株式会社SANKO MARKETING FOODS

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小売業飲食店スタンダード

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利益

資産

キャッシュフロー

配当(単独)

ROE

EPS BPS




E03404 Japan GAAP


 

2 【経営者による財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローの状況の分析】

文中における将来に関する事項は、当第2四半期連結会計期間の末日現在において、当社グループが判断したものであります。

また、当第2四半期連結会計期間において、2023年12月25日付で株式会社 SANKO INTERNATIONALを新設したことから連結の範囲に含めております。

 

(1) 財政状態及び経営成績の状況

当第2四半期連結累計期間(2023年7月1日~2023年12月31日)における我が国経済は、新型コロナウイルス感染症拡大の鈍化にともない経済・社会活動の制限が緩和され、個人消費やインバウンド需要の回復等が下支えとなり一時持ち直しの動向がみられました。しかしながら、少子高齢化に伴う労働人口の減少、原材料価格やエネルギー価格の高騰、急激な円安進行による物価高、さらには福島第一原発の処理水問題に端を発する水産物の輸出制限措置が開始される等依然として先行き不透明な状況が続いております。

 

このような状況の中、当社グループは、「とる うる つくる 全部、SANKO」をスローガンに、飲食事業で培った強みを活かして水産の産地に入り、生産者とともに歩む「産地活性化プラットフォーマー」として「価値ある食文化の提案」を行うべく、水産の6次産業化を成長基盤とするために事業構造を大きく転換いたしました。

 

水産事業においては、漁業者の生活の安定と向上を目的として、2023年9月に下田の漁業者から、漁獲、魚種、相場に関わらず全量買取りする取り組みを開始いたしました。この取り組みを「SANKO MEMBERSHIP」と称し、自社専用船とともに朝獲れの新鮮な魚介類を、当社直営店舗に多段階流通を経ずに卸す試みを始めており、お客様から大変なご好評をいただいております。今後は、「SANKO MEMBERSHIP」の輪を広げ、船団を形成し、漁業者とお客様がともに幸せになる取り組みを進めてまいります。また、2023年4月に出店した小売店(鮮魚店)「漁港産直 積極魚食『サカナタベタイ』」(千葉県市川市 MEGAドン・キホーテ本八幡店内)では、近年魚食離れが進む我が国において、魚の食べ方、美味しさ、種類や旬などをお客様に知ってもらうため『漁港産直』の鮮魚だけでなく『積極魚食』を謳い、飲食店の料理人が監修するサカナ惣菜や希少部位、未利用魚などを無駄なく活用することで、「サカナタベタイ!」と若年者層から高齢者層まで幅広く支持されるお店づくりに努め、今後の出店につながるノウハウを得ました。なお、水産卸売り業で扱う輸出取引は福島第一原発のアルプス処理水問題により大きな影響を受けたことから、今後は北米など輸出の仕向地を拡げることで地政学リスクを考慮した輸出取引の拡大を行ってまいります。

 

飲食事業においては、業績回復が著しい「アカマル屋」が既存店2019年(コロナ前)同月対比で100%を超え続けるなど、コロナ禍で変化したお客様ニーズにマッチするブランドとして成長を続けております。また、「アカマル屋」はこれまで串焼きやおでん、煮込み料理を中心とした大衆酒場でお客様から好評を博しておりましたが、水産の6次産業化を目指す当社グループのシナジー効果を最大化するため、「アカマル屋鮮魚店」を開発いたしました。「アカマル屋鮮魚店」は鮮魚店併設型の大衆酒場であり、「SANKO MEMBERSHIP」からの朝獲れ鮮魚やSANKO海商(浜松)、綜合食品(豊洲)と連携した商品提供を行っております。同店では、まぐろの解体ショーを定期的に実施するなど、連日お客様で賑わう新しいコンセプトの大衆酒場であります。

「SANKO MEMBERSHIP」の取り組みにより、魚価の高騰に関わらず、原価の抑制を実現するとともに、魚本来の価値を伝えることで、お客様満足ならびに漁業者の生活の安定と向上の両方を達成するブランドとして育成しております。「アカマル屋」は、投資効率の高いブランドであり、引き続きブランドの磨き上げを行い、商圏及び立地条件を見極めたうえで積極的に出店してまいります。

 

また、当社は、2023年12月より東海エリアの大型商業施設内フードコート等で産地直送の朝獲れ鮮魚、魚介料理を提供する飲食店10店舗を承継し運営を開始いたしました。地位承継時に一時的な出店経費が発生しましたが、大型商業施設運営者との関係性を深め運営を行うことで大型商業施設内の飲食ノウハウを蓄積し今後の積極的な出店を視野に入れてまいります。

官公庁等を中心とする食堂施設の運営受託事業は、「産地活性化プラットフォーマー」として、農林水産省内の職員食堂である「あふ食堂」を中心に官公庁食堂群を活用し、全国自治体・各種団体と連携し全国産地の郷土料理や食材をテーマにしたイベント開催に取り組むことで、食堂運営受託の枠を超えた産地活性化への挑戦と食堂利用のお客様満足を官民一体で両立させる取り組みを推進いたしました。とりわけ、2023年9月以降の水産物風評被害による輸出減少に際しては、飲食の各業態で国内水産物消費を活性化するため、産地の食材の積極活用を行ってまいりました。

