E30398 Japan GAAP
文中の将来に関する事項は、当中間連結会計期間の末日現在において当社グループが判断したものであります。
当中間連結会計期間におけるわが国経済は、このところ足踏みもみられるものの緩やかに回復しております。先行きにつきましては、雇用・所得環境の改善下で、各種政策の効果もあり、緩やかな回復が続くことが期待されます。一方で、欧米における高い金利水準の継続に伴う影響や中国経済の先行き懸念など、海外景気の下振れが我が国の景気を下押しするリスクとなっております。また、物価上昇、中東地域をめぐる情勢、金融資本市場の変動等の影響に十分注意する必要があります。さらに、令和6年能登半島地震の経済に与える影響に十分留意する必要があります。
当社グループがサービスを提供する市場におきましては、人口減少等の社会構造の変化、コロナ禍を契機とした生活様式や働き方の多様化への対応等から、DX(注)やデジタル化に向けた投資意欲は旺盛に推移しております。
流通食品小売業においては、物価高が長引くなかで消費者の「節約志向」「買い控え傾向」が一層強まっていることに加え、仕入価格や光熱費の高騰等によるコストの増加等、厳しい状況が続いています。中長期的な視点に立てば、人口減少に伴う市場縮小の脅威にさらされており、また、業種・業界の垣根を越えた競争の激化や既存企業間の出店競争、人材不足や人件費上昇といった問題に直面しております。このように厳しさを増す経営環境を打開するには、DXの推進等により、店舗運営の効率化や、卸売業・製造業との連携によるサプライチェーンの最適化など、生産性向上に向けた取組を進めることが不可欠となっております。また、物流の「2024年問題」を受け、企業間の壁を越えた物流の効率化に取り組む動きがあるなど、非競争領域における協業や共同利用の考え方が広がりつつあります。
官公庁においては、総務省から示されている「自治体デジタル・トランスフォーメーション(DX)推進計画」に基づき、官公庁・自治体のDXの進展が期待されます。具体的には、自治体の基幹業務システムの統一・標準化について2026年3月迄にガバメントクラウド(注)を活用した標準準拠システムへの移行を目指す方針が示されております。また、マイナンバーカードと健康保険証の一体化をはじめとするマイナンバーカードの普及・利用促進により、住民サービスの向上と行政の効率化が加速するものと考えられます。
さらに、コロナ禍を契機にはじまった商慣習の変革に伴い、紙・対面に基づく様々なやりとりをサイバー空間において実現するためのデータ流通基盤となる「トラストサービス」へのニーズは飛躍的に高まっており、簡易かつ信頼性の高いサービスが急速に普及していくと考えられます。
携帯電話販売市場においては、携帯端末の高価格化等による買い替えサイクルの長期化や、オンラインショップでの販売加速等により、店頭での販売台数が減少傾向にあります。また、株式会社NTTドコモによるエリア毎のドコモショップを適切な店舗数・店舗規模に見直す方針が示されており、依然として厳しい環境が続いております。一方で、5Gサービスの拡大による新たな需要や、2026年3月に予定される3Gサービス終了に向けた端末買い替え需要などの事業機会も見込まれます。
このような状況のもと、「LINK Smart~もたず、つながる時代へ~」をブランドコンセプトに、「シェアクラウド(共同利用型クラウド)」による安心、安全、低価格で高品質かつ高機能なクラウドサービスの提案を積極的に進めてまいりました。
また、当社は、WorkSmart「一人ひとりが主役 ~ 健康で活き活きと働きがいのある職場づくり~」をビジョンに掲げ、2024年度は最大8.1%(全社平均3.5%)の給与水準の引き上げを実施しました。今後も持続的な待遇向上をはじめ、人的資本投資を進めてまいります。
以上の結果、当中間連結会計期間における業績は、売上高7,936百万円(前中間連結会計期間比3.4%増)、営業利益567百万円(前中間連結会計期間比0.9%減)、経常利益570百万円(前中間連結会計期間比3.4%減)、親会社株主に帰属する中間純利益は333百万円(前中間連結会計期間比132.6%増)となりました。
