売上高

利益

資産

キャッシュフロー

配当(単独)

ROE

EPS BPS




E05389 Japan GAAP


2 【経営者による財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローの状況の分析】

  文中の将来に関する事項は、当四半期会計期間の末日現在において判断したものであります。

 

(1)財政状態及び経営成績の状況

 

前第3四半期累計期間

(自 2022年4月1日

  至 2022年12月31日)

当第3四半期累計期間

(自 2023年4月1日

  至 2023年12月31日)

増減額

増減率

売上高(千円)

167,293

271,413

104,120

62.2%

営業損益(千円)

△322,111

△235,633

86,477

-%

経常損益(千円)

△322,549

△236,550

85,998

-%

税引前四半期純損益(千円)

△314,899

△236,550

78,348

-%

税引後四半期純損益(千円)

△315,612

△237,975

77,636

-%

 

 

 当第3四半期累計期間の業績につきましては、売上高271,413千円、営業損失235,633千円、経常損失236,550千円、第3四半期純損失237,975千円となりました。

 

 セグメントごとの売上高及びセグメント損益(営業損益)、それらの対前年同期比較及び各セグメントにおけるサービスの概況は以下のとおりです。

 2023年4月1日付で組織変更を実施し経営管理区分を変更したことに伴い、第1四半期会計期間から、従来の「研究事業」セグメントを受託解析を事業とする「受託事業」と研究開発を事業とする「研究事業」に分割しております。

 また、報告セグメントごとの業績をより適正に反映させるため、一部の費用の配賦方法を見直し、報告セグメントの利益又は損失の算定方法の変更を行っております。

 なお、前第3四半期累計期間のセグメント情報については、変更後の名称及び算定方法により作成したものを記載しております。

 

上段が売上高(千円)、下段がセグメント損益(営業損益) (千円)

セグメントの名称

前第3四半期累計期間

(自 2022年4月1日

  至 2022年12月31日)

当第3四半期累計期間

(自 2023年4月1日

  至 2023年12月31日)

増減額

増減率

受託事業

159,856

142,048

△17,807

△11.1%

6,687

17,823

11,135

166.5%

研究事業

22,638

22,638

-%

△31,327

△27,729

3,597

-%

診断事業

7,437

106,726

99,289

1,335.0%

△149,672

△77,009

72,663

-%

 

 

① 受託事業

<次世代シークエンス受託解析サービス>

  受託事業の主要サービスである次世代シークエンス受託解析サービスは前年同期比で売上が減少いたしました。理由としては価格競争の激化により、大学からのご依頼件数が伸び悩みました。一方、民間企業を中心に大口案件の受注を獲得することが出来、案件あたりの受注金額は増加いたしました。

 

<マイクロアレイ受託解析サービス>

マイクロアレイ受託解析サービスについては、前年に比べ問い合わせ件数が減少しており、市場のトレンドとしては次世代シークエンスへの移行が顕著となっております。マイクロアレイ受託解析サービスは前年同期比で売上が減少いたしました。

 

<その他遺伝子解析サービス>

次世代シークエンスと並び注目を集める遺伝子解析サービスとして、「デジタルPCR受託サービス」を提供しております。また多様化する受託解析ニーズに合わせて、生体サンプル(細胞や組織等)からの「核酸(DNA/RNA)抽出サービス」にも力を入れております。抽出サービスは次世代シークエンスやマイクロアレイを実施する際の前段階でのサービスとなります。製薬企業を含む民間企業の売上増加に伴い、抽出サービスの件数が増加いたしました。

 

<Tbone Exキット>

原材料費高騰によるキットの値上げを行った結果、前年同期比で販売数量は横ばいでしたが、売上が増加いたしました。

 

