売上高

利益

資産

キャッシュフロー

配当

ROE 自己資本利益率

EPS BPS




E05303 Japan GAAP


2 【経営者による財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローの状況の分析】

文中の将来に関する事項は、当半期報告書提出日現在において当社グループが判断したものであります。

 

(1) 財政状態及び経営成績の状況

2025年4月から9月までの当中間期において、セキュリティ業界では不正アクセスやランサムウェア被害がさらに深刻化しました。加えて、外部委託先や取引先を起因としたサプライチェーン攻撃や情報漏えいなど、従来の境界防御を前提としたセキュリティ対策では対応が困難なリスクが顕在化しています。

こうした背景のもと、企業・公共機関・教育機関・家庭など、ICT機器を業務・学習・生活のあらゆる場面で活用する社会全体において、セキュリティ意識が一段と高まり、対策製品への需要が継続的に拡大しています。特に、ゼロトラストモデルへの移行やクラウド利用の拡大を見据えた防御体制の再構築が進み、今後もこの流れは政策支援や市場動向を背景にさらに加速する見通しです。

 

当社グループは、前年度に策定した中期経営計画(2025年3月期~2027年3月期)のもと、「セキュリティ事業の成長」「公共市場シェア拡大」「新施策実行のための人材投資」の3領域を重点テーマに掲げ、既存事業の深化と新たな価値創出の両立を目指しています。本年度は、その中期経営計画の2年目として、基盤強化と次世代製品の市場定着に重点を置き、各施策を着実に推進しています。

 

企業向け市場では、主力製品である「m-FILTER」が幅広いメールセキュリティ対策ニーズを的確に捉えたほか、「f-FILTER」連携オプションの販売が好調に推移しました。これにより、顧客基盤の維持・拡大とともに、クラウド移行需要を取り込んだ堅調な成長を継続しています。

公共向け市場では、継続的な営業活動と徹底した案件管理により、「GIGAスクール構想 第2期」案件の獲得シェアが93%に達しました。GIGA端末更新が本格化する中においても、90%を超える高いシェアを維持しており、引き続き強固な市場ポジションを確立しています。

一方で、契約高の増加を牽引しているのは主にクラウドサービス系製品であることから、会計基準上の収益認識により売上高への即時反映がなされず、売上高はわずかな増収にとどまりました。しかし、これらの契約は今後の収益貢献が見込まれるものであり、ストック型収益の基盤拡大という観点では着実に成果があらわれています。

 

また、本年度の重点施策の一つである新製品「Z-FILTER」については、予定どおりβ版の提供を開始しました。基本仕様に加え、「画面イメージ」や「操作性」などを販売代理店やエンドユーザーに体験いただくことで、正式リリースに向けたフィードバックを反映しながら、販売開始前から順調に案件創出が進んでいます。

さらに、家庭向け市場においては、個人のインターネット利用における多様なリスクに対応するため、個人向け総合セキュリティ製品「i-フィルター 10」を発売しました。これまで主に子ども向けとして支持を得てきた市場に加え、保護者層やシニア世代など幅広いユーザー層への提案活動を強化し、利用拡大を図っています。

 

費用面では、中期経営計画に沿った人材関連投資を実施した結果、売上原価、販売費及び一般管理費は前年同期比で増加したものの、コスト配分の最適化により、計画比では抑制することができました。今後も、成長投資と収益性のバランスを保ちながら、持続的な企業価値向上を目指してまいります。

 

以上の結果、当中間連結会計期間における契約高は6,629百万円(前年同期比46.8%増)、売上高は4,992百万円(同3.2%増)、営業利益は2,021百万円(同1.5%減)、経常利益は2,041百万円(同0.6%減)、親会社株主に帰属する中間純利益は1,408百万円(同0.7%減)となりました。

 

各市場の業績は次の通りです。

 

企業向け市場

 

企業向け市場では、「i-FILTER@Cloud」がセキュアWebゲートウェイやCASBなど、社外持ち出し端末に対するWebアクセスセキュリティ対策ニーズを的確に捉え、高い成長を実現しました。一方、一部案件の下期への計上スライドの影響により、「i-FILTER」全体ではわずかな成長にとどまりました。

「m-FILTER」については、メール送受信における幅広いセキュリティ対策ニーズに対応するとともに、「Microsoft 365」利用企業の拡大を背景に、クラウド型メールセキュリティの需要増加を着実に取り込み、引き続き高成長を維持しております。

