売上高

利益

資産

キャッシュフロー

配当(単独)

ROE

EPS BPS




E30880 Japan GAAP


2 【経営者による財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローの状況の分析】

文中の将来に関する事項は、当四半期連結会計期間の末日現在において当社グループ(当社及び連結子会社)が判断したものであります。

 

(1) 経営成績の状況

当第2四半期連結累計期間における当社グループを取り巻く環境は、個人消費や雇用情勢が回復傾向を見せ、緩やかな回復基調が続いていますが、金融資本市場の変動、エネルギー価格の高止まりや原材料高騰による物価上昇等により、将来的な見通しは不透明な状態が継続しております。

このような事業環境の中、当社グループはDX(デジタルトランスフォーメーション)によって自社の事業変革と自社の属する不動産業界全体の変革を目指し、ビジョンとして「DXによって不動産ビジネスを変革し、デジタルとリアルを融合した唯一の不動産デジタルプラットフォーマーになる」を掲げております。ビジョン達成に導く3大方針を「DX推進による事業変革」「M&A推進など、非連続な業容拡大への取組み」「新たな不動産DXプロダクトの開発・販売による業界変革」とし、2026年6月期には、売上高500億円、営業利益30億円の経営成績を実現する計画を立てております。

当第2四半期連結累計期間において、主力の賃貸DXプロパティマネジメント事業は、管理戸数の増加を進めると同時に、次世代管理システム『AMBITION Cloud』により、管理受託や退去されるお部屋の物件募集までの生産性が向上したことに加え、リーシング力が向上した結果、過去最高の売上と営業利益を達成いたしました。

賃貸DX賃貸仲介事業は、DX施策及び繁忙期に向けた人員の増加により、売上高は増加した一方、人材及び店舗出店(前年同期比2店舗増)等の投資により、営業利益は減少いたしました。

売買DXインベスト事業は、当第2四半期連結累計期間において、順調に新築マンションの引渡しが完了いたしました。

新たな成長ドライバーである不動産DX事業は、主に入居者DXアプリ『AMBITION Me』の開発を進め、入居者の満足度とエンゲージメントの向上、LTV(顧客生涯価値)の最大化を実現いたします。また、M&Aやアライアンスの推進も積極的に検討しております。

その結果、当第2四半期連結累計期間の売上高は19,144,148千円(前年同期比11.3%増1,937,230千円増)、営業利益は990,332千円(前年同期比24.5%増195,082千円増)、経常利益は890,458千円(前年同期比20.3%増150,080千円増)、親会社株主に帰属する四半期純利益は535,088千円(前年同期比26.3%増111,348千円増)となりました。

 

 

セグメントの業績は次の通りであります。

 

(賃貸DXプロパティマネジメント事業)

当事業は、主に住居用不動産の転貸借(サブリース)を行う当社グループ主力の事業で、管理戸数の増加及び高入居率の維持を基本方針としております。不動産賃貸管理に関わるあらゆる業務をDXする『AMBITION Cloud』により、業務効率化と生産性向上を実現しております。

当第2四半期連結累計期間におきましては、管理戸数については25,522戸(前年同期比1,002戸増)、サブリース管理戸数については14,456戸(前年同期比646戸増)と順調に増加いたしました。

当第2四半期連結会計期間末時点のサブリース入居率は96.4%(前年同期末は97.2%)となりました。DX施策により、売上高・利益率共に大幅に増加しております。

その結果、売上高は9,866,789千円(前年同期比5.8%増538,833千円増)、セグメント利益(営業利益)は833,788千円(前年同期比32.7%増205,449千円増)となりました。

 

(賃貸DX賃貸仲介事業)

当事業は、当社の管理物件を中心に賃貸物件の仲介事業を行っております。子会社のアンビション・エージェンシー(『ルームピア』を運営)、及び同アンビション・バロー(『バロー』を運営)にて、都内9店舗、神奈川県8店舗、埼玉県1店舗の計18店舗を展開しております。当事業のリーシング力の高さが主力のプロパティマネジメント事業における高入居率の維持に貢献しております。

