岐セン株式会社

上場廃止 (2004/03/01) 上場廃止基準に該当 繊維製品繊維

売上高

利益

資産

キャッシュフロー

配当(単独)

ROE

EPS BPS




E00598 Japan GAAP


3【経営者による財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローの状況の分析】

 

(1)経営成績等の状況の概要

 当中間連結会計期間における当社グループの財政状態、経営成績及びキャッシュ・フロー(以下、「経営成績等」という。)の状況の概要は次のとおりである。

 

①財政状態及び経営成績の状況

 当中間連結会計期間におけるわが国の経済は、新型コロナウイルス感染症も「5類」に移行し経済活動・社会活動が活性化し、海外からのインバウンド需要もあり回復基調で進んだ。一方でウクライナ紛争の長期化の影響により、エネルギー価格及び原材料価格の高騰、円安の進行は物価上昇を誘発して、先行きは依然として不透明な状況が続いている。

 繊維業界も百貨店を中心に衣料販売が回復基調で推移した。しかしながら原材料の高止まりは生産コスト高となり業界を取り巻く環境は、依然予断を許さない状況が続いている。

 このような経済環境の下、当社グループにおいて、提出会社である岐セン株式会社は、早期の黒字化を図るべく事業再構築を目標に掲げ、不採算品の縮小・撤退を念頭に置きながら価格交渉を実施し、市況状況を的確に把握し得意とする商品をタイムリーな開発とサスティナビリティをキーワードにした提案で受注強化してきた。また、3S活動を継続して省エネ・工程改善など費用削減に注力してきた。

 この結果、当中間連結会計期間の財政状態及び経営成績は以下のとおりである。

 

a.財政状態

 当中間連結会計期間末の資産合計は、前期末比73百万円減少し、9,318百万円となった。

 当中間連結会計期間末の負債合計は、前期末比108百万円減少し、6,195百万円となった。

 当中間連結会計期間末の純資産合計は、前期末比35百万円増加し、3,122百万円となった。

 

b.経営成績

 当中間連結会計期間の経営成績は、売上高2,708百万円(前年同期比2.4%減)、営業利益40百万円(前年同期 営業損失92百万円)、経常利益49百万円(前年同期 経常損失16百万円)、親会社株主に帰属する中間純利益47百万円(前年同期 親会社株主に帰属する中間純損失480百万円)となった。

 セグメントごとの経営成績は次のとおりである。

 

染色整理関連事業

 ファッション関係は、ニット起毛商品が堅調に推移し、得意とする春夏商品がアパレル別注を中心に早期に立上りをみせた。ユニフォーム関係は、企業別注を中心に成約が好調に推移し、中東民族衣装も円安効果もあり大きく受注を伸ばした。人工皮革は、車両用途のスポット商品の失注が響き大幅減少となった。この結果、売上高は前年同期比204百万円増(16.5%増)の1,443百万円となった。テキスタイル販売においては、中国向けを中心に欧米向け輸出の成約が堅調に進み、売上高は前年同期比19百万円増(9.8%増)の213百万円となった。また、木材突き板染色加工では、新規自工メーカーの車両部材の生産・販売を開始したことにより、売上高は前年同期比89百万円増(9.6倍)の99百万円となった。ステープル加工事業においては、需要増に伴う安定生産ができたことにより、売上高は、1百万円増(3.7%増)の40百万円となった。

 以上の結果、売上高は前年同期比314百万円増(21.2%増)の1,803百万円、セグメント利益は31百万円(前年同期 セグメント損失206百万円)となった。

 

発電事業

 発電事業においては、県下において2ヶ所の同業者が操業を開始したことに加え、円安傾向のため製紙業界も国産材へシフトしたこともあり、燃料調達に苦慮し、操業度が前年同期に対して大幅に悪化した結果、売上高は前年同期比382百万円減(29.7%減)の905百万円となった。セグメント利益は、104百万円減の9百万円となった。

 

②キャッシュ・フローの状況

 当中間連結会計期間末における現金及び現金同等物(以下「資金」という。)は、前年同期比92百万円増の945百万円となった。

 

 当中間連結会計期間における各キャッシュ・フローの状況とそれらの要因は次のとおりである。

 

(営業活動によるキャッシュ・フロー)

