E05740 Japan GAAP
文中の将来に関する事項は、当四半期連結会計期間の末日現在において判断したものであります。
(1)経営成績の状況
当第2四半期連結累計期間(2023年7月1日~2023年12月31日)におけるわが国経済は、アフターコロナ期として社会経済活動がほぼ正常化し、景気は緩やかに回復しております。海外経済の下振れリスクは依然としてありますが、雇用情勢の改善・賃金の増加は続いており、外国人観光客によるインバウンド需要も強く、景気の追い風になることが期待されます。
ただし、世界的な金融引締めに伴う影響や中国経済の先行き懸念など、海外の経済情勢が我が国の景気を下押しするリスクがあり、物価上昇、金融資本市場の変動等の影響も引き続き注視していく必要があります。
北海道経済におきましては、個人消費が、物価上昇を受けつつもインバウンド需要による景気押し上げ効果もあり、緩やかに持ち直しております。観光業や飲食業を中心に経済活動が回復基調にありますが、日本経済と同様に先行きの物価高の影響を注視していく必要があります。
当社の主要事業セグメントである広告・マーケティング事業の広告業界におきましては、経済活動正常化に伴う各企業のプロモーション活動の再開により、イベントや広告の需要に一部持ち直しの動きもありました。経済全般のデジタル化の流れを背景に各企業ともデジタル技術を活用したプロモーション活動への加速化が進み、安定的に推移するマスメディア4媒体や折込みなどの紙媒体との比較において拡大傾向が続いております。
このような環境の中、当社グループは、広告・マーケティング事業において、観光コンサル分野のふるさと納税事業の拡大に務めており、同分野では前年同期に比べ大幅な増収となりました。一方で、マスメディア4媒体等の他分野は、市場動向の影響を受け前年同期比で減収となりました。
その他の事業セグメントにつきましては、介護福祉事業において前年同期に比べ入居率が低下した影響により、前年同期に比べ減収にてセグメント損失が拡大、また、ケアサービス事業において施術可能な従業員の退職等に伴う総来院数の減少等により、前年同期に比べ減収にてセグメント損失となりました。
以上により、当社グループの当第2四半期連結累計期間は、売上高が1,390,336千円(前年同期比7.4%減)、売上総利益が432,120千円(同3.2%増)となりました。また、営業利益156,796千円(同7.8%減)、経常利益は164,009千円(同7.4%減)となり、親会社株主に帰属する四半期純利益は105,451千円(同12.5%減)となりました。
当第2四半期連結累計期間における報告セグメント別の業績の状況は次のとおりです。
1)広告・マーケティング事業
当社グループの主要事業セグメント分野である広告業界においては、アフターコロナ期として社会・経済活動の正常化が進んだことで、企業のプロモーションが再開されましたが、広告媒体等の需要回復は限定的となりました。マスメディア4媒体の広告費が漸減傾向にある中で、インターネット広告分野は今後も増加・拡大することが見込まれており、国内顧客からの需要取り込みに務めております。
北海道内においては、観光需要の回復傾向が見られるようになり、観光サービス分野ならびに企業による大型イベントが再開されるなど、経済活動及び個人消費も緩やかな回復傾向となりました。このような環境の中、引き続き当社の強みであるデザイン力とマーケティング調査に基づいた企画提案力を生かした営業強化ならびにデジタルマーケティング分野の受注強化に努めたものの、前年同期の業績に大きく寄与した北海道外の大型案件が剥落した反動減により、前年同期に比べ減収となりました。一方で、ふるさと納税事業を中心とした観光コンサル分野の拡充及び強化に積極的に取り組み、ふるさと納税の制度改正前の寄付額の増加も含め受託先自治体の寄付額増加に繋がったことでセグメント利益は増益となりました。
以上の結果、当第2四半期連結累計期間の売上高は1,237,827千円(前年同期比 6.9%減)となり、セグメント利益は237,213千円(前年同期比 1.6%増)となりました。
<参考・当社グループにおける品目別の売上高>
商品品目別の売上高と前年同期との比較増減は次のとおりです。
|
当第2四半期 連結累計期間 |
前年同期比 増減 |
新聞折込チラシの売上高 |
91,463千円 |
7.3%減 |
マスメディア4媒体の売上高 |
149,727千円 |
40.6%減 |
販促物の売上高 |
316,221千円 |
7.1%減 |
観光コンサルの売上高 |
544,384千円 |
52.1%増 |
インターネットの売上高 |
113,614千円 |
55.9%減 |
その他の売上高 |
22,415千円 |
0.0%減 |
セグメント売上高合計 |
1,237,827千円 |
6.9%減 |
(注)商品品目別の売上高は、セグメント間の内部売上高を含めて記載しております。
2)債権投資事業
当社グループの債権投資事業は、不良債権化した金融債権のセカンダリー市場において投資対象債権を購入し収益化するものであります。
2023年10-12月の全国企業倒産(負債額1,000万円以上)は、件数が2,410件(前年同期比35.2%増)、負債総額は 5,061億900万円(同79.6%増)となっております。暦年では2023年が8,690件(2022年6,428件)と高止まりしており、不良債権の処理市場は一定規模で今後も推移することが想定されます。(出所:2024年1月東京商工リサーチ 全国企業倒産状況)
当該事業セグメントにおいては、債権の集合体(グループ債権)の回収金額及び融資による営業貸付金利息を売上高としております。当第2四半期連結累計期間は順調な回収となりましたが、経年に伴い回収可能債権額が減少傾向にあることから、前年同期と比較して減収減益となりました。
