売上高

利益

資産

キャッシュフロー

配当

ROE 自己資本利益率

EPS BPS




E39661 IFRS


 

2 【経営者による財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローの状況の分析】

文中の将来に関する事項は、当中間連結会計期間の末日現在において判断したものです。

(1) 財政状態及び経営成績の状況

当中間連結会計期間においては、当社グループが拠点を有する全ての地域において、宇宙防衛の強化を主な目的とした取組みが見られました。

米国においては、4月に宇宙軍が「Space Force Doctrine 1」において、宇宙を戦闘領域と定義し、宇宙能力の向上や民間企業との連携の重要性を明示しました。9月には、宇宙軍の次世代SDA衛星プログラムにおいて、燃料補給能力を必須化する計画を発表しました。英国においては、6月に国防省が政策文書「Strategic Defence Review 2025」を発表し、宇宙を「戦略的競争の最前線」と位置づけ、宇宙の防衛的利用の強化や宇宙産業との連携等を進める方針を示しました。さらに11月には、貴族院宇宙政策関与委員会(UK Engagement with Space Committee)が「The Space Economy: Act Now or Lose Out」を発表し、英国が宇宙における経済及び安全保障上の利益を享受するためには、国際協力による宇宙空間の安全と持続性の確保が重要であり、外交上の優先課題であるとの認識を示しました。欧州においては、7月に欧州委員会(EC)が、次の7か年(2028~2034年)で、防衛及び宇宙分野の予算を前期(2021~2027年)の5倍にあたる1,310億ユーロ規模に増額する計画を提出しました。ECが10月に発表した総額8,000億ユーロ規模の戦略文書「Preserving Peace – Defence Readiness Roadmap 2030」においては、宇宙防衛を主要な4つの旗艦プロジェクトのひとつと位置づけ、宇宙領域把握(SDA:Space Domain Awareness)や軌道上運用の開発等を促進するとともに、スタートアップや中小企業を積極的に支援する方針を示しました。日本においては、7月に防衛省及び自衛隊により宇宙領域防衛指針が策定され、SDA能力の強化の必要性や、関連領域の民間企業への投資を後押しする方針が改めて明示されました。また、10月に発足した高市政権においては、高市氏が経済安全保障担当相としての経験を有することから、防衛や宇宙分野は国家戦略産業として強化されることになると推察され、11月に指導した日本成長戦略本部からは、「航空・宇宙」、「防衛産業」及び「スタートアップ」等が重要なテーマとして挙げられております。

このように、今年、当社グループが拠点を展開する主要国全てが宇宙防衛戦略の見直しを行い、当社事業環境の転換点といえる年となりました。その結果として、特に防衛関連分野において、国際機関や各国政府による予算化の動きや、民間企業との連携強化の取組みが更に加速しております。当社グループは、圧倒的な技術力、グローバルな展開力、そして市場創造力という競争優位性を活かし、事業のさらなる拡大を図っております。

 

当中間連結会計期間において、当社グループは、複数拠点で非防衛の政府機関、防衛機関及び民間企業と幅広く複数の契約を締結しました。

その結果、当中間連結会計期間における受注高は2,064百万円となりました。本書提出日現在までの主な受注案件及び既存案件の進捗は以下の通りです。

 

(政府機関案件・民間案件)

・2025年5月、COSMICフェーズ2の契約を完了。

・2025年7月、複数デブリ除去と制御再突入に関する新たな特許を取得。

・2025年8月、10月及び11月、Xona Space Systems, Inc.等から第2世代ドッキングプレートの商業契約を複数獲得。これにより打上げ予定のドッキングプレートは累計1,000個超に。

・2025年9月、REFLEX-J(旧K Program)の契約を締結。

(防衛関連案件)

・2025年6月、新規防衛関連案件を受注。(詳細非開示)

・2025年7月、米空軍研究所より自律的なランデブ・近傍運用及びドッキングに関する新規防衛調査案件を受注。

さらに、2025年7月には、2025年5月に完了したCOSMICフェーズ2の後続フェーズの公募が英国において開始され、当社グループは受注獲得に向けて注力しております。

 

このように、世界的に宇宙関連支出や軌道上サービスに関する政府需要及び民間需要に繋がる政策推進等の機運が高まる中、当社グループは軌道上サービスの事業機会の拡大に向けて、事業や技術開発の強化に取り組んでおります。

 

