売上高

利益

資産

キャッシュフロー

配当

ROE 自己資本利益率

EPS BPS




E00872 IFRS


2【経営者による財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローの状況の分析】

文中の将来に関する事項は、当中間連結会計期間の末日現在において帝人グループが判断したものです。

 (1) 財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローの状況

 

  1) 経営成績

 帝人グループの当中間連結会計期間の経営成績は、売上収益が前年同期比で11.1%減の4,510億円となり、事業利益(注)は同30.0%減の130億円となりました。また、アラミド事業での減損損失の計上等により営業損失は541億円、親会社の所有者に帰属する中間損失は548億円となりました。事業利益は、マテリアル事業領域での競争激化やアラミド事業での大型定修の影響により減益となりました。繊維・製品事業では、概ね販売量は堅調に推移したものの、若干の減益となりました。ヘルスケア事業では、在宅医療機器のレンタル台数の増加により増益となりました。

(注)事業利益は、営業利益に持分法による投資損益を加算し、非経常的な損益(持分法による投資損益のうち金融損益や減損損失等の非経常的な損益を含む)を除いて算出しています。

 当中間連結会計期間におけるセグメントごとの経営成績は次のとおりです。

 

◆マテリアル事業領域:複合成形材料事業の収益性の改善および前年度の減損に伴う償却費減少等が収益に寄与しました。一方、アラミド事業の大型定修影響の他、競争環境の激化による販売価格の低下等の影響を受けました。

 売上収益は1,876億円と前年同期比469億円の減収(20.0%減)、事業損失は16億円と前年同期比33億円の減益となりました。

 アラミド事業では、主力のパラアラミド繊維「トワロン」において、欧州の自動車市場の回復遅れや、防弾防護用途における顧客のプロジェクト遅延等が影響しました。産業用途での拡販により販売量は増加しましたが、価格競争が厳しさを増している光ファイバー向け用途の比率が高まり、販売構成が悪化しました。加えて、第1四半期の大型定修による操業度低下もあり、前年同期比で減収・減益となりました。アラミド事業は、現在実行中の抜本的なコスト構造改革により、早期に基礎収益力を回復させることを目指しています。

 樹脂事業では、主力のポリカーボネート樹脂において、中国景気の低調が継続し、販売量が減少しました。競争環境は引き続き厳しく、販売価格は低下しましたが、原料価格も低下し、スプレッドは概ね横ばいとなりました。結果、前年同期比減収・減益となりました。

 炭素繊維事業では、航空機向け用途において、サプライチェーン上の制約が継続し、販売量が減少しました。産業用途では、欧州経済の低迷や競争環境の激化により、販売量が減少しました。また、汎用品を中心とした販売価格の低下が継続し、前年同期比減収・減益となりました。炭素繊維事業においても、収益力の改善に向け、抜本的なコスト構造改革を実行しています。

 複合成形材料事業では、北米事業における収益性の改善および前年度の減損に伴う償却費減少等が収益に寄与しました(北米事業は、2025年7月1日に株式譲渡完了)。欧州では、自動車市場の減速を受け、一部車種での需要減により販売量が減少しました。結果、前年同期比減収・増益となりました。

 

◆繊維・製品事業:衣料繊維分野、産業資材分野ともに堅調な販売を維持しました。

 売上収益は1,704億円と前年同期比35億円の減収(2.0%減)、事業利益は90億円と前年同期比11億円の減益(11.2%減)となりました。

 衣料繊維分野では、北米向けテキスタイルや国内および中国向け衣料品の販売が堅調に推移しました。産業資材分野では、自動車関連用途で需要回復遅れの影響がありましたが、水処理フィルター向けのポリエステル短繊維やテレビ通販での生活雑貨の販売が好調を維持しました。

 

◆ヘルスケア事業:在宅医療機器はレンタル台数が堅調に推移、医薬品「オスタバロ」、「ソマチュリン」、「ゼオマイン」も順調に販売量を拡大しました。一方で、後発医薬品の浸透、薬価改定、在宅医療でのコスト増などの影響を受けました。

 売上収益は684億円と前年同期比9億円の減収(1.3%減)、事業利益は71億円と前年同期比17億円の増益(31.2%増)となりました。

 医薬品分野では、後発品の浸透加速および長期収載品を中心とした2025年4月の薬価改定が収益に影響しました。一方で、「オスタバロ」、「ソマチュリン*1」、「ゼオマイン*2」が順調に販売量を拡大しました。

