売上高

利益

資産

キャッシュフロー

配当(単独)

ROE

EPS BPS




E00527 Japan GAAP


2【経営者による財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローの状況の分析】

文中の将来に関する事項は、当四半期連結会計期間の末日現在において判断したものである。

(1)財政状態及び経営成績の状況

①財政状態の状況

総資産は、前連結会計年度末に比べ1,798百万円増加し、191,802百万円となった。これは、主として有形固定資産が増加したことによる。負債は、前連結会計年度末に比べ3,837百万円増加し、149,922百万円となった。これは、主として短期借入金が減少したが、支払手形及び買掛金が増加したことによる。純資産は、前連結会計年度末に比べ2,038百万円減少し、41,880百万円となった。これは、主として親会社株主に帰属する四半期純損失の計上により利益剰余金が減少したことによる。

②経営成績の状況

当第3四半期連結累計期間における国内経済は、全体としては回復傾向が続き、非製造業においては行楽需要やインバウンド需要の回復が、製造業においては自動車の生産台数の回復が景況感にプラス影響を与えた。その一方で、物価上昇による節約志向の高まりなどから個人消費が弱含みで推移した。また海外では、欧州においてインフレや高金利を背景にした景気低迷が続いている他、中国において不動産市況の悪化に伴う経済減速からの回復が遅れており、これらの影響で消費需要が停滞した。

このような状況の下、当社グループは、2023年5月に新中期経営計画「G-STEP30 2nd(ジーステップ・サーティ ~セカンド)」を公表し、新しい中期経営計画の基本方針である、「事業ポートフォリオの再構築」、「グローバル化の推進」、「事業基盤の整備」を骨子とした各施策を推進してきた。

こうした中、景況感の悪化等による需要の減少を受け、第3四半期連結累計期間の売上高は前年同四半期比1.9%減収の86,505百万円となった。

営業利益は、原燃料価格の高止まり、円安によるコストアップ及び販売減少の影響を受け、収益が悪化したことにより、2,618百万円の営業損失(前年同四半期は1,769百万円の利益)となった。また、円安の進行により外貨建資産の為替評価益を計上した結果、経常損失は2,114百万円(前年同四半期は2,414百万円の利益)、親会社株主に帰属する四半期純損失は2,859百万円(前年同四半期は1,101百万円の利益)となった。

事業セグメント別の経営成績は次のとおりである。

なお、第1四半期連結会計期間より、一部の連結子会社の報告セグメントを変更しており、以下の前年同四半期比較については、前年同四半期の数値を変更後のセグメント区分に組み替えた数値で比較している。詳細は、「第4 経理の状況 1 四半期連結財務諸表 注記事項(セグメント情報等)」に記載している。

[高分子事業セグメント]

高分子事業セグメントでは、多くの製品で販売数量が減少したが、価格改定を実施した効果により売上高は増加した。しかしながら、販売数量の減少に伴う減産の影響によるコストアップが価格改定の効果を上回り、収益が悪化した。

フィルム事業では、包装分野では、国内においてインフレによる食品類販売減の影響が続いたが、海外においてバリアナイロンフィルム「エンブレムHG」の販売は伸長した。東南アジアにおいて、海外品との販売競争が激化したことで販売単価が下落し、収益にマイナス影響を受けた。工業分野では、第3四半期に入り、需要に回復の兆しが見られたものの、販売減少が続いた。この結果、事業全体で増収減益となった。

樹脂事業では、電気電子部品、機械部品、レジャー用途などで、中国や欧州において最終製品の需要低迷が続いた影響を受けたが、一方で自動車生産台数の回復により販売が増加した。接着剤、コーティング剤向け機能樹脂は堅調な販売状況であった。価格改定を実施した効果で第3四半期に入り採算改善は進んだが、前半の収益悪化を補うには至らなかった。この結果、事業全体で増収減益となった。

以上の結果、高分子事業セグメントの売上高は38,527百万円(前年同四半期比2.4%増)、営業利益は183百万円(同94.3%減)となった。

[機能資材事業セグメント]

機能資材事業セグメントでは、幅広い用途分野で販売減少が続いた。販売減少に伴う生産調整の影響で採算性が悪化した結果、減収減益、営業赤字となった。

活性炭繊維事業では、主力の浄水器用途の販売は国内向けでやや減少し、環境分野は電子分野の市況低迷の影響を受け、販売が減少した。

ガラス繊維事業では、産業資材分野の販売は引き続き堅調であった。電子材料分野のICクロスは、第3四半期に入り、一部の用途で回復が見られたが、全体での販売は減少した。販売減少に伴う自社工場の稼働減少が続き、採算が悪化した。

ガラスビーズ事業では、道路用途の販売は天候不順を背景とした道路工事減少の影響を引き続き受けて減少した。また、ブラスト用、フィラー用などの工業用途、および反射材用途についても需要低迷が続いた影響で販売が減少した。

不織布事業では、特にフィルターやスキンケア用などの生活資材用途および第一次産業向けの販売が減少した。価格改定を実施したが、原燃料価格や減産にともなうコストアップが上回り、収益が悪化した。

産業繊維事業では、ポリエステル短繊維の販売はフィルター用途を中心に回復したが、建設資材用途などのポリエステル高強力糸の販売は減少した。原燃料価格の高止まり影響等で収益は悪化した。

以上の結果、機能資材事業セグメントの売上高は25,003百万円(前年同四半期比4.6%減)、営業損失は2,047百万円(前年同四半期は51百万円の損失)となった。

[繊維事業セグメント]

衣料繊維事業では、主力のユニフォーム分野は第3四半期も堅調に推移したが、その他分野はやや苦戦した。グローバル事業は、前年比、回復基調にあるものの、産業資材事業は苦戦した。価格改定やコストダウンの効果により、採算改善は進み、前年対比で営業赤字は縮小した。

以上の結果、繊維事業セグメントの売上高は22,939百万円(前年同四半期比5.6%減)、営業損失は703百万円(前年同四半期は1,343百万円の損失)となった。

[その他]

その他の事業では、売上高は35百万円(前年同四半期比36.6%減)、営業損失は68百万円(前年同四半期は41百万円の損失)となった。

(2)経営方針・経営戦略等

当第3四半期連結累計期間において、当社グループが定めている経営方針・経営戦略等について重要な変更はない。

(3)優先的に対処すべき事業上及び財務上の課題

当第3四半期連結累計期間において、当社グループが優先的に対処すべき事業上及び財務上の課題について重要な変更はない。

(4)研究開発活動

当第3四半期連結累計期間におけるグループ全体の研究開発活動の金額は、2,676百万円である。

なお、当第3四半期連結累計期間において、当社グループの研究開発活動の状況に重要な変更はない。