売上高

利益

資産

キャッシュフロー

配当(単独)

ROE

EPS BPS




E05535 Japan GAAP


2【経営者による財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローの状況の分析】

文中の将来に関する事項は、当四半期連結会計期間の末日現在において判断したものであります。

(1) 経営成績の状況

当第3四半期連結累計期間におけるわが国の経済は、新型コロナウイルス感染症に関する行動制限緩和に伴い、社会経済活動は正常化が進みました。また、インバウンド需要の増加等により、景気は緩やかな回復基調で推移いたしました。しかし、ロシア・ウクライナ情勢の長期化による原材料価格の上昇や、これに伴う諸物価の高騰、為替変動等により、先行きは依然として不透明な状況が続いております。

このような環境のなか、当社グループは、音声認識事業とデジタルマーケティング事業を中核事業とし、各事業の更なる強化に努めました。

音声認識事業におきましては、他社との差別化を図るための音声認識技術の機能向上と声認証関連技術・異音検知技術の開発を行いつつ、拡販活動を継続してまいりました。

異音検知技術(音のAI検査)におきましては、2023年8月にリリースした「音のAI検査SDK for Windows」を活用した振動試験装置の正常性モニタリングへの取り組みを開始しました。また、書き起こし支援アプリに声認証関連技術である話者分離技術を提供する等、音声認識技術とその周辺技術を含めたご提案を進めています。

デジタルマーケティング事業におきましては、引き続き新商品であるVisionary Cloudの追加機能開発を進めつつ、新規のご採用に向けた営業活動及び、サービスサポートやカスタマイズによる既存顧客へのきめ細かな顧客対応に努めました。当第3四半期連結会計期間においては、新たにホテルニューオータニの会員管理基盤としてVisionaryが採用されたほか、株式会社アクタスからは「エクセレントビジネスパートナー賞」をいただく等、当社の顧客対応についてもご評価いただきました。

当社グループの当第3四半期連結累計期間における経営成績としましては、売上高は851,492千円(前年同四半期比11.6%減)、営業損失は205,776千円(前年同四半期は営業損失288,509千円)、経常損失は228,658千円(前年同四半期は経常損失287,280千円)、親会社株主に帰属する四半期純損失は250,940千円(前年同四半期は親会社株主に帰属する四半期純損失349,074千円)となりました。

前年同四半期と比較し、売上高は112,103千円減少し、営業損失は82,732千円減少いたしました。売上高の主な変動要因としましては、デジタルマーケティング事業の売上高は45,549千円増加したものの、音声認識事業においてそれを上回る売上高の減少(148,279千円)が生じたことによるものであります。営業損失の主な減少要因は、音声認識事業の営業損失が11,804千円、デジタルマーケティング事業の営業損失が82,818千円減少したことによるものであります。

当社は、株式会社エーアイと資本業務提携契約を締結しており、本契約に基づいて組織された資本業務提携委員会の活動を進めてまいりました。技術連携や営業連携、製品・サービスの共同開発、合理化検討等、両社の強みを活かしたシナジー効果を発揮すべく検討を行い、2023年12月には、製品・サービス共同開発プロジェクトにおいて「組み込み型音声対話フレームワーク SLFrameWork(仮)」を企画し、両社にて共同開発に着手したことをお知らせしました。そして、資本業務提携委員会での議論を重ねた結果、研究開発のスピードアップや技術開発力の強化、顧客へのサービス提供力の向上、各事業のエンジニアによる情報交換や人的交流を進め、収益力向上や業務効率化等を最大限に発揮するには、両社の経営統合を目指すことが最善であると判断し、2024年6月に開催予定の両社の定時株主総会の承認及び経営統合に必要な関係当局の許可等の取得を前提として、2024年10月1日に経営統合を実施する予定としております。

なお、両社の経営統合に関する詳細は「第4 経理の状況 1 四半期連結財務諸表 注記事項(重要な後発事象)」に記載のとおりであります。

 

セグメントごとの当第3四半期連結累計期間の経営成績につきましては、次のとおりであります。

セグメントの名称

第23期

第3四半期連結累計期間

(千円)

第24期

第3四半期連結累計期間

(千円)

増減

(千円)

音声認識事業

411,574

263,295

△148,279

デジタルマーケティング事業

355,184

400,733

45,549

映像制作事業

130,191

100,633

△29,558

システム開発事業

57,716

80,012

22,296

報告セグメント計

954,668

844,676

△109,992

その他

8,927

6,816

△2,111

連結財務諸表計上額

963,596

851,492

△112,103

なお、当社グループは、第1四半期連結累計期間の期首より、「その他事業」として集約していた複数の事業のうち、連結子会社である株式会社スーパーワンが営む業務について、量的重要性が増したため「システム開発事業」として独立した報告セグメントとして記載する方法に変更しております。この変更により、当社グループの報告セグメントは「音声認識事業」「デジタルマーケティング事業」「映像制作事業」及び「システム開発事業」の4区分となり、報告セグメントに含まれない事業を「その他」として表示しております。このため、前第3四半期連結累計期間のセグメント情報を変更後のセグメントに組替えて記載し、セグメント毎の前年同期比等につきましても変更後の報告セグメント区分・名称により記載しております。

