売上高

利益

資産

キャッシュフロー

配当

ROE 自己資本利益率

EPS BPS

バランスシート

損益計算書

労働生産性

ROA 総資産利益率

総資本回転率

棚卸資産回転率

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最終更新:

E04153 Japan GAAP

売上高

3,453.7億 円

前期

3,069.0億 円

前期比

112.5%


 

3 【事業の内容】

当社グループは、当社、子会社14社(連結子会社13社、非連結子会社1社)及び関連会社3社で構成され、その営んでいる事業内容は、次のとおりです。

なお、各区分は、セグメント情報の報告セグメントと同一です。

 

(1) 運輸業

東京都区部を中心に、9路線からなる地下鉄ネットワークを保有し、鉄道の運行及び運営並びに鉄道施設等の保守管理を行っています。

 

事業の内容

主な会社名

鉄道事業

当社

鉄道駅の清掃及び運営管理

㈱メトロセルビス(鉄道駅の清掃等)、㈱メトロコマース(鉄道駅の運営管理)

鉄道施設等の整備及び保守管理

㈱メトロステーションファシリティーズ(駅設備関係)、メトロ車両㈱(車両関係)、㈱メトロレールファシリティーズ(土木構築物・建築物関係)、メトロ開発㈱(土木構築物関係)、㈱地下鉄メインテナンス(電気設備関係)

海外都市鉄道運営・維持の支援

ベトナム東京メトロ(VIETNAM TOKYO METRO ONE MEMBER LIMITED LIABILITY
COMPANY)

 

 

(2) 不動産事業

鉄道事業とのシナジー効果が発揮できる事業展開を基本とし、当社路線の沿線において、渋谷マークシティなど、オフィスビルやホテルを中心とした不動産の賃貸を行っています。

 

事業の内容

主な会社名

不動産の開発

当社

不動産の賃貸

当社、東京メトロ都市開発㈱

不動産の管理

東京メトロ都市開発㈱

 

 

(3) 流通・広告事業

当社資産などを活用し、当社路線の駅においてEchikaなどの商業施設の運営、主として駅構内や電車内の広告を取り扱う広告事業、光ファイバーの賃貸などを行う情報通信事業などを行っています。

 

事業の内容

主な会社名

商業施設の開発

当社

商業施設の運営

㈱メトロコマース(駅構内売店等の運営)、メトロ開発㈱(高架下商業施設の運営)、㈱メトロプロパティーズ(Echika等駅構内及び駅周辺における商業施設及び飲食店舗の運営)

広告事業

㈱メトロアドエージェンシー

情報通信事業

当社

 

 

(4) その他

 

事業の内容

主な会社名

福利厚生施設の運営

㈱メトロライフサポート

人事・経理・システムサービスに関する事務

㈱メトロビジネスアソシエ

施設の清掃

㈱メトロフルール

 

 

(注) 「その他」の区分は、報告セグメントに含まれない事業セグメントであり、当社施設の管理運営事業等を含んでいます。

 

 

以上の企業集団の状況について、事業系統図を示すと次のとおりです。

 

※画像省略しています。

 

(注) 1 上図は、当社及び子会社14社の概要図です。

   2 ※は非連結子会社です。

 

 

 

※画像省略しています。

 

23/06/29

4 【経営者による財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローの状況の分析】

(1) 経営成績等の状況の概要

当連結会計年度における当社グループ(当社、連結子会社及び持分法適用会社)の財政状態、経営成績及びキャッシュ・フロー(以下、「経営成績等」といいます。)の状況の概要は次のとおりです。

なお、文中の将来に関する事項は、当連結会計年度末現在において判断したものです。

 ① 財政状態及び経営成績の状況

当連結会計年度における我が国経済は、一部に弱さがみられるものの、緩やかに持ち直しています。なお、世界的な金融引締め等が続く中、海外景気の下振れが我が国の景気を下押しするリスクとなっています。

