売上高

利益

資産

キャッシュフロー

配当(単独)

ROE

EPS BPS




E36077 Japan GAAP


2【経営者による財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローの状況の分析】

文中の将来に関する事項は、当四半期連結会計期間の末日現在において判断したものであります。

 

(1)経営成績の状況

当第2四半期連結累計期間(2023年12月1日から2024年5月31日)におけるわが国経済は、社会経済活動の正常化が進み、インバウンド需要の復調や雇用・所得環境の改善など、緩やかな回復基調となりました。しかしながら、世界的な地政学リスクの長期化に伴う資源価格の高騰及び円安進行による物価高騰や金融政策の変動等の影響により、依然として先行き不透明な状況が続いております。

当社グループが属する情報サービス産業におきましては、引き続き、デジタルトランスフォーメーション(DX)の取り組みが加速しており、あらゆる産業において、企業の競争力強化のためのIT投資意欲は拡大していくことが見込まれております。

このような環境の下、当社グループは、2022年12月にスタートした中期経営計画(2023年11月期~2025年11月期)の2期目として、重点施策である①人材の確保と育成、②自社プロダクトソリューションサービスの拡大を中心に取り組み、システムインテグレーションサービスにおいては、引き続き堅調な受注が見込まれる「公共」「金融」「エネルギー」分野のニーズを背景に、人材の確保、キャリア採用、高度技術者の育成を推進するとともに、パートナー企業との連携強化及びグループ企業による共同提案、共同開発などのシナジー効果を高め、高付加価値ビジネスへの変革を推進しております。DXソリューションサービスにおいては、当社グループの自社プロダクトである「Wisebook」及び「DynaCAD」の高利益率ビジネスへの選択と集中を強化しております。新たに基本利用料0円から始められるデジタルブック配信サービス『TrendTap powered by Wisebook』を開始、Wisebookと連携し新規顧客開拓におけるマーケティング活動をサポートする『MA Tree』をリリース、また、次世代デジタル教育ソリューション 『Wisebook EdTech』においては、書き込みなどの同期機能、学習経験データの蓄積・運用、ECセールスプラットフォームやすべてのOSで利用できるアプリなど充実した追加機能を提供し、教育機関向けテキスト教材出版社との協業にも取り組み、更なる受注拡大と収益力向上を目指しております。

以上の結果、当第2四半期連結累計期間の経営成績は、システムインテグレーションサービス、DXソリューションサービスともに受注が順調に拡大したことにより売上高は2,540,545千円(前年同期比10.7%増)となりました。DXソリューションサービスの増収効果により連結粗利率は1.3ポイント向上の23.5%となり、売上総利益は596,919千円(同17.2%増)、営業利益は109,663千円(同622.2%増)となり、経常利益は101,965千円(同340.0%増)、親会社株主に帰属する四半期純利益は61,815千円(前年同期は1,652千円)となりました。

なお、当社グループは、情報サービス事業の単一セグメントでありますが、主要サービス別の経営成績を以下に示します。

 

(システムインテグレーションサービス)

システムインテグレーションサービスは、公共・通信・金融・エネルギー・運輸物流等の分野を中心に、社会インフラ系の基幹システム開発及びネットワーク基盤構築の受注を柱にしており、安定した受注の確保を実現しています。当第2四半期連結累計期間は、主要顧客からの受注が堅調に推移し、新規顧客開拓による受注案件の拡大と、それに伴う要員の確保、受注単価アップや高利益率案件等へのシフトが好調に推移したことにより、売上高は2,208,648千円(前年同期比10.3%増)となりました。

 

(DXソリューションサービス)

DXソリューションサービスは、デジタルマーケティング、図面DXソリューション、クラウドソリューションの各種サービスを行っております。当第2四半期連結累計期間は、自社プロダクトである「Wisebook」及び「DynaCAD」の高利益率ビジネスへの選択と集中を強化し、受注・納品が順調に推移したことにより、売上高は331,896千円(前年同期比13.7%増)となりました。

各ソリューション別の状況は以下のとおりであります。

 

a.デジタルマーケティングサービス

デジタルマーケティングは、デジタルブックの制作・配信並びに、紙媒体の電子化サービス、電子書籍化サービス、社内文書管理サービス、教育現場での電子教科書への対応及び、閲覧データ解析によるマーケティングツールとしても活用できる「Wisebook」のサービスを提供しております。当第2四半期連結累計期間は、新たに『TrendTap powered by Wisebook』、『MA Tree』のサービスを開始、また、『Wisebook EdTech』の機能追加と教育機関向けテキスト教材出版社との協業に取り組むとともに、Wisebookバージョンアップ案件の受注が順調に推移したことにより、売上高は117,396千円(前年同期比45.5%増)となりました。

