売上高

利益

資産

キャッシュフロー

配当(単独)

ROE

EPS BPS




E32992 Japan GAAP


2 【経営者による財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローの状況の分析】

文中の将来に関する事項は、当四半期連結会計期間の末日現在において判断したものであります。

 

(経営成績等の状況の概要)

(1) 経営成績の状況

当第3四半期連結累計期間における日本経済は、新型コロナウイルス感染症による行動制限が緩和され、感染症の分類も5類感染症へ移行し、国内外での人流も回復するなど、感染症対策と経済活動の両立により、社会経済活動の正常化が進みつつあります。一方で、緊迫した世界情勢に加え、不安定な円相場やインフレによる経済停滞が懸念され、依然として不透明な事業環境が続いております。

当社を取り巻く事業環境は、紙の出版市場が縮小している一方で、電子出版市場は継続的に拡大しており、インプレス総合研究所「電子書籍ビジネス調査報告書2023」によると、2023年度の成長率は8%程度になると予測されており、今後も電子書籍及び電子コミックの市場規模はゆるやかな拡大が続くことが予想されております。

このような市場環境の中で、プラットフォームセグメントにおいては、電子コミック配信サービス「まんが王国」のブランド構築に注力しつつ効率的な投資を行ったことで、「まんが王国」の売上高は前年同期比3.3%増となりました。また、コンテンツセグメントにおいては、継続的なデジタル成長による安定的な利益創出を実行しました。

さらに、コンテンツプロデュースカンパニーとしての機能強化や成長加速のため、2021年11月に資本業務提携契約を締結した日本テレビ放送網株式会社(以下、「日本テレビ」という。)との協業案件を継続的に推進いたしました。

これらの結果、当第3四半期連結累計期間の売上高は14,452,354千円(前年同期比3.0%増)、営業利益は1,271,596千円(前年同期比8.2%減)、経常利益は1,231,297千円(前年同期比2.3%減)、親会社株主に帰属する四半期純利益は615,724千円(前年同期比15.9%増)となりました。

 

セグメントごとの経営成績は、次のとおりであります。

 

(プラットフォームセグメント)

プラットフォームセグメントの主力サービスである「まんが王国」においては、ユーザーの訪問・定着・課金の流れを促し、課金者数と顧客単価を上げるべく、お得感を訴求するキャンペーンや幅広いユーザー層獲得のための販売促進活動を積極的に行いました。

さらに、原作付きのコミカライズ作品や異世界ファンタジー等の人気ジャンル作品といった“ここだから読める”作品の創出に注力いたしました。

この結果「まんが王国」は、お得感No.1(2023年4月に実施された第三者調査機関による電子コミックサービスに関する調査で最もお得に感じるサービス第1位を獲得。)のコミック配信サービスとして、2023年5月に累計ダウンロード数が20億冊を突破、2023年10月に会員登録者数が800万人を突破いたしました。

また、国内コミック配信事業で培ったノウハウを生かし、諸外国の中でも、特に拡大が予想されている北米の電子コミック市場において、2023年6月に北米向けコミック配信サービス「yomoyo(ヨモーヨ)」の提供を開始いたしました。

 

小説投稿サービス「ノベルバ」においては、投稿作品を原作としたコミカライズ・メディアミックス展開を推進するため、アプリ利用者数及び投稿作品数の増加を目的とした施策の実施や小説コンテストを開催いたしました。さらに、オリジナルIPの創出を目的に、イベント関連事業や音楽・映像関連事業等を多角的に展開する株式会社アミューズとの協業を開始し、最初の取り組みとして、「ノベルバ」内にて『目指せメディアミックス!「現代恋愛×ファンタジー」小説コンテスト』を開催いたしました。

日本テレビとの取り組みにおいては、「まんが王国」にて昨年末より連載を開始した漫画家発掘ドキュメントバラエティ―「THE TOKIWA」発のコミカライズ作品「ようこそ!パラダイス劇場へ」の電子コミック版が完結し、2023年8月に紙書籍を販売いたしました。

