E30863 Japan GAAP
前期
5,478.9億 円
前期比
108.6%
当社グループの事業は、主として機械設備等各種物品のリース・割賦及びファイナンスであり、また、各事業に関連するサービス等の事業活動を展開しております。
当社グループの事業にかかる位置づけは次のとおりであります。また、事業区分の内容は、セグメント情報等におけるセグメントと同一であります。
なお、2025年3月末現在当社グループは、当社、子会社135社及び関連会社13社により構成されております。
事業系統図は、次のとおりであります。
(注) その他の関係会社との主な取引は、以下のとおりであります。
農林中央金庫・・・・・リース及び事業資金の借入
三井物産株式会社・・・リース及びファイナンス等
(1)業績等の概要
当連結会計年度におけるわが国経済は、賃金・所得の伸びが物価上昇を安定的に上回る状況には未だ至っていないものの、個人消費は上向きつつあり、また、好調な企業業績や大企業を中心とする設備投資にも支えられ、緩やかながらも回復基調を維持し、デフレ脱却に向けて明確な前進が見られました。しかし、米国の経済政策や物価情勢による影響は引き続き不確定要素が大きく、これまで以上に景気の下振れリスクには留意して参ります。
このような環境下、当連結会計年度は2020年度より開始した5か年の中期経営計画「Real Change 2025」の最終年度に当たりますが、これまで計画に掲げて取り組んで参りました「当期純利益300億円」の達成につきましては、役職員一丸となって事業活動を推進した結果、当該利益目標の超過達成を果たすことができました。
営業面におきましては、「北米を中心とした海外事業展開」、「DX推進による新領域でのビジネス創出」、「地方が抱える社会課題の解決に向けたビジネスの強化」、「オリジネーション機能を発揮したアセットビジネスの拡大」、「既存営業基盤の活性化と生産性向上」を重点施策とし、積極的にビジネスを展開しました。具体的には、北米の小口リース・ファイナンス事業会社Oakmont Capital Holdings, LLCの連結子会社化、JA三井ストラテジックパートナーズ株式会社の設立、農業生産者向け情報提供サイト「あぐりサポートねっと」のサービス開始、和歌山市が運営する「道の駅 四季の郷公園」でのPFI参画、新たな物流サービスを提供するプラスオートメーション株式会社との資本業務提携等、ビジネスモデルの転換・専門領域の拡大を着実に進めて参りました。
経営管理面におきましては、「経営資源の戦略的配分、人材力の底上げや役職員のモチベーションを高める施策の推進」、「業務プロセス改革を通じた生産性の向上と業務全体の最適化、環境変化に対応したマネジメント態勢の高度化」を重点施策とし、新規事業創出プログラム等を継続して展開して参りました。さらに、業務の高度化を進め、人材がいっそう活躍できる組織を目指し、全社横断の業務改革プロジェクトによる業務の高度化・デジタル化を継続して進めております。
また、サステナビリティ経営の実現に向け、当社グループの強みや独自性を活かしながら、社会的価値の提供を効果的に進めるべく定めた「マテリアリティ」を掲げ、行動実践に注力しております。具体的には、蓄電池併設型オンサイトPPAサービスの開始、北海道札幌市における国内最大規模の蓄電所事業への参画等、当社グループを挙げた持続可能な社会の実現に向けて取り組んでおります。
資金調達面におきましては、取引金融機関との良好な関係を通じた調達安定化を進めるとともに、適切なALM運営により資金コストの抑制に努めました。
調達戦略の一環として、サステナブルファイナンスにも積極的に取り組み、持続可能な社会の実現への貢献と非財務価値の向上にも尽力しております。また、全社的な外貨アセットの増加(特に米ドル)に対応した調達手段の多様化の一環として海外地場大手行との直接取引やデリバティブ取引の活用等の施策も講じております。なお、株式会社格付投資情報センターより取得している長期格付は「A」から「A+」へ格上げとなりました。なお、同センターの短期格付は「a-1」を維持、株式会社日本格付研究所より取得している長期格付「A+」、短期格付「J-1」をそれぞれ維持しております。
