売上高

利益

資産

キャッシュフロー

配当(単独)

ROE

EPS BPS




E30598 Japan GAAP


2 【経営者による財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローの状況の分析】

文中の将来に関する事項は、当四半期会計期間の末日現在において当社が判断したものであります。

(1)経営成績の状況

当第3四半期累計期間におけるわが国経済は、輸出が堅調に推移していることなどから、緩やかに拡大しております。一方で、為替や物価の動向に加え賃上げの動きが活発化しているため、日本銀行はイールドカーブ・コントロール(長短金利操作)を終了しました。また、国外に目を向けても、米国の大統領選挙における不確定要素や中国の景気の先行きに対する不安があることから、わが国経済の先行きに対する影響が懸念されております。

当社が属する不動産業界におきましては、2024年2月に公表された国土交通省の調査「主要都市の高度利用地地価動向報告」によれば、2023年第4四半期(2023年10月1日~2024年1月1日)の主要都市・高度利用地80地区の地価動向は、2023年第3四半期(2023年7月1日~2023年10月1日)に比べ、上昇が79地区、残る1地区が横ばいとなっております。

また、当社の主力事業である中古住宅の売買については、公益社団法人西日本不動産流通機構(西日本レインズ)に登録されている物件情報の集計結果である「市況動向データ」(2024年3月公表)によると、中古戸建住宅の成約状況は、中国地方が12月~2月累計で前年同四半期比15.7%増となりました。九州地方においては12月~2月累計で同18.4%増となりました。

このような環境の中、当社は、2023年7月に糸島店(福岡県糸島市)を出店したほか、不動産売買事業において新たな顧客管理システムを導入し、業務の効率化を図るなど、主力の不動産売買事業に注力いたしました。

この結果、当第3四半期累計期間の売上高は4,910,953千円(前年同四半期比6.8%減)となりました。売上高が減少したことに加え、システム関連費等の増加などにより、販売費及び一般管理費が前年同四半期を上回り、営業利益は123,231千円(同63.2%減)、経常利益は121,903千円(同63.4%減)、四半期純利益は84,033千円(同63.7%減)となりました。

 

セグメントごとの業績は、次のとおりであります。

①不動産売買事業

自社不動産売買事業については、自社不動産の販売件数が当第3四半期会計期間に98件と前年同四半期会計期間(82件)を16件上回りました。しかし、新築建売事業者の低価格施策の影響などを受けて、第2四半期累計期間の販売件数が前年同四半期を下回って推移したため、当第3四半期累計期間では280件(前年同四半期比33件減)にとどまりました。1件当たりの自社不動産の平均販売単価は、15,776千円と前年同四半期の15,216千円を上回りました。不動産売買仲介事業については、売買仲介件数が減少したものの、平均単価の上昇により売買仲介手数料は前年同四半期を上回りました。

これらの結果、不動産売買事業の売上高は4,680,206千円(前年同四半期比6.9%減)となりました。売上高の減少等から、営業利益は492,395千円(同24.7%減)となりました。

②不動産賃貸事業

不動産賃貸仲介事業については、賃貸仲介手数料及び請負工事高が前年同四半期を上回ったことから、売上高は前年同四半期を上回りました。不動産管理受託事業については、管理物件の受託件数が前年同四半期を上回り、管理料が前年同四半期を上回ったものの、請負工事高が減少したことから、売上高は前年同四半期を下回りました。自社不動産賃貸事業については、売上高は前年同四半期を上回りました。

これらの結果、不動産賃貸事業の売上高は149,142千円(前年同四半期比3.1%減)となりました。人件費及び広告宣伝費の増加などから、営業利益は23,085千円(同14.1%減)となりました。

 

③不動産関連事業

保険代理店事業については、火災保険の新規契約及び契約の更新需要の獲得を図ったほか、付保率の向上に努めましたが、売上高は前年同四半期を下回りました。

これらの結果、不動産関連事業の売上高は21,988千円(前年同四半期比12.2%減)となりました。売上高の減少等から、営業利益は9,674千円(同24.2%減)となりました。

④その他事業

介護福祉事業については、物品販売高が前年同四半期を上回ったものの、請負工事高が前年同四半期を下回ったため、売上高は前年同四半期を下回りました。

これらの結果、その他事業の売上高は59,616千円(前年同四半期比2.5%減)となりました。売上高の減少等から、営業損失1,449千円(前年同四半期は営業利益10千円)となりました。

 

(2)財政状態の状況

①資産

当第3四半期会計期間末の総資産合計は、6,708,042千円となり、前事業年度末に比べて1,039,421千円増加しました。流動資産は5,856,865千円となり、前事業年度末に比べて976,699千円増加しました。これは主として仕掛販売用不動産等が190,480千円減少した一方、自社不動産の販売件数が想定を下回ったことにより、販売用不動産等が1,089,564千円増加したことによるものであります。固定資産は、851,177千円となり、前事業年度末に比べて62,722千円増加しました。これは主として土地が73,779千円増加したことによるものであります。

②負債

当第3四半期会計期間末の負債合計は、2,647,923千円となり、前事業年度末に比べて1,053,583千円増加しました。流動負債は1,743,236千円となり、前事業年度末に比べて942,541千円増加しました。これは主として短期借入金が1,114,480千円増加したことによるものであります。固定負債は904,687千円となり、前事業年度末に比べて111,041千円増加しました。これは主として、長期借入金が106,489千円増加したことによるものであります。

③純資産

当第3四半期会計期間末の純資産合計は、4,060,119千円となり、前事業年度末に比べて14,162千円減少しました。これは主として、四半期純利益84,033千円を計上したものの、配当金の支払100,306千円があったことによるものであります。

以上の結果、自己資本比率は、前事業年度末の71.9%から60.5%となりました。

 

(3)資本の財源及び資金の流動性についての分析

①資金需要

当社は、主力の自社不動産売買事業において中古住宅等の仕入れ及びリフォーム工事の費用の支払等の資金需要が大きいことに加え、今後の選択肢としてリフォームできない中古住宅については更地もしくは新築住宅の建築も選択肢とする可能性も年々、大きくなっており、資金ニーズが高くなる傾向にあると考えております。さらに、収益性及び将来の転売等を視野に入れて収益物件を取得する必要があることも認識しております。また、営業人員を積極的に採用する方針であり、採用した従業員の研修にも注力していくことから、費用が今後、増える見通しであります。

営業人員の充実により当社の営業力が向上すると期待され、その後に、不動産売買事業の店舗の出店や移転に伴う費用の支出も予想されます。これらの資金の必要額は個別には大きくないものの、まとまると流動性の面で無視できないと考えます。

②財源

資金需要に対する財源としては、利益剰余金に加え、長期・短期の借入金を活用してまいります。当社は、資金需要の金額あるいは時期に応じて機動的な借り入れができるよう、金融情勢に注意を払いつつ、金融機関と良好な関係を継続してまいります。

 

 

(4)優先的に対処すべき事業上及び財務上の課題

当第3四半期累計期間において、当社の優先的に対処すべき事業上及び財務上の課題について重要な変更及び新たに生じた課題はありません。