当第2四半期連結累計期間におきましては、AI×RPAツール『ラクテック』の活用により、引き続き入力業務の人員抑制・反響数のアップに取り組んでおります。また、広告戦略の強化によるWEB集客、リモート接客・VR内見などの集客施策に加え、ブロックチェーン(分散型台帳)技術を活用した当社独自の電子サイン『AMBITION Sign』による電子契約パッケージなどの非対面サービスの強化により、お部屋探しにおける顧客の体験価値向上を実現しております。当該施策及び繁忙期に向けた人員の増加(前年同期比46名増)、人材育成が奏功したことにより、売上高は増加した一方、人材及び店舗出店(前年同期比2店舗増)等の投資により、セグメント損失は拡大しました。

その結果、売上高は359,523千円(前年同期比9.9%増32,423千円増)、セグメント損失(営業損失)は70,487千円(前年同期は56,816千円のセグメント損失)となりました。

 

(売買DXインベスト事業)

当事業は、「立地」「デザイン」「設備仕様」にこだわった自社開発の新築投資用デザイナーズマンション販売を中心に展開する子会社のヴェリタス・インベストメント(以下、ヴェリタス)と、多様なルートからの物件仕入れ力により、立地を重視した分譲マンションのリノベーション販売を中心に展開する当社インベスト部で行っております。

当第2四半期連結累計期間におきましては、計画通りに進捗し、当第2四半期連結累計期間の売却戸数はヴェリタス139戸(前年同期比17戸減)、当社インベスト部は、堅実にリスクを見据えた上での仕入れを強化するとともに、高い在庫回転率を維持しており、当第2四半期連結累計期間の売却戸数は48戸(前年同期比8戸増)となりました。

その結果、売上高は8,426,361千円(前年同期比15.3%増1,118,112千円増)、セグメント利益(営業利益)は1,200,621千円(前年同期比9.8%増107,425千円増)となりました。

 

(インキュベーション事業)

当事業は、当社グループと親和性の高い事業を行うベンチャー企業への投資、資本業務提携、投資先企業の支援などを子会社アンビション・ベンチャーズが行っております。

当第2四半期連結会計期間末時点では、30社のベンチャー企業に投資を行っております。当第2四半期連結累計期間におきましては、新たに2社への投資を実行いたしました。当第2四半期連結累計期間においては、投資有価証券の一部を売却しております。

その結果、売上高は2,349千円(前年同期比335.8%増1,810千円増)、セグメント損失(営業損失)は12,163千円(前年同期は36,341千円のセグメント損失)となりました。

 

(その他事業)

不動産DX事業(システム開発の海外子会社を含む)、少額短期保険事業、ZEH・ライフライン事業を総じて、その他事業としております。

不動産DX事業では、賃貸管理の次世代管理システム『AMBITION Cloud』を海外子会社のアンビションベトナムなどで開発し、社内DXを優先して推進しております。賃貸DXプロパティマネジメント事業は『AMBITION Cloud』により、契約進捗管理、修繕管理、募集管理等、不動産賃貸管理業務に係る様々なシステムを開発しており、大幅な業務効率化と生産性向上を実現しております。また、IT重説とブロックチェーン(分散型台帳)技術を活用した当社独自の電子サイン『AMBITION Sign』との連携による電子契約パッケージを賃貸DX事業に提供しております。さらに、入居者DXアプリ『AMBITION Me』の開発を進め、入居・更新・退去に至るまでお客様とつながり続けることで、提供を開始したオンライン診療など様々なサービスを提供することが可能となり、新たな事業展開を見込んでおります。