このような状況下で、当社グループは、2022年4月に公表した中期経営計画「東京メトロプラン2024」(2022年度~2024年度)に基づき、各種施策を積極的に推進しました。本計画期間において、お客様の安全を第一に、3つのキーワード「安心な空間」「パーソナライズド」「デジタル」をベースとして、鉄道事業の持続可能性の向上を図るべく、安全の確保を前提に、次世代に向けたコスト構造や業務の抜本的な見直し等、『構造変革』に取り組むとともに、新線建設、お出かけ機会の創出、都市・生活創造事業の強化等、『新たな飛躍』を目指した取組を推進しました。

当連結会計年度の業績は、新型コロナウイルス感染症の影響から一部回復したことに伴い、旅客運輸収入等が増加し、営業収益が3,453億7千万円(前期比12.5%増)となり、営業利益が277億7千7百万円(前期は営業損失121億1千7百万円)、経常利益が196億9千4百万円(前期は経常損失204億9千7百万円)、親会社株主に帰属する当期純利益が277億7千1百万円(前期は親会社株主に帰属する当期純損失133億9千7百万円)となりました。

 

セグメントごとの経営成績は、次のとおりです。

[運輸業]

新型コロナウイルス感染症への取組としては、窓開けによる車内換気、駅設備の消毒及び駅構内への消毒液の設置を引き続き実施しました。

 

2021年6月に日比谷線八丁堀駅で発生した多機能トイレの機能不備によるお客様発見の遅れについては、これを厳粛に受け止め、2022年6月に「八丁堀駅お客様発見遅れに関する再発防止対策報告書」を公表しました。報告書に基づく再発防止対策を確実に推進し、今後も外部有識者を交えたフォローアップ会議の開催による対策の進捗状況確認等により、お客様の安全を最優先とする企業文化の醸成に努め、当社施設内の各種設備について確実な施工、保守・点検を徹底していきます。

 

① 安全性・利便性の向上

 (セキュリティ強化)

テロ行為や犯罪に備え、車内セキュリティカメラの導入を進めています。また、「車内非常用設備等の表示に関するガイドライン」を踏まえ、2022年8月から当社全路線の車内ディスプレイで、車内緊急時における非常用設備の使用方法等に関するご案内映像を放映したほか、ホームドアや車両にステッカーの貼り付けを行うなど、ピクトグラムを活用した分かりやすい表示の共通化にも取り組んでいます。

 (自然災害対策)

震災対策として、震災時の早期運行再開を目的に、トンネル中柱等の耐震補強工事を進めています。

大規模浸水対策として、駅出入口において想定される浸水深に応じた改良や防水扉・止水板等の設置、トンネル坑口への防水ゲートの設置を進めています。また、大規模停電対策として、停電等により駅間に停止した列車を最寄駅まで走行可能とするため、丸ノ内線車両への非常用バッテリーの搭載を進めています。

 (お客様の円滑な移動の実現)

安全性及び車内での快適性を向上させ、環境にも配慮した新型車両として、半蔵門線に18000系車両の導入を進めています。

また、お身体の不自由なお客様をはじめとした全てのお客様に安心してご利用いただけるよう、ホームと車両床面の段差・隙間縮小のため、日比谷線でホームの嵩上げ、くし状ゴムの設置を進めています。

※銀座線・丸ノ内線・千代田線は設置完了

ホームドアの整備として、2025年度までの全路線全駅への設置完了を目指しており、3路線において設置工事を進めています。現在の全線及び設置工事中3路線の整備率は、以下のとおりです。

 

全線

日比谷線

東西線

半蔵門線

整備率

88%

64%

52%

79%

 

※他路線は設置完了

さらに、お客様からのお問合せに対してよりスピーディに対応するため、2022年9月にデジタル技術を活用したAIチャットボットサービス「東京メトロチャットボット」を当社ホームページ上で開始したほか、東京メトロmy!アプリによる号車ごとのリアルタイム混雑状況の配信を全路線に拡大しました。

そのほか、2021年12月に創設された「鉄道駅バリアフリー料金制度」を活用し、2023年3月18日から料金収受を開始しました。

(その他)

