売上高

利益

資産

キャッシュフロー

配当(単独)

ROE

EPS BPS




E05592 Japan GAAP


2【経営者による財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローの状況の分析】

文中の将来に関する事項は、当四半期連結会計期間の末日現在において当社グループが判断したものであります。

 

(1)経営成績の状況

最近の世界情勢は、未だ共通の言葉を持たない原始時代と同じようです。

当第1四半期連結累計期間のわが国は、円安による物価高が懸念されますが、インバウンド需要や好調な企業業績を背景に設備投資が堅調に推移しています。

IT投資については、生産性の向上や競争力の強化等を目的としたDX(デジタルトランスフォーメーション)への対応が企業、官公庁/自治体問わず拡大しています。DX推進に伴い、データの保護やシステムの防御、すなわちITセキュリティ対策の重要度は増す一方です。当社が提供するITセキュリティの「認証」、ネットワークの分離等はそのベーシックな対策として需要は底固く推移しています。また、国家のサイバーセキュリティの体制強化の議論の進展にあわせ、当社は、世界のトップクラスの実戦経験者を社外取締役に招聘し、100%子会社株式会社サイバー防衛研究所を設立しました。

このような環境下、当社グループの業績について、自社製品/サービスの販売に注力し売上高総利益率44.8%と改善(前年同期:43.8%)しているものの、前年同期にあったEco新規事業の官公庁からの特注案件が剥落したため、売上高は4,575百万円(前年同期比2.0%減)となりました。また、社員が快適に業務に取り組み生産性をあげるためオフィス環境の整備に当第1四半期は1.6億円の設備投資(内訳:販売管理費の増加0.5億円、固定資産の取得1.1億円)を行い、営業利益は489百万円(前年同期比24.9%減)、為替差益83百万円の発生等により経常利益は570百万円(前年同期比18.6%減)となりました。親会社株主に帰属する四半期純利益は391百万円(前年同期比22.0%減)となっています。

 

セグメント別の経営成績は、次のとおりです。

 

① ITセキュリティ事業

売上高は4,246百万円(前年同期比0.6%減)、セグメント利益は765百万円(前年同期比14.5%減)となりました。

前年同期の自社製品による官公庁向け大型案件がなく、粗利の少ない案件の比重が高くなり、セグメント利益は減益となりました。なお、当社はパナソニックコネクト株式会社と連携し、厳格で安全なユーザー認証を実現するため、当社の多要素認証のクラウドサービス「Soliton OneGate」に同社の顔認証機能を追加します。当該サービスは2024年5月より販売開始予定です。同社との共創は、2022年12月売を開始した同社の顔認証機能を搭載したPCログオンソフト「SmartOn」に次ぐ、『第二弾』となります。

 

② 映像コミュニケーション事業

売上高は304百万円(前年同期比45.7%増)、セグメント利益は71百万円(前年同期はセグメント損失22百万円)となりました。

「Smart-telecaster シリーズ」について、国内外のパブリックセーフティ分野へ販売し、売上高は増収、セグメント利益を計上しました。国内では当該分野より今後も継続的な受注が期待されます。海外では大型案件を受注しています。クラウド経由で超短遅延/高精細画像をモニターしながら離れた場所にある車両や建機、ロボット等を遠隔監視/操縦する「Zao SDK」について、国内外でマーケッティング活動を推進しています。顧客の要望を受け、様々なアプリケーションへの検証を進めています。

 

③ Eco 新規事業開発

売上高は24百万円(前年同期比87.3%減)、セグメント損失は84百万円(前年同期はセグメント損失13百万円)となりました。

主に既存の人感センサーのみの販売だったため、売上高は減収、アナログエッジAIの開発費等で前年同期と比較しセグメント損失は拡大しました。なお、2024年1月に月面へピンポイント着陸に成功した小型月着陸実証機SLIM (Smart Lander for Investigating Moon)の開発で、当社はJAXA(宇宙航空研究開発機構)に宇宙用FPGAへの書き込み、回路実装に協力しましたが、JAXAと新たに共同研究を開始しています。

 

(2)財政状態の分析

当第1四半期連結会計期間末の当社グループの総資産につきましては、前連結会計年度末に比べて975百万円減少し、21,648百万円となりました。

流動資産は、前連結会計年度末に比べて900百万円減少し、19,051百万円となりました。これは主に現金及び預金が365百万円、流動資産その他が239百万円、電子記録債権が156百万円減少したこと等によるものであります。

固定資産は、前連結会計年度末に比べて75百万円減少し、2,597百万円となりました。これは主に有形固定資産が113百万円増加する一方、繰延税金資産が176百万円減少したこと等によるものであります。

流動負債は、前連結会計年度末に比べて1,061百万円減少し、10,341百万円となりました。これは主に未払金が189百万円増加する一方、未払法人税等が906百万円、賞与引当金が422百万円減少したこと等によるものであります。

固定負債は、前連結会計年度末に比べて1百万円増加し、92百万円となりました。これは主に固定負債その他が5百万円増加する一方、リース債務が3百万円減少したこと等によるものであります。

純資産の部については、前連結会計年度末に比べて83百万円増加し、11,214百万円となりました。これは主に利益剰余金が132百万円増加した一方、為替換算調整勘定が47百万円減少したこと等によるものであります。なお自己資本比率は51.7%(前連結会計年度末比2.6ポイント増加)となりました。

 

(3)会計上の見積り及び当該見積りに用いた仮定

前事業年度の有価証券報告書に記載した「経営者による財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローの状況の分析」中の会計上の見積り及び当該見積りに用いた仮定の記載について重要な変更はありません。

 

(4)事業上及び財務上の対処すべき課題

当第1四半期連結累計期間において、当社グループの事業上及び財務上の対処すべき課題について重要な変更、または新たに生じた課題はありません。

 

(5)研究開発活動

当第1四半期連結累計期間の研究開発費は268百万円であり、この他売上原価に算入されているソフトウエア開発費用336百万円と合わせ、開発活動に関する費用の総額は、604百万円でした。

なお、当第1四半期連結累計期間において、当社グループの研究開発活動の状況に重要な変更はありません。