E05361 Japan GAAP
文中の将来に関する事項は、本四半期報告書提出日現在において当社グループが判断したものであります。
当第3四半期連結累計期間におけるわが国経済は、社会経済活動の正常化が進み、景気は緩やかな回復基調で推移しました。一方、為替相場の変動や原料価格の高騰、物価上昇の影響により、個人消費の持ち直しには一部弱さが見られるなど、依然として先行き不透明な状況が続いております。
フィットネス業界においては、ライフスタイルの変化に伴う健康課題の顕在化により、基礎体力の維持・向上や人とのつながりを創るコミュニティの場として、スポーツクラブをはじめとする健康づくりの拠点が果たす役割が益々期待されております。
このような中、当社グループは「生きがい創造企業」という企業理念のもと、「人生100年時代を豊かにする健康のソリューションカンパニー」を長期ビジョンに掲げ、生涯現役で働くための健康維持・増進や、医療費等の社会保障費の抑制につながる‟治療から予防へ”の取り組みを通じ、健康長寿社会の実現及び地域の社会課題の解決に取り組んでおります。
スポーツクラブ事業では、顧客満足度の向上を目指し、全社的な接客サービスの品質の見直しや研修内容の改定、並びに既存店の設備投資を積極的に実施いたしました。その他にも、技術力向上やお子様から大人まで運動の楽しさを体感できる機会として、スタジオプログラムやテニス、スイミング、ランニング等の会員向けイベントを多数開催し、盛況となりました。また、当第3四半期連結会計期間においては、10月に総合型スポーツクラブとして「スポーツクラブ ルネサンス 熊本光の森24(熊本県菊池郡菊陽町)」、「スポーツクラブ ルネサンス ・イオンモール座間24(神奈川県座間市)」の2施設を新規オープンし、当第3四半期連結会計期間末の在籍会員数は392,081名(うちオンライン会員数49,268名)(前年同期比5.9%増)となりました。なお、昨今の各種コストの上昇への対応と、人材の確保及び人材への継続的な投資を通じて付加価値を高めていくために、10月にジュニアスクール会員の価格改定を実施しております。
介護及び介護・医療周辺事業では、リハビリ特化型デイサービス「元氣ジム」等が堅調に推移し、売上高は前年同期比12.2%増となりました。介護リハビリの領域においては、リハビリ特化型デイサービス、訪問看護ステーション、居宅介護支援、児童発達支援・放課後等デイサービス等の複数のサービスの提供とその連携を通じ、利用者のQOL向上に取り組んでおります。11月には、東京都練馬区に、当社初となるスポーツクラブ内における訪問看護ステーション「ルネサンス リハビリステーション富士見台」を新規開設いたしました。当施設では、スポーツクラブのトレーナーと看護師が連携し、運動と看護ケアの両面から地域の健康づくりをサポートしてまいります。
また、がんサバイバーに向けたリハビリ支援の取り組みとして、「大阪国際がんセンター認定 がん専門運動指導士(以下、「がん専門運動指導士」といいます。)」がスポーツクラブ内で専門の運動指導を行う「がん経験者専用がん運動支援プラン」を、11月よりスポーツクラブ&スパ ルネサンス 港南中央24にて導入いたしました。今後、がん専門運動指導士のスポーツクラブや介護リハビリ施設への配置を拡大し、介護及び介護・医療周辺事業とスポーツクラブ事業の連携を通じて、健康に不安を抱える方の課題解決を目指してまいります。
企業・健康保険組合向けの健康づくり事業では、企業における健康経営の取り組み支援を推進し、企業担当者の業務負担を増やさず、従業員の健康リテラシーの向上につながる新たなサービスの提供に取り組んでまいりました。また、オンラインレッスンサービス「RENAISSANCE Online Livestream(以下、「ROL」といいます。)」においては、住友生命保険相互会社のVitality会員の利用が増加しているほか、大同生命保険株式会社が取り組む中小企業の健康経営の普及・推進活動や、他の企業とともに健康関連のイベントを共催するなど、ROLの提供範囲を広げてまいりました。
地域・自治体向けの健康づくり事業では、各地の自治体とともに地域住民に向けた健康増進に取り組み、対面して行う介護予防教室や認知症予防教室等の要望が増え、実施件数が前年度から増加いたしました。また、10月には熊本県菊池郡菊陽町と「災害時における被災者支援に関する連携協定」を締結するなど、災害時の被災者支援においても当社施設を有効に活用できるよう自治体との連携強化を図っており、当第3四半期連結会計期間末において、防災に関連する協定を含め、20の自治体と連携協定を結んでおります。
ベトナムにおいては、既存のスポーツクラブ事業が堅調に推移いたしました。また、ハノイ市の施設において、フランス系インターナショナルスクールの水泳指導を受託し、学校に併設するプールにて当社スイミングコーチによる水泳授業を開始いたしました。引き続き、ベトナムにおける子どもの体力向上や溺水予防、水泳の普及に取り組んでまいります。
