売上高

利益

資産

キャッシュフロー

配当

ROE 自己資本利益率

EPS BPS




E00590 IFRS


2【経営者による財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローの状況の分析】

 文中における将来に関する事項は、当中間連結会計期間の末日現在において判断したものであります。

 なお、当中間連結会計期間において、企業結合に係る取得対価の配分が完了したため、前連結会計年度末の暫定的な会計処理の確定を行っており、これに伴う遡及修正の内容を反映させた数値で比較・分析を行っております。

 

(1)財政状態及び経営成績の状況

(単位:百万円)

 

2025年3月期

中間連結

会計期間

2026年3月期

中間連結

会計期間

前年同期比

 

増減額

増減率

売上収益

90,167

87,511

△2,656

△2.9%

 

売上原価

39,111

36,756

△2,355

△6.0%

売上総利益

51,056

50,755

△301

△0.6%

 

販売費及び一般管理費

48,752

47,710

△1,042

△2.1%

事業利益

2,304

3,045

+741

+32.2%

 

その他の収益

10,268

20,269

+10,001

+97.4%

 

その他の費用

1,021

1,773

+752

+73.7%

営業利益

11,551

21,541

+9,990

+86.5%

 

金融収益

992

1,015

+23

+2.3%

 

金融費用

295

410

+115

+39.0%

 

持分法による投資損益(△損失)

567

△1,980

△2,547

税引前中間利益

12,815

20,166

+7,351

+57.4%

親会社の所有者に帰属する中間利益

8,773

12,418

+3,645

+41.5%

 

 当中間連結会計期間(2025年4月1日~2025年9月30日)の景況は、国内では、雇用や所得環境の改善を背景として緩やかな回復基調が続く一方、継続的な物価上昇による消費者マインドの下振れ、米国の通商政策に起因する先行きの不透明感などにより、下押しリスクを抱えております。また、海外においては、米国では実質賃金の改善が見られる一方で雇用の下振れ懸念が高まっており、欧州ではインフレ後の景気の回復スピードがやや鈍化しております。中国では消費者マインドの停滞により内需の回復が遅れており、世界経済全体としては不確実性が依然として残る状況です。

 このような環境において、当社グループは、引き続き「収益力の改善に向けたビジネスモデル改革」、「“VISION2030”達成に向けた成長戦略」、「ROICマネジメントの導入」、「アセットライト化の推進」に取り組みました。国内においては、引き続き中核ブランドの「WACOAL(ワコール)」のリブランディング施策に注力したほか、コンディショニングウェアブランド「CW-X(シーダブリュー・エックス)」の拡販を推し進めました。また、顧客戦略の一環として、3D計測サービス「SCANBE(スキャンビー)」において、従来店頭のみで提供していた「わたしに合うブラ診断」をアップデートし、自社EC上でもサービス提供を開始しました。EC上でお客さまのボディタイプをもとにブラジャー選びをサポートするとともに、3D計測を体験されていないお客さまでも、セルフ診断によってボディタイプを推定できるようにすることで、店頭に限らずより多くのお客さまに対してパーソナライズされた購買体験の提供を実現しております。海外においては、米国でEC強化を目的として、主要ECプラットフォームにおける広告費用の投下を継続しているほか、2025年8月より関税による調達価格上昇を販売価格へ一部転嫁しました。英国で、直営店と自社ECを展開するBravissimo Group Limited(以下、Bravissimo Group)との経営統合を推し進め、顧客接点の開発やECを基軸とした成長戦略に取り組みました。なお、2025年6月に発生した物流倉庫の火災の影響により自社ECにおける商品の出荷を一時停止しておりましたが、2025年9月1日より順次出荷を再開しております。そのほか、国内において、新京都ビルの売却や自己株式の取得等、継続的に資産効率の向上に取り組みました。

 

 売上収益については、主要国におけるレディスインナーウェア等の販売の伸び悩みに加え、前期から当期にかけて事業ポートフォリオを見直し、一部の不採算事業を売却した結果、当期への減収影響が生じました。利益面については、不採算事業の対処やBravissimo Groupの買収に伴う小売売上比率の上昇により売上総利益率が改善したほか、各社においてコストコントロールを実施しました。なお、営業利益については、前述の新京都ビル等の固定資産売却益(176億47百万円)が寄与しました。

 以上の結果、当中間連結会計期間の連結売上収益は875億11百万円(前年同期比2.9%減)、事業利益は30億45百万円(前年同期比32.2%増)、営業利益は215億41百万円(前年同期比86.5%増)、税引前中間利益は201億66百万円(前年同期比57.4%増)、親会社の所有者に帰属する中間利益は124億18百万円(前年同期比41.5%増)となりました。

 なお、当該期間の為替換算レートは、1米ドル=146.04円(前年同期152.63円)、1英ポンド=195.96円(同195.46円)、1中国元=20.30円(同21.15円)です。

