売上高

利益

資産

キャッシュフロー

配当(単独)

ROE

EPS BPS




E26332 Japan GAAP


2【経営者による財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローの状況の分析】

 文中の将来に関する事項は、当四半期連結会計期間の末日現在において当社グループが判断したものであります。

 

(1) 財政状態及び経営成績の状況

 ① 経営成績

当第3四半期連結累計期間における我が国の経済は、消費者マインドが持ち直しそれにより個人消費も改善するなど、緩やかながらも回復基調が続いております。一方で、雇用・所得環境など一部では改善に足踏みがみられており、また為替相場の変動や物価高、それに伴う消費者マインドの動向など、今後の先行きについて景気を下押しするリスクに留意する必要があります。

 

当社グループの事業領域であるインターネット関連市場は、第5世代移動通信システムなどネットワークインフラの高度化が進み、高速で信頼性の高い接続サービスが普及する中で今後の新たな市場やビジネスの創生とさらなる市場拡大への期待が高まっております。また、社会のデジタル化やエンタテインメントの分野をはじめとした各種サービスのデジタルシフトも急速に進んでおります。

こうしたテクノロジーの進化や新たなビジネス、サービスの創出は加速しており、事業環境は目まぐるしく変化しております。

 

音楽やアーティスト関連の市場について、2023年の音楽ソフト(オーディオレコード及び音楽ビデオ合計)の生産金額は2,207億円(前年同期比9.1%増)と、引き続き増加しております(出所:一般社団法人日本レコード協会)。加えて、ストリーミングサービスの利用の増加に牽引され音楽配信も拡大を続けており、堅調な音楽需要に支えられ市場は拡大しております。

 

ライブ、コンサート市場は、2023年上期の公演回数が16,375回(前年同期比14.6%増)、動員数は2,735万人(前年同期比35.0%増)と、いずれもコロナ禍以前の水準を超えており、新設会場の稼働や海外アーティストの公演の拡大もあり、再び成長軌道へと回帰しております(出所:一般社団法人コンサートプロモーターズ協会)。

 

音楽市場の中でも特にライブ、コンサートを筆頭とした従来からのエンタテインメントのフォーマットにおいては、有料のライブ配信やサブスクリプション型のストリーミングが普及、拡大するなど、デジタルシフトが急速に進み事業環境は変化しております。今後は、そうした事業環境の変化を的確に捉え、競争力を維持、向上させていくことがより重要となってきております。

 

このような外部環境の中、当社グループでは、アーティストを中心としたエンタテインメント全般を事業領域とし、ファンクラブサイトを事業の軸に据えファンという強固な事業基盤を構築し、電子チケットやeコマース、キャラクター、音楽などの多岐にわたるデジタルコンテンツの配信など複合的な事業展開をしてまいりました。

加えて、エンタテインメントのデジタル化、DX化など事業環境の変化に対応すべく、ファンエンゲージメントの強化による着実な事業拡張を図るとともに、子会社等を通じた他社との事業提携による新規サービスの開発、並びにファンダムビジネスへの挑戦など新たな事業領域の開拓にも積極的に取り組んでまいりました。

 

以上の結果、当第3四半期連結累計期間における売上高は13,527百万円(前年同期比14.1%増)、営業利益は2,174百万円(前年同期比26.9%増)、経常利益は2,199百万円(前年同期比27.2%増)、親会社株主に帰属する四半期純利益は1,168百万円(前年同期比27.7%増)となりました。

 

セグメントごとの概要は、以下のとおりであります。

1)コンテンツ事業

a.コンテンツ事業に係るファンクラブ・ファンサイト事業等

ファンクラブ・ファンサイト事業では、主にスマートフォン向けにファンクラブサイト運営や各種デジタルコンテンツ配信、動画サービス、アプリの提供などを行っております。

当第3四半期連結累計期間におきましては、営業体制の強化とファンクラブのプラットフォーム「Fanpla Kit」の活用により引き続き新規アーティストの獲得を進めるとともに、好調なライブ・コンサートの動きと連動し、会員向けのチケット先行受付や会員限定ライブなどにより、事業の基盤となるファンクラブ/ファンサイトの会員数を堅調に増加させることができました。

また、エンタテインメントのDX化や将来のファンダムビジネスを見据えた新たな価値の創出やファンエンゲージメントの強化によるアーティスト活動の支援を実現するため、ファン活動の発着点となるサービスも充実させてまいりました。オンラインサロン「Fanpla Rooms」、アーティストとファンの共創をコンセプトにしたクラウドファンディングサービス「Fanpla Action」などの新規事業でも着実に取り扱いアーティストを充実させ、利用の拡大に努めてまいりました。

加えて、日本市場で活躍するKPOPアーティストのファンビジネスを活性化することを目的とし提携する韓国企業との間でのファンプラットフォーム事業の準備を進めるとともに、中国でのファンクラブ展開も開始するなど今後の事業拡大とグローバル展開へ向けた取り組みも進めてまいりました。

以上の結果、当第3四半期連結累計期間におけるコンテンツ事業に係るファンクラブ・ファンサイト事業等の売上高は10,038百万円(前年同期比14.0%増)となりました。

