売上高

利益

資産

キャッシュフロー

配当(単独)

ROE

EPS BPS




E35144 Japan GAAP


2 【経営者による財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローの状況の分析】

文中の将来に関する事項は、当四半期連結会計期間の末日現在において判断したものであります。

 

(1) 財政状態及び経営成績の状況

① 経営成績

当第3四半期連結累計期間におけるわが国の経済は、新型コロナウイルス感染症の法的位置付けが「5類感染症」へ移行し、経済・社会活動の正常化が進む中、景気は緩やかな回復基調で推移しました。一方で、ウクライナ情勢の長期化による資源価格及び原材料価格の上昇や世界的な金融引締めによる為替変動、円安の進行や物価高など、景気の先行きについては不透明な状態が続いております。住宅業界におきましては、政府による住宅取得支援策等が継続しているものの、国土交通省発表による全国の新設住宅着工戸数(出典:国土交通省 建築着工統計調査 2023年9月 月次データ)が、2023年1月から9月の累計で前期比95.9%となりました。当社グループでは新築一戸建の建設を主な事業としており、これに関連する「持家」の新設住宅着工戸数につきましては前期比90.2%、「分譲住宅(一戸建)」の新設住宅着工戸数につきましては同94.0%となっており、物価や建築コストの上昇による消費マインドの低下が懸念される中で、弱含みで推移しております

当社グループが事業基盤の拠点を置く愛知県における新設住宅着工戸数(出典:国土交通省 建築着工統計調査 2023年1月から9月までの各月次データ、当社にて累計値を算出)は、「持家」につきましては2023年1月から9月の累計で前期比90.9%、「分譲住宅(一戸建)」につきましては同85.5%となっており、コロナ禍での戸建住宅需要も一服するなど住宅業界を取り巻く環境については厳しい状況にあります。

このような状況のもとで、当社グループでは、テーマ性を持ったWebサイトやSNS、動画コンテンツを活用した当社独自のデジタルマーケティングを展開して関心の高い顧客層へ確実に当社グループの情報を到達させるとともに、住宅購入を検討中の潜在層へ幅広くアプローチする効率的な集客を行い、さらに「デザイン」「性能」「価格」の3つの強みを重ね合わせたコストパフォーマンスの高い住宅の商品力により戸建住宅の需要を積極的に取り込んでまいりました。

また、当社グループは、戸建住宅事業における「注文住宅」×「分譲住宅」×「不動産仲介」のビジネス展開(ワンストップ・プラットフォーム)を推進して、「注文住宅」及び「分譲住宅」で培ったノウハウを相互に利用することで、顧客ニーズに合った戸建住宅の提案を行い、「不動産仲介」においては、戸建住宅に最適な土地情報の収集及び顧客への提案を行っております。

さらに、当社グループでは首都圏エリアのさらなる成長と顧客サポート強化に向けて、2023年5月より、東京支社(東京都新宿区)を「東京本社」として機能強化を行い、「本社」(名古屋市東区)と「東京本社」の2本社体制へと移行いたしました。2023年8月には「アールプランナー不動産 立川営業所」(東京都立川市)を開設いたしました。また、東海エリアでは、2023年10月に「アールギャラリーとよた平屋展示場」、「DESIGN GALLERY豊田」、「アールプランナー不動産 豊田営業所」を合わせた当社初の複合店「SUMAI GALLERYとよた」(愛知県豊田市)を開設しており、将来の持続的成長に向けた設備投資を行いました。

その結果、売上高につきましては、不動産市況が低迷する中で分譲住宅の販売棟数が伸び悩んでいるものの土地の販売が伸びたことなどから堅調に推移しました。一方で、注文住宅に関しては販売価格の改定や一部建築資材の値下がり等により売上総利益率が改善しているものの、分譲住宅に関しては在庫状況のバランスを考慮し、一部あった長期在庫の販売を促進したことが売上原価を押し上げる要因となっております。また、新規出店や人財獲得等への積極的な投資を行った結果、販売費及び一般管理費に関しては人員増に伴う人件費、拠点増加による地代家賃、減価償却費等が増加しております。受注高・総受注棟数につきましては、前年同期比で大きく伸び、好調に推移しました。