日本の地下鉄では初めてとなる無線式列車制御システム(CBTCシステム)の導入に向けて、2022年11月から丸ノ内線の一部区間において同システムの走行試験を開始しました。

 

② 有楽町線延伸・南北線延伸等によるネットワーク発展・充実

 (有楽町線・南北線の延伸)

工事着手に向けた各種手続き等について関係各所と協議・調整を行っています。

(サービス一体化・鉄道ネットワークの拡大)

2023年3月18日から、南北線・副都心線と相鉄新横浜線・東急新横浜線の直通運転を開始しました。

 

③ 地域との連携・メトポの活用等による新たなお出かけ機会の創出

 (City Tourismによる需要創出)

メトロポイントクラブにおいて、毎月のご利用状況に応じてポイントを進呈する新サービス「ランク制度」を導入しました。また、City Tourismの促進施策として、Tokyo Subway Ticketと沿線の観光施設入場券のセット券について、連携する観光施設を拡大したほか、企業や自治体とタイアップしたスタンプラリーや、旅行会社と共同で沿線の魅力を伝えるツアーを実施しました。

  (my! 東京MaaSの推進)

地下鉄から一歩先に踏み出した東京観光を提供するために、東京都交通局と共同で、両社局の公式アプリ(「東京メトロmy!アプリ」及び「都営交通アプリ」)を介して2022年10月から人力車・水上タクシー、2023年2月からはとバスの利用予約を可能としました。また、東京メトロmy!アプリ内で提供する「駅構内ナビゲーション機能」の対応駅を80駅に拡大しました。

 

④ 新技術の導入とDXによる鉄道オペレーションの進化

 (技術開発ビジョン)

企業や研究機関等と連携した新技術の導入・開発やDXの推進等により、持続的な企業価値向上を図り、将来にわたる安心の提供を実現するため、故障予知技術・劣化予測技術の促進(CBM)の検討を進めています。

 

⑤ 不動産事業の拡大とまちづくりとの連携

 (まちづくりとの連携)

駅周辺開発を計画・検討する都市開発事業者等と連携した「えき・まち連携プロジェクト」として、11駅において開発提案を募集しています。また、東西線茅場町駅においては、2022年12月に地上部の大規模複合用途ビルへの地下接続通路を供用開始しました。

 

⑥ 海外鉄道ビジネスの拡大・新規ビジネスの開発推進

 (海外鉄道ビジネス)

海外鉄道ビジネスについては、ベトナム、フィリピン、インドネシア等において鉄道整備、技術支援に係る各プロジェクトを推進しています。また、世界の鉄道関係者向けオンライン講座「Tokyo Metro Academy」を8講座開講しました。

 (新規ビジネスの開発)

2023年1月に新たな技術を活用した需要創出を目的に「Tokyo Metro ACCELERATOR 2020」採択企業である株式会社GATARIと、MR(複合現実)技術を活用したバーチャルライブ・ラリー「クロケスタ駅ナカLIVE!!」を実施しました。

 

⑦ 脱炭素・循環型社会への貢献

 (脱炭素社会への取組)

脱炭素社会の実現に向けた取組として、TCFDの提言に賛同し、当社の気候関連リスク、機会等を開示しています。また、長期環境目標「メトロCO₂ゼロ チャレンジ 2050」のCO₂排出量の2030年度目標を2013年度比「△30%」から「△50%」に見直すとともに、目標達成に向け再生可能エネルギーの活用や、車両の省エネルギー化、照明のLED化等に取り組んでいます。さらに、2022年12月に銀座線1編成の運行に使用する電力を非化石証書により実質再エネ化し、CO₂排出量を実質ゼロとした「ちかエコトレイン サステナ号」を運行しました。

 (循環型社会の実現に向けた取組)

循環型社会の実現に向けた取組として、使用済乗車券をトイレットペーパーにリサイクルするなど、環境負荷の低減を推進しています。2022年11月には東西線妙典駅高架下のフィットネスクラブ「greener」のマルシェにて、フードドライブを実施しました。

