E30863 Japan GAAP
前期
4,592.3億 円
前期比
109.6%
当社グループの事業は、主として機械設備等各種物品のリース・割賦及びファイナンスであり、また、各事業に関連するサービス等の事業活動を展開しております。
当社グループの事業にかかる位置づけは次の通りであります。また、事業区分の内容は、セグメント情報等におけるセグメントと同一であります。また、2023年3月末現在当社グループは、当社、子会社119社及び関連会社11社により構成されております。
(注) Mitsui Rail Capital, LLCは、2023年5月4日にModern Rail Capital LLCに社名を変更しております。
事業系統図は、次の通りであります。
(注) その他の関係会社との主な取引は、以下の通りであります。
農林中央金庫・・・・・リース及び事業資金の借入
三井物産株式会社・・・リース及びファイナンス等
(1)業績等の概要
当連結会計年度におけるわが国経済は、コロナ禍から社会経済活動が正常化へ向かう中、個人消費や水際対策の緩和によるインバウンド需要の回復もあり、国内景気は緩やかな回復基調がみられましたが、世界的なエネルギー・食料価格の高騰、欧米を中心とした金融引締めの影響による経済の下振れリスクなど、依然として先行きは不透明感があり、留意を要する状況にあると認識しております。
リース業界におきましては、2022年度のリース取扱高(公益社団法人リース事業協会統計)は4兆3,106億円、前年度比2.2%増となりました。
このような環境下、当社は、2020年度より開始した5か年の中期経営計画「Real Change 2025」に基づき、業界大手の一角を担う特徴あるユニークな企業として収益性と成長性の追求により、最終年度における純利益300億円を達成すべく、以下の重点施策を講じてまいりました。
営業面におきましては、「北米を中心とした海外事業展開」、「DX推進による新領域でのビジネス創出」、「地方が抱える社会課題の解決に向けたビジネスの強化」、「オリジネーション機能を発揮したアセットビジネスの拡大」、「既存営業基盤の活性化と生産性向上」を重点施策とし、積極的にビジネスを展開しました。具体的には、北米の鉄道貨車リース会社 Mitsui Rail Capital, LLC の連結子会社化、日米を繋ぐ太平洋横断海底通信ケーブル運営事業会社への参画、DX・EV・蓄電池等における次世代型ビジネスを推進するスタートアップ企業とのパートナー関係構築、再生可能エネルギー領域の戦略的事業会社JA三井エナジーソリューションズ株式会社の運営開始、農業生産者向けの定期的な無料オンラインセミナー開催によるサービスの提案および課題解決、国内での不動産賃貸事業等、ビジネスモデル転換・専門領域拡大を着実に進めてまいりました。
経営管理面におきましては、「経営資源の戦略的配分、人材力の底上げや役職員のモチベーションを高める施策の推進」、「業務プロセス改革を通じた生産性の向上と業務全体の最適化、環境変化に対応したマネジメント態勢の高度化」を重点施策とし、人材育成体制の強化のための「1on1ミーティング」導入、社内公募によるデジタル技術を起点とした新規事業創出プログラムを実施しました。また、業務の高度化を進め人材がいっそう活躍できる組織を目指し、全社横断の業務改革プロジェクトにおいて業務の抜本的な見直しやデジタル化を進めております。
また、企業活動を通じ、環境・人権といった世界が直面する社会課題を解決し、持続可能な社会の実現に貢献するサステナビリティ経営においては、世界が直面する社会課題の中から重点的に取組むべき課題として5つのマテリアリティを特定しました。さらに当社グループの強みや独自性を活かしながら、どのように社会的価値を提供するかを具体化すべく「重点取組」と、その進捗・成果を測る「KPI」を定めました。「重点取組」に注力することで、持続可能な“より良い社会と未来”の実現に貢献してまいります。具体的には、余剰電力循環型太陽光PPAサービスを提供する新会社の設立、台湾での漁電共生型太陽光発電事業への参画等、当社グループを挙げて持続可能な社会の実現に取組んでおります。