当第2四半期連結累計期間においては、『AMBITION Me』により、オンライン診療の提供を開始いたしました。また、『AMBITION Me』に『Generative AI』を活用したFAQの機能を拡充するなど、新たな技術を活用しております。当社グループ初のBtoCマッチングサービスであるお部屋探しアプリ『ルムコン』は、登録ユーザー数を36,060ユーザー(前年同期比138.2%増)と伸長しております。少額短期保険事業では、当第2四半期連結累計期間におきましても順調に新規契約を獲得するとともに、申込みから支払いまでペーパーレスで完結できる当社子会社開発システム『MONOLITH(モノリス)』によって当社グループのDX推進の一端を担っております。ZEH・ライフライン事業では、蓄電池、太陽光発電、外壁塗装など電力創出・省エネルギー設備の営業を行うZEH(Net Zero Energy House)事業と電気・ガス提供会社の開設・切替の取り次ぎ、ウォーターサーバーなどの営業を行うライフライン事業を子会社の株式会社DRAFTにて行っております。弊社管理物件の入居者や賃貸仲介の顧客に対しサービス提供を行うなど、賃貸DX事業とのシナジー効果を創出しております。

その結果、売上高は489,124千円(前年同期比101.2%増246,049千円増)、セグメント損失(営業損失)は30,938千円(前年同期は66,676千円のセグメント損失)となりました。

 

 

(2) 財政状態の状況

当第2四半期連結会計期間末の総資産は23,453,148千円となり、前連結会計年度末に比べ2,936,561千円増加いたしました。これは主に、販売用不動産4,255,821千円土地679,249千円、建物及び構築物が404,424千円増加し、仕掛販売用不動産2,868,725千円のれん87,623千円投資有価証券28,059千円減少したことによるものであります。

負債合計は18,446,843千円となり、前連結会計年度末に比べ2,531,199千円増加いたしました。これは主に短期借入金1,513,482千円長期借入金1,430,221千円営業未払金752,377千円増加し、1年内返済予定の長期借入金1,317,919千円未払費用60,186千円1年内償還予定の社債47,500千円減少したことによるものであります。

純資産合計は5,006,305千円となり、前連結会計年度末に比べ405,361千円増加いたしました。これは主に利益剰余金383,928千円その他有価証券評価差額金20,613千円増加したことによるものであります。

 

(3) キャッシュ・フローの状況

当第2四半期連結累計期間における現金及び現金同等物の残高は、前連結会計年度末に比べて118,317千円増加し、5,689,946千円となりました。

各活動区分別のキャッシュ・フローの状況及び主な要因は以下のとおりであります。

(営業活動によるキャッシュ・フロー)

当第2四半期連結累計期間における営業活動によるキャッシュ・フローは、925,541千円の収入(前年同期は800,356千円の収入)となりました。主なプラス要因は、仕掛販売用不動産の減少2,868,725千円税金等調整前四半期純利益890,458千円、仕入債務の増加750,967千円であり、主なマイナス要因は、販売用不動産の増加3,625,306千円法人税等の支払額324,366千円利息の支払額74,417千円によるものであります。

(投資活動によるキャッシュ・フロー)

当第2四半期連結累計期間における投資活動によるキャッシュ・フローは、2,218,285千円の支出(前年同期は1,207,159千円の支出)となりました。主なマイナス要因は、有形固定資産の取得1,996,611千円、差入保証金の差入137,842千円無形固定資産の取得77,302千円であり、主なプラス要因は、定期預金の払戻10,000千円があったこと等によるものであります。

(財務活動によるキャッシュ・フロー)

当第2四半期連結累計期間における財務活動によるキャッシュ・フローは、1,412,211千円の収入(前年同期は213,417千円の収入)となりました。主なプラス要因は、長期借入れ2,767,300千円、短期借入れ1,513,482千円であり、主なマイナス要因は、長期借入金の返済2,654,997千円があったこと等によるものであります。

 

(4) 会計上の見積り及び当該見積りに用いた仮定

前事業年度の有価証券報告書に記載した「経営者による財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローの状況の分析」中の会計上の見積り及び当該見積りに用いた仮定の記載について重要な変更はありません。

 

(5) 優先的に対処すべき事業上及び財務上の課題

当第2四半期連結累計期間において、優先的に対処すべき事業上及び財務上の課題について、重要な変更及び新たに生じた課題はありません。

 

(6) 研究開発活動

該当事項はありません。