 

⑧ 経営基盤の強化

 (安全文化の醸成)

お客様の安全を第一とし、事故の未然防止、再発防止に取り組むため、安全研修等を実施しました。社員一人ひとりが自ら考え行動を起こすことができる安全文化の醸成に努めています。

(豊かな社会のためのパートナーシップ)

女子駅伝部の活動支援や東京マラソンへの参画を通じて、スポーツ選手が活躍できる環境づくりに貢献するとともに地域・社会の活性化に取り組んでおり、2022年12月に沿線地域住民を対象としたスポーツ体験会を他企業と共催しました。

また、次世代育成の取組として、総合研修訓練センターにおいて近隣の中学校の生徒を対象に鉄道業務体験学習会、沿線の特別支援学校の生徒を対象に鉄道施設体験会を実施しました。さらに、銀座駅にて地方自治体が開催する「ふるさとPRイベント」をサポートしたほか、公益財団法人メトロ文化財団の地下鉄博物館特別展「地下鉄開通95周年 ちかてつふしぎ展~銀座線・地下鉄の原点からたどる謎・不思議~」等を支援しました。

運輸業の当連結会計年度の業績は、新型コロナウイルス感染症の影響から一部回復したことに伴い、旅客運輸収入が増加し、営業収益が3,122億6千万円(前期比13.0%増)、営業利益が146億4百万円(前期は営業損失236億5千6百万円)となりました。

 

 

(運輸成績表)

種別

単位

第18期連結会計年度
(自 2021年4月1日
  至 2022年3月31日)

第19期連結会計年度
(自 2022年4月1日
 至 2023年3月31日)

営業日数

365

365

旅客営業キロ

キロ

195.0

195.0

客車走行キロ

千キロ

295,873

290,315

輸送人員

定期

千人

1,077,227

1,166,475

 

定期外

826,555

1,005,435

 

1,903,782

2,171,910

旅客運輸収入

定期

百万円

105,483

111,990

 

定期外

139,609

169,374

 

245,092

281,364

乗車効率

37

42

 

(注)1 記載数値は、千キロ未満、千人未満、百万円未満を切り捨てて表示しています。

   2 乗車効率の算出方法:人キロ÷(客車走行キロ×客車平均定員)×100

 

[不動産事業]

不動産事業においては、収益力向上を図るべく、駅周辺の都市開発と一体となった建物の整備や、新宿駅西口地区開発計画を推進しました。

不動産事業の当連結会計年度の業績は、営業収益が137億4千万円(前期比0.8%増)、営業利益が53億4千7百万円(前期比16.0%増)となりました。

 

[流通・広告事業]

流通・広告事業においては、収益確保を図るとともに、お客様の「新たな日常」を支え、ニーズに迅速に対応するため、各種施策を推進しました。

流通事業については、「メトロ・エム後楽園」をはじめとした商業ビルや、「Echika表参道」等の駅構内店舗において、空き区画の解消や店舗入替を行うとともに、駅構内の空きスペースを有効活用するなど、収益確保に努めました。

広告事業については、半蔵門線渋谷駅に新設した駅構内デジタルサイネージ等により、収益確保に努めました。

流通・広告事業の当連結会計年度の業績は、営業収益が236億5千6百万円(前期比8.8%増)、営業利益が76億8千7百万円(前期比13.2%増)となりました。

 

当社グループの財政状態については、当連結会計年度末における資産合計は前連結会計年度末に比べ1,898億5千3百万円増2兆28億2千1百万円、負債合計は1,748億6千9百万円増1兆3,694億7千6百万円、純資産合計は149億8千3百万円増6,333億4千4百万円となりました。

資産の部の増加については、主に新線建設推進資金信託の計上によるものです。

負債の部の増加については、新線建設推進に係る借入れ等によるものです。

純資産の部の増加については、主に親会社株主に帰属する当期純利益の計上によるものです。

この結果、当連結会計年度末の自己資本比率は、31.6%となりました。

 