 当中間連結会計期間における営業活動による資金収支は339百万円(前中間連結会計期間193百万円)となった。

 これは主に、税金等調整前中間純利益が50百万円、減価償却費が261百万円あったこと等によるものである。

 

(投資活動によるキャッシュ・フロー)

 当中間連結会計期間における投資活動による資金収支は△53百万円(前中間連結会計期間△110百万円)となった。

 これは主に、投資有価証券の取得による支出が400百万円、投資有価証券の償還による収入が350百万円あったこと等によるものである。

 

(財務活動によるキャッシュ・フロー)

 当中間連結会計期間における財務活動による資金収支は△241百万円(前中間連結会計期間△246百万円)となった。

 これは主に、長期借入金の約定返済が167百万円、リース債務の返済が72百万円あったこと等によるものである。

 

③生産、受注及び販売の実績

 当社グループは、染色整理関連事業(織物・編物・不織布の染色加工と付帯業務及び木材突き板染色加工)、発電事業を営んでいる。

 

a.生産実績

 当中間連結会計期間の生産実績をセグメントごとに示せば次のとおりである。

セグメントの名称

区分

当中間連結会計期間

(自 2023年4月1日

至 2023年9月30日)

前年同期比(%)

金額(千円)

染色整理関連事業

織物の染色加工

1,133,522

126.1

編物の染色加工

142,855

116.6

不織布の染色加工

121,553

74.8

木材突き板染色加工

99,572

959.0

その他

40,972

103.7

1,538,474

124.7

発電事業

売電収入

905,481

70.3

合計

2,443,956

96.9

(注) 金額は販売価格によっている。

 

 

 

b.受注実績

 当中間連結会計期間における受注実績をセグメントごとに示せば次のとおりである。

セグメントの名称

区分

受注高(千円)

前年同期比

(%)

受注残高

(千円)

前年同期比

(%)

染色整理関連事業

織物の染色加工

1,468,645

135.5

615,292

178.2

編物の染色加工

66,806

64.8

6,956

57.8

不織布の染色加工

124,816

77.4

13,473

90.4

木材突き板染色加工

99,572

959.0

テキスタイル販売

213,790

109.8

その他

46,281

104.1

2,019,913

126.5

635,721

170.8

発電事業

売電収入

905,481

70.3

合計

2,925,395

101.4

635,721

170.8

 

c.販売実績

 当中間連結会計期間における販売実績をセグメントごとに示せば次のとおりである。

セグメントの名称

区分

当中間連結会計期間

(自 2023年4月1日

至 2023年9月30日)

前年同期比(%)

金額(千円)

染色整理関連事業

織物の染色加工

1,180,805

123.8

編物の染色加工

141,461

115.0

不織布の染色加工

121,552

74.7

木材突き板染色加工

99,572

959.0

テキスタイル販売

213,790

109.8

その他

46,281

104.1

1,803,464

121.2

発電事業

売電収入

905,481

70.3

合計

2,708,946

97.5

(注)1 セグメント間の取引については相殺消去している。

2 最近2中間連結会計期間における主な相手先別の販売実績及び当該販売実績の総販売実績に対する割合は次のとおりである。

相手先

前中間連結会計期間

当中間連結会計期間

金額(千円)

割合(%)

金額(千円)

割合(%)

中部電力パワーグリッド株式会社

1,258,209

45.3

884,032

32.6

東レ株式会社

458,089

16.5

523,659

19.3

 

 

 

(2)経営者の視点による経営成績等の状況に関する分析・検討内容

 経営者の視点による当社グループの経営成績等の状況に関する認識及び分析・検討内容は次のとおりである。

 なお、文中の将来に関する事項は、当中間連結会計期間の末日現在において判断したものである。

 

①当中間連結会計期間の経営成績等の状況に関する認識及び分析・検討内容

a.経営成績等

1)財政状態の分析

(資産合計)

 当中間連結会計期間末の総資産は、前期対比73百万円減の9,318百万円となった。

 このうち、流動資産は、前期対比106百万円増加し、2,541百万円となった。これは主に、受取手形及び売掛金が34百万円、その他が24百万円減少したものの、現金及び預金が46百万円、棚卸資産が119百万円増加したこと等によるものである。

