売上高

利益

資産

キャッシュフロー

配当(単独)

ROE

EPS BPS




E02315 Japan GAAP


2【経営者による財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローの状況の分析】

(1)財政状態及び経営成績の状況

 経営成績の状況

 当第3四半期連結累計期間におけるわが国経済は、昨春、新型コロナウイルス感染症が5類感染症へと移行したことなどもあり、社会・経済活動の正常化が進み緩やかな回復基調となりました。一方、長期化するウクライナ情勢に加え、中東情勢が緊迫化するなど不安定な状況が継続しております。また、これらを背景として資源・資材価格の高騰や円安基調が続いており、先行きが不透明な状況のまま推移しております。

 当医療業界におきましても、物価・光熱費の高騰が続くなか、政府によるコロナ対策への補助金が縮小・廃止されたことに加え、医師の働き方改革対応に向けた支出が増加するなど医療経営にとって厳しい状況が継続しております。

 このような環境下、当社グループにおきましては、当第3四半期連結累計期間において医療安全とお客様の業務効率化に資する製品の提案を積極的に展開したことなどにより売上高は堅調に推移いたしました。とりわけ最重要戦略製品である「プレミアムキット」は、手術において発生するお客様の準備や手間を大幅に削減すると同時に医療安全が確保できる高付加価値製品として新規獲得及び従前のキット製品からの切り替え活動に注力している製品であり、当第3四半期連結累計期間においても売上が拡大いたしました。一方、感染防止関連製品は、不織布製品が前年度に実施した一部ガウン製品の価格改定の影響により販売数量が減少して減収となったほか、その他不織布製品は前年度発生した高機能マスク製品の特需の反動により売上高が減少いたしました。

 これらの結果、当第3四半期連結累計期間の売上高は29,754百万円(前期比0.7%増)となりました。キット製品の売上高は19,374百万円(同6.7%増)、内「プレミアムキット」の売上高は12,250百万円(同9.6%増)となりました。売上原価は、新キット工場Ⅱ期を2023年4月より稼働開始したことによる減価償却費の増加、及び円安による輸入材料の高騰などにより原価率が5.9%上昇いたしました。販売費及び一般管理費は、主に販売促進に必要な費用は増加したものの、全体的には経費抑制に努めたことにより減少いたしました。この結果、営業利益は3,487百万円(同31.1%減)、経常利益は3,587百万円(同31.4%減)となりました。以上の結果、親会社株主に帰属する四半期純利益は2,609百万円(同29.7%減)となりました。

 当社グループの事業は、医療用消耗品等の製造・販売並びにこれらの付随業務の単一セグメントであるため、セグメント別の記載を省略しております。

 財政状態の状況

 当第3四半期連結会計期間末の総資産は前連結会計年度末に比べ1,266百万円減少し、100,914百万円となりました。

 流動資産は、現金及び預金700百万円の減少、売上債権1,604百万円の増加、棚卸資産1,015百万円の増加、未収消費税等692百万円の増加等により2,434百万円増加し42,725百万円となりました。固定資産のうち有形固定資産は、建物及び構築物の減価償却等による826百万円の減少、機械装置及び運搬具の新キット工場Ⅱ期の稼働開始等による増加が減価償却による減少を上回ったことによる11,120百万円の増加、建設仮勘定の新キット工場Ⅱ期の稼働開始等による15,372百万円の減少等により、5,059百万円減少し46,496百万円となりました。無形固定資産は、減価償却等による85百万円の減少により734百万円となりました。投資その他の資産は、投資有価証券の取得及び時価評価等による1,000百万円の増加等により、1,443百万円増加し10,958百万円となりました。この結果、固定資産は58,189百万円となりました。

 当第3四半期連結会計期間末の負債合計は、前連結会計年度末に比べ4,538百万円減少し、13,963百万円となりました。流動負債は、設備関係支払手形1,116百万円の減少、未払消費税等562百万円の減少、未払法人税等1,170百万円の減少等により、3,241百万円減少し7,893百万円となりました。固定負債は、長期借入金の返済による1,499百万円の減少、所有する株式の時価評価等に係る繰延税金負債310百万円の増加等により、前連結会計年度末に比べて1,297百万円減少し6,070百万円となりました。

 当第3四半期連結会計期間末の純資産は、親会社株主に帰属する四半期純利益2,609百万円の計上による増加、剰余金の配当による1,407百万円の減少、為替換算調整勘定1,303百万円の増加等により、前連結会計年度末に比べて3,272百万円増加し86,951百万円となりました。

 以上の結果、自己資本比率は、前連結会計年度末の81.8%から86.2%へ増加いたしました。

(2)キャッシュ・フローの状況

 当第3四半期連結累計期間における現金及び現金同等物は、以下に記載のキャッシュ・フローにより17,351百万円となり、前連結会計年度末に比べ1,000百万円減少いたしました。

 当第3四半期連結累計期間における各キャッシュ・フローの状況とそれらの要因は次のとおりであります。

(営業活動によるキャッシュ・フロー)

 営業活動によるキャッシュ・フローは、税金等調整前四半期純利益を3,617百万円、減価償却費を4,964百万円計上し、売上債権の増加1,484百万円、棚卸資産の増加684百万円、法人税等の支払2,194百万円等がありました。これらの結果、3,381百万円の収入(前年同期は4,682百万円の収入)となりました。

(投資活動によるキャッシュ・フロー)

 投資活動によるキャッシュ・フローは、有形固定資産の取得による支出1,715百万円、無形固定資産の取得による支出111百万円等がありました。これらの結果、2,087百万円の支出(前年同期は1,487百万円の支出)となりました。

(財務活動によるキャッシュ・フロー)

 財務活動によるキャッシュ・フローは、長期借入金の返済による支出1,499百万円、配当金の支払1,407百万円等がありました。これらの結果、2,906百万円の支出(前年同期は2,205百万円の支出)となりました。

(3)優先的に対処すべき事業上及び財務上の課題

 当第3四半期連結累計期間において、当社グループが優先的に対処すべき事業上及び財務上の課題について重要な変更はありません。

(4)研究開発活動

 当第3四半期連結累計期間におけるグループ全体の研究開発活動の金額は、199百万円であります。

 なお、当第3四半期連結累計期間において、当社グループの研究開発活動の状況に重要な変更はありません。