売上高

利益

資産

キャッシュフロー

配当(単独)

ROE

EPS BPS




E00877 Japan GAAP


2 【経営者による財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローの状況の分析】

文中の将来に関する事項は、当四半期連結会計期間の末日現在において当社グループが判断したものです。なお、2022年10月31日(米国東部時間)に行われたFocus Plumbing LLC、Focus Framing, Door & Trim LLC、Focus Electric LLC、Focus Concrete, LLC及びFocus Fire Protection LLCとの企業結合について前連結会計年度において暫定的な会計処理を行っていましたが、第1四半期連結会計期間に確定したため、前年同四半期連結累計期間及び前連結会計年度末との比較・分析にあたっては、暫定的な会計処理の確定による見直し後の金額を用いています。

 

(1) 経営成績の状況

当社グループの当第3四半期連結累計期間における連結業績は、売上高は2兆641億円となり前年同四半期連結累計期間比(以下、「前年同期比」)237億円の増収営業利益は985億円で前年同期比176億円の減益経常利益は905億円で前年同期比211億円の減益親会社株主に帰属する四半期純利益は586億円で前年同期比72億円の減益となりました。

 

(セグメント別概況)

当社グループの3つの報告セグメント「マテリアル」「住宅」「ヘルスケア」及び「その他」に区分してご説明します。
 売上高は、「マテリアル」で中国を中心とした想定以上の需要減速や市況下落の影響を受けましたが、「住宅」、「ヘルスケア」が堅調に推移し、増収となりました。営業利益は、「住宅」が堅調に推移しましたが、「マテリアル」で需要減速や在庫受払差等の影響を受けたほか、「ヘルスケア」は、クリティカルケア事業で業績回復した一方、医薬・医療事業における費用増加や買収影響が大きく、前年同期比で減益となりました。

 

「マテリアル」セグメント

売上高は9,391億円で前年同期比668億円の減収となり、営業利益は308億円で前年同期比180億円の減益となりました。

前期のPolypore減損に伴う広義ののれん(無形固定資産・のれん)の償却費の減少効果がありましたが、「マテリアル」全体が中国を中心に想定以上の需要減速による影響を受け、販売量が減少しました。また、基盤マテリアル事業においては、在庫受払差等の影響も受けました。以上のことなどから、全体では減収・減益となりました。

 

「住宅」セグメント

売上高は7,027億円で前年同期比521億円の増収となり、営業利益は573億円で前年同期比51億円の増益となりました。

住宅事業においては、建築請負部門が物件の高付加価値化による平均単価の上昇や固定費の削減が進んだものの、資材価格の高騰や工事数量の減少により減益となりましたが、不動産部門、リフォーム部門、海外事業部門において増益となりました。海外事業部門は、北米はFocusの新規連結による業績寄与がありましたが、木材市況下落に対し高い売値を維持できた前年度に対して収益率が悪化し減益となった一方、豪州は価格転嫁の進捗によって利益率が改善しました。建材事業においては、断熱材を中心に価格転嫁が進捗し、増益となりました。以上のことなどから、全体では増収・増益となりました。

 

 

「ヘルスケア」セグメント

売上高は4,120億円で前年同期比379億円の増収となり、営業利益は356億円で前年同期比16億円の減益となりました。

クリティカルケア事業においては、除細動器の価格転嫁の進捗や、部材調達難の改善に伴いAEDの販売量が増加したこと、また、LifeVestの保険償還状況の改善により増益となりました。一方、医薬・医療事業においては、Envarsus XRが好調に販売数量を伸ばしましたが、販管費の増加や、前年同期に計上されたライセンスの一時金収入の減少、Bionovaの新規連結による減益影響等により、減益となりました。以上のことなどから、全体では増収・減益となりました。

 

「その他」

売上高は104億円で前年同期比5億円の増収となり、営業利益は22億円で前年同期比3億円の減益となりました。

 

(2) 財政状態の状況

当第3四半期連結会計期間末の総資産は、現金及び預金が1,070億円、有形固定資産が309億円、受取手形、売掛金及び契約資産が307億円、投資有価証券が245億円増加したことなどから、前連結会計年度末に比べて1,968億円増加し、3兆6,507億円となりました。

負債は、未払費用が225億円減少したものの、有利子負債(リース債務除く)が1,022億円、支払手形及び買掛金が232億円増加したことなどから、前連結会計年度末に比べて1,105億円増加し、1兆8,690億円となりました。

純資産は、配当金の支払が500億円あったものの、為替換算調整勘定が738億円増加したことや親会社株主に帰属する四半期純利益を586億円計上したことなどから、前連結会計年度末に比べて863億円増加し、1兆7,816億円となりました。

この結果、自己資本比率は47.8%となりました。

 

 

(3) キャッシュ・フローの状況

当第3四半期連結累計期間における営業活動によるキャッシュ・フローは1,709億円の収入、投資活動によるキャッシュ・フローは1,167億円の支出となり、フリー・キャッシュ・フロー(営業活動によるキャッシュ・フローと投資活動によるキャッシュ・フローの合計)は542億円の収入となりました。財務活動によるキャッシュ・フローは400億円の収入となり、これらに加え、現金及び現金同等物に係る換算差額による増加140億円、会社分割に伴う現金及び現金同等物の減少24億円がありました。以上の結果、現金及び現金同等物の当第3四半期連結累計期間末の残高は、前連結会計年度末に比べ1,057億円増加し、3,536億円となりました。

 

(営業活動によるキャッシュ・フロー)

当第3四半期連結累計期間における営業活動によるキャッシュ・フローは、法人税等の支払327億円、未払費用の減少256億円、売上債権及び契約資産の増加189億円などの支出があったものの、減価償却費1,129億円、税金等調整前四半期純利益950億円、のれん償却額220億円、仕入債務の増加166億円などの収入があったことから、1,709億円の収入(前年同四半期連結累計期間比1,697億円の収入の増加)となりました。

 

(投資活動によるキャッシュ・フロー)

当第3四半期連結累計期間における投資活動によるキャッシュ・フローは、投資有価証券の売却による収入181億円、事業譲渡による収入73億円などの収入があったものの、有形固定資産の取得による支出1,082億円、無形固定資産の取得による支出189億円、貸付けによる支出122億円などの支出があったことから、1,167億円の支出(前年同四半期連結累計期間比867億円の支出の減少)となりました。

 

(財務活動によるキャッシュ・フロー)

当第3四半期連結累計期間における財務活動によるキャッシュ・フローは、配当金の支払500億円、社債の償還による支出400億円、長期借入金の返済による支出174億円、リース債務の返済による支出61億円などの支出があったものの、長期借入れによる収入655億円、社債の発行による収入600億円、コマーシャル・ペーパーの増加160億円、短期借入金の増加131億円などの収入があったことから、400億円の収入(前年同四半期連結累計期間比1,929億円の収入の減少)となりました。

 

(4) 研究開発活動

当第3四半期連結累計期間における当社及び連結子会社の研究開発活動の金額は、78,829百万円です。

なお、当第3四半期連結累計期間において当社グループの研究開発活動の状況に重要な変更はありません。