なお、海外連結子会社 PT. Mitsui Leasing Capital Indonesia(以下、MLCI) において、元取締役等による仲介手数料及び販促費等に関する不正取引が判明しました。社内調査委員会を立ち上げて調査した結果、MLCIの運営体制において当該元取締役等が長期間在任しており、MLCIの内部統制や当社による牽制の不備が本事案の要因となったものと認識しております。
現在、再発防止に向けて、MLCIの取締役及び執行体制を見直した上で、グループガバナンスの強化、内部牽制体制の強化を進めております。特にグループガバナンスの強化につきましては、国内外の関係会社を対象とするグループガバナンス委員会を新たに設置し、当社の各関連部門が連携してサポートする体制を構築いたしました。引き続き再発防止の徹底に向け取り組んで参ります。
以上の結果、当連結会計年度の業績は以下のとおりとなりました。
契約実行高は、設備投資意欲の高い成長産業を中心に積極的に営業展開した結果、前連結会計年度比33.5%増の1兆4,594億円となり、営業資産残高は、前連結会計年度末比16.4%増の3兆849億円となりました。
売上高は前連結会計年度比8.6%増の5,952億円、売上総利益は前連結会計年度比22.4%増の924億円、営業利益は前連結会計年度比27.9%増の486億円、経常利益は前連結会計年度比22.4%増の483億円、親会社株主に帰属する当期純利益は前連結会計年度比41.2%増の374億円となりました。
セグメントごとの経営成績は、次のとおりであります。
リース・割賦事業では、契約実行高は前連結会計年度比23.1%増の6,401億円となり、営業資産残高は前連結会計年度末比7.5%増の1兆7,954億円となりました。また、売上高は前連結会計年度比5.1%増の5,050億円、セグメント利益は前連結会計年度比30.1%増の278億円となりました。
ファイナンス事業では、契約実行高は前連結会計年度比33.0%増の6,768億円となり、営業資産残高は前連結会計年度末比21.3%増の1兆857億円となりました。また、売上高は前連結会計年度比33.0%増の678億円、セグメント利益は前連結会計年度比20.5%増の308億円となりました。
その他の事業では、契約実行高は前連結会計年度比121.7%増の1,424億円となりました。また、売上高は前連結会計年度比38.9%増の223億円、セグメント利益は前連結会計年度比8.7%減の44億円となりました。
営業活動によるキャッシュ・フローは、税金等調整前当期純利益548億円、賃貸資産除却損及び売却原価576億円、賃貸資産減価償却費279億円等に対して、賃貸資産の取得による支出2,150億円、貸付債権の増加1,848億円等により、営業活動全体では3,642億円の支出(前連結会計年度は3,010億円の支出)となりました。
投資活動によるキャッシュ・フローは、投資有価証券の売却及び償還による収入102億円に対し、投資有価証券の取得による支出164億円、社用資産の取得による支出97億円等により、投資活動全体では168億円の支出(前連結会計年度は402億円の支出)となりました。
財務活動によるキャッシュ・フローは、銀行借入等の間接調達による純増額5,003億円から、社債等の直接調達による純減額1,148億円、配当金の支払額78億円、自己株式の取得による支出23億円等を差し引き、財務活動全体では3,720億円の収入(前連結会計年度は3,608億円の収入)となりました。
以上の結果、当連結会計年度における現金及び現金同等物の期末残高は、前連結会計年度比24億円減少して1,000億円となりました。
「特定金融会社等の開示に関する内閣府令」(1999年5月19日大蔵省令第57号)に基づく、当社における営業貸付金の状況は次のとおりであります。
2025年3月31日現在
2025年3月31日現在
2025年3月31日現在
2025年3月31日現在
2025年3月31日現在
(注) 期間は、約定期間によっております。
(2)営業取引の状況
当連結会計年度における契約実行高の実績をセグメントごとに示すと、次のとおりであります。
(注) 1.リースについては、当連結会計年度に取得した賃貸用資産の取得金額、割賦については、割賦債権から割賦未実現利益を控除した額を表示しております。