契約獲得済もしくは交渉中の案件についても、マイルストーン達成に向けて着実に進捗させております。2025年5月にはLEXI-Pの詳細設計審査(CDR:Critical Design Review)が、2025年6月にはELSA-MのCDRが完了しました。2025年9月には、インドのNewSpace India Limitedとの間で、ISSA-J1の打上げにおいて極軌道打上げロケット(PSLV:Polar Satellite Launch Vehicle)を使用する契約を締結しました。また同月には、7月にNASAとの間で締結したSpace Act Agreementに基づき、NASAゴダード宇宙飛行センターのISAM(In-space Servicing, Assembly, and Manufacturing、宇宙空間でのサービス・組立・製造)施設において、APS-Rの衛星の地上試験も実施しました。

 

以上の結果、当中間連結会計期間の財政状態及び経営成績の状況は、以下の通りとなりました。

a.財政状態の状況

・資産

当中間連結会計期間末における流動資産は24,849,463千円となり、前連結会計年度末に比べて1,375,249千円減少しました。これは主に、現金及び現金同等物が1,279,019千円減少したことによるものです。非流動資産は11,227,127千円となり、前連結会計年度末に比べて3,826,549千円増加しました。これは主に、有形固定資産が3,196,459千円増加したことによるものです。

この結果、資産合計は36,076,590千円となり、前連結会計年度末に比べて2,451,299千円増加しました。

・負債

当中間連結会計期間末における流動負債は16,459,610千円となり、前連結会計年度末に比べて4,047,858千円減少しました。これは主に、借入金が2,330,000千円減少したことによるものです。非流動負債は6,988,451千円となり、前連結会計年度末に比べて3,016千円減少しました。

この結果、負債合計は23,448,061千円となり、前連結会計年度末に比べて4,050,874千円減少しました。

・資本

当中間連結会計期間末における資本合計は、新株の発行による資本金及び資本剰余金あわせて10,985,220千円の増加、中間損失の計上による利益剰余金の2,661,675千円の減少等により、前連結会計年度末に比べて6,502,174千円増加し、12,628,529千円となりました。

 

b.経営成績の状況

当社グループにおける事業全体及びセグメント情報に記載された区分ごとの状況は以下の通りです。

当中間連結会計期間における売上収益は、プロジェクトの拡大及び進捗により増加したものの、前年同期に引き続き、営業損失、税引前中間損失、親会社の所有者に帰属する中間損失を計上することとなりました。

以上の結果、当中間連結会計期間における当社グループの業績は、売上収益2,619,484千円(前年同期比260.9%増)、営業損失4,748,593千円(前年同期は営業損失12,121,397千円)、税引前中間損失2,659,670千円(前年同期は税引前中間損失12,946,324千円)、親会社の所有者に帰属する中間損失2,661,675千円(前年同期は親会社の所有者に帰属する中間損失12,946,999千円)となりました。

ご参考までに、当中間連結会計期間における当社グループのプロジェクト収益(注)は5,246,408千円(前年同期比108.1%増)となりました。そのうち、政府補助金収入は2,626,924千円(前年同期比46.4%増)となりました。なお、セグメントごとの経営成績については、当社グループは、「軌道上サービス事業」の単一セグメントであるため、記載を省略しております。

(注)プロジェクト収益は、国際会計基準(IFRS)により規定された指標ではなく、投資家が当社グループの業績を評価する上で、当社が有用と考える財務指標です。プロジェクト収益は以下により算出しております。
「プロジェクト収益=売上収益+政府補助金収入」
 なお、この数値は、当社グループが提供するサービスの対価として取得する政府補助金収入を売上収益に加算して算出しており、分析手段として重要な制限があることから、IFRSに準拠して表示された他の指標の代替的指標として考慮されるべきではありません。当社グループにおけるこの数値は、同業他社の同指標あるいは類似の指標とは算定方法が異なるために、他社における指標とは比較可能でない場合があり、その結果、有用性が減少する可能性があります。

 

 

(2) キャッシュ・フローの状況

当中間連結会計期間末における現金及び現金同等物は、前連結会計年度末に比べて1,279,019千円減少し、20,021,845千円となりました。

当中間連結会計期間における各キャッシュ・フローの状況は以下の通りです。

営業活動によるキャッシュ・フローは、6,098,058千円の支出(前年同期は6,698,930千円の支出)となりました。

投資活動によるキャッシュ・フローは、3,876,778千円の支出(前年同期は338,576千円の支出)となりました。これは主に、有形固定資産の取得による支出3,279,971千円によるものです。

