売上高

利益

資産

キャッシュフロー

配当(単独)

ROE

EPS BPS




E33777 Japan GAAP


2【経営者による財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローの状況の分析】

文中の将来に関する事項は、当四半期連結会計期間の末日現在において当社グループ(当社及び連結子会社)が判断したものであります。

 

(1)経営成績の状況

当第3四半期連結累計期間における我が国経済は、品質不正問題による自動車関連産業の生産減少の影響を受け、製造業において景況感が若干悪化したものの、堅調な業績を背景に半導体などの成長産業や人手を補う省力化に向けた設備投資計画が旺盛であることから、先行きの景況感も良好な状態が期待されます。一方で、中東情勢の緊迫化や強い米国景気を背景にした世界的なインフレの長期化懸念によって、日本企業の業績への影響が懸念されております。

このような経済環境のもと当社グループは、オプティカル事業、ライフサイエンス・機器開発事業及びその他事業(電子科学株式会社)という独自の技術を利用した3つの事業により、経営基盤の強化と拡充に努めてまいりました。

この結果、当第3四半期連結累計期間における経営成績は、売上高803,648千円(前年同四半期比27.6%減)、営業損失287,228千円(前年同四半期は31,803千円の利益)、経常損失269,198千円(前年同四半期は90,477千円の利益)、親会社株主に帰属する四半期純損失206,099千円(前年同四半期は42,648千円の利益)となりました。

 

セグメントの経営成績は、次の通りであります。

(オプティカル事業)

当第3四半期連結累計期間は、国内(施設:SPring-8、NanoTerasu)向けの案件が中心となり、アメリカ(施設:APS)、ヨーロッパ(施設:ESRF、Eu-XFEL)、中国(施設:HEPS、SSRF)などの各施設向け案件が業績に寄与いたしました。

当社の主な販売先である国内外の放射光施設やⅩ線自由電子レーザー施設における需要については、国内の放射光施設をはじめ、欧米及び中国の放射光施設においてバージョンアップや新設計画が順調に展開しており、受注活動も良好に推移している状況にあります。特に中国、台湾、韓国においては、新設計画やバージョンアップの案件のみならず、リプレイス案件の需要も高まっており、アジア市場は全般的に中長期的な成長が見込まれる良好な環境となっております。

新設計画やバージョンアップの案件において需要の高い高精度品につきましては、研究開発要素が多く含まれていることから、製造工数が上昇傾向にあるため、適切な生産管理の実施によって工期短縮を図りつつ、高い品質の維持と生産性の向上に努めております。

また、これまでの主たる取引先である大学や公的研究機関との更なる取引拡大はもとより、当社の独自技術を応用したX線ナノ集光ミラー以外の産業分野における市場開拓を模索しており、長期成長戦略の最終年度である2030年に向けて、次世代半導体関連分野や宇宙関連分野への適用を計画しております。直近におきましては企業を対象とした営業展開を活発化させており、可視光・レーザー・Ⅹ線領域の高精度光学素子に対する問合せが増加していることから、新規分野での企業間取引拡大に力を注いでまいります。

この結果、売上高は396,624千円(前年同四半期比45.3%減)、セグメント利益は4,081千円(前年同四半期比98.3%減)となりました。

 

(ライフサイエンス・機器開発事業)

当第3四半期連結累計期間は、ライフサイエンス関連では装置メンテナンス、消耗品販売、受注生産装置、機器開発関連では受注生産装置改良や次世代加工・研磨装置を使用したテスト加工の案件などが業績に寄与いたしました。

重点新規事業分野である各半導体材料を対象としたナノ表面加工技術を応用した装置事業につきましては、触媒基準エッチング法(CARE)、プラズマ援用研磨法(PAP)、プラズマ化学気相化加工法(PCVM)に加え、陽極酸化反応を活用した高効率な表面研磨技術である「電気化学機械研磨技術(ECMP)」を搭載した装置の開発および製品化を推進しております。

今後期末に向けて、機器開発事業の重点新規事業分野として掲げる次世代加工・研磨装置を中心に、ライフサイエンス事業における汎用型自動細胞培養装置や各種培養装置の受注および販売活動を推進しております。特に、当社が更なる成長を遂げるための原動力となる新規事業分野の実績を確立するため、中長期的成長に向けた技術基盤確立と販売力強化を図っております。

この結果、売上高は66,862千円(前年同四半期比18.5%増)、セグメント損失は85,972千円(前年同四半期は88,109千円の損失)となりました。

 

(その他事業)

その他事業である子会社の電子科学株式会社の売上構成は、装置販売(TDS:昇温脱離分析装置)、装置のメンテナンス業務、受託分析業務の3つに分かれますが、受注金額が大きくなる主力事業の装置販売において5件(販売先:国内2件、韓国2件、台湾1件)の案件が業績に寄与いたしました。

現在、電子科学株式会社の分析技術と当社の自動化技術との連携を行い、新しい製品の企画、創出に注力しており、営業活動においても対象マーケットの幅を広げるため、当社のチャネルを活用して収益機会の拡大を図っております。

研究開発と販売の両面でグループ企業としての強みを活かし、新たな市場に製品投入することで新規顧客の開拓を進め、収益力の拡大に努めております。

この結果、売上高は340,561千円(前年同四半期比3.8%増)、セグメント利益は39,065千円(前年同四半期比56.6%減)となりました。

 

(2)財政状態の状況

(資産)

当第3四半期連結会計期間末における流動資産は1,288,817千円となり、前連結会計年度末に比べ388,498千円減少いたしました。これは主に、仕掛品が101,622千円、その他流動資産が81,606千円の増加となった一方で、現金及び預金が208,678千円、売掛金が406,720千円の減少となったことによるものとなります。固定資産は1,864,700千円となり、前連結会計年度末に比べ76,997千円増加いたしました。これは主に、のれんの償却により31,787千円減少した一方で、繰延税金資産が81,394千円、機械装置及び運搬具が14,102千円、投資有価証券が14,301千円増加したことによるものであります。

この結果、総資産は3,153,517千円となり、前連結会計年度末に比べ311,501千円減少いたしました。

 

(負債)

当第3四半期連結会計期間末における流動負債は385,593千円となり、前連結会計年度末に比べ65,840千円減少いたしました。これは主に、契約負債が45,288千円増加した一方で、買掛金が47,077千円、未払法人税等が63,494千円の減少となったことによるものであります。固定負債は476,839千円となり、前連結会計年度末に比べ57,837千円減少いたしました。これは主に約定返済によって長期借入金が56,592千円減少したことによるものであります。

この結果、負債合計は862,432千円となり、前連結会計年度末に比べ123,677千円減少いたしました。

 

(純資産)

当第3四半期連結会計期間末における純資産合計は2,291,085千円となり、前連結会計年度末に比べ187,823千円減少いたしました。これは主に利益剰余金が206,099千円減少したことによるものであります。

 

(3)経営方針・経営戦略等

当第3四半期連結累計期間において、当社グループが定めている経営方針・経営戦略等について重要な変更はありません。

 

(4)優先的に対処すべき事業上及び財務上の課題

当第3四半期連結累計期間において、当社グループが優先的に対処すべき事業上及び財務上の課題について重要な変更はありません。

 

(5)研究開発活動

当第3四半期連結累計期間におけるグループ全体の研究開発活動の金額は、218,035千円であります。

なお、当第3四半期連結累計期間において、当社グループの研究開発活動の状況に重要な変更はありません。