 ② キャッシュ・フローの状況

当連結会計年度における現金及び現金同等物(以下「資金」といいます。)は、前連結会計年度末に比べ226億8千2百万円減少し、当連結会計年度末には889億8千2百万円となりました。

(営業活動によるキャッシュ・フロー)

当連結会計年度における営業活動による資金の増加は、881億7千7百万円(前期比48億8千2百万円収入増)となりました。これは、税金等調整前当期純利益と非資金科目である減価償却費703億7千7百万円を計上したこと等によるものです。

 

(投資活動によるキャッシュ・フロー)

当連結会計年度における投資活動による資金の減少は、2,696億7千4百万円(前期比1,701億7千4百万円支出増)となりました。これは主に、設備投資の実施、新線建設推進資金信託の設定等によるものです。

(財務活動によるキャッシュ・フロー)

当連結会計年度における財務活動による資金の増加は、1,588億1千4百万円(前期比1,017億6千4百万円収入増)となりました。これは、社債の償還及び長期借入金の返済があったものの、新線建設推進に係る長期借入れ等による収入があったことによるものです。

 

 ③ 生産、受注及び販売の実績

当社グループの業種構成はサービス業が中心であり、受注生産形態をとらない会社が多いため、「① 財政状態及び経営成績の状況」においてセグメントの業績を記載することとしています。

 

(2) 経営者の視点による経営成績等の状況に関する分析・検討内容

経営者の視点による当社グループの経営成績等の状況に関する認識及び分析・検討内容は次のとおりです。

なお、文中の将来に関する事項は、当連結会計年度末現在において判断したものです。

   ① 当連結会計年度の財政状態及び経営成績に関する認識及び分析・検討内容

財政状態及び経営成績の分析は次のとおりです。

当連結会計年度の財政状態については、「(1) 経営成績等の状況の概要」の「① 財政状態及び経営成績の状況」に記載しています。

  (単位:百万円)

 

前連結会計年度

(自 2021年4月1日

至 2022年3月31日)

当連結会計年度

(自 2022年4月1日

至 2023年3月31日)

増減額

増減率

 

 

 

 

 営業収益

306,904

345,370

38,465

12.5

 営業費

319,021

317,592

△1,429

△0.4

 営業利益又は営業損失(△)

△12,117

27,777

39,895

 営業外収益

2,372

2,480

107

4.5

 営業外費用

10,752

10,563

△189

△1.8

 経常利益又は経常損失(△)

△20,497

19,694

40,192

 特別利益

7,729

5,236

△2,493

△32.3

 特別損失

10,209

4,968

△5,241

△51.3

 税金等調整前当期純利益又は
 税金等調整前当期純損失(△)

△22,977

19,962

42,940

 親会社株主に帰属する当期純利益

 又は親会社株主に帰属する当期

 純損失(△)

△13,397

27,771

41,169

 

 

[営業収益及び営業損失]

当連結会計年度の営業収益は、前連結会計年度に比べ384億6千5百万円増3,453億7千万円となりました。

 これは、新型コロナウイルス感染症の影響から一部回復したことに伴い、旅客運輸収入等が増加したことによるものです。

営業費は、前連結会計年度に比べ14億2千9百万円減3,175億9千2百万円となりました。これは、電気料の増加があったものの、有形固定資産の減価償却方法の変更に伴う減価償却費の減少及び鉄道経費の削減等によるものです。

以上の結果、当連結会計年度の営業利益は、前連結会計年度に比べ398億9千5百万円改善277億7千7百万円となりました。なお、各セグメントの営業利益の分析については、「(1) 経営成績等の状況の概要」の「① 財政状態及び経営成績の状況」に記載しています。

 

[営業外損益及び経常損失]

当連結会計年度の営業外収益は、物品売却益等の計上により、前連結会計年度に比べ1億7百万円増24億8千万円となりました。

営業外費用は、前連結会計年度に比べ1億8千9百万円減105億6千3百万円となりました。

以上の結果、当連結会計年度の経常利益は、前連結会計年度に比べ401億9千2百万円改善196億9千4百万円となりました。

 