 また、固定資産は、前期対比179百万円減少し、6,776百万円となった。これは主に、投資有価証券が65百万円増加したものの、減価償却費を261百万円計上したこと等によるものである。

(負債合計)

 当中間連結会計期間末の負債合計は、前期対比108百万円減少し、6,195百万円となった。

 これは主に、電子記録債務が79百万円増加したものの、有利子負債が230百万円減少したこと等によるものである。

(純資産合計)

 当中間連結会計期間末の純資産合計は、前期対比35百万円増加し、3,122百万円となった。

 これは主に、親会社株主に帰属する中間純利益が47百万円となったこと等によるものである。

 

2)経営成績の分析

(売上高及び営業利益)

 当中間連結会計期間における売上高は、前年同期比67百万円減の2,708百万円となった。セグメント別売上高については、「(1)経営成績等の状況の概要 ①財政状態及び経営成績の状況」に記載している。

 売上原価は、染色整理関連事業では、提出会社である岐セン株式会社において、受注増による稼働日数増加に伴う人件費・原材料の生産コスト上昇等により、65百万円増となった。また、発電事業では、株式会社岐阜バイオマスパワーにおいて、操業度悪化により269百万円減となった。以上の結果、前年同期比204百万円減の2,437百万円となった。

 販売費及び一般管理費は、前年同期比4百万円増の231百万円となった。

 以上の結果、営業利益は、40百万円(前年同期 営業損失92百万円)となった。

(経常利益)

 経常利益は、持分法による投資利益が49百万円、助成金収入が19百万円減少したが、営業利益が132百万円増加し、経常利益49百万円(前年同期 経常損失16百万円)となった。

(親会社株主に帰属する中間純利益)

 親会社株主に帰属する中間純利益は、前年は減損損失420百万円の計上等があったが、当中間連結会計期間は、経常利益の改善などにより、47百万円(前年同期 親会社株主に帰属する中間純損失480百万円)となった。

 

3)キャッシュ・フローの状況の分析

 当中間連結会計期間のキャッシュ・フローの状況の分析については、「(1)経営成績等の状況の概要 ②キャッシュ・フローの状況」に記載のとおりである。

 

 

b.経営成績等の状況に関する認識及び分析・検討内容

 当社グループとしては、これらの状況を踏まえて、当社グループが業界において強固な地位を占める合繊複合織物の染色整理関連事業に特化し、あるべき姿に向かって市況情報を的確に把握し、得意とする商品のタイムリーな開発とサステナブル商品提案(バゼロ、バゼライト、コモメリアJJ)を強化して受注確保に努めるとともに、当期は、利益体質の変革の年と位置付け、主力の染色加工事業の再構築を図るため、不採算品の縮小・撤退を念頭に置き価格交渉を進め、最重要課題として、①原燃料価格の高騰に対して加工料金の値上げ交渉強化、②3S・省エネプロジェクトを推進した自助努力による費用削減を図る方針である。

 また、将来の事業の一角を担うため、関連事業部においては、木材染色事業において新規自工メーカー向け車両部材の量産開始により売上・利益の積上げを行い、ステープル事業において安定生産と事務効率化で収益基盤強化を図る方針であり、テキスタイル販売部においては、非価格競争力を強化して売上確保に努める方針である。

 なお、子会社である株式会社岐阜バイオマスパワー及び関連会社である株式会社バイオマスエナジー東海の発電事業においては、燃料調達に注力し、安定操業、安定販売を図る方針である。

 

②資本の財源及び資金の流動性

 当社グループの運転資金需要のうち主なものは、染料、薬品などの原材料のほか、製造費、一般管理費等の営業
費用である。投資を目的とした資金需要は、主に設備投資によるものである。資金調達については、自己資金又は
金融機関からの借入により資金調達を行い、資金の安定化を図っている。

 前事業年度の有価証券報告書に記載した「第3 設備の状況 3.設備の新設、除却等の計画」について、重要な変更はない。

 

③重要な会計上の見積り及び当該見積りに用いた仮定

 前事業年度の有価証券報告書「第2 事業の状況 4 経営者による財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローの状況の分析」中の会計上の見積り及び当該見積りに用いた仮定の記載について重要な変更はない。