売上高

利益

資産

キャッシュフロー

配当(単独)

ROE

EPS BPS




E05679 Japan GAAP


2【経営者による財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローの状況の分析】

 文中の将来に関する事項は、当四半期連結会計期間の末日現在において判断したものであります。

 

(1)財政状態及び経営成績の状況

① 経営成績

 当第3四半期連結累計期間におけるわが国経済は、社会経済活動が正常化する中で、サービス消費が持ち直したことや、インバウンド需要が増加したこと等から、景気は回復基調を維持しました。一方で、ロシア・ウクライナ情勢の長期化、中東情勢、世界的な金融引締めにともなう影響や中国経済の先行き懸念等、依然として不透明な状況が続いております。

 情報サービス産業におきましては、人手不足を背景に業務の効率化を図ることに加え、新しいIT技術を用いた既存システムの再構築や機能追加等の需要を受け、IT活用の流れは堅調に推移しております。〔経済産業省特定サービス産業動態統計(2023年11月分確報)より〕

 こうした環境下、当社グループでは、中期経営計画(2024年3月期~2026年3月期)の基本方針に「ODKグループ拡大」を掲げ、「新事業ポートフォリオの推進」「グループシナジーの創出」「M&A・アライアンスの推進」を本年度の重点課題として様々な施策に取組んでおります。

 当社単体としては、中期経営計画の基本方針に「専門性の強化による新たな価値の創造」を掲げ、「個別収益管理の深化」「コンサル機能の発揮」「研究開発の推進」を本年度の重点課題として取組んでおります。

 グループ及び当社単体の重点課題に対する具体的取組みとしては、体験実績をNFT(※1)活用により証明する次世代型ソリューション『アプデミー®』を基幹に、多様なサービス開発をすすめております。その一例として、大学生向けに体験実績NFTと生成AI(※2)を用いて、フォトリアルな3Dアバターからキャリアアドバイスを受けられるサービスの開発に向けた実証実験を、株式会社電通グループ、TOPPANホールディングス株式会社、ソニー株式会社等と共同で、近畿大学にて開始しております。

 また、当社の連結子会社である株式会社ポトスは、「キャリポート(※3)」のコンテンツ拡充を目的に、CCCMKホールディングス株式会社と協業し、若年層の声をもとに企業のブランディングやマーケティングをサポートする「マーケティング支援パッケージ」の提供を開始しております。

 その他、『UCARO®』をデータプラットフォームとして各事業領域をつなぐハブに育成するとともに、外部接点強化やサービス拡張等により保有するデータ量・種類の拡大を目指しております。今後も同サービスを軸とした成長戦略により、データビジネスによる新たな価値の創造を継続してまいります。

 業績面では、証券業務『WITH-X®(ウィズクロス)(※4)』や『KIZUNA-X®(キズナクロス)(※5)』の売上の増加、臨床検査システムの開発及び子会社における保守支援案件の増加等により売上高は3,195,074千円(前年同四半期比 3.4%増)となりました。退職給付費用及び開発・運用体制の適正化による外注費の減少等により営業損失は308,971千円(前年同四半期は営業損失439,048千円)となりました。経常損失は277,063千円(同 経常損失411,925千円)、親会社株主に帰属する四半期純損失は213,258千円(同 親会社株主に帰属する四半期純損失305,334千円)となりました。

 当社グループの事業は、大学入試業務等をはじめとした利益が第4四半期連結会計期間にかけて増加する傾向にあるため、第3四半期連結累計期間の売上高は相対的に少なくなる傾向にあります。しかし、人件費等の固定費は四半期ごとに変動する性質ではないため、結果として、第3四半期連結累計期間の利益が、他の四半期に比べ極めて低い水準にとどまり、例年第3四半期まで損益はマイナスでありますが、通期では当該マイナスは解消されております。

 

(※1)NFT:

 Non-Fungible Token の略語。ブロックチェーン上でその唯一性が保証されているトークンであり、暗号学的にその保有や来歴を証明することが可能です。

(※2)生成AI:

 サンプルデータからアウトプットを自動的に生成する機械学習の手法。従来のAIと異なり、ゼロからコンテンツを生成する学習能力を備えています。

(※3)キャリポート:

 大学1、2年生からのキャリア形成を応援し、その応援を企業価値に転換するキャリア体験プラットフォームです。

(※4)WITH-X®:

 証券会社におけるフロント業務からバックオフィス業務の機能を備え、柔軟なカスタマイズが可能な証券総合システムです。

(※5)KIZUNA-X®:

 金融商品仲介業者(IFA)向けの投資信託Web取次システムです。

 

 売上高の内訳は次のとおりであります。

 なお、当社グループは、単一セグメントであるため、セグメント毎の記載に代えて、サービス別の内訳を記載しております。

 

<システム運用>

 既存顧客との取引深耕による証券業務『WITH-X®』や『KIZUNA-X®』の売上増加、前第2四半期連結会計期間に譲受した人材育成サポート事業の売上等により、2,957,236千円(前年同四半期比 1.0%増)となりました。

<システム開発及び保守>

 臨床検査システムの開発及び子会社における保守支援案件の増加等により、183,600千円(同 64.8%増)となりました。

<機械販売>

 医療システム用タブレット製品の販売等により、54,236千円(同 4.4%増)となりました。

 

② 財政状態

 当第3四半期連結会計期間末の総資産は、前連結会計年度末と比べて877,127千円減の7,660,756千円となりました。これは主に売上債権の減少によるものであります。

 負債は、前連結会計年度末と比べて671,233千円減の2,069,416千円となりました。これは主に長期借入金の返済による減少であります。

 純資産は、前連結会計年度末と比べて205,894千円減の5,591,340千円となりました。これは主に利益剰余金の減少によるものであります。

 

(2)会計上の見積り及び当該見積りに用いた仮定

 前事業年度の有価証券報告書に記載した「経営者による財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローの状況の分析」中の会計上の見積り及び当該見積りに用いた仮定の記載について重要な変更はありません。

 

(3)経営方針・経営戦略等

 当第3四半期連結累計期間において、当社グループが定めている経営方針・経営戦略等について重要な変更はありません。

 

(4)優先的に対処すべき事業上及び財務上の課題

 当第3四半期連結累計期間において、当社グループが優先的に対処すべき事業上及び財務上の課題について重要な変更はありません。

 

(5)研究開発活動

 当第3四半期連結累計期間におけるグループ全体の研究開発活動の金額は、32,323千円であります。

 なお、当第3四半期連結累計期間において、当社グループの研究開発活動の状況に重要な変更はありません。