 

 報告セグメントの実績を示すと次のとおりであります。

(単位:百万円)

 

 

2025年3月期

2026年3月期

前年同期比

 

 

中間連結

会計期間

構成比

中間連結

会計期間

構成比

増減額

増減率

売上収益合計

90,167

100.0%

87,511

100.0%

△2,656

△2.9%

 

ワコール事業(国内)

45,006

49.9%

44,193

50.5%

△813

△1.8%

 

ワコール事業(海外)

34,549

38.3%

35,117

40.1%

+568

+1.6%

 

ピーチ・ジョン事業

5,165

5.7%

5,543

6.3%

+378

+7.3%

 

その他

5,447

6.1%

2,658

3.1%

△2,789

△51.2%

 

(単位:百万円)

 

 

2025年3月期

2026年3月期

前年同期比

 

 

中間連結

会計期間

売上比

中間連結

会計期間

売上比

増減額

増減率

営業利益(△損失)

11,551

12.8%

21,541

24.6%

+9,990

+86.5%

 

ワコール事業(国内)

8,497

18.9%

18,632

42.2%

+10,135

+119.3%

 

ワコール事業(海外)

2,783

8.1%

2,270

6.5%

△513

△18.4%

 

ピーチ・ジョン事業

△44

56

1.0%

+100

 

その他

315

5.8%

583

21.9%

+268

+85.1%

 

① ワコール事業(国内)

 当中間連結会計期間は、EC事業は引き続き伸長したものの、実店舗における販売は、量販店を中心とした実店舗の閉店に加え、来店客数の減少などにより低調に推移しました。

 ブランド別では、プロモーション強化及び展開店舗の拡大に努める「CW-X」やノンワイヤーブラを中心に展開する「GOCOCi(ゴコチ)」、シンクロブラトップが引き続き好調の「Wing(ウイング)」がいずれも前年を超える水準で推移しました。一方、前期にリブランディングを実施した中核ブランドの「WACOAL」は、認知率は向上したものの購買意欲の喚起に至らず、前年同期を下回って着地しました。また、直営店を中心に展開する「AMPHI(アンフィ)」や、百貨店を中心に展開するナイトウェア類も、店舗閉店や売場縮小、来店客数減少の影響を受けて販売が低迷し、ブランド・商材別に強弱が入り混じる結果となりました。

 チャネル別では、実店舗においては閉店や来店客数減少の影響が大きく、全体では低調が続くものの、前年より推進している店頭在庫の適正化及び充足率の改善については一定の効果が得られました。一方、ECについては、自社EC・他社ECともに堅調な成長を継続しており、全体を下支えしております。

 これらの結果、当該セグメントの売上収益は441億93百万円(前年同期比1.8%減)となりました。営業利益は、新京都ビル等の固定資産売却益の計上が寄与したことから、186億32百万円(前年同期比119.3%増)と大幅な増益となりました。

 

② ワコール事業(海外)

 当中間連結会計期間において、ワコールインターナショナル(米国)は、政策動向の不透明感が続く中、得意先による仕入抑制が一段と厳しさを増し、売上は前年同期を下回りました。チャネル別では、百貨店については仕入抑制に加え、大手得意先の閉店影響も重なり、厳しい状況が続きました。ECについては、主要ECプラットフォームにおいて販売が好調に推移するものの、百貨店と同様に仕入抑制の影響を受け、納品が想定通りに進行しませんでした。一方、自社ECについては、UI・UXの改善を目的として一部のブランドでプラットフォームを刷新した結果、売上が前年同期を上回る水準で推移しました。

 ワコールヨーロッパは、2024年9月に買収したBravissimo Groupの売上が寄与し、売上は前年同期を上回りましたが、2025年6月に発生した物流倉庫における火災により、自社ECにおける出荷を約2ヶ月間停止した結果、機会損失が発生しました。当該物流倉庫には火災保険を付保しており、火災によって発生した在庫や建物等の現物損失に加え、出荷停止に伴う逸失利益等についても保険金によって補填される見込みです。なお、被害額の算定には一定の時間を要し、当中間連結会計期間では在庫損失に係る保険金を計上しております。

 中国ワコールは、消費者の価格感応度の高まりにより、実店舗・ECともに引き続き苦戦し、売上は前年同期を下回りました。一方で、ブランド価値の訴求を目的とした各種施策に取り組んでおり、店舗イメージの刷新を図った百貨店の店舗改装については、該当店舗において売上が約20%増加するなど、一定の成果が見られました。また、プロパー販売を強化したことにより、売上総利益率については改善しました。

 これらの結果、当該セグメントの売上収益は351億17百万円(前年同期比1.6%増)となりました。営業利益は22億70百万円(前年同期比18.4%減)となりました。

 