資金調達面におきましては、取引金融機関との良好な関係を通じて調達の安定化を進めるとともに、適切なALM運営により資金コストの抑制に努めました。2022年12月に社会課題や環境課題の解決を推進する資金調達手段として、リース業界初となる「サステナビリティ・リンク・ファイナンス・フレームワーク」(以下「フレームワーク」)を策定し、フレームワークに基づくサステナビリティ・リンク・ローン調達を実施しております。
なお、株式会社日本格付研究所より取得している長期格付は「A」から「A+」に格上げされました(短期格付は「J‐1」維持)。株式会社格付投資情報センターより取得している長期格付は「A」および短期格付は「a‐1」を維持しております。
以上の結果、当連結会計年度の業績は以下のとおりとなりました。
契約実行高は、リース市場が横ばいで推移する中、設備投資意欲の高い成長産業を中心に積極的に営業展開した結果、前連結会計年度比26.5%増の9,653億円となり、営業資産残高は、前連結会計年度末比15.2%増の2兆2,219億円となりました。
売上高は前連結会計年度比9.6%増の5,032億円、売上総利益は前連結会計年度比19.0%増の628億円となりました。また、営業利益は貸倒引当金繰入額の増加等により前連結会計年度比11.1%増の286億円となり、経常利益は前連結会計年度比13.1%増の293億円、親会社株主に帰属する当期純利益は前連結会計年度比13.4%増の209億円となりました。
セグメントごとの経営成績は、次のとおりであります。
リース・割賦事業では、契約実行高は前連結会計年度比8.1%増の5,438億円となり、営業資産残高は前連結会計年度末比9.2%増の1兆5,465億円となりました。また、売上高は前連結会計年度比5.8%増の4,639億円、セグメント利益は前連結会計年度比6.2%減の247億円となりました。
ファイナンス事業では、契約実行高は前連結会計年度比61.7%増の3,995億円となり、営業資産残高は前連結会計年度末比32.9%増の6,385億円となりました。また、売上高は前連結会計年度比89.2%増の254億円、セグメント利益は前連結会計年度比42.8%増の137億円となりました。
その他の事業では、契約実行高は前連結会計年度比67.8%増の220億円となりました。また、売上高は前連結会計年度比90.7%増の138億円、セグメント利益は前連結会計年度比68.5%増の40億円となりました。
(単位:百万円)
営業活動によるキャッシュ・フローは、税金等調整前当期純利益303億円、賃貸資産除却損及び売却原価326億円、賃貸資産減価償却費179億円等に対して、貸付債権の増加1,958億円、賃貸資産の取得による支出1,302億円等により、営業活動全体では2,474億円の支出(前連結会計年度は1,610億円の支出)となりました。
投資活動によるキャッシュ・フローは、投資有価証券の取得による支出129億円、連結の範囲の変更を伴う子会社株式の取得による支出43億円等により、投資活動全体では163億円の支出(前連結会計年度は47億円の支出)となりました。
財務活動によるキャッシュ・フローは、長期借入金の純増額1,867億円、コマーシャル・ペーパーの純増額379億円、短期借入金の純増額321億円、公募普通社債発行及び償還に伴う社債の純増額198億円等により、財務活動全体では2,642億円の収入(前連結会計年度は1,690億円の収入)となりました。
以上の結果、当連結会計年度における現金及び現金同等物の期末残高は、前連結会計年度比38億円増加して807億円となりました。
「特定金融会社等の開示に関する内閣府令」(1999年5月19日大蔵省令第57号)に基づく、当社における営業貸付金の状況は次のとおりであります。
2023年3月31日現在
2023年3月31日現在
2023年3月31日現在
2023年3月31日現在
2023年3月31日現在
(注) 期間は、約定期間によっております。
(2)営業取引の状況
当連結会計年度における契約実行高の実績をセグメントごとに示すと、次のとおりであります。
