売上高

利益

資産

キャッシュフロー

配当(単独)

ROE

EPS BPS




E05289 Japan GAAP


2 【経営者による財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローの状況の分析】

文中の将来に関する事項は、当四半期会計期間の末日現在において当社が判断したものであります。

 

(1) 経営成績の状況

当第3四半期累計期間(2023年6月1日から2024年2月29日まで)におけるわが国経済は、雇用や所得環境が改善するもとで、景気は緩やかに回復しております。しかしながら、全般的な物価上昇の長期化に加え、地政学的リスクの長期化及び欧米各国の金融引き締めにより世界的な景気後退が懸念されており、景気の先行きは依然として不透明な状況が続いております。

当社の属する情報サービス産業界においては、生成AI等の大規模言語モデルの登場により新たな産業変革の兆しがみられるなか、当社の事業領域である公共システムの分野、とりわけ防災や市民の安全にかかわる社会課題を解決するテクノロジーの分野においても、革新的技術を活用した官民の共創の取り組みが推進され、新たな市場形成の動きが広がっております。

このような環境において、当社は、2022年度中期経営計画の最重点施策である「Gov-tech市場の深耕」を推進する一方で、ストレッチ目標の達成に向けて「社会課題解決サービスの創出」や「M&A・事業提携によるシナジー創出」に取り組むとともに、これらの達成を支える人材基盤の強化に注力しております。

具体的な取組みとしては、「Live119(映像通報システム)」について導入拡大を進めるとともに、「Live-X(映像通話システム)」について民間企業への導入拡大を進めております。また、痴漢の逮捕の報道を通じて「防犯アプリ」の認知度が高まり、各都道府県警察への導入拡大が進んでおります。その他、自治体が防災情報を配信する「防災アプリ」、災害対策本部での情報収集を支援する「DMaCS(災害情報共有サービス)」、地方自治体の業務等に関連する適時の情報伝達を支援する「Mailio(メッセージ配信サービス)」等、各種システムの積極的な提案に注力いたしました。

以上の結果、売上高については、ストック型収入であるクラウド利用料において順調に契約数が積み上がり、ライセンス販売において消防防災を中心に新規受注が増加し、商品売上において新規及びリプレイスによる受注が増加し増加要因となった一方で、コロナウイルス感染症対応向けメッセージ配信サービスが一部終了するといった減少要因がありました。また、前事業年度において受託開発売上が第3四半期会計期間に偏重したのに対し、当事業年度においては第4四半期会計期間に偏重することが見込まれることから、前年同四半期比較では一時的に減収となり、964,710千円(前年同四半期比2.0%減)となりました。

品目別の売上高は次のとおりであります。

 

品目

当第3四半期累計期間

(自 2023年6月1日

  至 2024年2月29日)

金額(千円)

前年同四半期比(%)

クラウド利用料

562,931

105.7

受託開発

313,785

83.1

ライセンス販売

67,659

116.5

商品売上

20,334

124.2

合計

964,710

98.0

 

 

利益については、外注費及びコロナウイルス感染症対応向けメッセージ配信サービスの一部終了に伴う売上原価の減少等の影響により、営業利益は330,883千円(前年同四半期比1.4%増)、経常利益は343,343千円(前年同四半期比3.7%増)、四半期純利益は243,322千円(前年同四半期比5.0%増)となりました。

なお、当社事業は顧客(大手企業や官公庁等)の決算期が集中する3月末にかけて売上計上される案件が多いため、第3又は第4四半期会計期間に売上高が偏重する傾向(業績の季節的変動)があるところ、前事業年度においては第3四半期会計期間に偏重したのに対し、当事業年度においては第4四半期会計期間に偏重すると見込んでおおります。

また、当社は情報サービス事業の単一セグメントであるため、セグメント別の記載を省略しております。

 

(2) 財政状態の状況

当第3四半期会計期間末における総資産は、2,587,334千円となり、前事業年度末と比較して91,771千円の増加となりました。これは主に、売掛金が136,515千円、仕掛品が53,107千円、有形固定資産が12,695千円、投資有価証券が98,721千円、流動資産のその他が30,582千円、投資その他の資産のその他が33,301千円それぞれ増加した一方で、現金及び預金が274,022千円減少したことによるものであります。

負債は、212,285千円となり、前事業年度末と比較して57,031千円の減少となりました。これは主に、賞与引当金が32,706千円増加した一方で、未払法人税等が39,670千円、未払消費税等が13,471千円、固定負債のその他が16,203千円それぞれ減少したことによるものであります。

純資産は、2,375,049千円となり、前事業年度末と比較して148,802千円の増加となりました。これは主に、四半期純利益の計上により利益剰余金が243,322千円、譲渡制限付株式の付与等により資本剰余金が8,049千円、それぞれ増加した一方で、配当金の支払いにより利益剰余金が49,779千円減少し、自己株式の取得等により自己株式が51,845千円増加したことによるものであります。

 

(3) 事業上及び財務上の対処すべき課題

当第3四半期累計期間において、当社が対処すべき課題について重要な変更はありません。

 

(4) 研究開発活動

当第3四半期累計期間における研究開発活動の金額は、3,665千円であります。

なお、当第3四半期累計期間において、当社の研究開発活動の状況に重要な変更はありません。