E04196 Japan GAAP
前期
20.2億 円
前期比
172.6%
当社グループ(当社及び当社の関係会社)は、当社、子会社2社及びその他の関係会社1社で構成されており、
運輸事業、ホテル事業等を営んでいます。
なお、次の3部門は「第5 経理の状況 1連結財務諸表等 (1)連結財務諸表 注記事項」に掲げるセグメント情報の区分と同一であります。
(運輸)
当部門においては、立山黒部アルペンルートにおけるトロリーバス、ロープウェイ、ケーブルカー、路線バス、電車の運行、及び貨物自動車の営業を行っています。
[関係会社]
立山黒部サービス株式会社、富山地方鉄道株式会社
(ホテル)
当部門においては、立山黒部アルペンルートの室堂においてホテル立山、弥陀ヶ原において弥陀ヶ原ホテル、立山黒部アルペンルート内の各駅における売店の営業を行っています。
[関係会社]
立山貫光ターミナル株式会社
(その他)
当部門においては、立山黒部アルペンルートにおける駅舎等の賃貸等を行っています。
[関係会社]
立山貫光ターミナル株式会社、立山黒部サービス株式会社
以上述べた事項を事業系統図によって示すと、次のとおりであります。
※画像省略しています。
(1)経営成績等の状況の概要
当連結会計年度における当社グループの財政状態、経営成績及びキャッシュ・フロー(以下「経営成績等」という。)の状況の概要は次のとおりであります。
なお、「収益認識に関する会計基準」(企業会計基準第29号 2020年3月31日)等を第58期の期首から適用しており、第58期以降に係る各数値については、当該会計基準を適用した後の数値となっています。
①財政状態及び経営成績の状況
新型コロナウイルス感染症の流行から3年目を迎え、政府が人流抑制中心から、感染対策と経済社会活動の両立を図る政策へと本格的に舵を切ったことにより、ウィズコロナが定着し、アフターコロナに向けて、新たな段階に進みました。国内でのワクチン接種が進んだこともあり、経済活動の正常化が期待されましたが、感染の再拡大や物価高騰などが影響し、厳しい経済状況が続きました。
観光業界におきましても、度重なる感染拡大の波が国内旅行の旅行意欲に水を差し、旅行需要は大きく回復したとは言えない厳しい状況が続きました。
そうした中、当期の立山黒部アルペンルートは昨年同様、4月15日に立山~信濃大町間の全線において営業を再開し、「立山黒部アルペンルート安全・安心ガイドライン」に基づき、感染防止に努めながら、11月30日まで営業いたしました。
その結果、当連結会計年度の財政状態及び経営成績は以下のとおりとなりました。
a.財政状態
当連結会計年度末の資産合計は、前連結会計年度末に比べ1,282,256千円減少し、9,807,843千円となりました。
当連結会計年度末の負債合計は、前連結会計年度末に比べ684,409千円減少し、9,194,893千円となりました。
当連結会計年度末の純資産合計は、前連結会計年度末に比べ597,846千円減少し、612,949千円となりました。
b.経営成績
当連結会計年度の経営成績は、営業収益が3,486,728千円と前連結会計年度に比べ1,466,369千円の増収、営業損失が610,189千円、経常損失が562,885千円、親会社株主に帰属する当期純損失は580,793千円となりました。セグメント別の経営成績は、次のとおりであります。
(運輸事業)
営業の推移を概観いたしますと、3年ぶりにコロナ禍による行動制限のない状況下での全線開通を迎えることができました。全国旅行支援に代わる富山県民・地域ブロック県民割キャンペーンが実施されたこともあり、4月から6月にかけて国内旅客においては順調に推移しました。しかし、7月に入り新型コロナウイルス感染症のこれまでにない急激な感染拡大の影響で、夏秋の観光シーズンには旅客数の伸び率が大きく鈍化しました。第7波が収束した10月中旬以降には、全国旅行支援の実施や水際対策の緩和で国内外とも旅行需要が活発化しましたが、大きな回復に結びつくことはありませんでした。
この結果、当期の入り込み人員は、合計480千人(対前年158%、176千人増)となり、また、入り込み方面別では、富山入り込みが227千人(対前年149%)、大町入り込みが253千人(対前年166%)となりました。
国内旅客においては、春先は回復傾向にありましたが7月の新型コロナウイルス感染症の感染再拡大が影響し、国内旅客全体の入り込み人員は473千人(対前年156%、170千人増)となりました。