 

b.コンテンツ事業に係るEC事業

EC事業につきましては、主に当社グループの運営するファンクラブサイト等を通じて、アーティストグッズとCD、DVD及びブルーレイといった音楽映像商品の販売を行っております。

当第3四半期連結累計期間においては、アーティストグッズ販売のECへのデジタルシフトが進む中で、回復するライブやコンサートの動きと歩調を合わせツアー、ライブグッズ等の商品取扱高を増加させ、販売は好調に推移いたしました。加えて、事業基盤を拡大させるべくファンクラブ向けのオンラインくじ「Fanpla Chance」やオンラインフォトサービスなど、新たなファン体験を提供するサービスの利用拡大にも取り組んでまいりました。

また、ファンニーズに寄り添った新たなコンサートグッズの販売方法として、コンサート会場での電子決済や事前販売・会場受取サービスなどを充実させ、その需要の高まりも引き続き見られました。

以上の結果、当第3四半期連結累計期間におけるEC事業の売上高は1,291百万円(前年同期比24.1%増)となりました。

 

以上の結果、当第3四半期連結累計期間におけるコンテンツ事業全体の売上高は11,330百万円(前年同期比15.1%増)、セグメント利益は2,022百万円(前年同期比18.3%増)となりました。

 

2)電子チケット事業

電子チケット事業は、電子チケット及びチケットトレード、並びにそれらに付随する各種サービスからの収益により構成されております。音楽のライブはもちろんのこと、プロ野球やフィギュアスケートといったスポーツ、遊園地などのレジャー施設まで幅広く電子チケットサービスを提供しております。

当第3四半期連結累計期間におきましては、ライブ、イベントが増加していく中で、電子チケットの強みを活かしマーケットシェアを拡大させ、電子チケットの発券枚数を増加させることができました。また、コンサートの再開に伴い増加する不正転売に対応すべく、機能の追加や改善によってサービスの利便性を向上させることで、トレードによる二次流通の普及と利用促進にも努めてまいりました。加えて、プロ野球球団の公式チケット二次流通のサービスやバレーボールVリーグの電子チケットの取り扱いも開始するなど、スポーツ領域でのチケット取り扱い拡大に向けた取り組みも本格化させてまいりました。

アーティストのサイン入りのグッズなどの商品を提供するオンラインくじ「くじプラ」といったチケット1枚あたりのサービス単価の上昇を目的としたライブ/チケットと連動する施策やサービスについても継続的に提供を行いました。

 

電子チケット周辺領域のサービスといたしましては、プロ野球等のスポーツのカードコレクションアプリにおいて、新たに卓球TリーグやJリーグクラブを対象としたサービスの提供を開始し、主力のプロ野球以外のスポーツでの展開にも注力してまいりました。

 

以上の結果、当第3四半期連結累計期間におけるチケット事業の売上高は2,173百万円(前年同期比8.8%増)、セグメント利益は682百万円(前年同期比34.6%増)となりました。

 

 

3)その他事業

その他事業には、上記2つのセグメントに属さない連結子会社の収益等が計上されており、主にキャラクターグッズやアパレル、出版、プロダクション業務などが含まれております。

当第3四半期連結累計期間におきましても、将来の収益獲得に向けた事業育成を行い、売上高は23百万円(前年同期比41.4%増)、セグメント損失は23百万円(前年同四半期は32百万円のセグメント損失)となりました。

 

② 財政状態

(資産の部)

 当第3四半期連結会計期間末の総資産は17,363百万円(前連結会計年度末比5.6%増)となりました。

 流動資産は12,612百万円(同10.3%増)となりました。主な内訳は、現金及び預金5,922百万円(同14.5%減)、売掛金3,456百万円(同85.2%増)となっております。

 固定資産は4,751百万円(同5.2%減)となりました。主な内訳は、投資有価証券1,828百万円(同10.7%減)、有形固定資産1,175百万円(同18.3%増)、のれん163百万円(同50.0%減)となっております。

 

(負債の部)

 当第3四半期連結会計期間末の流動負債は10,173百万円(前連結会計年度末比5.5%増)となりました。主な内訳は、買掛金4,370百万円(同4.4%減)、未払金1,131百万円(同200.4%増)、契約負債3,891百万円(同9.8%増)、預り金24百万円(同76.7%減)であります。

 固定負債は153百万円(同10.3%増)となりました。主な内訳は繰延税金負債61百万円(同31.9%減)であります。

 

(純資産の部)

 当第3四半期連結会計期間末の純資産は7,036百万円(前連結会計年度末比5.7%増)となりました。主な内訳は、資本金317百万円(同-%)、資本剰余金3,815百万円(同0.0%減)、利益剰余金3,464百万円(同30.4%増)、その他有価証券評価差額金△942百万円(同121.5%増)であります。

 

(2) 事業上及び財務上の対処すべき課題

 当第3四半期連結累計期間において、当社が対処すべき課題について重要な変更はありません。また、当第3四半期連結累計期間中に生じた新たな対処すべき課題もありません。

 

(3) 研究開発活動

 該当事項はありません。