売上高

利益

資産

キャッシュフロー

配当(単独)

ROE

EPS BPS




E35821 Japan GAAP


2 【経営者による財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローの状況の分析】

中の将来に関する事項は、当四半期連結会計期間の末日現在において判断したものであります。

 

(1)経営成績に関する説明

当第3四半期連結累計期間における我が国の経済は、世界的な金融引締めに伴う影響や中国経済の先行き懸念など、海外景気の下振れが我が国の景気を下押しするリスクとなっております。また、物価上昇、中東地域をめぐる情勢、金融資本市場の変動等の影響にも十分注意する必要があり、依然として先行き不透明な状況が続いております。一方で30年来続いてきたコストカット型経済から持続的な賃上げや活発な投資がけん引する成長型経済への変革に向けて、新たな資本主義への変化と取り組みの加速が期待されます。
 当社グループがSaaS型クラウドサービスを提供する不動産業務支援の市場においては、不動産業界における慢性的な労働人口不足や、新規開業事業者のIT設備投資需要の増加、2022年5月の改正宅地建物取引業法により解禁となった「不動産取引の全面電子化」、2023年10月施行のインボイス制度、2024年1月施行の電子帳簿保存法によって業界全体にDX促進の機運が高まっており、当社グループにとっては引き続き追い風の状況が続いております。

 

このような事業環境の下、当社グループは不動産領域に対して一気通貫のサービスラインナップと自社プラットフォームを通じたパートナー企業との連携により、業務範囲を幅広く網羅した不動産DXを推進してまいりました。また、当期が最終年度となる3カ年計画(中期経営計画)の達成に向けて過去2期で投資した商品・拠点・営業人員体制を活かし事業を推進してまいりました。

※3カ年計画とは、当社グループの2022年6月期 ~ 2024年6月期の3カ年の業績、成長計画について記載したものであり、詳細は当社IRサイトにて公開している「2024年6月期 第3四半期 決算説明資料」にてご確認いただけます。

 

3カ年計画の基本戦略としては、無償サービスである業者間物件流通サービス「不動産BB」や「リアプロ(仲介)」の導入提案によって日本全国の不動産事業者との接点を増やし、その後、さらなる付加価値提供として有償のサービスを販売するフリーミアム戦略(注)を取っております。有償のサービスとしては、仲介事業者向けに提供する仲介ソリューションと賃貸管理業者向けに提供する管理ソリューションの2つを提供しており、仲介ソリューションではホームページ制作や不動産ポータルサイト連動、見込客管理(CRM)、内見予約、IT重説、電子契約など集客から契約までの業務を支援する商品・サービスを提供しております。管理ソリューションでは煩雑で多岐にわたる賃貸管理業務をデータベースで一元管理し、業務効率化を図る商品・サービスを提供しております。

(注)フリーミアム戦略とは基本となるサービスや製品を無償で提供し、さらに高度な機能やサービスを利用する際には料金を課金する仕組みのビジネスモデルであります。

 

有償サービス販売の主となるカスタマーコンサルタントによる営業活動では、前期までに増員した営業リソースの活用と営業人員の生産性最大化に向けて、インサイドセールスやカスタマーサクセス等の後方支援チームにより案件獲得数の向上、成約率向上を図っております。また、2022年6月に経営統合した株式会社リアルネットプロの主力商品である業者間物件流通サービス「リアプロ(管理)」についても、市場での高い需要に合わせて専門チームを組成しており、サービス拡販に向けて当第3四半期より活動を開始しております。

 

新商品開発において、有償サービスとして展開する「リアプロ」と無償で提供する「不動産BB」との統合版を開発しております。リリース時期は今年の秋頃を予定しており、統合後には物件情報数・利用事業者数ともに日本最大規模の業者間物件流通サービスとなることが想定されます。両サービスは業者間物件流通サービスとして類似したサービスであり、これまではエリアごとにシェア拡大戦略を実施しておりましたが、統合後は1本化され、他サービスとの連携も強化されつつ、シェア拡大に向けてさらなる加速を図ってまいります。なお、統合サービスに移行する不動産BBの顧客については、統合のタイミングに合わせて有償化を図る予定としております。