一方、海外旅客においては、観光渡航がない中では在留外国人の旅行が主でしたが、6月10日から訪日観光旅客の受入が再開されたことや10月11日に入国者数の上限が撤廃され個人旅行客の入国も解禁されたことにより、10月中旬以降少しずつ海外旅客が戻り始めました。(入り込み人員が7千人、対前年767%、6千人増)
この結果、営業収益は2,175,655千円(前連結会計年度比71.7%増)、営業損失は587,866千円(前連結会計年度は1,228,907千円の営業損失)となりました。
(提出会社の運輸成績表)
鋼索鉄道事業(黒部ケーブルカー)
項目 |
単位 |
当連結会計年度 (R4.4.1~R5.3.31) |
対前年増減率(%) |
営業粁 |
粁 |
0.8 |
0.0 |
営業日数 |
日 |
230 |
0.0 |
客車走行粁 |
粁 |
13,376 |
14.5 |
旅客輸送人員 |
人 |
351,870 |
66.5 |
旅客運輸収入 |
千円 |
253,992 |
83.9 |
運輸雑収 |
千円 |
1,482 |
121.3 |
収入合計 |
千円 |
255,474 |
84.1 |
1日営業1粁あたり運輸収入 |
千円 |
1,388 |
84.1 |
1日平均客車走行粁 |
粁 |
58 |
13.7 |
1日平均旅客輸送人員 |
人 |
1,530 |
66.5 |
1日平均運輸収入 |
千円 |
1,110 |
84.1 |
乗車効率 |
% |
16 |
45.4 |
(注) |
1. |
R4.4.1~R4.4.14・R4.12.1~R5.3.31 積雪のため営業休止 |
||
|
2. |
乗車効率の算出方法 |
(営業粁×旅客輸送人員) |
×100 |
(客車走行粁×平均定員) |
鋼索鉄道事業(立山ケーブルカー)
項目 |
単位 |
当連結会計年度 (R4.4.1~R5.3.31) |
対前年増減率(%) |
営業粁 |
粁 |
1.3 |
0.0 |
営業日数 |
日 |
230 |
0.0 |
客車走行粁 |
粁 |
23,134 |
8.5 |
旅客輸送人員 |
人 |
388,418 |
52.4 |
旅客運輸収入 |
千円 |
309,268 |
56.6 |
運輸雑収 |
千円 |
3,000 |
171.4 |
収入合計 |
千円 |
312,268 |
57.2 |
1日営業1粁あたり運輸収入 |
千円 |
1,044 |
57.2 |
1日平均客車走行粁 |
粁 |
101 |
8.6 |
1日平均旅客輸送人員 |
人 |
1,689 |
52.4 |
1日平均運輸収入 |
千円 |
1,357 |
57.2 |
乗車効率 |
% |
18 |
40.5 |
(注) |
1. |
R4.4.1~R4.4.14・R4.12.1~R5.3.31 積雪のため営業休止 |
||
|
2. |
乗車効率の算出方法 |
(営業粁×旅客輸送人員) |
×100 |
(客車走行粁×平均定員) |
普通索道事業
項目 |
単位 |
当連結会計年度 (R4.4.1~R5.3.31) |
対前年増減率(%) |
営業粁 |
粁 |
1.7 |
0.0 |
営業日数 |
日 |
230 |
0.0 |
客車走行粁 |
粁 |
33,680 |
21.3 |
旅客輸送人員 |
人 |
347,761 |
66.2 |
旅客運輸収入 |
千円 |
315,926 |
84.4 |
運輸雑収 |
千円 |
1,845 |
97.3 |
収入合計 |
千円 |
317,771 |
84.4 |
1日営業1粁あたり運輸収入 |
千円 |
812 |
84.4 |
1日平均客車走行粁 |
粁 |
146 |
21.3 |
1日平均旅客輸送人員 |
人 |
1,512 |
66.2 |
1日平均運輸収入 |
千円 |
1,381 |
84.4 |
乗車効率 |
% |
22 |
37.0 |
(注) |
1. |
R4.4.1~R4.4.14・R4.12.1~R5.3.31 積雪のため営業休止 |
||
|
2. |
乗車効率の算出方法 |
(営業粁×旅客輸送人員) |
×100 |
(客車走行粁×平均定員)
|
無軌条電車事業
項目 |
単位 |
当連結会計年度 (R4.4.1~R5.3.31) |
対前年増減率(%) |
営業粁 |
粁 |
3.7 |
0.0 |
営業日数 |
日 |
230 |
0.0 |
客車走行粁 |
粁 |
67,621 |
31.2 |
旅客輸送人員 |
人 |
370,781 |
63.1 |
旅客運輸収入 |
千円 |
555,007 |
83.7 |
