売上高

利益

資産

キャッシュフロー

配当(単独)

ROE

EPS BPS




E00053 Japan GAAP


2【経営者による財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローの状況の分析】

(1) 財政状態及び経営成績の状況の分析

①経営成績

 当第3四半期連結累計期間の日本経済は、社会経済活動の正常化やインバウンド需要の復調等により、景気には緩やかな回復が見られましたが、世界的な物価高や各国の金融引き締めに加え、国際情勢の不安定化が進み、世界経済の減速が懸念され、今後も状況を注視していく必要があります。

 建設業界においては、公共投資の底堅い推移と民間設備投資の持ち直しの動きが見られましたが、供給面では、建設資材・エネルギー価格の高止まりや労務費の上昇等による影響があり、厳しい経営環境が続きました。

 当社グループの当第3四半期連結累計期間の売上高は、当社における手持ちの大型工事が順調に進捗したことなどにより完成工事高が増加したことから、前年同期に比べ9.7%増加し1兆4,485億円となりました。

 利益については、国内・海外の複数の大型建築工事において、工事採算の大幅な悪化に伴い工事損失引当金を計上したことから、完成工事総利益が減少したことなどにより、営業利益は519億円の損失(前年同期は281億円の利益)、経常利益は469億円の損失(前年同期は298億円の利益)、特別利益に保有株式の売却に伴う固定資産売却益などを計上した結果、親会社株主に帰属する四半期純利益は208億円の損失(前年同期は214億円の利益)となりました。

 

 セグメントごとの経営成績は次のとおりであります。(セグメントごとの経営成績については、セグメント間の内部売上高又は振替高を含めて記載しております。また、報告セグメントの利益は、四半期連結財務諸表の作成にあたって計上した引当金の繰入額及び取崩額を含んでおりません。なお、セグメント利益は、四半期連結損益計算書の営業利益と調整を行っております。)

 

(当社建設事業)

 当第3四半期連結累計期間の売上高は、前年同期に比べ9.3%増加し1兆1,009億円となり、セグメント利益は工事採算の低下により前年同期に比べ48.5%減少し113億円となりました。

 なお、セグメント情報の当社建設事業における完成工事総利益に、引当金の繰入額及び取崩額を含めるなどの調整を行った当社の完成工事総利益は、前年同期に比べ857億円減少し233億円の損失となりました。

 

(当社投資開発事業)

 当第3四半期連結累計期間の売上高は、前年同期に比べ42.6%増加し363億円となり、セグメント利益は前年同期に比べ2.1%減少し75億円となりました。

 

(その他)

 当社が営んでいるエンジニアリング事業、LCV事業及び子会社が営んでいる各種事業の当第3四半期連結累計期間の売上高は、前年同期に比べ13.8%増加し4,365億円となり、セグメント利益は前年同期に比べ62.8%増加し168億円となりました。

 

 

 

②財政状態

(資産の部)

 当第3四半期連結会計期間末の資産の部は、現金同等物(現金預金及び有価証券に含まれる譲渡性預金)は減少したものの、株式相場の上昇に伴う保有株式(投資有価証券)の含み益の増加などにより、前連結会計年度末に比べ220億円増加し2兆4,700億円となりました。

 

(負債の部)

 当第3四半期連結会計期間末の負債の部は、工事損失引当金の増加などにより、前連結会計年度末に比べ523億円増加し1兆5,930億円となりました。なお、連結有利子負債の残高は5,954億円となり、前連結会計年度末に比べ181億円の増加となりました。

 

(純資産の部)

 当第3四半期連結会計期間末の純資産の部は、自己株式の取得や親会社株主に帰属する四半期純損失の計上に伴う利益剰余金の減少などにより、前連結会計年度末に比べ303億円減少し8,769億円となりました。なお、自己資本比率は前連結会計年度末に比べ1.6ポイント低下し33.2%となりました。

 

(2) 経営方針・経営戦略等並びに優先的に対処すべき事業上及び財務上の課題

 当第3四半期連結累計期間において、当社グループが定めている経営方針・経営戦略等並びに優先的に対処すべき事業上及び財務上の課題について重要な変更はありません。

 

(3) 研究開発活動

 当第3四半期連結累計期間における研究開発費は125億円であります。なお、当第3四半期連結累計期間において、当社グループの研究開発活動の状況に重要な変更はありません。