売上高

利益

資産

キャッシュフロー

配当(単独)

ROE

EPS BPS




E05392 Japan GAAP


2【経営者による財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローの状況の分析】

(1)財政状態及び経営成績の状況

①経営成績の状況

当第3四半期連結累計期間(2023年4~12月)におけるわが国経済は、世界的な金融引締め等が続く中、海外景気の下振れが我が国の景気を下押しするリスクとなっています。先行きについては、物価上昇、金融資本市場の変動等の影響に留意する必要があるものと考えられます。

当社の主な事業分野である携帯電話等販売市場では、2019年10月施行の電気通信事業法改正による事業者間の乗り換え円滑化の影響もあり通信事業者間の新規契約の獲得競争が過度に行われてきました。当連結会計年度に入り、行き過ぎた値引き競争は沈静化しつつあり、2023年12月27日には新たな端末の割引上限規制を含む電気通信事業法施行規則等の一部改正が施行されました。今後は行き過ぎた値引き競争が抑制され、正常な市場に移行することが期待されます。

一方で、スマートフォンの高機能化等に伴う価格の上昇や、物価高による買い控えにより端末の平均使用年数は長期化の傾向にあります。通信事業者各社は金融サービスとの連携など新たな価値提案を始めており、当社をはじめ携帯電話等販売代理店に期待される役割もますます広がっていくことが予想されます。

このような事業環境において、当社グループ(当社、連結子会社および持分法適用会社)は、中期経営計画(2022年3月期~2024年3月期)の全社戦略として掲げた「TG Universe(ティーガイア内エコシステム)の実現」および「TGマテリアリティ(8つの重要課題)への取り組み」を着実に進めております。モバイル事業に依存しないバランスの良い事業ポートフォリオへの変革を目指し、ソリューション事業、スマートライフ・クオカード事業を中心に、成長投資を積極的に行っております。

また、キャリアショップを中心に、店舗をお客様主体のビジネスモデルへ変革すべく、2023年4月にプロジェクト組織を、10月には各拠点に地方創生チームを発足させました。これを足掛かりに全事業の横連携を促進し、「店舗でのスマートライフ関連サービスの提供」、「中小企業向けDX支援」、「自治体との連携」に取り組んでおります。

これまでの物販中心の考え方(プロダクトアウト)から、コンシューマ向け事業および法人顧客向け事業ともに、お客様のご要望に沿ったサービスを提供する考え方(マーケットイン)へ転換していくことで、収益拡大を目指しております。

当社グループの当第3四半期連結累計期間における業績につきましては、売上高は3,289億84百万円(前年同期比0.2%増)、営業利益は50億52百万円(同8.4%増)、経常利益は80億14百万円(同1.6%増)、親会社株主に帰属する四半期純利益は38億10百万円(同30.6%減)となりました。

減益の主な要因は、ソリューション事業において連結子会社Relay2,Inc.に係る減損損失を特別損失に計上したためであります。

 

当第3四半期連結累計期間におけるセグメントごとの業績は次のとおりであります。

(単位:百万円)

 

モバイル

事業

ソリューション

事業

スマートライフ・クオカード事業

その他

四半期

連結業績

売上高

276,660
(1.0%)

29,836
(8.1%)

22,469
(△15.7%)

18

(△65.2%)

328,984
(0.2%)

親会社株主に帰属する四半期純利益又は四半期純損失(△)

2,752
(71.1%)

△829
(-)

1,789
(△13.5%)

98

(△46.6%)

3,810
(△30.6%)

<参考>営業利益

又は営業損失(△)

4,599
(92.1%)

972
(△50.9%)

△443
(-)

△75

(-)

5,052
(8.4%)

※ %表示は、対前年同四半期増減率

 

(モバイル事業)

モバイル事業は、通信事業者各社が提供する通信サービスや各種コンテンツの契約取次とスマートフォン等の販売を行っております。当社グループの全国に広がる店舗は、単なる「販売拠点」ではなく、「地域のICT拠点」として、質の高いサービスとご要望に沿った利用価値の提案により、お客様に感動を体験していただく場となることを目指しております。

 

モバイル事業における回線契約数は、スマートフォン価格の高騰等による買い替えサイクルの長期化により、222.8万回線(前年同期比:6.0%減)となりました。一方で、当第3四半期会計期間においては、新機種の発売などの影響もあり、回線契約数は前年同期並みに推移しております。

キャリアショップでは、リモートで初期設定サポートやスマートフォンの利用説明を行う「スマートオンラインサポート」も導入しており、当社業務の効率化および専門スタッフがお客様に応じたサポートを行うことによるお客様満足度の向上を図っております。新型コロナウイルス感染症の5類感染症移行後には来店予約の無いお客様の受け入れを再開しており、当社直営店舗の来店客数は回復基調にあります。また、前連結会計年度より店舗数の最適化を進めるとともに、業務の効率化・生産性向上に取り組んでおり、販売費及び一般管理費を抑制しております。

独自商材については、ガラスコーティングやセキュリティ商材を中心に堅調に推移しており、営業利益の増益に貢献いたしました。

この結果、売上高は2,766億60百万円(前年同期比1.0%増)、親会社株主に帰属する四半期純利益は27億52百万円(同71.1%増)となりました。

 

(ソリューション事業)