運輸雑収 |
千円 |
2,963 |
114.1 |
収入合計 |
千円 |
557,970 |
83.9 |
1日営業1粁あたり運輸収入 |
千円 |
655 |
83.9 |
1日平均客車走行粁 |
粁 |
294 |
31.2 |
1日平均旅客輸送人員 |
人 |
1,612 |
63.2 |
1日平均運輸収入 |
千円 |
2,425 |
83.9 |
乗車効率 |
% |
28 |
24.3 |
(注) |
1. |
R4.4.1~R5.4.14・R4.12.1~R5.3.31 積雪のため営業休止 |
||
|
2. |
乗車効率の算出方法 |
(営業粁×旅客輸送人員) |
×100 |
(客車走行粁×平均定員) |
自動車事業
項目 |
単位 |
当連結会計年度 (R4.4.1~R5.3.31) |
対前年増減率(%) |
営業粁 |
粁 |
85.6 |
0.0 |
営業日数 |
日 |
323 |
0.0 |
延人粁 |
人粁 |
9,115,699 |
53.9 |
車両走行粁 |
粁 |
427,611 |
25.8 |
旅客輸送人員 |
人 |
408,173 |
53.1 |
旅客運送収入 |
千円 |
718,915 |
59.0 |
運輸雑収 |
千円 |
3,086 |
106.6 |
収入合計 |
千円 |
722,001 |
59.1 |
1日営業1粁あたり運送収入 |
千円 |
26 |
59.1 |
1日平均車両走行粁 |
粁 |
1,324 |
25.9 |
1日平均旅客輸送人員 |
人 |
1,264 |
53.2 |
1日平均運送収入 |
千円 |
2,235 |
59.1 |
乗車効率 |
% |
39 |
22.3 |
(注) |
1. |
弥陀ヶ原線 R4.4.1~R4.4.14・R4.12.1~R5.3.31 積雪のため営業休止 極楽坂線 R4.4.1~R4.12.9・R5.3.13~R5.3.31 営業休止 称名滝線 R4.4.1~R4.4.28・R4.11.11~R5.3.31 営業休止 |
||
|
2. |
乗車効率の算出方法 |
延人粁 |
×100 |
車両走行粁×1両平均定員
|
(業種別営業成績)
業種別 |
当連結会計年度 (R4.4.1~R5.3.31) |
|
営業収益(千円) |
対前期増減率(%) |
|
鋼索鉄道事業(黒部ケーブルカー) |
255,474 |
84.1 |
鋼索鉄道事業(立山ケーブルカー) |
312,268 |
57.2 |
普通索道事業 |
317,771 |
84.4 |
無軌条電車事業 |
557,970 |
83.9 |
自動車事業 |
722,001 |
59.1 |
貨物自動車事業 |
10,168 |
1411.1 |
合計 |
2,175,655 |
71.7 |
(ホテル事業)
立山黒部アルペンルートの営業再開に合わせ、4月15日にホテル立山が営業を再開しました。弥陀ヶ原ホテルも6月から営業を再開いたしました。その結果、当連結会計年度では営業収益は1,314,012千円(前年同期比73.6%増)、営業損失は69,237千円(前年同期は営業損失285,179千円)となりました。
(業種別営業成績)
業種別 |
当連結会計年度 (R44.1~R5.3.31) |
|
営業収益(千円) |
対前期増減率(%) |
|
ホテル立山 |
1,242,169 |
66.5 |
駅構内売店等 |
71,842 |
583.7 |
合計 |
1,314,012 |
73.6 |
(その他事業)
営業収益は54,089千円(前連結会計年度比0.6%減)、営業利益は25,063千円(同27.0%増)となりました。
(業種別営業成績)
業種別 |
当連結会計年度 (R4.4.1~R5.3.31) |
|
営業収益(千円) |
対前期増減率(%) |
|
建物等賃貸 |
44,416 |
1.8 |
業務受託 |
14,589 |
△12.6 |
消去 |
4,915 |
△16.9 |
合計 |
54,089 |
△0.6 |
②生産、受注及び販売の実績
当社グループは、生産及び受注は行っておりません。
販売の状況については、「①財政状態及び経営成績の状況」におけるセグメントごとに営業成績に関連付けて示しております。
③キャッシュ・フローの状況
当連結会計年度における連結ベースの現金及び現金同等物(以下「資金」という。)は、前連結会計年度末に比べ866,442千円減少し、当連結会計年度末には2,930,857千円(前連結会計年度比22.8%減)となりました。