以上の結果、当第3四半期連結累計期間の売上高は21,908,856千円(前年同四半期比0.4%増)、営業損失は43,606千円(前年同四半期営業利益は156,508千円)、経常損失は168,391千円(前年同四半期経常利益は18,956千円)、親会社株主に帰属する四半期純損失は134,959千円(前年同四半期親会社株主に帰属する四半期純利益は3,196千円)となりました。

セグメントごとの経営成績は次のとおりであります。

 

(戸建住宅事業)

戸建住宅事業につきましては、愛知県及び東京都における新設住宅着工戸数(出典:国土交通省 建築着工統計調査 2023年1月から9月までの各月次データ、当社にて累計値を算出)が前期比マイナスとなっており、厳しい環境が続いております

こうした中、注文住宅につきましては、1棟あたりの販売単価が上昇したことで売上総利益率の改善がみられますが、資源価格高騰等から市場全体で住宅単価が上昇した影響を受けて前連結会計年度は受注棟数が減少していたことから、販売棟数が減少いたしました

なお、注文住宅の請負工事につきましては、契約の締結から着工・竣工までが通常長期間に及ぶため、販売実績に反映されるまでタイムラグが生じることになります。

分譲住宅につきましては、「分譲住宅 (一戸建)」の新設住宅着工戸数は2023年1月から9月の累計で、愛知県においては前期比85.5%となっておりますが、東京都においては同100.9%となっております。当社グループでは、顧客ニーズを捉えた土地の仕入れを行うとともに、独自のデジタルマーケティングにより集客につなげた結果、不動産市況が低迷する中で分譲住宅の販売棟数が伸び悩んでいるものの土地の販売区画数が増加し、売上高は順調に推移いたしました

一方で、費用面につきましては、営業人員・設計人員・施工管理人員の積極的な採用を継続したことによる人件費、拠点増加に伴う地代家賃、減価償却費等が増加しております。

この結果、売上高は21,491,910千円(前年同四半期比1.9%増)、セグメント利益は606,564千円(前年同四半期比30.0%減)となりました。

 

(中古再生・収益不動産事業)

中古再生・収益不動産事業につきましては、中古住宅・収益不動産物件の売却及び賃料を計上しており、売上高は393,512千円(前年同四半期比42.7%減)、セグメント利益は62,662千円(前年同四半期比29.5%増)となりました。

 

(その他)

その他につきましては、主に顧客紹介手数料及び火災保険の代理店手数料であり、売上高は23,434千円(前年同四半期比32.9%減)、セグメント利益は23,419千円(前年同四半期比32.8%減)となりました。

 

② 財政状態

(資産)

当第3四半期連結会計期間末の資産合計は、前連結会計年度末に比べて1,359,217千円増加し、25,584,206千円となりました。これは、流動資産が1,295,707千円増加し、23,586,511千円となったことによるものであります。

流動資産の主な増加は、販売用不動産が622,511千円減少したものの、現金及び預金が447,106千円及び仕掛販売用不動産が1,606,225千円増加したこと等によるものであります。

 

(負債)

当第3四半期連結会計期間末の負債合計は、前連結会計年度末に比べて1,587,132千円増加し、21,557,774千円となりました。これは、流動負債が1,638,874千円増加し、16,438,817千円となったことによるものであります。

流動負債の主な増加は、1年内返済予定の長期借入金が1,144,602千円減少したものの、短期借入金が1,030,013千円及び顧客等から受領した前受金が1,556,963千円増加したこと等によるものであります。

 

(純資産)

当第3四半期連結会計期間末の純資産合計は、前連結会計年度末に比べて227,914千円減少し、4,026,432千円となりました。

純資産の主な減少は、剰余金の配当80,566千円、親会社株主に帰属する四半期純損失134,959千円を計上したこと等によるものであります。

 

(2) 経営方針・経営戦略等

当第3四半期連結累計期間において、当社グループの経営方針・経営戦略等について重要な変更はありません。

 

(3) 事業上及び財務上の対処すべき課題

当第3四半期連結累計期間において、当社グループが対処すべき課題について重要な変更はありません。

 

(4) 研究開発活動

該当事項はありません。