[特別損益及び親会社株主に帰属する当期純損失]

当連結会計年度の特別利益は、固定資産売却益の減少等により、前連結会計年度に比べ24億9千3百万円減52億3千6百万円となりました。

特別損失は、撤去損失引当金繰入額の減少等により、前連結会計年度に比べ52億4千1百万円減49億6千8百万円となりました。

以上の結果、当連結会計年度の税金等調整前当期純利益は199億6千2百万円となり、法人税等を加減した親会社株主に帰属する当期純利益は前連結会計年度に比べ411億6千9百万円改善277億7千1百万円となりました。

 

   ② キャッシュ・フローの状況の分析・検討内容並びに資本の財源及び資金の流動性に係る情報

当連結会計年度のキャッシュ・フローの状況については、「(1) 経営成績等の状況の概要」の「②キャッシュ・フローの状況」に記載のとおりであり、営業活動により得られた資金並びに社債及び借入金を設備投資等に充当しています。

当社グループの主な資金需要は、営業活動に係る資金支出では、鉄道事業に係る修繕費や管理委託費等の経費、人件費などがあります。また、投資活動に係る資金支出では、車両更新やホームドア整備などの安全対策、バリアフリー整備などの旅客サービス等の運輸業への投資、持続的な成長を実現する不動産事業及び流通・広告事業への投資のほか、有楽町線、南北線延伸事業等に係る投資があります。

資金調達の方法は、償却前営業利益を基本に、不足する資金を金融市場動向等に鑑み、社債の募集及び金融機関からの借入により長期資金を調達しています。ただし、有楽町線、南北線延伸事業等に係る資金については、2023年3月に鉄道・運輸機構より長期借入金を調達しました。また、運転資金として短期的に資金を必要とする場合は、国内金融機関との当座貸越契約により短期資金を調達することで、緊急時の流動性を確保しています。これらにより、当社グループの事業運営に必要な運転資金、設備投資資金の調達は問題なく対応可能と認識しています。

 

   ③ 重要な会計上の見積り及び当該見積りに用いた仮定

連結財務諸表は、わが国において一般に公正妥当と認められる企業会計の基準に基づき作成され、連結財務諸表の作成にあたっては連結決算日における資産・負債及び当連結会計年度における収益・費用の数値に影響を与える事項について、過去の実績や現在の状況に応じ合理的と考えられる様々な要因に基づき見積りを行った上で、継続して評価を行っています。ただし、実際の結果は、見積り特有の不確実性があるため、見積りと異なる場合があります。なお、新型コロナウイルス感染症の影響については、「第5 経理の状況 1 連結財務諸表等 (1)連結財務諸表 注記事項(重要な会計上の見積り)」に記載しています。

ⅰ固定資産の減損

当社グループは多くの固定資産を保有しており、回収可能価額を将来キャッシュ・フロー、割引率、正味売却価額など多くの前提条件に基づいて算出しています。そのため、当初見込んだ収益が得られなかった場合、又は算出の前提条件に変更があった場合には、損失が発生する可能性があります。

 

ⅱ繰延税金資産

当社グループは、繰延税金資産の回収可能性の評価に際して、将来の課税所得を合理的に見積っています。繰延税金資産の回収可能性は将来の課税所得の見積りに依存しますので、その見積額が減少し繰延税金資産の一部又は全部を将来実現できないと判断した場合、その判断を行った期間に繰延税金資産が減額され税金費用が計上される可能性があります。

 

ⅲ退職給付債務及び費用

従業員の退職給付債務及び費用は、数理計算上で設定される割引率、退職率、死亡率及び長期期待運用収益率等の前提条件に基づいて算出しています。
 実際の結果が、前提条件と異なる場合、又は前提条件が変更された場合、退職給付債務及び費用に影響を及ぼす可能性があります。