売上高

利益

資産

キャッシュフロー

配当(単独)

ROE

EPS BPS




E03406 Japan GAAP


2 【経営者による財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローの状況の分析】

文中の将来に関する事項は、当四半期連結会計期間の末日現在において当社グループ(当社及び当社の連結子会社)が判断したものであります。

 

(1) 経営成績

当第3四半期連結累計期間(2023年4月1日~2023年12月31日)における国内経済は、新型コロナウイルス感染症に伴う行動制限の緩和により社会経済活動の正常化が進み、個人消費の持ち直しやインバウンド需要の回復が見られたものの、世界情勢の緊迫化、資源価格や原材料価格の高騰、円安による物価の上昇などにより、原材料をはじめ人件費や物流費の上昇は継続しており、予断を許さない状況となっております。

このような状況の中、当社グループは、2022年5月13日に公表した中期経営計画で掲げた2024年3月期の営業利益黒字化達成に向け、「付加価値の向上による単価アップ」、「人員充足」、「コスト削減」を重点施策として推進してまいりました。売上高は、引き続き堅調な外食及び国内旅行需要を背景に、新型コロナ「5類感染症」移行後、初めての「クリスマス」や「年末」を含む最大の商盛期である第3四半期の売上最大化に向け、各種企画を早々にマーケットに打ち出し計画的に集客したこと、及び深刻な人手不足の環境下において、事前に派遣やアルバイトを拡充し、全社一丸となって万全な体制で臨んだことに加え、従前から推し進めてきた「付加価値の向上による単価アップ」施策などが奏功し、レストラン、ブライダル、ホテル全ての事業において前年を大幅に上回り、10月以降3ケ月連続で過去最高の月次売上高を更新する結果となりました。

利益面においては、原材料価格やエネルギーコストの高騰、さらには業界全体の人員不足により採用コストが想定を大きく上回るとともに、高単価な派遣社員を余儀なく登用したことによる人件費の大幅な増加などが利益を圧迫しましたが、前述の大幅な増収効果により原価率、及び人件費率が計画内でコントロールすることが出来たこと、加えて電力供給業者の見直しやLED化、省エネ機器の導入による光熱費削減などの「コスト削減」施策を進めたことにより、計画を大きく上回る水準で着地いたしました。

これらの結果、当第3四半期連結累計期間における当社グループの業績は、売上高10,641百万円(前年同期比12.2%増)、営業利益389百万円(前年同期は営業損失333百万円)、経常利益332百万円(前年同期は経常損失307百万円)、親会社株主に帰属する四半期純利益294百万円(前年同期は親会社株主に帰属する四半期純損失335百万円)と前年同期を大幅に上回る結果となりました。なお、「中期経営計画」に対する進捗は、売上高が計画比5.4%増となりその結果、営業利益、経常利益、四半期純利益それぞれにおいて、計画比107.9%増、166.5%増、216.3%増と大幅に計画を上回り推移しております。

尚、閑散期となる第4四半期は、当初より設備メンテナンスのための休業や、休業期間を利用した各事業においてスタッフの勉強会、及びチームビルディングなどを実施する予定であり、当初計画では損失を見込んでおります。また、年明けに発生した能登半島地震などの影響により、昨年までの外食及び国内旅行需要に変化の兆しが見られ、厳しい状況となる可能性があることから、通期の業績見通しは当初計画から敢えて変更しておりません。通期の業績見通しが、適時開示の要件に抵触する見込みとなった段階で速やかに開示いたします。

 

 

セグメントごとの経営成績は次のとおりであります。

 

(レストラン事業)

当第3四半期連結累計期間におけるレストラン事業の売上高は6,931百万円(前年同期比12.1%増)、営業利益は857百万円(前年同期比55.6%増)となりました。

新型コロナ「5類感染症」移行後の堅調な外食需要を背景に、食材が豊富な秋の繁忙期やクリスマス及び年末の商盛期に向け、高付加価値かつ高単価の季節限定メニューやクリスマス特別メニューを早期に展開し集客を開始したことがお客様の来店意欲の喚起と価値向上による単価アップにつながり、ランチ、ディナー売上ともに計画並びに前年同期を大きく上回る結果となりました。特に中期経営計画にて「付加価値の最大化に向けた戦略投資」として9月にリニューアルオープンした「リストランテASO」、「カフェ・ミケランジェロ」(代官山)においては、両店ともに連日満席となる盛況に加え、内外装のみならず新たなメニュー開発によりお客様の体験価値を更に強化した結果、両店の顧客満足度向上に加え、単価アップにも寄与し、売上は改装後において前年同期比+23.2%と好調に推移しております。