②研究事業

<NOIR-SS技術>

EGFRリキッドの技術をさらに改良した、NOIR-SS技術(分子バーコード技術を用いて高感度かつ正確な分子数測定が可能となる超低頻度変異DNAの検出技術)の研究開発に取り組んでおります。これは、複数の遺伝子を、高い精度で変異検査ができる技術です。この技術の活用範囲として、リキッドバイオプシー(血液などの体液サンプルを使用する方法)による低侵襲的遺伝子検査、クリニカルシークエンスによる個別化医療、血液からのがん再発の早期発見、免疫チェックポイント阻害剤の効果判定などが期待されております。

 

<肺がん コンパクトパネルⓇの応用>

肺がん コンパクトパネルⓇで培ったパネル開発・薬事戦略・プログラム医療機器システム構築のノウハウを他癌種のコンパニオンパネル検査へ応用する開発を進めております。複数の薬剤が上市されることで一括パネル検査の需要が高まっている癌種も増えてきており、国内の診療ニーズにマッチしたパネル製品の開発を目指しております。現在、他癌種への応用の実現化を目指し、Key Opinion Leader(KOL)の先生方、製薬企業とも協議を進めております。

 

<RNAチェック>

大学・研究機関との共同研究等により、将来の診断・創薬に役立つ新しい検査方法を開発しております。その方法は、“RNAチェック”(遺伝子発現検査)と呼び、遺伝子の「変異」を調べるDNA検査(遺伝子検査)とは別の方法で、遺伝子の種類と量を調べる検査です。現在、このRNAチェックに基づいた次の研究開発を進めております。主には、学校法人慶應義塾大学、学校法人埼玉医科大学及び学校法人北里大学との抗リウマチ薬の効果予測研究、国立研究開発法人国立精神・神経医療研究センターとのうつ病の早期発見を目的としたバイオマーカー研究などを進めております。

 

<三井化学株式会社との協業>

三井化学株式会社と資本業務提携契約を締結したことにより、当社の遺伝子解析技術と三井化学株式会社のライフサイエンス関連技術を有効に活用、更に、両社が有するネットワークや経営資源を活用することで、両社が協力し、検査・診断領域での新事業を創出することを目的に協議を進めております。

 

③ 診断事業

 <肺がん コンパクトパネルⓇ>

追加3遺伝子の追加申請の承認審査について、2022年12月16日に一部変更申請を提出し、当局との照会事項・整備事項対応を進めてまいりましたが、2024年1月26日に承認事項一部変更について承認を得ました。当該審査が非常に混み合ったことや、次世代シークエンスが新しい技術のために当初の想定よりも審査承認に時間を要しました。承認の遅れにより検査単価が低く、計画よりも売上が下振れしておりますが競合品と比べて対象遺伝子数が少ない状況の中でも検査数は順調に推移しており、採用施設数も計画を上回るスピードで導入が進んでおります。今回の統合承認は、2022年12月16日に開示いたしました、従来の4遺伝子(EGFR、ALK、ROS1、MET)に加え、3遺伝子(BRAF、KRAS、RET)を加えるための「肺がんコンパクトパネル(医療機器プログラム)の一部変更申請」が承認されたことを示します。合計7遺伝子対象となったことにより、対象遺伝子数の面での弱みも解消され、施設導入がさらに加速すると想定しております。感度の良さ、バリアント網羅性、液性細胞診での検査適用といった差別化要素が、臨床の実際のニーズを捉えていることが好調の一因と考えております。追加3遺伝子が承認されるのを待って、本格導入を予定している施設が多いことが、ヒアリング・マーケット調査で判明しております。2024年1月28日には追加3遺伝子の保険算定希望書を提出し、2月末の保険算定開始の予定となっており、算定開始と同時に製品アップデートできるよう準備を進めております。また、サービス強化の一環として、未承認解析項目にてERBB2(HER2)が変異陽性になった場合に確認検査を実施する“コンパクトパネルHER2プラスセット”について提携検査会社と協議を進めており、7遺伝子アップデート時にサービス追加予定としています。製薬企業とのコンパニオン診断開発の連携も強化し、対象薬剤も拡充していけるよう製品改良を進めていきます。2023年11月には、肺癌学会のガイドラインにおける、“細胞診を対象としたバイオマーカー検索”や“検査アルゴリズム”の項目の中で、肺がん コンパクトパネルⓇが新たに掲載されました。今後も、各種ガイドライン・手引きへの掲載、臨床ニーズに耳を傾けながら製品改良を続け、シェアアップにつなげていきます。また、これらの製品強化と合わせ、プロモーション活動を強化して参ります。直近では、2024年3月2日に、日本呼吸器内視鏡学会 気管支鏡専門医大会ランチョン共催セミナーを予定しており、その他にも、製薬企業との合同共催での全国公演ウェブセミナーや動画コンテンツ配信などを実施予定としております。受注数が大幅アップしても検査提供時間(Turn Around Time)が遅くならないよう各種自動化の拡張、人員体制・教育システム強化、大手検査会社との連携強化を進めております。