③ ピーチ・ジョン事業

 当中間連結会計期間については、前期に引き続き新規顧客の獲得強化に重点を置いたコミュニケーション施策や商品戦略が奏功し、ECが好調であったほか、直営店での販売も堅調に推移しました。商品面では、定番商品の「ナイスバディブラ」「盛れるノンワイヤーブラ」の販売が伸長し、販促面では、有名タレントを起用したプロモーションで想定以上の集客効果を得られました。

 これらの結果、当該セグメントの売上収益は55億43百万円(前年同期比7.3%増)となりました。営業利益は、56百万円(前年同期は44百万円の営業損失)となりました。

 

④ その他

 当該セグメントの売上収益は、七彩、ルシアンの連結除外が影響し、26億58百万円(前年同期比51.2%減)となりました。一方、連結子会社における一部事業の譲渡益が寄与し、営業利益は、5億83百万円(前年同期比85.1%増)と大幅な増益となりました。

 

(参考)主要子会社の売上収益・営業利益(△損失)

(単位:百万円)

売上収益

2025年3月期

2026年3月期

前年同期比

中間連結

会計期間

構成比

中間連結

会計期間

構成比

増減額

増減率

 

ワコール

42,094

46.7%

41,745

47.7%

△349

△0.8%

 

ワコールインターナショナル(米国)

14,402

16.0%

12,425

14.2%

△1,977

△13.7%

 

ワコールヨーロッパ

11,490

12.7%

15,858

18.1%

+4,368

+38.0%

 

中国ワコール

4,525

5.0%

3,425

3.9%

△1,100

△24.3%

 

ピーチ・ジョン

5,165

5.7%

5,543

6.3%

+378

+7.3%

※外部売上収益のみを記載しております。

(単位:百万円)

営業利益(△損失)

2025年3月期

2026年3月期

前年同期比

中間連結

会計期間

売上比

中間連結

会計期間

売上比

増減額

増減率

 

ワコール

9,761

23.2%

17,082

40.9%

+7,321

+75.0%

 

ワコールインターナショナル(米国)

1,233

8.6%

823

6.6%

△410

△33.3%

 

ワコールヨーロッパ

940

8.2%

936

5.9%

△4

△0.4%

 

中国ワコール

△248

△335

△87

 

ピーチ・ジョン

△44

56

1.0%

+100

 

 当中間連結会計期間末における総資産は、現金及び現金同等物が増加したことなどにより、前連結会計年度末に比して98億98百万円増加し、2,826億43百万円となりました。

 負債は、借入金が減少したものの、未払法人所得税や繰延税金負債が増加したことなどにより、前連結会計年度末に比して15億40百万円増加し、791億65百万円となりました。

 親会社の所有者に帰属する持分は、新京都ビルの売却により利益剰余金が増加したことなどにより、前連結会計年度末に比して84億93百万円増加し、2,005億40百万円となりました。

 以上の結果により、当中間連結会計期間末における親会社所有者帰属持分比率は、前連結会計年度末に比して0.6ポイント増加し、71.0%となりました。

 

(2)キャッシュ・フローの状況

 当中間連結会計期間末における現金及び現金同等物は、前連結会計年度末に比して154億19百万円増加し、388億38百万円となりました。

(営業活動によるキャッシュ・フロー)

 当中間連結会計期間における営業活動によるキャッシュ・フローは、中間利益123億32百万円に減価償却費及び償却費や法人所得税費用などによる調整を加えた金額に対して、資産及び負債の増減などによる調整を行った結果、83億28百万円の収入(前年同期に比し30億35百万円の収入増)となりました。

(投資活動によるキャッシュ・フロー)

 当中間連結会計期間における投資活動によるキャッシュ・フローは、有形固定資産等の売却などにより、237億1百万円の収入(前年同期に比し198億34百万円の収入増)となりました。

(財務活動によるキャッシュ・フロー)

 当中間連結会計期間における財務活動によるキャッシュ・フローは、自己株式の取得などにより、179億64百万円の支出(前年同期に比し137億68百万円の支出増)となりました。

(3)会計上の見積り及び当該見積りに用いた仮定

 前事業年度の有価証券報告書に記載した「経営者による財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローの状況の分析」中の会計上の見積り及び当該見積りに用いた仮定の記載について重要な変更はありません。

 

(4)経営方針・経営戦略等

 当中間連結会計期間において、当社グループが定めている経営方針・経営戦略等について重要な変更はありません。

 

(5)優先的に対処すべき事業上及び財務上の課題

 当中間連結会計期間において、当社グループの優先的に対処すべき事業上及び財務上の課題に重要な変更及び新たに生じた対処すべき課題はありません。

 

(6)研究開発活動

 当中間連結会計期間における研究開発費の金額は、1億58百万円であります。

 なお、当中間連結会計期間において、当社グループの研究開発活動の状況に重要な変更はありません。