売上高

利益

資産

キャッシュフロー

配当(単独)

ROE

EPS BPS




E32992 Japan GAAP


2 【経営者による財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローの状況の分析】

文中の将来に関する事項は、当四半期連結会計期間の末日現在において判断したものであります。

 

(経営成績等の状況の概要)

(1) 経営成績の状況

当第1四半期連結累計期間における日本経済は、新型コロナウイルス感染症の感染症法上の位置づけが5類感染症に移行したことにより、行動制限の緩和が一層進み、社会経済活動の正常化の動きがみられました。一方で、緊迫した世界情勢に加え、不安定な円相場やインフレによる経済停滞が懸念され、依然として不透明な事業環境が続いております。

当社を取り巻く事業環境は、紙の出版市場が縮小している一方で、電子出版市場は継続的に拡大しており、インプレス総合研究所「電子書籍ビジネス調査報告書2023」によると、2024年度の成長率は7%程度になると予測されており、今後も電子書籍及び電子コミックの市場規模はゆるやかな拡大が続くことが予想されております。

このような市場環境の中で、プラットフォームセグメントにおいては、コミック配信サービス「まんが王国」のブランド構築に注力しつつ効率的な投資を、コンテンツセグメントにおいては、継続的なデジタル成長による安定的な利益創出を実行しました

これらの結果、当第1四半期連結累計期間の売上高は4,701,950千円(前年同期比0.6%増)、営業利益は407,195千円(前年同期比10.1%増)、経常利益は393,652千円(前年同期比10.6%増)、親会社株主に帰属する四半期純利益は203,635千円(前年同期比20.7%増)となりました。

 

セグメントごとの経営成績は、次のとおりであります。

 

(プラットフォームセグメント)

プラットフォームセグメントの主力サービスであるコミック配信サービス「まんが王国」においては、ユーザーの訪問・定着・課金の流れを促し、課金者数と顧客単価を上げるべく、お得感を訴求するキャンペーンや幅広いユーザー層獲得のための販売促進活動を積極的に行いました。課金意欲が高いユーザーへの訴求が奏功した一方で、ライトユーザーの定着・育成に一定の時間を要す状況が続きました。その結果、「まんが王国」の売上高は前年同期比1.2%減となりました。

また、2023年6月に提供を開始した北米向けコミック配信サービス「yomoyo(ヨモーヨ)」においては、コンテンツの許諾交渉を推進いたしました。

総合エンターテインメント事業を展開する株式会社アミューズとの協業においては、2023年7月から10月に開催した『目指せメディアミックス!「現代恋愛×ファンタジー」小説コンテスト』の結果を発表し、受賞作品のコミカライズを推進いたしました。また、2024年3月には、音楽と漫画を融合させた次世代コンテンツを生み出すクロスメディアプロジェクト「Project CO-MUSIX」を立ち上げ、第1弾となるオムニバス作品を「まんが王国」他、動画プラットフォームやSNS等で展開いたしました。

利益面においては、売上高が前期並みとなった一方で、広告宣伝費を中心とした営業費用が前年同期比で減少いたしました。

これらの結果、当セグメントの売上高は3,071,391千円(前年同期比0.7%減)、営業利益は128,339千円(前年同期比20.0%増)となりました。

 

 

(コンテンツセグメント)

コンテンツセグメントにおいては、デジタルコンテンツを中心に、発刊点数の増加、電子書店ごとの特性や読者ニーズに沿った販売促進活動を積極的に行いました。また、紙出版においては、紙出版市場の縮小を鑑み、配本部数の管理及び価格設定等のコストコントロールを実施いたしました。

デジタル出版においては、読者の嗜好性に合わせたコンテンツの創出とジャンルの拡大を推進し、SNSや動画プラットフォームを活用したプロモーションを強化した結果、ぶんか社が得意とするBL、TLジャンルを中心とした女性向けコミックジャンルの作品や近年創刊したデジタルコミック誌からの作品の売上が堅調に推移いたしました。これにより、売上高は前年同期比14.8%増となりました。また、新たな取り組みとして、2024年4月にライトBLレーベル「GUSHgem」を創刊いたしました。

紙出版においては、配本部数のコントロール及び雑誌の隔月化や休刊を実施した結果、売上高は前年同期比17.3%減となりました。

このほか、2024年1月にはぶんか社と海王社から2作品がテレビドラマ化し、『消せない「私」~炎上しつづけるデジタルタトゥー~』が日本テレビにて放送、「好きやねんけどどうやろか」が読売テレビにて放送されました。また、累計発行部数21万部を超える人気BL作品「パーフェクトプロポーズ」を原作としたドラマが2024年2月からフジテレビ公式動画配信サービス「FOD」で配信されました。

利益面においては、紙出版収益が減少したものの、デジタル出版収益が前年同期比で増加いたしました。

これらの結果、当セグメントの売上高は1,680,005千円(前年同期比3.8%増)、営業利益は278,805千円(前年同期比6.1%増)となりました

 

(2) 財政状態の状況

① 資産の部

当第1四半期連結会計期間末における資産合計は17,937,187千円となり、前連結会計年度末に比べ447,770千円減少しました。

流動資産は8,756,719千円となり、前連結会計年度末と比べ252,476千円減少しました。これは主に、現金及び預金が69,733千円、売掛金が165,250千円減少したことによるものです。

固定資産は9,180,468千円となり、前連結会計年度末と比べ195,293千円減少しました。これは主に、無形固定資産が197,009千円減少したことによるものです。

② 負債の部

当第1四半期連結会計期間末における負債合計は10,870,748千円となり、前連結会計年度末に比べ560,966千円減少しました。

流動負債は8,174,147千円となり、前連結会計年度末に比べ292,357千円減少しました。これは主に、未払消費税等が78,972千円増加した一方で、支払手形及び買掛金が78,448千円、未払法人税等が214,558千円、返金負債が56,384千円減少したことによるものです。

固定負債は2,696,601千円となり、前連結会計年度末と比べ268,609千円減少しました。これは主に、長期借入金が255,000千円減少したことによるものです。

③ 純資産の部

当第1四半期連結会計期間末における純資産合計は7,066,439千円となり、前連結会計年度末に比べ113,196千円増加しました。これは、利益剰余金が113,196千円増加したことによるものです。

この結果、自己資本比率は、39.4%となりました。

 

(3) 研究開発活動

該当事項はありません。