ソリューション事業は、法人向けのスマートフォン等の販売や端末・回線管理サービス等のソリューションサービスの提供、法人・個人に対する光回線サービスの販売・契約取次を行っております。当社グループでは、パソコンまで含めたスマートデバイスの調達・提案、導入支援から、環境構築、保守、運用、アップデートまでの一連のライフサイクルの管理・サポートをLCM(Life Cycle Management)事業と呼称しており、お客様のご要望にワンストップで対応すべく、商材・サービスの拡充を行っております。

 

ソリューション事業における回線契約数は23.8万回線(前年同期比:0.5%増)となりました。一方で、スマートデバイスの売上高および受取手数料は減少しておりますが、当社グループ全体で人財育成に取り組むなど営業力の強化を図るとともに、販路の拡大に注力しております。

LCM事業については、商材・サービスを拡充しており、回線管理サービス(movino star)やヘルプデスク等の管理ID数は前年同期を上回りました。movino starは対象デバイスをスマ-トフォンだけではなくPCにも拡大したことでID数の増加につながっています。また、高齢化社会を見据え、介護施設への音声対話型AIサービスや介護用見守りカメラなどの提案を通じ事業領域拡大と新たな顧客層の獲得にも注力しています。

一方で、営業システムの機能拡充を行ったことにより、償却費等が前年同期に比して増加いたしました。

固定回線系商材においては、独自ブランドの光アクセスサービス「TG光」の累計保有回線数が堅調に推移しております。

この結果、売上高は298億36百万円(前年同期比8.1%増)、上述した特別損失を計上したことなどにより、親会社株主に帰属する四半期純損失は8億29百万円(前年同期は親会社株主に帰属する四半期純利益16億31百万円)となりました。

 

(スマートライフ・クオカード事業)

スマートライフ・クオカード事業は、全国の主要コンビニエンスストア等を通じての「PIN(プリペイドコード)」、「ギフトカード」および「スマートフォンアクセサリー」の販売等のほか、再生可能エネルギー、ヘルスケア、子ども向けICTスクール、eスポーツ等のESGに関連した事業を行っております。また、当社の連結子会社である㈱クオカードでは、「QUOカード」および「QUOカードPay」の発行・精算業務およびカード関連機器の販売ならびに保守業務等を行っております。

 

スマートライフ事業については、PIN・ギフトカードの取扱高は前年同期と比べ減少しました。ゲームや音楽・動画配信等の様々なデジタルコンテンツの需要は生活様式の変化に伴い落ち着きつつあります。コンビニエンスストア等を中心としたスマートフォンアクセサリーの卸売りや、ウェアラブルディバイス「Fitbit」の販売は堅調に推移いたしました。

また、2023年11月には女性特有の健康課題解決につながる商品やサービスを提供するサロン型のフェムテックストア「FEMTECH LAB」1号店をオープンいたしました。12月にオープンしたオンラインショップとも連携し、リアルとデジタルが有機的に融合したサービスの展開に取り組んでおります。

海外事業においては、12月よりシンガポールにてモバイルバッテリーシェアリング「ChargeSPOT」のフランチャイズ展開を開始いたしました。

クオカード事業については、「QUOカード」および「QUOカードPay」の発行高は、前年同期に自治体向けの大型施策があった影響により前年同期に比して減少いたしました。2023年7月より大手コンビニエンスストアが「QUOカードPay」の加盟店に加わるなど、加盟店の拡大に努めております。

この結果、売上高は224億69百万円(前年同期比15.7%減)、親会社株主に帰属する四半期純利益は17億89百万円(同13.5%減)となりました。

 

②財政状態の状況

(資産)

当第3四半期連結会計期間末における流動資産は、前連結会計年度末に比べ17億6百万円増加し、2,021億27百万円となりました。これは主に営業投資有価証券が155億26百万円、棚卸資産が54億46百万円、未収入金が34億74百万円増加し、差入保証金が140億49百万円、現金及び預金が91億20百万円減少したことによるものであります。固定資産は、前連結会計年度末に比べ45億35百万円減少し、411億12百万円となりました。これは主に連結の範囲の変更により投資有価証券14億18百万円が減少したこと、および繰延税金資産13億70百万円、のれんが13億22百万円減少したことによるものであります。

この結果、総資産は前連結会計年度末に比べ28億29百万円減少し、2,432億39百万円となりました。

(負債)

当第3四半期連結会計期間末における流動負債は、前連結会計年度末に比べ6億5百万円減少し、1,655億94百万円となりました。これは主に未払金が11億34百万円増加したものの、賞与引当金が9億59百万円、1年以内返済予定の長期借入金が9億36百万円、未払法人税等5億23百万円が減少したことによるものであります。固定負債は、前連結会計年度末に比べ15億55百万円減少し、34億26百万円となりました。これは主に長期借入金が18億71百万円減少したことによるものであります。

この結果、負債合計は前連結会計年度末に比べ21億60百万円減少し、1,690億20百万円となりました。

(純資産)

当第3四半期連結会計期間末における純資産は、前連結会計年度末に比べ6億68百万円減少し、742億19百万円となりました。これは主に親会社株主に帰属する四半期純利益を38億10百万円計上し、剰余金の配当を41億85百万円支払ったことによるものであります。

 

(2)経営方針・経営戦略等

当第3四半期連結累計期間において、当社グループが定めている経営方針・経営戦略等について重要な変更はありません。

 

(3)事業上及び財務上の対処すべき課題

当第3四半期連結累計期間において、当社グループが対処すべき課題について重要な変更はありません。

 

(4)研究開発活動

該当事項はありません。