 

   <NOIR>

 臨床研究でのコンパクトパネルの活用、高精度分子バーコード法によるリキッドバイオプシー研究案件、周術期における高感度パネル検査および浸潤リンパ球プロファイル解析などの研究プロジェクト支援にむけ、正式サービス開始や大型研究支援案件受注に向けた各種準備を進めて参りました。第4四半期にこれらの成果が売上としてつながっていく予定です。

 

      <MammaPrint>

 保険診療検査としての検査は、競合製品の保険検査が開始となった影響もあり、伸び悩んでおります。一方、研究用途としての根強い需要があり、大型の臨床研究案件の受注が入っており売上につながっています。

 

 

 

当第3四半期会計期間末における財政状態につきましては、総資産が651百万円となり、前事業年度末に比べ219百万円減少しております。主な要因は次のとおりであります。

 

(流動資産)

当第3四半期会計期間末における流動資産の残高は335百万円で、前事業年度末に比べ189百万円減少しております。

主な要因は、現金及び預金が129百万円、受取手形及び売掛金が94百万円それぞれ減少、貯蔵品が45百万円増加したことなどによるものです。

 

(固定資産)

当第3四半期会計期間末における固定資産は、前事業年度末に比べて29百万円減少し、316百万円となりました。これは、有形固定資産のうち減価償却による減少7百万円、無形固定資産のうち薬事申請によるソフトウエア仮勘定の増加5百万円、ソフトウエアの減価償却による減少23百万円、投資その他の資産のうち長期前払費用の減少5百万円などによるものです。

 

(流動負債)

当第3四半期会計期間末における流動負債は、前事業年度末に比べて17百万円増加し、138百万円となりました。これは、買掛金が17百万円増加したことなどによるものです。

 

(固定負債)

当第3四半期会計期間末における固定負債は、前事業年度末に比べて僅かに増加し、40百万円となりました。

 

(純資産)

当第3四半期会計期間末における純資産は、前事業年度末に比べて237百万円減少し、472百万円となりました。

これは、四半期純損失による利益剰余金の減少237百万円によるものです。

 

 

(2)事業上及び財務上の対処すべき課題

 当第3四半期累計期間において、当社の事業上及び財務上の対処すべき課題に重要な変更及び新たに生じた課題はありません。

 

 

(3)研究開発活動

 当第3四半期累計期間の研究開発費の総額は、49百万円であります。

なお、当第3四半期累計期間において、当社の研究開発活動の状況に重要な変更はありません。

 

 

(4)従業員数

 当第3四半期累計期間において、従業員数の重要な変動はありません。

 

 

(5)生産、受注及び販売の実績

当第3四半期累計期間における生産、受注及び販売の実績は、研究事業においては計画をわずかに上回りましたが、受託事業と診断事業では想定していた計画を下回りました。

 

 

(6)主要な設備

 当第3四半期累計期間において、主要な設備に重要な変更はありません。