また、「f-FILTER」は「m-FILTER」との連携によってPPAP対策を実現したい企業ニーズに対応し、前年同期比で大幅な成長を達成しました。

 

以上の結果、企業向け市場の契約高は2,296百万円(前年同期比4.2%増)、売上高は2,432百万円(同7.0%増)となりました。

 

公共向け市場

 

公共市場では、徹底した案件管理および製品機能の強化を背景に、「GIGAスクール構想 第2期」案件の受注が好調に推移しました。さらに、「次世代校務DX」案件においても、「GIGAスクール構想」で築いた顧客基盤を活用した営業活動が奏功し、「i-FILTER」を中心に他製品のクロスセルが進展した結果、事業は堅調に拡大しました。

これらの結果、公共向け市場の契約高は過去最高を更新しました。

また、「GIGAスクール構想 第2期」案件では獲得シェア93%を達成(第1期:53%)するなど、計画を上回る成長を遂げました。

一方で、クラウドサービス系製品中心の受注構成により、会計基準上の収益認識の影響を受け、売上高はわずかに減少しました。※

 

以上の結果、公共向け市場の契約高は4,126百万円(前年同期比95.5%増)、売上高は2,353百万円(同0.4%減)となりました。

 

※オンプレミス型のライセンス販売系製品については、出荷時に契約金額の大部分を一括で売上計上しております。一方、「GIGAスクール構想」や「次世代校務DX」案件で受注の多いクラウドサービス系製品は、サービス提供期間に応じて月次で按分し、段階的に売上高を計上する会計基準となっております。

 

家庭向け市場

 

家庭向け市場では、MVNO商流の拡大および複数年パッケージ製品の販促強化により、新規案件の獲得を進めました。

また、スマートフォンやPCの利用環境に応じた多様なセキュリティニーズに対応するため、「ホワイト運用」機能を搭載した個人向け総合セキュリティ製品「i-フィルター 10」を8月に発売しました。

今後は、従来の子ども世代向け市場に加え、大人世代への提案活動も強化し、安全で快適なインターネット利用環境の提供を目指してまいります。

 

以上の結果、家庭向け市場の契約高は205百万円(前年同期比1.8%増)、売上高は207百万円(同2.2%増)となりました。

 

 

当中間連結会計期間末における資産合計は、前連結会計年度末に比べ1,234百万円増加し、23,862百万円となりました。これは主として、現金及び預金が1,686百万円増加したことによるものであります。

当中間連結会計期間末における負債合計は、前連結会計年度末に比べ967百万円増加し、6,229百万円となりました。これは主として、前受金が783百万円増加したことによるものであります。

当中間連結会計期間末における純資産合計は、前連結会計年度末に比べ267百万円増加し、17,632百万円となりました。これは主として、配当金の支払い及び自己株式の取得による減少を上回る親会社株主に帰属する中間純利益の計上による利益剰余金の増加があったことによるものであります。

 

(2) キャッシュ・フローの状況

当中間連結会計期間末における現金及び現金同等物は、前連結会計年度末に比べて、1,686百万円増加し、19,638百万円となりました。各キャッシュ・フローの状況は以下のとおりです。

(営業活動によるキャッシュ・フロー)

営業活動によるキャッシュ・フローは、税金等調整前中間純利益2,041百万円及び売上債権の減少1,017百万円、また減価償却費445百万円の計上等により、3,271百万円の収入(前中間連結会計期間は1,462百万円の収入)となりました。

(投資活動によるキャッシュ・フロー)

投資活動によるキャッシュ・フローは、無形固定資産の取得等により、478百万円の支出(前中間連結会計期間は570百万円の支出)となりました。

(財務活動によるキャッシュ・フロー)

財務活動によるキャッシュ・フローは、自己株式の取得及び配当金の支払等により、1,111百万円の支出(前中間連結会計期間は1,050百万円の支出)となりました。

 

(3) 経営方針・経営戦略等

当中間連結会計期間において、当社グループが定めている経営方針・経営戦略等について重要な変更はありません。

 

(4) 事業上及び財務上の対処すべき課題

当中間連結会計期間において、当社グループの事業上及び財務上の対処すべき課題に重要な変更及び新たに生じた課題はありません。

 

(5) 研究開発活動

当中間連結会計期間の研究開発費の総額は0百万円であります。

なお、当中間連結会計期間において、当社グループの研究開発活動の状況に重要な変更はありません。