こうした取り組みの結果、飲食事業部門として、コロナ禍の影響が漸次的に薄れた前期第2四半期以降、緩やかに売上が回復し、事業ユニットとして黒字転換を果たしました。

当社の経営上の課題は、コロナ禍において戦略的に撤退した飲食店舗の売上高を補完することであり、水産サプライチェーンの構築とともに、これを最大活用した(「アカマル屋鮮魚店」等の)店舗出店が達成されることで、会社の業績回復に寄与するものであると認識しております。

 

店舗の出退店につきましては、直営店1店舗を新たに出店し、東海エリアの大型商業施設内フードコート等にて飲食店10店舗を店舗の契約上の地位移転により承継いたしました。また、焼肉万里大宮すずらん店を再出店(業態変更)いたしました。他方で直営店1店舗を閉店いたしました。

これにより当第2四半期連結会計期間末における店舗数は、直営店50店舗(うち運営受託店10店舗)、フランチャイズ店(運営委託店舗含む)は海外(香港・タイ)4店舗、国内2店舗で計6店舗となりました。

 

また、当社は、急激な経済成長を続けるベトナムにおいて、ハイエンド顧客のニーズにマッチする日本食レストランを運営するために、ベトナム現地法人であるHOANG SON INVESTMENT AND CONSULTANCY LIMITED COMPANYと合弁会社(AKIKO SERVICE AND TRADING JOINT STOCK COMPANY)を設立することを決議いたしました。なお、設立予定時期は、ベトナム国内の法律に基づく承認プロセスを経ることを条件として2024年4月頃を予定しております。

さらに当社は、急激に進行する円安を背景として、国外の成長市場に対して我が国が誇る水産資源等を積極的に輸出するために、株式会社ガリュウトレーディングと合弁契約を締結し、2023年12月に新会社である株式会社 SANKO INTERNATIONALを設立いたしました。

このように、当社グループの水産資源の国内調達力とこれまで培ってきた飲食事業のノウハウを、成長著しい特定の海外市場に展開することで将来の収益の柱となる事業の育成を開始いたしました。

 

なお、2023年11月、当社は株主の皆様に感謝の意を表するとともに、また当社グループの取り組みを株主の皆様により知っていただくため、株主優待制度の拡充を決定いたしました。

 

以上により、売上高は44億16百万円(前年同期比51.6%増加)となりましたが、事業再構築の進捗を確実に進めるために、①飲食の既存業態の出店計画を補完する東海エリア10店舗の地位承継に伴うコスト、②国内市場から海外市場へ事業範囲を拡大するためのベトナム事業・貿易事業の事業化コスト、③自社船団である「SANKO MEMBERSHIP」の形成コスト、④水産6次産業化モデルの中核となる商品開発コスト、⑤水産事業の販売拡大のための販路開拓コストなどが先行して発生したことから、営業損失は3億8百万円(前年同期は営業損失3億56百万円)となりました。また、経常損失は3億8百万円(前年同期は経常損失3億51百万円)、親会社株主に帰属する四半期純損失は3億25百万円(前年同期は親会社株主に帰属する四半期純損失3億61百万円)となりました。

なお、当社は、経費の徹底的見直しを行うことで、これら先行投資による経費増加のインパクトを縮減してまいります。

 

(2) 財政状態の分析

① 資産、負債及び純資産の状況

当第2四半期連結会計期間末における資産は、前連結会計年度末に比べ1億34百万円増加し26億8百万円となりました。この主な要因は、現金及び預金1億52百万円減少、売掛金1億34百万円増加及び有形固定資産1億11百万円増加によるものであります。

当第2四半期連結会計期間末における負債は、前連結会計年度末に比べ9百万円増加し21億7百万円となりました。

当第2四半期連結会計期間末における純資産の部は、前連結会計年度末に比べ1億25百万円増加し5億円となりました。この主な要因は、親会社株主に帰属する四半期純損失3億25百万円及び第5回新株予約権行使により株主資本が4億74百万円増加したことによるものであります。

 

② キャッシュ・フローの状況

当第2四半期連結会計期間末における現金及び現金同等物(以下「資金」という。)の残高は、7億36百万円となり、前連結会計年度末に比べ1億77百万円減少いたしました。なお、当第2四半期連結累計期間における各キャッシュ・フローは次のとおりであります。

 

(営業活動によるキャッシュ・フロー)

営業活動の結果支出した資金は、4億80百万円(前年同期は3億75百万円の支出)となりました。これは主に、税金等調整前四半期純損失を3億17百万円計上及び売上債権の増加額1億27百万円があったことによるものであります。

 

(投資活動によるキャッシュ・フロー)

投資活動の結果支出した資金は、1億38百万円(前年同期は91百万円の獲得)となりました。これは主に、有形固定資産の取得による支出1億4百万円があったことによるものであります。

 
(財務活動によるキャッシュ・フロー)

財務活動の結果獲得した資金は、4億41百万円(前年同期は63百万円の獲得)となりました。これは主に 新株予約権の行使による株式の発行による収入4億66百万円があったことによるものであります。

 

(3) 経営方針・経営戦略等

当第2四半期連結累計期間において、当社グループが定めている経営方針・経営戦略等について重要な変更はありません。

 

(4) 事業上及び財務上の対処すべき課題

当第2四半期連結累計期間において、当社グループの対処すべき課題について重要な変更はありません。

 

(5) 研究開発活動

該当事項はありません。