2.ファイナンスについては、営業目的の金融収益を得るために所有する有価証券を含んでおります。
連結会計年度における営業資産残高をセグメントごとに示すと、次のとおりであります。
(注) 1.割賦については、割賦債権から割賦未実現利益を控除した額を表示しております。
2.ファイナンスについては、営業目的の金融収益を得るために所有する有価証券を含んでおります。
連結会計年度における営業実績をセグメントごとに示すと、次のとおりであります。
(注) 1.売上高について、セグメント間の内部売上高又は振替高は含まれておりません。
2.ファイナンスについては、営業目的の金融収益を得るために所有する有価証券の運用業務を含んでおります。
(注) 1.売上高について、セグメント間の内部売上高又は振替高は含まれておりません。
2.ファイナンスについては、営業目的の金融収益を得るために所有する有価証券の運用業務を含んでおります。
(3)経営者の視点による経営成績等の状況に関する分析・検討内容
本項には将来に関する事項も含まれておりますが、当該事項は有価証券報告書提出日現在において判断したものであります。
当連結会計年度末の営業資産残高は前連結会計年度末比4,343億円増の3兆849億円となり、総資産は前連結会計年度末比4,459億円増の3兆4,018億円となりました。
b 資金調達の状況
(a)格付の状況
当連結会計年度末現在、複数の格付機関から格付を取得しております。
(b)資金調達の方針
当社グループは調達手段の多様化・高度化による流動性の確保と財務基盤強化に努めるとともに、資金調達の安定性維持と金融費用の抑制を図ることを基本方針としております。
また、金利変動リスクや流動性リスクについては統合リスク管理委員会で多面的にモニタリングや分析を行い、リスク量をコントロールしつつ費用の抑制を図っております。
(c)資金調達の状況
間接調達においては、国内外取引金融機関との良好な取引関係を維持し、安定的な借入を行っております。直接調達では、上記格付を背景に、調達手段の多様化を進め、社債並びにコマーシャル・ペーパーの発行及び債権流動化による安定的な調達を行っております。なお、社債につきましては、2024年5月に第29回公募普通社債(発行総額200億円)、第30回公募普通社債(サステナビリティ・リンク・ボンド、発行総額300億円)、2024年8月に第31回公募普通社債(サステナビリティ・リンク・ボンド、発行総額100億円)、2025年1月に第32回公募普通社債(発行総額200億円)、第33回公募普通社債(サステナビリティ・リンク・ボンド、発行総額200億円)、2025年6月に第34回公募普通社債(発行総額200億円)を発行しております。
当連結会計年度末の有利子負債(リース債務を除く)は前連結会計年度末比4,101億円増の2兆8,835億円となりました。その内訳は、金融機関からの借入による間接調達が前連結会計年度末比5,245億円増の2兆1,004億円、社債並びにコマーシャル・ペーパーを中心とした直接調達が前連結会計年度末比1,143億円減の7,831億円となりました。
当連結会計年度末の純資産は、親会社株主に帰属する当期純利益の積上げによる増加374億円及び剰余金の配当による減少78億円などにより、前連結会計年度末比275億円増の3,347億円となりました。
当連結会計年度の経営成績につきましては、上記「(1)業績等の概要 ①業績」をご参照下さい。
当連結会計年度のキャッシュ・フローの状況につきましては、上記「(1)業績等の概要 ②キャッシュ・フローの状況」をご参照下さい。
④ 重要な会計上の見積り及び当該見積りに用いた仮定
当社グループの連結財務諸表は、わが国において一般に公正妥当と認められている会計基準に基づき作成されております。この連結財務諸表の作成に当たって、資産、負債、収益及び費用の報告額に影響を及ぼす見積り及び仮定を用いておりますが、これらの見積り及び仮定に基づく数値は実際の結果と異なる可能性があります。
連結財務諸表の作成に当たって用いた会計上の見積り及び仮定のうち、重要なものは「第5 経理の状況 1連結財務諸表等 (1)連結財務諸表 注記事項 (重要な会計上の見積り)」に記載しております。