 

b.図面DXソリューションサービス

図面DXソリューションは、CADソリューション(高機能で幅広い互換性を持つ2次元汎用CADである「DynaCAD」シリーズの開発・販売や自治体の電子化に伴うコンサルティング、紙図面の電子化サービス)、ドローンソリューション(ドローン操縦技術者講習サービス)、大規模修繕工事に伴う足場の仮設計画図・外壁下地調査図などのCAD製図サービスを提供しております。当第2四半期連結累計期間は、CAD製図サービスが牽引して売上高が拡大したことに加え、DynaCAD製品の保守契約による売上及び紙図面の電子化サービスの売上が堅調に拡大したことにより、売上高は178,799千円(前年同期比18.3%増)となりました。

 

c.クラウドソリューション

クラウドソリューションは、認証ソリューション(3D顔認証を始めとした生体認証機器の販売及び入退管理システム、勤怠管理システム、食事予約システムとの連携などによる総合クラウド認証サービス)及び、中小規模事業者向けシステムソリューション、自社クラウドサービスを利用したシステムサービスを提供しております。当第2四半期連結累計期間は、自社プロダクトへの選択と集中のため営業規模を縮小、「The Meal」「自治体申請ナビ」「駐輪場管理システム」などのクラウドサービスを中心とした事業を展開したことにより、売上高は35,700千円(前年同期比40.7%減)となりました。

 

(2)財政状態の分析

① 資産

当第2四半期連結会計期間末の総資産は2,486,818千円となり、前連結会計年度末と比べて212,524千円の増加となりました。流動資産は1,869,003千円となり、前連結会計年度末と比べて235,934千円の増加となりました。これは主に現金及び預金の増加215,541千円及び、受取手形、売掛金及び契約資産の増加26,601千円によるものであります。固定資産は607,479千円となり、前連結会計年度末と比べて25,248千円の減少となりました。これは主に無形固定資産の減少14,929千円及び、投資その他の資産の減少5,978千円によるものであります。

② 負債

流動負債は962,109千円となり、前連結会計年度末と比べて4,371千円の増加となりました。これは主に1年内返済予定の長期借入金の増加25,603千円、1年内償還予定の社債の増加60,000千円、賞与引当金の増加73,592千円、その他の増加35,836千円、短期借入金の減少100,000千円及び、未払費用の減少89,318千円によるものであります。固定負債は926,497千円となり、前連結会計年度末と比べて161,756千円の増加となりました。これは長期借入金の増加27,686千円、社債の増加135,000千円によるものであります。

③ 純資産

純資産は598,211千円となり、前連結会計年度末と比べて46,396千円の増加となりました。これは主に親会社株主に帰属する四半期純利益61,815千円の計上及び、配当金の支払いによる利益剰余金の減少15,835千円によるものであります。

 

(3)キャッシュ・フローの状況

当第2四半期連結会計期間末における現金及び現金同等物(以下、「資金」という。)は、前連結会計年度末に比べ215,241千円増加し、979,721千円となりました。

当第2四半期連結累計期間における各キャッシュ・フローの状況とそれらの要因は次のとおりであります。

(営業活動によるキャッシュ・フロー)

営業活動の結果、得られた資金は128,608千円(前年同期は216,223千円の獲得)となりました。これは主に、税金等調整前四半期純利益の計上額101,965千円、減価償却費の計上額43,573千円及び、賞与引当金の増加額73,592千円による資金増加と、売上債権の増加額26,601千円及び、法人税等の支払額41,784千円の資金減少によるものであります。

(投資活動によるキャッシュ・フロー)

投資活動の結果、使用した資金は42,583千円(前年同期は108,459千円の使用)となりました。これは主に、無形固定資産の取得による支出38,576千円の資金減少によるものであります。

 

(財務活動によるキャッシュ・フロー)

財務活動の結果、得られた資金は129,216千円(前年同期は147,756千円の獲得)となりました。これは主に、社債の発行による収入296,625千円の資金増加と、長期借入金の返済による支出46,711千円、社債の償還による支出105,000千円及び、配当金の支払いによる15,902千円の資金減少によるものであります。

 

(4)会計上の見積り及び当該見積りに用いた仮定

前事業年度の有価証券報告書に記載した「第一部 企業情報 第2 事業の状況 4.経営者による財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローの状況の分析」中の重要な会計上の見積り及び当該見積りに用いた仮定の記載について、重要な変更はありません。

 

(5)経営方針・経営戦略等

当第2四半期連結累計期間において、当社グループが定めている経営方針・経営戦略等について重要な変更はありません。

 

(6)優先的に対処すべき事業上及び財務上の課題

当第2四半期連結累計期間において、当社グループが優先的に対処すべき事業上及び財務上の課題について重要な変更はありません。

 

(7)研究開発活動

当第2四半期連結累計期間における研究開発費の金額は2,513千円であります。

なお、当第2四半期連結累計期間において、当社グループの研究開発活動の状況に重要な変更はありません。