(注) 1.リースについては、当連結会計年度に取得した賃貸用資産の取得金額、割賦については、割賦債権から割賦未実現利益を控除した額を表示しております。
2.ファイナンスについては、営業目的の金融収益を得るために所有する有価証券を含んでおります。
連結会計年度における営業資産残高をセグメントごとに示すと、次のとおりであります。
(注) 1.割賦については、割賦債権から割賦未実現利益を控除した額を表示しております。
2.ファイナンスについては、営業目的の金融収益を得るために所有する有価証券を含んでおります。
連結会計年度における営業実績をセグメントごとに示すと、次のとおりであります。
(注) 1.売上高について、セグメント間の内部売上高又は振替高は含まれておりません。
2.ファイナンスについては、営業目的の金融収益を得るために所有する有価証券の運用業務を含んでおります。
(注) 1.売上高について、セグメント間の内部売上高又は振替高は含まれておりません。
2.ファイナンスについては、営業目的の金融収益を得るために所有する有価証券の運用業務を含んでおります。
(3)経営者の視点による経営成績等の状況に関する分析・検討内容
本項には将来に関する事項も含まれておりますが、当該事項は有価証券報告書提出日現在において判断したものであります。
当連結会計年度末の営業資産残高は前連結会計年度末比2,931億円増の2兆2,219億円となり、総資産は前連結会計年度末比3,205億円増の2兆4,405億円となりました。
b 資金調達の状況
(a)格付の状況
当連結会計年度末現在、複数の格付機関から格付を取得しております。
(b)資金調達の方針
当社グループは調達手段の多様化・高度化による流動性の確保と財務基盤強化に努めるとともに、資金調達の安定性維持と金融費用の抑制を図ることを基本方針としております。
また、金利変動リスクや流動性リスクについては統合リスク管理委員会で多面的にモニタリングや分析を行い、リスク量をコントロールしつつ費用の抑制を図っております。
(c)資金調達の状況
間接調達においては、国内外取引金融機関との良好な取引関係を維持し、安定的な借入を行っております。直接調達では、上記格付を背景に、調達手段の多様化を進め、社債並びにコマーシャル・ペーパーの発行及び債権流動化による安定的な調達を行っております。なお、社債につきましては、2022年9月に第22回公募普通社債(発行総額100億円)、2023年3月に第23回公募普通社債(発行総額200億円)、第24回公募普通社債(発行総額100億円)を発行しております。
当連結会計年度末の有利子負債(リース債務を除く)は前連結会計年度末比3,058億円増加の2兆210億円となりました。その内訳は、金融機関からの借入による間接調達が前連結会計年度末比2,508億円増加の1兆2,545億円、社債並びにコマーシャル・ペーパーを中心とした直接調達が同550億円増加の7,665億円となりました。
当連結会計年度末の純資産は、親会社株主に帰属する当期純利益の積上げによる増加209億円及び剰余金の配当による減少92億円などにより、前連結会計年度末比157億円増の2,753億円となりました。
当連結会計年度の経営成績につきましては、上記「(1)業績等の概要 ①業績」をご参照下さい。
当連結会計年度のキャッシュ・フローの状況につきましては、上記「(1)業績等の概要 ②キャッシュ・フローの状況」をご参照下さい。
④ 重要な会計上の見積り及び当該見積りに用いた仮定
当社グループの連結財務諸表は、わが国において一般に公正妥当と認められている会計基準に基づき作成されております。この連結財務諸表の作成にあたって、資産、負債、収益及び費用の報告額に影響を及ぼす見積り及び仮定を用いておりますが、これらの見積り及び仮定に基づく数値は実際の結果と異なる可能性があります。
連結財務諸表の作成にあたって用いた会計上の見積り及び仮定のうち、重要なものは「第5 経理の状況 1連結財務諸表等 (1)連結財務諸表 注記事項 (重要な会計上の見積り)」に記載しております。