売上高

利益

資産

キャッシュフロー

配当(単独)

ROE

EPS BPS




E05630 Japan GAAP


2【経営者による財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローの状況の分析】

 文中の将来に関する事項は、当第3四半期連結会計期間の末日において判断したものであります。

 

(1) 経営成績の状況

 当第3四半期連結累計期間(自 2023年9月1日 至 2024年5月31日)におけるわが国経済は、持ち直しに足踏みも見られるものの緩やかに回復していますが、欧米における高い金利水準の継続に伴う影響や中国経済の先行き懸念など、海外景気の下振れが我が国の景気を下押しするリスクとなっています。また、物価上昇、中東地域をめぐる情勢、金融資本市場の変動等の影響に十分注意していく必要があります。

 当社グループの主力事業であるソリューション事業の属するスマートフォン関連市場においては、IoT(※)やAI(人工知能)技術の急速な進化により事業環境は目まぐるしく変化し、企業間競争は激化しております。そのような中、経済産業省発表の2024年4月の特定サービス産業動態統計月報によれば、情報サービス産業の売上高合計は前年同月比2.2%増加と堅調に推移しております。飲食関連事業の主要市場である外食産業市場において、特に居酒屋業態等の売上の回復には時間を要しており、厳しい事業環境が続いています。教育関連事業の属するデジタル人材関連サービス市場は堅調に成長を継続する見込みであり、当社グループの手掛ける求職者向けの訓練事業においても、オンライン授業等の拡充による運営の効率化を継続し、業績は上昇傾向が続いております。エンタテインメント事業の主要市場の一つであるライブ・エンタテインメント市場は、順調に回復し、コロナ以前の水準に戻ることが予測されており、当社グループにおいても、コンサート等のイベントやファンクラブの活動等による収益に加え、著作権の管理収益等を計上いたしました。

 このような状況の中、当社グループは、当社の新商号である「THE WHY HOW DO COMPANY」に込められた「多くの出会いや情報ネットワークを通じて、先端的でユニークな顧客価値・社員価値・社会価値を発見し、真に豊かな生活文化を創造する」という新経営理念の下、ブランディングを重視したビジネスモデルの改革を目指しております。

 なお、ソリューション事業において新規事業のOne’s Roomに係る資産の評価見直し等の結果、減損損失として101百万円及び2024年6月25日に証券取引等監視委員会が公表した課徴金納付命令発出に係る勧告に伴い課徴金引当金として44百万円を、特別損失に計上致しました。

 この結果、当第3四半期連結累計期間における売上高は538百万円(前年同期比26.9%減)、営業損失は224百万円(前年同期は営業損失159百万円)、経常損失は225百万円(前年同期は経常損失202百万円)、親会社株主に帰属する四半期純損失は320百万円(前年同期は親会社株主に帰属する四半期純損失236百万円)、EBITDA(※)は204百万円の赤字(前年同期は132百万円の赤字)となりました。

 また、販売費及び一般管理費においては継続的なコスト削減等に取り組んでおりますが、新規事業の立ち上げなどもあり、465百万円(前年同期比9.1%増)となりました。

 セグメントの業績は、次のとおりであります。

 なお、第1四半期連結会計期間から「産業廃棄物処理事業」を新たに追加しており、報告セグメントを「ソリューション事業」、「飲食関連事業」、「教育関連事業」及び「エンタテインメント事業」の4区分から「ソリューション事業」、「飲食関連事業」、「教育関連事業」、「エンタテインメント事業」及び「産業廃棄物処理事業」の5区分に変更しております。

 

(ソリューション事業)

 ソリューション事業は、スマートフォン向けプラットフォームソリューションやIoT(※)関連ソリューション等を展開する「プラットフォーム」分野、ソーシャルゲームやアプリ関連等を行う「コンテンツサービス」分野及びその他受託開発案件等を行っております。

 プラットフォーム分野においては、携帯電話販売店の店頭デモ端末管理システム「Multi-package Installer for Android」が、安定的な収益軸のひとつであるストック型ビジネスとして継続しております。また、センサー内蔵ボール「i・Ball TechnicalPitch」を筆頭に、各種スポーツ競技を対象にしたシステム開発を基盤としたIoT(※)関連事業の拡大に向けた取り組みも継続して進めております。

 コンテンツサービスの分野においては、複数のプラットフォームでソーシャルゲームやアプリを提供し、市場獲得に取り組んでおります。公益財団法人日本サッカー協会公式ライセンスのもと提供している「サッカー日本代表ヒーローズ」は2011年12月のサービス開始から10年を超えて長年にわたり多くのコアなファンに楽しんで頂いております。

 なお、前年同期比で売上が減少したのは、スポーツIoT関連事業の一部契約の終了によるものであります。

 以上の結果、当第3四半期連結累計期間における売上高は188百万円(前年同期比30.8%減)、セグメント損失は53百万円(前年同期はセグメント損失26百万円)となりました。

 

 

(飲食関連事業)