 

①音声認識事業

売上高は263,295千円(前年同四半期比36.0%減)、営業損失は99,871千円(前年同四半期は営業損失111,675千円)となりました。

前第3四半期連結累計期間と比較して売上高が減少しているのは、主に音声収録に関する受託業務に係る売上高が減少したことによるものです。当該受託業務の減少に伴って外注費が減少したことに加え、販売管理費等の経費が減少したことにより、営業損失は減少いたしました。

②デジタルマーケティング事業

売上高は400,733千円(前年同四半期比12.8%増)、営業損失は102,965千円(前年同四半期は営業損失185,784千円)となりました。

前第3四半期連結累計期間と比較し、主に新規案件の受注に伴う受託業務(初期導入費用)に係る売上高が増加したことにより、営業損失が減少いたしました。

③映像制作事業

売上高は100,633千円(前年同四半期比22.7%減)、営業損失は16,138千円(前年同四半期は営業損失9,405千円)となりました。

前第3四半期連結累計期間と比較して、売上高が減少し営業損失が増加している主な要因は、連結子会社であるメディアジャパン株式会社の売上高が減少したことによるものであります。

④システム開発事業

売上高は80,012千円(前年同四半期比38.6%増)、営業利益は7,743千円(前年同四半期比34.9%減)となりました。システム開発事業においては前第3四半期連結累計期間に利益率の高い案件が集中しており、一時的に利益率が高くなっておりました。そのため、当第3四半期連結累計期間は前第3四半期連結累計期間と比較して、売上高は増加いたしましたが、営業利益は減少いたしました。

 

(2) 財政状態の状況

当第3四半期連結会計期間末における総資産は、前連結会計年度末に比べ993,748千円減少し2,325,085千円となりました。第2四半期連結会計期間において借入金の返済などにより有利子負債残高が571,600千円減少しており総資産(負債純資産合計)が大きく減少いたしました

総資産の内訳は、流動資産が2,199,093千円(前連結会計年度末比1,000,928千円減)、固定資産が125,991千円(同7,179千円増)であります。流動資産の主な変動要因は、現金及び預金の減少863,650千円、受取手形、売掛金及び契約資産の減少125,195千円によるものであり、固定資産の主な変動要因は、投資有価証券の増加3,002千円によるものであります。

負債の部では、流動負債が585,733千円(同663,123千円減)、固定負債が14,081千円(同66,596千円減)であります。流動負債の主な変動要因は、買掛金の減少126,671千円、短期借入金の減少500,000千円、1年内返済予定の長期借入金の減少3,500千円、流動負債のその他の減少65,139千円によるものであり、固定負債の主な変動要因は、長期借入金の減少68,100千円によるものであります。

純資産の部では、利益剰余金の減少279,013千円等により1,725,270千円(同264,029千円減)となりました。

 

(3) 資本の財源及び資金の流動性に係る情報

(資金の調達方法及び状況)

当社グループの運転資金につきましては、自己資金で対応することを原則としております。また、必要な資金は銀行等金融機関からの借入により調達しております。

なお、当第3四半期連結会計期間末の有利子負債残高は414,200千円となっております。

 

(資金需要の動向)

当社グループの運転資金需要の主なものは、売掛金、買掛金の回転期間差異に基づく運転資金及び研究開発資金であります。運転資金については自己資金により対応できておりますが、大規模な設備投資や研究開発への投資の必要性が生じた場合に機動的な対応を可能とするため、一定の流動性資金が必要と判断し、金融機関からの借入を行っております。

 

(4) 経営方針・経営戦略等

当第3四半期連結累計期間において、当社グループが定めている経営方針・経営戦略等について重要な変更はありません。

 

(5) 重要な会計上の見積り及び当該見積りに用いた仮定

当第3四半期連結累計期間において、前連結会計年度における仮定から重要な変更はありません。

 

(6) 優先的に対処すべき事業上及び財務上の課題

当第3四半期連結累計期間において、当社グループが対処すべき課題について重要な変更はありません。

 

(7) 研究開発活動

当第3四半期連結累計期間におけるグループ全体の研究開発活動の金額は101,832千円であります。

なお、当第3四半期連結累計期間において、当社グループの研究開発活動の状況に重要な変更はありません。