資産が6,208万9千円増加したことによるものであります。
当連結会計年度末における流動負債の残高は61億2,896万2千円で、前期末に比べ11億973万円(22.1%)の増加となりました。これは主に、短期借入金が6億9,630万1千円、未払法人税等が2億3,623万2千円増加したことによるものであります。固定負債の残高は101億7,152万6千円で、前期末に比べ9億8,941万4千円(8.9%)の減少となりました。これは主に、長期借入金が6億7,662万6千円、社債が1億5,000万円減少したことによるものであります。
当連結会計年度末における純資産の残高は96億1,811万8千円で、前期末に比べ8億2,916万8千円(9.4%)の増加となりました。これは主に、利益剰余金が8億3,796万1千円増加したことによるものであります。
(4)当連結会計年度のキャッシュ・フローの分析
当連結会計年度のキャッシュ・フローの概況については、「第2 事業の状況 4.経営者による財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローの状況の分析 (2)キャッシュ・フローの状況」に記載のとおりであります。
(5)将来への経営成績及び財政状態に関する、基本的な戦略及び見通し
当社グループは、経営基盤と体質の強化に努め、企業価値を増大することで、企業の安定化を図ると同時に、地域社会に貢献することを目指しております。
経営成績に関しては、当社グループの主力である運輸業においては、労働力の不足、原油価格の高騰による動力費の増加が予想されます。これらの状況を踏まえ、収益に合った事業運営体制の再構築を迅速かつ柔軟に行い、引き続き人件費、動力費をはじめとする経費削減の徹底と、不採算路線の整理、新規路線の拡充など、利益の確保に努めてまいります。また、安定した利益確保に向けて、不動産部門の拡充を図ってまいります。
財政状態に関しては、安全運行の確保並びにサービスの改善に向け適切な設備投資を行いながら、今後とも有利子負債の削減と支払利息の軽減を図り、財務体質の改善を推進いたします。
(6)資本の財源及び資金の流動性
当社グループの事業活動における主な運転資金需要は、商品及び貯蔵品の仕入のほか、運輸業等営業費、販売費及び一般管理費等の営業費用であります。投資を目的とした資金需要は、鉄道及び自動車設備の更新、新規賃貸物件の取得、システム関連投資等であります。これらの必要資金につきましては営業キャッシュ・フローを源泉とする自己資金により充当し、必要に応じて、金融機関からの借入による資金調達を実施しています。
なお、当連結会計年度末におけるリース債務を含む有利子負債の残高は、98億9,989万9千円、現金及び現金同等物の残高は、24億2,206万円であります。