E00767 Japan GAAP
総資産は、現金及び預金、有形固定資産、投資有価証券の増加等により、前連結会計年度末に比べ693億円増加し1兆2,636億円となりました。
負債は、引当金の減少等がありましたが、支払手形及び買掛金、短期借入金の増加等により、前連結会計年度末に比べ342億円増加し4,342億円となりました。
純資産は、親会社株主に帰属する四半期純利益の計上、為替換算調整勘定の増加等により、前連結会計年度末に比べ351億円増加し8,293億円となりました。
(2) 経営成績の状況
当第3四半期連結累計期間(2023年4月1日~2023年12月31日)における世界経済は、欧米先進国を中心としたインフレの高止まりと金融引き締め政策が継続し、中国ではゼロコロナ政策解除後の需要が期待ほど回復しておらず、製造業を中心に減速基調で推移しました。また、原燃料価格や人件費の上昇等に伴う物価上昇圧力の拡大、米中対立や中東情勢・ウクライナ情勢等の地政学リスクへの警戒感は依然として強く、先行き不透明な状況が続いております。
このような情勢下、当社グループの連結業績については、売上高は、ナフサ等の原燃料価格及び海外製品市況の下落に伴う販売価格の下落に加え、景気減速に伴う需要減退や南陽事業所の定期修繕、四日市事業所のプラントトラブルの影響を受け販売数量が減少したことから、7,479億円と前年同期に比べ467億円(5.9%)の減収となりました。営業利益は、在庫受払差が大幅に悪化し販売数量も減少しましたが、ナフサや石炭等の原燃料価格下落を背景とした交易条件の改善により、596億円と前年同期に比べ7億円(1.1%)の増益となりました。経常利益は、円安進行に伴う為替差益を計上しましたが、687億円と前年同期に比べ36億円(5.0%)の減益となりました。親会社株主に帰属する四半期純利益は、414億円と前年同期に比べ49億円(10.7%)の減益となりました。
セグメント別の業績は、次のとおりであります。
石 油 化 学 事 業
エチレンは、四日市事業所プラントのトラブルによる生産量減少により、出荷が減少しました。プロピレンは、コンビナート内需要増加が四日市事業所プラントのトラブルによる生産量減少を上回り、出荷が増加しました。キュメンは、四日市事業所にて非定修年による生産量増加に伴い出荷が増加しました。また、ナフサ価格の下落により、エチレン及びプロピレンの販売価格は下落しました。海外市況下落の影響を受け、キュメンの販売価格は下落しました。
ポリエチレン樹脂は、様々な業界で需要が低迷しており、国内輸出ともに出荷が減少しました。輸出販売価格は、EVA樹脂を中心に海外市況の悪化を背景にして下落しました。クロロプレンゴムは、国内輸出ともに需要低迷で出荷が減少しましたが、国内価格は原燃料高騰を、輸出価格は円安進行などを背景に上昇しました。
この結果、売上高は、前年同期に比べ168億円(10.5%)減少し1,432億円となり、営業利益は、ナフサ等原燃料価格下落に伴いポリエチレン樹脂等の交易条件が改善したものの、在庫受払差の悪化や、販売数量の減少により、前年同期に比べ17億円(15.8%)減少し89億円となりました。
ク ロ ル ・ ア ル カ リ 事 業
苛性ソーダは、定期修繕等による生産量の減少に伴い出荷が減少しました。一方、価格是正により国内価格は上昇し、海外市況の下落により輸出価格は下落しました。塩化ビニルモノマーは、定期修繕等による生産量の減少に伴い出荷が減少しました。塩化ビニル樹脂は、国外出荷が増加しました。また、海外市況の下落を反映し塩ビ製品の海外販売価格は下落しました。
セメントは、需要低調により国内輸出ともに出荷が減少しましたが、国内販売価格は上昇しました。
ジフェニルメタンジイソシアネート(MDI)は、前年同期並みの出荷となりましたが、中国ゼロコロナ政策を背景とした需要減退により下落した海外市況が回復せず販売価格は下落しました。ヘキサメチレンジイソシアネート(HDI)系硬化剤は、中国における建築・土木用途等、世界的な需要低迷を背景に市況が下落し、販売価格が下落しました。
この結果、売上高は前年同期に比べ405億円(13.3%)減少し2,646億円となり、営業利益は、在庫受払差が悪化したものの、ナフサや石炭等の原燃料価格下落に伴い交易条件が改善したことにより、前年同期に比べ112億円増加し24億円となりました。
機 能 商 品 事 業
エチレンアミンは、世界的な景況感悪化に伴う需要減少の影響で出荷が減少し、海外市況の下落により販売価格が下落しました。臭素は、生産能力増強に合わせ主に海外での拡販を行い出荷が増加しましたが、海外市況下落を受けて販売価格は下落しました。
計測関連商品は、米国及び中国向けで液体クロマトグラフィー用充填剤の出荷が減少しました。診断関連商品は、国内外で自動ヘモグロビン分析装置及び関連試薬の出荷が増加しましたが、国内向けで遺伝子検査試薬の出荷が減少しました。
ハイシリカゼオライトは、需要回復により自動車用途を中心に出荷が増加し、円安進行により販売価格は上昇しました。ジルコニアは、装飾用途・歯科用途で出荷が減少しましたが、円安進行及び価格是正により販売価格は上昇しました。石英ガラスは、半導体需要の減速により出荷が減少しましたが、円安進行及び価格是正により販売価格は上昇しました。電解二酸化マンガンは、欧州・アジア地域での出荷が増加し、円安進行及び価格是正により販売価格は上昇しました。
この結果、売上高は、前年同期に比べ64億円(3.2%)減少し1,944億円となり、営業利益は、為替の影響や石炭等の原燃料価格下落に伴い交易条件が改善したものの、在庫受払差の悪化や石英ガラス、ジルコニア等の出荷減少により、前年同期に比べ128億円(29.3%)減少し308億円となりました。
エ ン ジ ニ ア リ ン グ 事 業
水処理エンジニアリング事業は、電子産業分野において受注した国内外の大型案件の工事が概ね順調に推移し、メンテナンスや設備保有型サービスなどのソリューションサービスも好調であったことから、売上高が増加しました。
建設子会社の売上高は増加しました。
この結果、売上高は前年同期に比べ141億円(14.5%)増加し1,107億円となり、営業利益は、前年同期に比べ38億円(32.4%)増加し155億円となりました。
そ の 他 事 業
運送・倉庫、検査・分析、情報処理等その他事業会社の売上高は増加しました。
この結果、売上高は前年同期に比べ29億円(9.1%)増加し350億円となり、営業利益は前年同期に比べ1億円(4.3%)増加し20億円となりました。
当第3四半期連結累計期間の研究開発費の総額は約163億円であります。
なお、当第3四半期連結累計期間において、当社グループの研究開発活動の状況に重要な変更はありません。
新設、休止、大規模改修、除却、売却等について、当第3四半期連結累計期間に著しい変動があった設備は、次のとおりであります。
重要な設備の新設等