以上の結果、当第2四半期連結累計期間の売上高は14,509千円(前年同期比 36.9%減)となり、セグメント利益は4,597千円(前年同期比 41.7%減)となりました。
3)介護福祉事業
当社グループの介護福祉事業は、当第2四半期連結累計期間において、札幌市内にグループホーム2ヶ所、訪問介護(ヘルパー)ステーション1ヶ所、サービス付き高齢者向け住宅1ヶ所を運営し、グループホームの入居率は89.5%、サービス付き高齢者向け住宅の入居率は77.2%となりました。入居率は暦日による加重平均方式によって計算しております。
グループホームおよびサービス付き高齢者向け住宅ともに、空室に対する新規入居者の決定に時間を要し、前年同期に比べ入居率が低下した影響により、前年同期と比較して減収となりセグメント損失が拡大しました。
以上の結果、当第2四半期連結累計期間の売上高は111,150千円(前年同期比 6.3%減)、セグメント損失は6,949千円(前年同期は2,005千円のセグメント損失)となりました。
4)ケアサービス事業
ケアサービス事業においては、継続して新規来院者を獲得できているものの、施術可能な従業員の退職等に伴う総来院数の減少等により、前年同期と比較して減収となりセグメント損失となりました。
以上の結果、当第2四半期連結累計期間の売上高は29,185千円(前年同期比 14.7%減)、セグメント損失559千円(前年同期は2,894千円のセグメント利益)となりました。
(2)財政状態の分析
当社グループの当第2四半期連結会計期間末における資産、負債及び純資産の状況は次のとおりであります。
(流動資産)
流動資産は、前連結会計年度と比較して353,942千円増加し1,446,157千円となりました。その主な内訳は、売掛金が508,744千円及び制作支出金が74,769千円各々増加し、現金及び預金が186,852千円、営業貸付金が55,967千円各々減少したことによるものであります。
(固定資産)
固定資産は、前連結会計年度と比較して9,812千円減少し170,660千円となりました。その主な内訳は、有形固定資産が9,499千円及び無形固定資産が297千円各々減少したことによるものであります。
(負債)
負債は、前連結会計年度と比較して253,660千円増加し894,539千円となりました。その主な内訳は、支払手形及び買掛金が364,897千円増加し、長期借入金(1年以内返済予定の長期借入金含む)が103,930千円減少したことよるものであります。
(純資産)
純資産は、前連結会計年度と比較して90,470千円増加し722,278千円となりました。その主な内訳は、当第2四半期連結累計期間の親会社株主に帰属する四半期純利益の計上105,451千円及び利益剰余金の配当による剰余金の減少19,260千円があったことにより利益剰余金が86,191千円増加したことによるものであります。
また、自己資本比率は43.8%(前連結会計年度末 48.8%)となりました。
(3)キャッシュ・フローの状況
当第2四半期連結会計期間末における現金及び現金同等物(以下「資金」という。)は、当第2四半期連結累計期間において186,852千円減少して369,477千円(前年同期は91,565千円資金が増加し、536,731千円)となりました。その主な要因は、税金等調整前四半期純利益164,009千円を計上いたしましたが、売上債権及び制作支出金の増加などによる支出により、営業活動によるキャッシュ・フローが58,027千円の資金支出となり、また、投資活動によるキャッシュ・フローが2,926千円の資金支出及び長期借入金の返済による支出などにより財務活動によるキャッシュ・フローが125,898千円の資金支出となったことによるものです。
当第2四半期連結累計期間における各キャッシュ・フローの状況とそれらの要因は次のとおりであります。
(営業活動によるキャッシュ・フロー)
当第2四半期連結累計期間において、営業活動によるキャッシュ・フローは58,027千円の資金支出(前年同期は85,461千円の資金支出)となりました。
その主な要因は、税金等調整前四半期純利益を164,009千円計上したことに加え、減価償却費の計上8,587千円、仕入債務の増加による収入364,801千円がありましたが、売上債権の増加による支出508,744千円、制作支出金の増加による支出74,769千円及び法人税等の支払いによる支出30,180千円などによるものであります。
(投資活動によるキャッシュ・フロー)
当第2四半期連結累計期間において、投資活動によるキャッシュ・フローは2,926千円の資金支出(前年同期は410千円の資金収入)となりました。その主な要因は、有形固定資産の取得による支出3,438千円、長期貸付金の回収による収入1,191千円などによるものであります。
(財務活動によるキャッシュ・フロー)
当第2四半期連結累計期間において、財務活動によるキャッシュ・フローは125,898千円の資金支出(前年同期176,616千円の資金収入)となりました。その主な要因は、長期借入金の返済による支出103,930千円及び配当金の支払いによる支出19,120千円などによるものであります。
(4)経営方針・経営戦略等
当第2四半期連結累計期間において、当社グループが定めている経営方針・経営戦略等について重要な変更はありません。
(5)優先的に対処すべき事業上及び財務上の課題
当第2四半期連結累計期間において、当社グループが優先的に対処すべき事業上及び財務上の課題について重要な変更はありません。
(6)研究開発活動
該当事項はありません。