財務活動によるキャッシュ・フローは、8,122,379千円の収入(前年同期は20,754,064千円の収入)となりました。これは主に、株式の発行による収入10,621,678千円及び長期借入金の返済による支出2,049,980千円によるものです。

 

(3) 受注実績

当社グループで行う事業は、軌道上サービス事業の単一セグメントであり、当中間連結会計期間における受注実績(受注総額及び受注残総額)(注1)は、次の通りです。

(単位:千円)

セグメントの名称

前連結会計年度

当中間連結会計期間

受注残総額

受注総額

受注残総額

軌道上サービス事業

29,695,461

2,064,299

27,052,723

合   計

29,695,461

2,064,299

27,052,723

 

(注) 1.受注総額は、特定の期間において締結された契約に基づき、当社グループが支払いを受けた又は受けることができる金額の総額をいいます。受注残総額は、特定の期間までの全ての期間における受注総額の合計額のうち、当該特定の期間の末日までに収益計上がなされていない金額をいいます。当社グループの技術開発の進捗その他当該契約において定められた条件が実現に至らない場合、サービス提供に応じて支払われるマイルストーン収入の一部が支払われない可能性があり、そのため、上記の受注残総額の全てにつき、収益認識に至らない可能性があります。

2.上記受注残総額のほか、契約の締結には至っていないものの、当社が現時点で競合の存在を認識していないことから、当社グループによる受注が期待できると認識する既存ミッションの後続フェーズ(ISSA-J1フェーズ3)に係る想定受注残総額としては、3,808百万円(当中間連結会計期間末時点)を見込んでおります。また、2025年1月22日付で、株式会社アストロスケールが経済安全保障重要技術育成プログラム(K Program)における「衛星の寿命延長に資する燃料補給技術」に関する研究開発構想の委託先として採択されており、その想定契約金額は、総額最大12,000百万円(間接経費、消費税等を含む)でした。2025年9月1日付で、上記K Programに関する契約を締結したことに伴い、本プロジェクト(プロジェクト名:REFLEX-J)に関する予算額は総額最大10,826百万円(税抜)となり、想定契約金額は、締結済の初年度契約金額を除き10,234百万円となりました。後続フェーズ及び採択済の案件については、契約の締結に至っていないため、当社グループが受注できず、又は、最終合意に基づく実際の受注金額が当社の想定と異なる可能性があります。

3.参考までに、当中間連結会計期間末時点における受注残総額に、当中間連結会計期間末時点における(注)2.の想定受注残総額及び想定契約金額を単純合算した金額は、41,095,611千円となりますが、(注)1.乃至2.記載の理由により、当該金額の全てにつき、収益認識に至らない可能性があります。

4.当中間連結会計期間において、軌道上サービス事業セグメントの受注総額に著しい変動がありました。これは主に、以下の受注による増加です。

・米空軍研究所より自律的なランデブ・近傍運用及びドッキングに関する新規防衛調査案件を受注(契約金額:8.7百万米ドル)

・REFLEX-J(旧K Program)の初年度契約を受注(契約金額:5.9億円)

 

 

(4) 重要な会計上の見積り及び当該見積りに用いた仮定

前事業年度の有価証券報告書に記載した「経営者による財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローの状況の分析」中の会計上の見積り及び当該見積りに用いた仮定の記載について重要な変更はありません。

 

(5) 経営方針・経営戦略等

当中間連結会計期間において、当社グループが定めている経営方針・経営戦略等について重要な変更はありません。

 

(6) 優先的に対処すべき事業上及び財務上の課題

当中間連結会計期間において、当社グループが優先的に対処すべき事業上及び財務上の課題について重要な変更はありません。

 

(7) 研究開発活動

当中間連結会計期間の研究開発費の総額は3,533,306千円です。

なお、前事業年度の有価証券報告書に記載した「研究開発活動」中の「(1) 未受注案件の先行開発費用」について、将来の事業化を見据えた技術の先行開発に係る費用を計上しておりました。これは主にAstroscale U.S. Inc.による寿命延長サービス用衛星初号機「LEXI-P」の衛星開発費用でしたが、詳細設計審査(CDR)を終え、設計プロセスが完了したことを受け、当第1四半期連結会計期間より、当該衛星の製造に係る支出を有形固定資産として計上しております。