その他の商品開発としては、賃貸革命の次期バージョン開発、既存製品の機能強化を中心に進めております。また、最新技術の活用として生成AIを用いた業務効率や、当社が保有する不動産データを活かした新規事業の研究開発も進めており、長期的な成長を見越した投資も継続しております。

 

中期ビジョンとして掲げるプラットフォーム創造については、家賃保証会社や保険会社とのデータ連携を中心に様々な企業との提携が進んでおります。当社プラットフォームの領域を拡大しつつ、パートナー企業と共により一層業界のDX化に貢献してまいります。

 

当社グループにおける報告セグメントは単一であるため、セグメント別の記載を省略しております。

 

各サービス別の概況は以下のとおりであります。

 

(仲介ソリューション)

仲介ソリューションにおいては、自社ホームページ集客を支援する「WebManagerPro」や、不動産ポータルサイト集客を支援する「物件データ連動」、不動産契約の電子化を支援する「電子契約サービス」等、仲介業務の課題解決となるサービスの提案を積極的に行ってまいりました。また、子会社である株式会社リアルネットプロが提供する業者間物件流通サービス「リアプロ」の拡販に向けて専門チームを組成、エリア別のシェア拡大戦略を推進し、「リアプロ」有償顧客からの月額利用料が順調に積み上がりました。

その結果、仲介ソリューションの売上高1,199,956千円となりました。

 

(管理ソリューション)

管理ソリューションにおいては、売上のメインとなる「賃貸革命」の新規顧客への販売、既存顧客へのバージョンアップ、オプションサービスを積極的に提案してまいりました。また、解約率については継続して低位で安定していることから、月額利用料も堅調に積み上がりました。

その結果、管理ソリューションの売上高は1,837,204千円となりました。

 

仲介ソリューション、管理ソリューションの合計売上高3,037,161千円の他に、その他売上高32,810千円があります。

 

 

(2)財政状態に関する説明

   ① 資産

第3四半期連結会計期間末における資産合計は、5,033,703千円となり、前連結会計年度末から76,177千円減少となりました。流動資産の残高は、1,649,296千円となり、前連結会計年度末から178,267千円減少となりました。固定資産の残高は、3,384,406千円となり、前連結会計年度末から102,090千円増加となりました。

主な要因は、流動資産の減少は現金及び預金が減少したこと、固定資産の増加は無形固定資産その他に含まれますソフトウエア仮勘定の増加によるものであります。

 

   ② 負債

当第3四半期連結会計期間末における負債合計は、1,735,886千円となり、前連結会計年度末から252,240千円減少となりました。流動負債の残高は、1,394,033千円となり、前連結会計年度末から239,719千円減少となりました。

主な要因は、前連結会計年度に計上された法人税等を支払ったことにより未払法人税等が減少したこと、流動負債その他に含まれます未払金及び未払費用が減少したことによるものであります。

 

   ③ 純資産

当第3四半期連結会計期間末における純資産の残高は、3,297,816千円となり、前連結会計年度末から176,063千円増加となりました。

主な要因は、親会社株主に帰属する四半期純利益の計上により利益剰余金が増加したことによるものであります。

 

(3)経営方針・経営戦略等及び経営上の目標の達成状況を判断するための客観的な指標等 

当第3四半期連結累計期間において、経営方針・経営戦略等及び経営上の目標の達成状況を判断するための客観的な指標等に重要な変更はありません。

 

(4)優先的に対処すべき事業上及び財務上の課題

当第3四半期連結累計期間において、当社グループが優先的に対処すべき事業上及び財務上の課題について重要な変更はありません。

 

(5)研究開発活動 

当第3四半期連結累計期間の研究開発費の総額は18,428千円であります。なお、当第3四半期連結累計期間において、当社グループの研究開発活動の状況に重要な変更はありません。