E33658 Japan GAAP
前期
17.0億 円
前期比
215.7%
当社は、マネックスグループ株式会社の100%子会社であり、主に金融機関からの借入及び社債の発行により資本市場から調達した資金を、マネックスグループ株式会社及びその関係会社(マネックス証券株式会社、TradeStation Group, Inc.等)における運転資金、設備資金及び投融資資金のための金銭の貸し付けを行っています。したがって、当社はマネックスグループ株式会社及びその関係会社向けの金銭の貸付を中心とした「金融事業」の単一セグメントです。
なお、事業の区分は「第5 経理の状況 1 財務諸表等 (1)財務諸表 注記事項」に掲げるセグメントの区分と同一です。
[事業系統図]
以上述べた事項を事業系統図として示すと、次のとおりです。
※画像省略しています。
(1)経営成績等の状況の概要
当事業年度(2022年4月1日から2023年3月31日まで)における当社の財政状態、経営成績及びキャッシュ・フロー(以下「経営成績等」という。)の状況の概要は次のとおりであります。
なお、当社は、親会社であるマネックスグループ株式会社及びその関係会社向けの金銭の貸付を中心とした「金融事業」の単一セグメントであるため、セグメント情報に関連付けた記載を行っていません。
① 経営成績の状況
当事業年度の日本経済は、原油価格の上昇や円安進行による輸入物価の上昇などでコストプッシュ型のインフレが進行しました。日本銀行(日銀)が足元のインフレ進行は需要主導型ではないとの判断から金融緩和政策を継続すると日米の金利差が拡大するとの思惑もあり、大幅な円安ドル高が進行しました。一時は米ドル/円が1ドル150円を上回る時期もありましたが、行き過ぎた円安が是正されると1ドル130円を割り込む水準まで短期間で円高が進行しました。2022年12月の金融政策決定会合で日銀がイールドカーブ・コントロール政策をサプライズで一部修正すると、日銀も諸外国の中央銀行と同様に金融引き締め政策に転じたのではとの不安が高まり、日経平均株価が26,000円を割り込む水準まで調整しました。その後の政策決定会合で日銀の金融政策維持が確認されると不安は後退し、日経平均株価は年度末にかけて再び上昇基調となりました。当事業年度末時点で日経平均株価は28,041円となりました。一方、米国経済は、FRB(連邦準備理事会)が高インフレを抑え込むため金融引き締めを継続したことなどからやや低調に推移しました。消費者物価指数の上昇率が40年ぶりの水準となるなど高いインフレが進んだことから、FRBは非常にハイペースで金利の引き上げを実施しました。
このような環境の下、当事業年度の営業収益は、為替差益および貸付金利息の受取の増加により、3,665,901千円(同115.7%増)となりました。
販売費及び一般管理費は、借入金及び社債に対する支払保証料の減少による支払手数料の減少により、94,531千円(同16.7%減)となりました。
金融費用は、デリバティブ関連損などが増加した結果、3,246,736千円(同136.0%増)となりました。
営業外費用は、ユーロMTNプログラム(※)に関する費用や社債発行費などを計上した結果、48,354千円(同10.6%減)となりました。
以上の結果、税引前当期純利益は276,432千円(同76.7%増)となり、当期純利益は183,981千円(同69.0%増)となりました。
※ユーロMTN(ミディアム・ターム・ノート)プログラムとは、債券発行により資金調達を想定している発行体
が、予めディーラーと発行に関する基本契約を締結し、起債関係者との関係を包括的に定めておくことにより、
発行限度額内で個別の債券を随時発行できるようにするスキームです。
② 財政状態の状況
当事業年度の資産については、マネックスグループ株式会社および関係会社への金銭の貸付などの減少により、29,956,354千円(前事業年度比32.8%減)となりました。また、負債については、借入金、関係会社借入金、コマーシャル・ペーパーなどが減少した結果、29,613,429千円(同33.2%減)となりました。純資産については、当期純利益により増加した結果、342,924千円(同28.5%増)となりました。
③ キャッシュ・フロー
当事業年度末の現金及び現金同等物は200,092千円(前事業年度末比94.6%減)となりました。
当事業年度における各キャッシュ・フローの状況と要因は次のとおりです。
(営業活動によるキャッシュ・フロー)
当事業年度における営業活動により取得した資金は、12,167,350千円(前事業年度は1,394,573千円の取得)となりました。
貸付金の減少により11,135,174千円、利息の受取により781,990千円を取得する一方、利息の支払により715,271千円の資金を使用しました。
(財務活動によるキャッシュ・フロー)
当事業年度における財務活動により使用した資金は、15,699,125千円(前事業年度は1,610,444千円の取得)となりました。
社債の発行により5,200,000千円の資金を取得した一方、短期借入等債務収支により15,091,125千円、社債の償還により5,700,000千円の資金を使用しました。
④ 生産、受注及び販売の実績
「生産、受注及び販売の実績」は該当する情報がないので記載していません。
(2)経営者の視点による経営成績等の状況に関する分析・検討内容
経営者の視点による当社の経営成績等の状況に関する認識及び分析・検討内容は次のとおりです。
なお、文中の将来に関する事項は、当事業年度末現在において、当社が判断したものです。
① 財政状態及び経営成績の状況に関する認識及び分析・検討内容
当社は、マネックスグループ株式会社のファイナンス子会社として、グループ会社の資金調達と供給、グループ会社間の余剰資金を円滑に必要な会社へ供給する会社として2017年3月に設立され、2017年6月にマネックスグループ株式会社からTradeStation Group,Inc.への貸付金を譲り受けて本格的に事業を開始しました。
当事業年度は、資本市場より社債の新規発行で52億円を調達したものの、60億円のコマーシャル・ペーパー、57億円の社債を償還し、マネックスグループ株式会社への貸付を減少させました。また、マネックスグループ株式会社および金融機関からの借入金を一部返済し、TradeStation Group,Inc.への貸付を減少させました。
その結果、営業収益は前事業年度に比べ増加し、引き続き当期純利益を計上することができました。
リスク管理を継続して行いつつ、今後も安定的に利益を計上することを目指して事業運営に取り組んでまいります。
② キャッシュ・フローの状況の分析・検討内容並びに資本の財源及び資金の流動性に係る情報
当社は、経営に必要な資金を大手金融機関をはじめとする多数の金融機関からの借り入れや資本市場における社債の発行により調達しています。当社は資金繰り状況及び見通しの把握を随時行っており、また、マネックスグループ株式会社及びその関係会社の間で金銭消費貸借契約等、金融機関との間で当座借越契約等を締結していることで、十分な流動性を確保しています。
③ 重要な会計方針及び見積り
当社の財務諸表は、わが国において一般に公正妥当と認められる会計基準に基づき作成しています。
当社は、財務諸表を作成するにあたり重要な判断や見積りを行っています。当社が採用した重要な会計方針及び見積りについては、「注記事項(重要な会計方針)」に記載のとおりです。