E00761 IFRS
文中の将来に関する事項は、当中間連結会計期間の末日現在において当社グループが判断したものです。
(経営成績の状況)
当中間連結会計期間のわが国を含む世界経済は、景気の緩やかな回復が続くことが期待される一方、米国の通商政策の動向による影響等が懸念され、先行きが不透明な状況が続きました。
このような状況のなか、当社グループは、「中長期的な企業価値の向上」と「持続可能な社会への貢献」を両立し、サステナビリティ経営を推進して当社グループを一層発展させるべく、『クレハグループ企業理念』、『クレハビジョン』、2030年度に向けた『経営方針』と「クレハグループ中長期経営計画『未来創造への挑戦』」に加えて、事業環境の変化等を踏まえ、『クレハグループ中長期経営計画ローリングプラン2025』を策定し、取り組んでいます。
当社グループの当中間連結会計期間は、樹脂製品事業の熱収縮多層フィルムの販売を前年上期で終了したこと、および農業・園芸用殺菌剤の売上げが減少した一方で、PPS樹脂の売上げが増加したことや原材料価格の下落により、前年同期比で減収増益となりました。
売上収益は前年同期比5.2%減の773億87百万円、営業利益は前年同期比16.5%増の81億5百万円、税引前中間利益は前年同期比13.7%増の84億64百万円、中間利益は前年同期比11.6%増の63億99百万円、親会社の所有者に帰属する中間利益は前年同期比11.8%増の63億18百万円となりました。
セグメントの業績は次のとおりです。
(単位:百万円)
(注)営業損益の調整額には、報告セグメントに配分していないその他の収支が含まれています。詳細は、要約中 間連結財務諸表注記「5.セグメント情報」に記載しています。
① 機能製品事業
機能樹脂分野では、リチウムイオン二次電池用バインダー向けのフッ化ビニリデン樹脂の売上げは減少したものの、シェールオイル・ガス掘削用途のPGA(ポリグリコール酸)樹脂加工品およびPPS樹脂の売上げが増加したことに加えて原材料価格の下落もあり、この分野での売上げ、営業利益はともに増加しました。
炭素製品分野では、高温炉用断熱材の売上げが増加したことから、この分野での売上げ、営業利益はともに増加しました。
この結果、本セグメントの売上収益は前年同期比8.9%増の310億97百万円となり、営業利益は前年同期比103.2%増の23億70百万円となりました。
② 化学製品事業
農薬・医薬分野では、農業・園芸用殺菌剤の売上げが減少したことから、この分野での売上げ、営業利益はともに減少しました。
工業薬品分野では、有機薬品類の売上げが減少したことから、この分野での売上げは減少しましたが、原材料価格の下落により営業利益は増加しました。
この結果、本セグメントの売上収益は前年同期比15.5%減の136億97百万円となり、営業利益は前年同期比45.6%減の3億79百万円となりました。
③ 樹脂製品事業
コンシューマー・グッズ分野では、家庭用ラップ「NEWクレラップ」およびフッ化ビニリデン釣糸「シーガー」の売上げが増加し、この分野での売上げ、営業利益はともに増加しました。
業務用食品包装材分野では、熱収縮多層フィルムの販売を前年上期で終了したことにより、売上げ、営業利益はともに減少しました。
この結果、本セグメントの売上収益は前年同期比20.0%減の182億46百万円となり、営業利益は前年同期比9.9%減の35億63百万円となりました。
④ 建設関連事業
公共工事および民間工事が増加したことにより、売上げは増加しましたが、売上構成の変化により営業利益は前年同期並みとなりました。
この結果、本セグメントの売上収益は前年同期比10.9%増の59億9百万円となり、営業利益は前年同期並みの3億94百万円となりました。
⑤ その他関連事業
環境事業では、廃棄物処理数量の減少により、売上げ、営業利益はともに減少しました。
その他の事業では、売上げ、営業利益はともに減少しました。
この結果、本セグメントの売上収益は前年同期比3.7%減の84億35百万円となり、営業利益は前年同期比19.8%減の9億81百万円となりました。
(財政状態の状況)
当中間期末の資産合計につきましては、前期末比6億56百万円増の3,459億54百万円となりました。流動資産は、現金及び現金同等物は増加したものの、営業債権及びその他の債権、棚卸資産が減少したこと等により、前期末比25億89百万円減の1,021億84百万円となりました。非流動資産は、フッ化ビニリデン樹脂生産設備増強工事に伴い有形固定資産が増加したこと、および退職給付に係る資産が増加したこと等により、前期末比32億45百万円増の2,437億69百万円となりました。
負債合計につきましては、前期末比319億93百万円増の1,661億52百万円となりました。これは、営業債務及びその他の債務が減少した一方で、有利子負債が借入金の増加等により前期末比365億19百万円増の1,225億31百万円となったこと等によるものです。
資本合計につきましては、前期末比313億36百万円減の1,798億2百万円となりました。これは、親会社の所有者に帰属する中間利益を63億18百万円計上した一方で、自己株式の取得を390億18百万円、剰余金の配当を21億56百万円実施したこと等によるものです。
営業活動によるキャッシュ・フローは132億63百万円の収入となり、前年同期に比べ108億20百万円収入が減少しました。これは、営業債権及びその他の債権の増減による収入が減少したこと、および法人所得税の支払額が増加したこと等によるものです。
投資活動によるキャッシュ・フローは49億74百万円の支出となり、前年同期に比べ158億6百万円支出が減少しました。これは、有形固定資産及び無形資産の取得による支出が減少したこと、および投資有価証券の売却による収入が増加したこと等によるものです。
財務活動によるキャッシュ・フローは前年同期43億97百万円の収入から、当中間期は47億46百万円の支出となりました。これは、短期借入金及びコマーシャル・ペーパーの増減による収入が増加した一方、自己株式の取得による支出が増加したこと、および前年同期に発生した社債の発行による収入が当中間連結会計期間に発生しなかったこと等によるものです。
以上の結果、現金及び現金同等物の当中間期末残高は、前期末に比べ36億63百万円増加し251億63百万円となりました。
昨今の電気自動車(BEVおよびPHEV)の需要は、各国の環境政策の変更、補助金等の助成ルールの変更、および景気の悪化による割高感やインフラ整備の遅れなどもあり、引き続き低迷しています。
電池メーカー各社は、競争激化により収益性が低下しており、設備投資の延期や製品/原料在庫水準の引下げを行っているため、当社のリチウムイオン二次電池用バインダーとして使われているフッ化ビニリデン樹脂についても、需要の停滞が継続しています。電気自動車が高い成長軌道に戻るには当初想定よりも時間がかかる可能性があることから、AIやクラウドサービス等で使用されるデータセンター向けの定置用蓄電池(ESS)用途の拡販を進めるなどの施策を実施しています。
当中間連結会計期間の研究開発費の総額は3,147百万円です。