当社グループが経営上の重要指標と位置付ける定常収入(注)は、サービス提供の拡大等により181百万円増加し、3,948百万円(前中間連結会計期間比4.8%増)となり、順調に推移しました。
当中間連結会計期間におけるセグメント別の業績は、次のとおりであります。
なお、当中間連結会計期間より、報告セグメントの区分方法を変更しているため、前中間連結会計期間との比較・分析は変更後の区分方法に基づいております。
① 流通クラウド事業
流通クラウド事業におきましては、卸売業向けEDIサービス 「クラウドEDI-Platform」や小売業向けEDIサービス「BXNOAH」等のクラウドサービス提供拡大により定常収入が増加しました。一方、給与水準の引き上げや開発力及び営業力強化のための採用に伴う労務費の増加、ソフトウェア償却費の増加等により減益となりました。
主力サービスである食品小売業向け基幹システム「@rms」について、中大規模顧客向け展開の加速に向けて進めておりました高速処理化等の開発が完了し、2024年5月に、新バージョン「@rmsV6」としてリリースし、複数の中大規模顧客の受注を獲得いたしました。更なる受注獲得を進めるとともに、一層の機能充実に向けた開発を進めてまいります。
また、2024年2月よりパーソナル人工知能を開発するSENSY株式会社と業務提携を開始し、当社の「@rms自動発注」と同社のAIを掛け合わせることにより需要予測の精度向上を実現した「AI自動発注」のリリース(2024年7月)に向けた取組を進めました。
さらに、「C2Platform」の商談支援サービスについて、一般社団法人日本加工食品卸協会及び大手食品卸売業5社との実証実験が完了いたしました。実証実験を通じて得られた知見をもとに、引き続き加工食品卸売業界向けへの展開に向けた取組を進めてまいります。
以上の結果、当中間連結会計期間における売上高は2,308百万円(前中間連結会計期間比4.1%増)、セグメント利益(経常利益)は341百万円(前中間連結会計期間比24.4%減)となりました。
② 官公庁クラウド事業
官公庁クラウド事業におきましては、医療分野において大型のシステム更新案件の貢献があったものの、前中間連結会計期間より防災工事案件やネットワーク工事案件が減少したことにより減収減益となりました。
自治体のDX推進の取組について、全国展開している文書管理システム「ActiveCity」の受注が好調であるほか、前期にリリースした自治体専用の電子認証サービス「マイナサイン」が、三田市のスマート図書館サービスや市民健康アプリサービスにおける本人確認サービスとして採用されるなど進展しております。今後、さらに取組を加速させるため、2024年6月開催の展示会(自治体DX展)に出展いたしました。
以上の結果、当中間連結会計期間における売上高は3,478百万円(前中間連結会計期間比7.2%減)、セグメント利益(経常利益)は235百万円(前中間連結会計期間比19.7%減)となりました。
③ トラスト事業
トラスト事業におきましては、デジタル証明書発行サービス「CloudCerts」のサービス提供拡大により増収となりました。
「CloudCerts」は、2024年3月より、国家資格保持の証明書のデジタル化としては国内初の取組として、公益社団法人日本薬剤師会が発行する「薬剤師資格証」の発行を開始いたしました。また、近畿大学が実施している外国語課外講座の修了証のデジタル化に採用されることが決定し、2024年8月の発行開始に向け準備を進めました。
また、小規模ユーザーに対応したスタンダード版の開発(2024年7月リリース)や、ブロックチェーンEXPO(2024年5月開催)等の展示会に出展するなど、今後のさらなるサービス展開に向けた取組に注力いたしました。
以上の結果、当中間連結会計期間における売上高は47百万円(前中間連結会計期間比244.8%増)、セグメント損失(経常損失)は41百万円(前中間連結会計期間はセグメント損失59百万円)となりました。
④ モバイルネットワーク事業
モバイルネットワーク事業におきましては、高価格帯端末の売行が好調であったことや、端末販売に係るインセンティブ収入が前中間連結会計期間よりも増加したため、増収増益となりました。
