売上高

利益

資産

キャッシュフロー

配当(単独)

ROE

EPS BPS




E00474 Japan GAAP


2 【経営者による財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローの状況の分析】

文中の将来に関する事項は、当四半期連結会計期間の末日現在において当社グループが判断したものであります。

 

(1)業績の状況

当第3四半期連結累計期間(2023年1月~9月)における日本国内の経済環境は、新型コロナウイルス感染症対策の緩和による経済活動の本格的な再開が加速したことに加えて、水際対策の緩和によるインバウンド需要の回復も消費の回復を後押しする結果となりました。その一方で、人手不足の問題の深刻化、資源価格や為替の変動による物価の上昇、人件費の高騰などが与える様々な価格への影響も懸念されており、社会全体が依然として先行きが不透明な状況が続いております。

 

このような環境のもと、当社グループは“We make people happy.”「アイスクリームを通じて、人々に幸せをお届けします。」を企業理念に、全てのお客様に高品質で美味しいアイスクリームと“FUN(楽しいこと、嬉しいこと、感動すること)”に満ちたひとときを提供し、日本で最も愛され親しまれるチェーンを目指すとともに、企業の継続的成長の維持と、企業価値の増大に努めております。

また、引き続き、先ずお客様や従業員の安全を第一に考えた衛生管理の徹底として工場・店舗における感染防止に取り組むとともに、当社グループの長期経営計画(4本の柱:ブランドパワー強化・デジタル化・スマート31・販売拠点拡大)を推進しています。

 

<ブランドパワー強化>

ブランドパワー強化として、お客様のデマンドに合わせたマーケティング、サーティワンらしいプロモーションを行いました。具体的には、毎月の「新作フレーバー」として専門店ならではの魅力的なアイスクリームを新発売し、選ぶ楽しさを提供するとともに、商品ラインナップを強化いたしました。また、お子様をターゲットにした「サーティワンパスポート」、日本上陸50周年を記念した「サーティワン BOX」、テイクアウト需要に応える「フレッシュパック」も「Happiness Box」と合わせて発売しました。コラボレーションにおいては、当社同様に日本上陸50周年の「キットカット」、お客様から高い評価を受けている「スプラトゥーン3」「ポケモン」、そして「スーパーマリオ」との初のコラボレーション実現にも成功しました。

新店舗デザインでは「F1(Flavor 1st)」、「MOMENTS」導入による店舗イメージの刷新を進めるため、店舗の全面改装を当第3四半期末時点では102店実施し、新店舗を含め新デザインの導入店舗数を395店舗としました。また、新デザインに合わせて新ユニフォームも導入しました。

 

<デジタル化>

デジタル化施策としては、予約受付も取り入れたモバイルオーダーを推進するとともに、全店のPOSシステムのリニューアルも実施したことで、お客様の利便性向上に努めています。また、コミュニケーションツールの会員制アプリ「31Club」の会員数が、710万人を超えました。会員の購入額は売上全体の33%を占めており、会員でない方に比べ購入額も30%以上多くなっています。

 

<スマート31>

スマート31施策として、サプライチェーン・マネジメントの最適化で昨今のコスト上昇を抑制し、お客様がお買い求めになり易い価格での提供に努めています。組織に関しては、引き続きリモートによる就業やペーパーレス、従業員福利厚生の拡充など働き方改革による最適化を行っています。また、オフィスや生産工場、そして店舗でも、エネルギーの効率的な使用に努めております。店舗においては、包装材料の見直しによるスプーンの軽量化を実施いたしました。

 

<販売拠点拡大>

店舗戦略として、新規商業施設への出店強化を継続するとともに、立地や利用シーンの多様化に着目した持ち帰り専門店『To Go 専門店』を昨年3月に出店し、現在、主要都市を中心に10店舗出店しております。また、大学のカフェテリア、野球場や行楽地、水族館やサービスエリアへの出店など、消費者の購入機会を増やすよう積極的に取り組んだ結果、当第3四半期末販売拠点数は国内外合わせて1,356ヶ所と、前年同期末に比べ63ヶ所増加となっています。

 

当社グループにおける当第3四半期連結累計期間の売上高は、同期間過去最高の小売売上高の伸長に牽引され、188億10百万円(前年同期比112.9%)となりました。小売売上高は長期経営計画の4本の柱に加え、お客様が購入し易い価格での提供をしたことで、同期間過去最高を記録しました。併せて、下記の4つのことを成し遂げることが出来ました。

 ・一店舗当たりの小売売上高が過去最高を記録。

 ・25ヶ月連続既存店売上高増を達成。

 ・月間小売売上高を2ヶ月連続過去最高を達成。

 ・当社グループの卸売上高が過去最高を記録。

売上原価は90億62百万円(前年同期比116.9%)となりました。原料費の高騰並びに円安の影響に伴う売上原価の増加がありましたが、サプライヤーと協働して品質を保ちつつ原料調達コストを抑制したことと、工場での製造管理の最適化や生産スピード向上による製造原価低減を進めたことにより、前年同期間と比較して3億円ほどのコスト増に留めることが出来ました。その結果、売上の伸長に比べて売上原価の抑制が図られ、売上総利益は97億47百万円(前年同期比109.4%)となりました。

販売費及び一般管理費については、まん延防止等重点措置発令下にあった2022年第3四半期累計期間と比較して積極的な売上獲得のためデジタル広告の出稿を増加したこと、さらに日本上陸50周年記念のキャンペーンを展開したことにより、広告宣伝費が増加しましたが、その効果もあり小売売上高を前年比114.4%と伸ばすことが出来ております。また、売上が増加したことによる物流費等の販売費の増加、販売拠点拡大のための活動費の増加、新規に出店した直営店の管理費の増加など、将来の売上獲得につながる活動も行い、前年同期間と比べて8億18百万円増加の78億10百万円となりました。

以上の結果、営業利益は19億37百万円(前年同期比101.0%)となりました。これは、外的要因とビジネス成長に伴うコスト上昇を加味した連結業績予想に沿うものです。

また、経常利益は19億76百万円(前年同期比103.1%)、親会社株主に帰属する四半期純利益は12億81百万円(前年同期比101.8%)となり、こちらも連結業績予想に沿っております。

なお、当社グループはアイスクリーム製品の製造及び販売等を行う単一セグメントのため、セグメント情報の記載を省略しております。

 

(2)財政状態の分析

当第3四半期連結会計期間末における総資産は前連結会計年度末に比べ10億31百万円増加の209億92百万円となりました。これは主に、売掛金及び未収入金が減少し、現金及び預金が増加したことによるものであります。

総負債は前連結会計年度末に比べ65百万円減少の84億96百万円となりました。これは主に、未払金の減少6億16百万円、未払法人税等の増加1億97百万円及び契約負債の増加1億85百万円によるものであります。

純資産は前連結会計年度末に比べ10億97百万円増加の124億95百万円となりました。これは主に、親会社株主に帰属する四半期純利益の計上が12億81百万円あったことによるものであります。

 

 

(3)事業上及び財務上の対処すべき課題

 当第3四半期連結累計期間において、当社グループが対処すべき課題について重要な変更はありません。 

 

(4)研究開発活動

当社は、バスキン・ロビンス・フランチャイジング エルエルシーと“ライセンスおよび技術援助契約”を締結しており、アイスクリーム研究開発については同社で実施しているため、研究開発費は発生しておりません。