カフェ営業においては、前述の「カフェ・ミケランジェロ」(代官山)に加え、新国立美術館(六本木)にある3つのカフェ「サロン・ド・テ ロンド」、「カフェ コキーユ」、「カフェテリア カレ」が好調に推移し、売上は計画並びに前年同期を大幅に上回る結果となりました。

パーティ営業につきましては、「秋の収穫祭」や海外提携ブランドのシェフ来日イベントなど、当社主催のパーティを積極的に開催したことに加え、法人営業を強化したことで企業や高級ブランドなどの法人パーティ需要を積極的に取り込んだことにより、売上は計画並びに前年同期を大幅に上回る結果となりました。

婚礼営業につきましては、コロナ禍において少人数化していた婚礼の列席者数が徐々に回復傾向になる中、料飲の単価アップ施策や、パートナー企業との連携による高単価商品の開発及び販売強化など、当社ならではの施策により組単価が大幅に上昇し、売上は計画並びに前年同期を上回る結果となりました。婚礼獲得においては、平日見学の強化や外部委託スタッフの有効活用などに加え、新たな獲得強化及び単価アップ施策として来店前アンケートによるニーズ把握から婚礼プラン提案までのシステム化に着手するなど、来期婚礼の獲得強化に向けた取組みを進めております。

 

(ホテル事業)

当第3四半期連結累計期間のホテル事業の売上高は3,535百万円(前年同期比11.8%増)、営業利益222百万円(前年同期比525.9%増)となりました。なお、GOP(販売費及び一般管理費より地代家賃、減価償却費を控除した営業粗利益)につきましては、1,012百万円(前年同期比25.0%増)となっております。

秋の行楽シーズンに円安が加速したことにより旅行需要が海外から国内にシフトしたことに加え、インバウンド需要も引き続き堅調に推移いたしました。これらの需要に積極的に対応するため、各ホテルが趣向を凝らした様々な施策を推進した結果、リピーターの利用も含め順調に集客を伸ばし、高稼働を維持することができました。また、単価についてもホテル毎に地域性や特徴を活かした料理やサービス、アクティビティの開発による提供価値の向上を推進した結果、前年同期を上回り堅調に推移いたしました。

特にインバウンド獲得強化策といたしまして、6月にシンガポールで開催されたILTMAP(International Luxury Travel Market Asia-Pacific:世界の富裕層旅行者を取り扱う商談会)への参加に加え、海外OTA(Online Travel Agency)の拡充と販促強化を引き続き推進しております。これらの結果、インバウンドによる売上は前年同期比247.6%増と大幅に増加しております。特にインバウンドを強化している京都ホテルにおいては、月次利用組数の半数をインバウンドが占めており、順調に稼働を伸ばしております。

 

(その他)

当第3四半期連結累計期間におけるその他の売上高は341百万円(前年同期比73.6%増)、営業利益は64百万円(前年同期比52.7%増)となりました。なお、連結子会社との内部取引にかかる調整額を除いた実績は、売上高174百万円(前年同期比22.6%増)、営業利益57百万円(前年同期比21.9%増)となっております。

オンライン販売においては、クリスマス、年末年始に向け強化したプレミアムシャンパーニュセットやフランス以外の銘醸地ワインの取り扱いを開始するなど、高価格帯の商品を中心に販売が堅調に推移しました。

また、新たなライセンスビジネスの展開として、「カフェ・ミケランジェロ」のライセンス1号店「アルベルゴ・カフェ・ミケランジェロ」の運営主体となる株式会社HESTA大倉と共に12月19日「センタラグランドホテル大阪」(難波)にオープンいたしました。当社がこれまで培ってきた知見とブランドを活かした新たな事業モデルの追求は、収益多様化への取り組みとして今後も推進してまいります。

 

(2) 財政状態の状況

当第3四半期連結会計期間末の総資産は前連結会計年度末に比べ118百万円増加し、21,879百万円となりました。これは主に、建物及び構築物(純額)が109百万円増加したこと等によるものであります。

負債合計は前連結会計年度末に比べ222百万円減少し、17,017百万円となりました。これは主に、流動負債が198百万円減少したことによるものであります。

純資産は前連結会計年度末に比べ340百万円増加し、4,862百万円となりました。これは主に、利益剰余金が294百万円増加したことによるものであります。

 

(3) 優先的に対処すべき事業上及び財務上の課題

当第3四半期連結累計期間において、当社グループが対処すべき課題について重要な変更はありません。

 

(4) 研究開発活動

該当事項はありません。

 

(5) 主要な設備

該当事項はありません。