以上の結果、当中間連結会計期間における売上高は2,102百万円(前中間連結会計期間比23.9%増)、セグメント利益(経常利益)は161百万円(前中間連結会計期間比977.9%増)となりました。
(注)上記に用いられる用語は以下のとおりであります。
DX:デジタルトランスフォーメーション。企業がビジネス環境の激しい変化に対応し、データとデジタル技術を活用して、顧客や社会のニーズを基に、製品やサービス、ビジネスモデルを変革するとともに、業務そのものや、組織、プロセス、企業文化・風土を変革し、競争上の優位性を確立すること。
ガバメントクラウド:政府共通のクラウドサービスの利用環境。クラウドサービスの利点を最大限に活用することで、迅速、柔軟、かつセキュアでコスト効率の高いシステムを構築可能とするもの。
定常収入:情報処理料や保守料等の継続的に得られる収入で、安定収益の拡大を目指す当社グループ独自の管理指標のこと。
当中間連結会計期間末の総資産は12,359百万円となり、前連結会計年度末に比べ694百万円減少しました。
流動資産は、746百万円の減少となりました。これは主に現金及び預金が465百万円、受取手形、売掛金及び契約資産が178百万円、仕掛品が150百万円、商品及び製品が86百万円減少したことと、リース債権及びリース投資資産が74百万円増加したことによるものです。
固定資産は、51百万円の増加となりました。これは主に取得等により無形固定資産のその他に含まれるソフトウエアが311百万円、有形固定資産のその他に含まれる工具、器具及び備品が100百万円増加したことと、ソフトウエアへの振替により無形固定資産のその他に含まれるソフトウエア仮勘定が177百万円、有形固定資産のその他に含まれる建設仮勘定が85百万円、償却によりのれんが82百万円減少したことによるものです。
負債は、914百万円の減少となりました。これは主に返済により短期借入金が300百万円、長期借入金(1年内返済予定の長期借入金を含む)が205百万円、買掛金が217百万円、流動負債のその他に含まれる設備未払金が144百万円減少したことと、未払法人税等が60百万円増加したことによるものです。
純資産は、219百万円の増加となりました。これは主に利益剰余金が、親会社株主に帰属する中間純利益の計上により333百万円増加し、剰余金の配当により144百万円減少したことによるものです。
当中間連結会計期間末における現金及び現金同等物(以下「資金」という。)の残高は、前連結会計年度末に比べ465百万円減少し、1,469百万円となりました。
(営業活動によるキャッシュ・フロー)
営業活動によるキャッシュ・フローは906百万円の資金の増加(前中間連結会計期間は、574百万円の資金の増加)となりました。資金の増加の主な要因は、税金等調整前中間純利益539百万円、減価償却費382百万円、棚卸資産の減少額239百万円、売上債権の減少額178百万円となっております。資金の減少の主な要因は、仕入債務の減少額217百万円、法人税等の支払額163百万円となっております。
(投資活動によるキャッシュ・フロー)
投資活動によるキャッシュ・フローは700百万円の資金の減少(前中間連結会計期間は、514百万円の資金の減少)となりました。資金の減少の主な要因は、無形固定資産の取得による支出507百万円、有形固定資産の取得による支出194百万円となっております。
(財務活動によるキャッシュ・フロー)
財務活動によるキャッシュ・フローは672百万円の資金の減少(前中間連結会計期間は、380百万円の資金の減少)となりました。資金の減少の主な要因は、短期借入金の純減額300百万円、長期借入金の返済による支出205百万円、配当金の支払額144百万円となっております。
当中間連結会計期間において、当社グループが定めている経営方針・経営戦略等について重要な変更はありません。
当中間連結会計期間において、当社グループの事業上及び財務上の対処すべき課題について重要な変更はありません。
当中間連結会計期間の研究開発費の総額は120百万円であります。
なお、当中間期結会計期間において当社グループの研究開発活動の状況に重要な変更はありません。