 飲食関連事業は、商標権の管理及び不動産のサブリースを行っております。情報の発信地「渋谷」において多数の年間顧客動員数を誇る「渋谷肉横丁」の商標権管理を行い、そのブランド知名度と実店舗への集客力を活かした新たな連携による展開を目指しております。不動産のサブリースでは、首都圏に2店舗を展開しております。なお、飲食業の直営店の営業は終了し、今後、当面は東京都渋谷区のちとせ会館の「渋谷肉横丁」を軸として行う商標権の管理、サブリースに集中して継続を図る方向としております。そのため、前年同期比で売上は大幅に減少いたしましたが、セグメント利益は黒字化を達成することとなりました。

 以上の結果、当第3四半期連結累計期間における売上高は30百万円(前年同期比79.8%減)、セグメント利益は10百万円(前年同期はセグメント損失33百万円)となりました。

 

(教育関連事業)

 教育関連事業は、新宿校において3教室に加えて横浜校を開講し、主に訓練期間を約半年とする求職者向けITスクール等の研修を行っております。雇用情勢は改善傾向にあり受講者数の確保は予断を許さない状況であり、eラーニングによるコースの拡充も難しくなりつつありますが、様々な施策を講じることにより、売上高の維持に努めております。

 以上の結果、当第3四半期連結累計期間における売上高は142百万円(前年同期比7.5%増)、セグメント利益は43百万円(前年同期比2.7%減)となりました。

 

(エンタテインメント事業)

 エンタテインメント事業は、当社の強みであるIT技術を活かし、音楽家の小室哲哉氏を中心に、楽曲製作及びコンサート活動等の核となる事業を進めております。当第3四半期連結累計期間においては、中核となるコンサート等のイベント出演やファンクラブの活動等による収益及び著作権の管理収益等を計上しました。なお、業界の性質上、外注経費の変動等の要因により、前年同期比ではセグメント利益が減少いたしました。

 以上の結果、当第3四半期連結累計期間における売上高は172百万円(前年同期比3.1%減)、セグメント利益は36百万円(前年同期比16.5%減)となりました。

 

(産業廃棄物処理事業)

 当連結会計年度から新たな報告セグメントとして追加した産業廃棄物処理事業は、当社子会社の株式会社宇部整環リサイクルセンターが行っております。営業開始に向けて大規模な設備投資を行い、産業廃棄物中間処理施設の構築を行っております。当第3四半期連結累計期間においては、営業開始に向けた準備期間のため、売上の計上はありません。

 以上の結果、当第3四半期連結累計期間におけるセグメント損失は20百万円となりました。

 

(注)※ IoT

 モノのインターネット(Internet of Things)。

 従来は主にパソコンやサーバー、プリンタ等のIT関連機器が接続されていたインターネットに、それ以外の各種家電製品、生活環境などの情報を取得する各種のセンサー等、さまざまな"モノ"を接続する技術。

   ※ EBITDA

 当社では、EBITDAを重要な経営指標と位置づけております。EBITDAは、営業利益に対しノンキャッシュ費用(減価償却費、引当金繰入、他勘定受入高)を戻し入れ、算出しております。

 

 

(2) 財政状態の分析

(資産)

 当第3四半期連結会計期間末における資産は2,122百万円となり、前連結会計年度末に比べ768百万円増加いたしました。これは主に株式会社宇部整環リサイクルセンターの子会社化に伴い建設仮勘定を402百万円計上したことに加え、前渡金が353百万円、現金及び預金が96百万円、長期貸付金が77百万円それぞれ増加し、ソフトウエア仮勘定が93百万円、流動資産のその他が48百万円減少したことによるものであります。

 

(負債)

 当第3四半期連結会計期間末における負債は718百万円となり、前連結会計年度末に比べ177百万円増加いたしました。これは主に課徴金引当金を44百万円計上したことに加え、長期借入金が150百万円、流動負債のその他が7百万円それぞれ増加し、短期借入金が15百万円、未払金が19百万円それぞれ減少したことによるものであります。

 

(純資産)

 当第3四半期連結会計期間末における純資産合計は1,403百万円となり、前連結会計年度末に比べ591百万円増加いたしました。これは主に新株予約権の行使により資本金及び資本剰余金がそれぞれ492百万円増加し、利益剰余金が320百万円、新株予約権が40百万円、非支配株主持分が42百万円減少したことによるものであります。

 この結果、自己資本比率は65.1%(前連結会計年度末は52.2%)となりました。

 

(3)会計上の見積り及び当該見積りに用いた仮定

 前連結会計年度の有価証券報告書に記載した「経営者による財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローの状況の分析」中の会計上の見積り及び当該見積りに用いた仮定の記載について重要な変更はありません。

 

(4) 優先的に対処すべき事業上及び財務上の課題

 当第3四半期連結累計期間において、当社グループの優先的に対処すべき事業上及び財務上の課題に重要な変更および新たに生じた課題はありません。

 

(5) 研究開発活動

  当第3四半期連結累計期間において、該当事項はありません。