(営業活動によるキャッシュ・フロー)
営業活動の結果得られた資金は、22,296千円(前連結会計年度は233,860千円の使用)であります。これは主に、税金等調整前当期純損失563,123千円を計上したものの、減価償却費が599,506千円が計上されていることによるものであります。
(投資活動によるキャッシュ・フロー)
投資活動の結果使用した資金は、115,047千円(前連結会計年度比50.4%減)であります。これは主に、有形及び無形固定資産を取得したことによるものであります。
(財務活動によるキャッシュ・フロー)
財務活動の結果使用した資金は、773,691千円(前連結会計年度は1,277,682円の獲得)であります。これは主に、長期借入金の返済によるものであります。
(2)経営者の視点による経営成績等の状況に関する分析・検討内容
経営者の視点による当社グループの経営成績等の状況に関する認識及び分析・検討内容は次のとおりであります。
なお、文中の将来に関する事項は、当連結会計年度末現在において判断したものであります。
①財政状態及び経営成績の状況に関する認識及び分析・検討内容
1)経営成績
当連結会計年度の経営成績は、立山黒部アルペンルートへの入り込み客数が480千人(対前年比57.9%増)と前年を上回り、営業収益は3,486,728千円(前連結会計年度比72.6%増)となりました。人件費および業務委託費等の物件経費も増加したことで、運送営業費及び売上原価は2,580,777千円(同15.7%増)、販売費及び一般管理費は1,516,139千円(同20.5%増)となり、営業損失は610,189千円(前連結会計年度は1,469,074千円の営業損失)となりました。これに、営業外収益136,049千円(同57.2%減)と営業外費用88,745千円(同42.3%減)を加減した経常損失は562,885千円(前連結会計年度は1,305,405千円の経常損失)となりました。さらに特別損失237千円を加減した税金等調整前当期純損失は563,123千円(同770,733千円の税金等調整前当期純損失)となり、法人税等合計4,507千円を計上した結果、非支配株主に帰属する当期純利益13,163千円を差し引いた親会社株主に帰属する当期純損失は580,793千円(同737,251千円の親会社株主に帰属する当期純損失)となりました。
2)財政状態
資産については、現金及び預金が866,442千円減少し、棚卸資産の減少、減価償却等による固定資産の減少により、総資産は9,807,843千円となり、前連結会計年度と比べ1,282,256千円減少しました。
負債については、長期借入金の減少等により、負債総額は9,194,893千円となり、前年同期に比べ684,409千円減少しました。
また、親会社株主に帰属する当期純損失580,793千円などにより、純資産は612,949千円となり、前連結会計年度と比べ597,846千円減少しました。
②キャッシュ・フローの分析・検討内容並びに資本の財源及び資金の流動性に係る情報
1)キャッシュ・フローの分析・検討内容
「(1)経営成績等の状況の概要 ③キャッシュ・フローの状況」に記載してあります。
2)資本の財源及び資金の流動性に係る情報
a.資金需要
当社グループの事業活動における運転資金需要の主なものは立山有料道路の除雪費・通行料、運輸・ホテル施設の修繕費、売店の商品仕入費・ホテル・レストランの飲食材料品の仕入費などがあります。また設備資金需要としては運輸、ホテル設備の有形固定資産投資、運輸システムなどの無形固定資産投資などがあります。
b.財務政策
当社グループの事業活動の維持拡大に必要な資金を安定的に確保するため、内部資金の活用及び金融機関からの借入により、資金調達を行っております。
③重要な会計上の見積り及び当該見積りに用いた仮定
当社グループの連結財務諸表は、わが国において一般に公正妥当と認められている会計基準に基づき作成されております。この連結財務諸表の作成には、経営者による会計方針の選択・適用、資産・負債および収益・費用の報告金額および開示に影響を与える見積りを必要とします。経営者は、これらの見積りについて、過去の実績等を勘案し合理的に判断しておりますが、実際の結果は見積り特有の不確実性があるため、これらの見積りと異なる場合があります。
なお、連結財務諸表の作成にあたって用いた会計上の見積り及び仮定のうち、重要なものは「第5 経理の状況 1 連結財務諸表等 (1)連結財務諸表 注記事項 (重要な会計上の見積り)」に記載しております。