連結子会社の株式会社BEACH TOWNでは、公共施設等官民連携事業(PPP)及び公募設置管理制度(Park-PFI)、並びに民間企業との連携による地域のにぎわい創出に向けた企画・提案に取り組んでおります。10月には、京王電鉄株式会社の事業パートナーとして、会員制アウトドアフィットネスクラブ「RIVER PARK 聖蹟桜ヶ丘(東京都多摩市)」を開業いたしました。
また、持分法適用関連会社の株式会社東急スポーツオアシス(以下、「東急スポーツオアシス」といいます。)では、4月以降、当社より3名が経営に参画し、新たなマネジメント体制の構築やサービスの付加価値向上に取り組んでまいりました。当第3四半期連結累計期間においては、引き続きスポーツクラブ事業の収益性の改善とともに、物販を中心とするホームフィットネス事業が好調に推移し、業績の改善が進んでおります。
資本事業提携を結ぶアドバンテッジアドバイザーズ株式会社との取り組みにおいては、店舗開発の強化、全社的な運営の効率化、事業ポートフォリオの再構築等、複数のプロジェクトを進めてまいりました。中長期的な企業価値の向上に向け、引き続き同社の知見と当社のノウハウとを相互活用し、諸施策の着実な実行を目指してまいります。
なお、当社は、積極的なM&A及び事業継承を通じたスポーツクラブの施設数拡大を出店戦略に位置付けております。すでに公表のとおり、2024年3月31日に、東急不動産株式会社が保有する東急スポーツオアシスの株式の全てを譲り受ける予定であるほか、事業・施設継承の取り組みの一環として、2023年10月2日に「KSC wellness フィットネスクラブ金町・金町スイミングクラブの事業及び固定資産(信託受益権)の譲受に関するお知らせ」を公表いたしました。これらの取り組みにより、当社グループは、2025年3月期に売上高でフィットネス業界最大規模となる見込みです。今後、フィットネス業界のリーディングカンパニーとして、企業価値の向上とお客様一人ひとりの「生きがい創造」を目指してまいります。
なお、当第3四半期連結累計期間においては下表のとおり施設の新規出店及び退店並びに運営受託をし、株式会社BEACH TOWNの施設を含む当第3四半期連結会計期間末の当社グループの施設数は、スポーツクラブ170施設(直営107施設、業務受託61施設、ルネサンス ベトナム2施設)、スタジオ業態2施設、介護リハビリ44施設(直営33施設、フランチャイズ11施設)、アウトドアフィットネス16施設(直営4施設、業務受託12施設)の計232施設となりました。
また、第4四半期連結会計期間以降は、下表の施設の新規開設を予定しております。
当社グループの報告セグメントは「スポーツクラブ運営事業」のみであるため、セグメントごとの業績については記載しておりません。
当第3四半期連結会計期間末の資産合計は、前連結会計年度末に比べ21億90百万円増加し、444億62百万円となりました。これは主に、現金及び預金が減少したこと等により流動資産合計が11億53百万円減少したこと、及びリース資産が増加したこと等により有形固定資産が29億21百万円増加したこと等により固定資産合計が33億49百万円増加したことによるものです。
当第3四半期連結会計期間末の負債合計は、前連結会計年度末に比べ17億49百万円増加し、330億30百万円となりました。これは主に、短期借入金が減少したこと等により流動負債合計が10億20百万円減少したこと、及びリース債務が増加したこと等により固定負債が27億70百万円増加したことによるものです。
当第3四半期連結会計期間末の純資産合計は、前連結会計年度末に比べ4億40百万円増加し、114億31百万円となりました。これは主に、親会社株主に帰属する四半期純利益6億14百万円を計上したこと、配当金1億45百万円を支払ったこと等により利益剰余金が4億69百万円増加したこと、また、為替換算調整勘定が35百万円減少したこと等によりその他の包括利益累計額合計が28百万円減少したことによるものです。
当第3四半期連結累計期間において、当社グループの事業上及び財務上の対処すべき課題に重要な変更はありません。
特記すべき事項はありません。
当社は、会員制フィットネスクラブやスクール等のスポーツクラブ事業等、主に施設に来館いただくことを前提とした施設産業を中心に、介護リハビリ事業、企業・保険者向け事業及び自治体向け事業等、社会課題を解決する事業を複数展開しております。さらに、これらの事業に「オンライン」、「デジタルコミュニケーション」等の価値を付加し、新たな健康づくりの機会とサービスの提供を通じて、当社が長期ビジョンとして掲げる「人生100年時代を豊かにする健康のソリューションカンパニー」の実現に向けて取り組んでおります。引き続きコーポレートガバナンスの更なる充実を図るとともに、健康で安心な社会を目指し、全てのステークホルダーの「生きがい創造」に貢献するために、持続的に企業価値向上に努めてまいります。