費用面においては、安定した広告市況の中で広告出稿を行ったことで、広告宣伝費を中心に販売費及び一般管理費が増加いたしました。

これらの結果、当セグメントの売上高は9,467,569千円(前年同期比2.1%増)、営業利益は453,141千円(前年同期比14.0%減)となりました。

 

(コンテンツセグメント)

コンテンツセグメントにおいては、紙出版市場の縮小を鑑み、紙出版にかかるコストコントロールの実施に加え、デジタルコンテンツを中心に、発刊点数の増加、電子書店ごとの特性や読者ニーズに沿った販売促進活動を積極的に行いました。

これにより、デジタル出版においては、売上高が前年同期比7.7%増となりましたが、一方で、紙出版においては、返品率が増加し、利益率が低下する等、引き続き対策が必要な状況にあります。

このような状況の中で、読者の嗜好性に合わせたコンテンツの創出とジャンルの拡大を推進し、SNSや動画プラットフォームを利用したプロモーションを強化した結果、ぶんか社が得意とするBL、TLジャンルを中心とした女性向けコミックジャンルの作品や近年創刊したデジタルコミック誌からの作品の売上が堅調に推移いたしました。

また、BLコミック誌「GUSH」が20周年を迎えたことを期に、コラボカフェや「GUSH20周年記念展-with LOVE-」の開催といった様々な施策を実行いたしました。

さらに、異世界&令嬢作品に特化した、女性向けライトノベルのコミカライズレーベル「BKコミックスf」では「ノベルバ」と共同で「第2回BKコミックスf令嬢小説コンテスト」を開催する等、セグメント間の連携を強化するとともに、レーベルの特徴を活かした作品の創出に注力いたしました。

このほか、ぶんか社の人気グルメ漫画「半熟ファミリア 腹ペコ兄妹の熟成レシピ」が日本テレビホールディングス株式会社の子会社である株式会社日テレ アックスオン制作にてテレビドラマ化いたしました。また、2023年6月には、ぶんか社刊の「お姫様クラブ」がフジテレビ系の番組内にて映像化されました。

これらの結果、当セグメントの売上高は5,100,280千円(前年同期比4.4%増)、営業利益は817,895千円(前年同期比4.7%減)となりました。

 

(2) 財政状態の状況

① 資産の部

当第3四半期連結会計期間末における資産合計は18,424,439千円となり、前連結会計年度末に比べ615,492千円減少しました。

流動資産は8,828,747千円となり、前連結会計年度末と比べ20,990千円増加しました。これは主に、売掛金が51,355千円、未収還付法人税等が101,106千円減少した一方で、現金及び預金が110,676千円、前払費用が53,781千円増加したことによるものです。

固定資産は9,595,691千円となり、前連結会計年度末と比べ636,483千円減少しました。これは主に、無形固定資産が638,156千円減少したことによるものです。

 

② 負債の部

当第3四半期連結会計期間末における負債合計は11,554,677千円となり、前連結会計年度末に比べ1,170,562千円減少しました。

流動負債は8,311,869千円となり、前連結会計年度末に比べ364,734千円減少しました。これは主に、支払手形及び買掛金が227,960千円増加した一方で、未払金が89,759千円、未払法人税等が222,366千円、未払消費税等が122,567千円、返金負債が157,400千円減少したことによるものです。

固定負債は3,242,808千円となり、前連結会計年度末と比べ805,828千円減少しました。これは主に、長期借入金が765,000千円減少したことによるものです。

③ 純資産の部

当第3四半期連結会計期間末における純資産合計は6,869,761千円となり、前連結会計年度末に比べ555,069千円増加しました。これは主に、利益剰余金が542,593千円増加したことによるものです。

この結果、自己資本比率は、37.3%となりました。

 

(3) 研究開発活動

該当事項はありません。