*1 先端巨大症・下垂体性巨人症/甲状腺刺激ホルモン産生下垂体腫瘍/膵・消化管神経内分泌腫瘍治療剤 ソマチュリン®/Somatuline®は、Ipsen Pharma(仏)の登録商標です。

*2 上肢・下肢痙縮治療剤 ゼオマイン®/Xeomin®は、Merz Pharma GmbH &Co, KGaA(独)の登録商標です。

 在宅医療機器分野では、在宅持続陽圧呼吸療法(CPAP)市場において、検査数の増加に伴い新規処方件数の拡大が継続し、レンタル台数は堅調に増加しました。一方、新機台投入に伴う償却費や消耗品の使用量増加に伴うコスト負担が増大しました。また、在宅酸素療法(HOT)市場では、全体としてはレンタル台数が微減となりましたが、2023年上市の携帯型酸素濃縮装置新機種「ハイサンソポータブルαⅢ」のレンタル台数が増加しました。

 また、糖尿病治療剤の販売権減損処理に伴う償却費減、および事業構造転換の推進に伴う固定費削減効果が発現しました。

 

◆その他(電池部材・メンブレン分野、再生医療・埋込医療機器分野等)

 売上収益は247億円と前年同期比52億円の減収(17.2%減)、事業利益は33億円と前年同期比22億円の減益(39.6%減)となりました。

 電池部材・メンブレン分野は、販売好調により収益が伸長しました。

 再生医療分野は概ね堅調に推移し、埋込医療機器分野では、人工関節等の事業を営んでいた帝人ナカシマメディカル(株)の株式を売却したことにより、同社が連結対象から外れましたが、帝人メディカルテクノロジー(株)が営む吸収性骨接合材等の事業は着実に伸長しました。

 

2) 財政状態

当中間連結会計期間末の資産合計は、前期末に比べ933億円減少し、9,680億円となりました。帝人ナカシマメディカル株式会社(以下、帝人ナカシマメディカル)及びTeijin Automotive Technologies NA Holdings Corp.(以下、TAT)株式の譲渡により売却目的で保有する資産が減少したほか、償却ならびに減損により有形固定資産や無形資産が減少しました。

負債合計は、前期末に比べて402億円減少し、5,826億円となりました。帝人ナカシマメディカル及びTAT株式の譲渡により売却目的で保有する資産に直接関連する負債が減少しました。

資本合計(非支配持分を含む)は、減損損失による中間損失の計上等により、前期末に比べて531億円減少し、3,854億円となりました。

なお、当中間期末のBS換算レートは、149円/米ドル、174円/ユーロ、1.17米ドル/ユーロ(前期末150円/米ドル、162円/ユーロ、1.08米ドル/ユーロ)となっています。

 

3)キャッシュ・フローの状況

当中間連結会計期間の営業活動によるキャッシュ・フローは、減損損失や減価償却費等の非資金性費用を除いた利益により、合計で389億円の収入(前期は232億円の収入)となりました。

投資活動によるキャッシュ・フローは、設備投資の実施等により、312億円の支出(前期は307億円の支出)となりました。

この結果、営業活動に投資活動を加えたフリー・キャッシュ・フローは77億円の収入(前期は75億円の支出)となりました。

財務活動によるキャッシュ・フローは、短期借入金の増加があった一方、長期借入金の返済や配当の支払により、95億円の支出(前期は347億円の収入)となりました。

これらの結果、現金及び現金同等物に係る換算差額等も加え、当中間期における最終的な現金及び現金同等物の増加額は34億円となりました。

 

(2) 優先的に対処すべき事業上及び財務上の課題

当中間連結会計期間において、帝人グループの経営方針、経営戦略及び対処すべき課題等について重要な変更はありません。

 

(3) 会社の支配に関する基本方針

当中間連結会計期間において、帝人グループの財務及び事業の方針の決定を支配する者の在り方に関する基本方針について重要な変更はありません。

 

(4) 会計上の見積り及びその仮定

当中間連結会計期間において、帝人グループの会計上の見積り及び当該見積りに用いた仮定について重要な変更はありません。

 

(5) 研究開発活動

当中間連結会計期間における当社及び連結子会社の研究開発活動の金額は、151億円です。

なお、当中間連結会計期間において、研究開発活動の状況に重要な変更はありません。